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2025年04月21日
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【雷が怖いボクっ娘】

2010年03月29日
 今日は日曜日。暇なのか、梓が俺の家に遊びに来てる。
「ねータカシ、折角こんな可愛い子が遊びに来てるんだからさ、ちょっとはもてなそうとか思わないの?」
「可愛い子って言った」
「……い、言うよ。ボク、可愛いもん」
「んー……まぁ、可愛いは可愛いわな。セクシーという言葉からはかけ離れた位置にいるけど」
「せ、セクシーだよ? ほら、うっふーん」
 うっふーんと言いながら、梓は肩口を露にした。したが……うっふん力が圧倒的に足りない。
「暇だなぁ。梓、どっか遊び行くか」
「なんかコメントしろよっ!」
 コメントできないから無視したのです。
「……あっ、ボクの魅力に参っちゃって、コメントできないくらい慌ててるんだね? へへー、セクシーすぎてごめんね」
 調子に乗ってるので、ほっぺを引っ張る。
「あぅ~、やへへほ~」
「わはは、変な顔」
 満足したので手を離すと、梓は不満そうにほっぺをさすった。
「うう~……タカシってさ、すぐボクのほっぺ引っ張るよね」
「柔らかくて気持ちいいから、引っ張られても仕方ない。もちもちほっぺを持った者の宿命だ、諦めろ」
「そう? タカシのほっぺとそんな変わらないと思うけど……」
 自分のほっぺを軽くひっぱり、梓はもちもち感を確かめた。
「……よく分かんないや。タカシのほっぺも触らせてよ」
「俺の頬には毒をたっぷり塗っているから、下手に触ると死ぬぞ」
「……それだと、塗ってる時に死なない?」
「大丈夫、この毒は体に大変いいからむしろ健康になる」
「……それ、もう毒じゃないよね」
「困ったね」
「……はぁ。冗談はともかく、ほっぺが硬い人なんていないんじゃないかな? ちょっと触らせて」
「引き続きお前のほっぺも触らせてくれるなら、許可しよう」
「ん、んー……まぁいいよ。むにー」
 むにーと言いながら俺の頬を引っ張る梓。負けじと俺も梓のほっぺを触る。
「うーん、やっぱ梓の方が柔らかい気がするけどなぁ」
「そう? タカシのほっぺも柔らかいけど……よく分かんないや」
「んー……よし、こうしよう」
 梓のほっぺにほお擦りし、どちらのほっぺが柔らかいか確認する。
「わわっ、ほお擦りされてる」
「…………」(すりすり、すりすり)
「どう? どっちが柔らかい?」
「……気持ちいい」(すりすりすり)
「き、気持ちいいじゃなくて! どっちが柔らかいか聞いてるんだよ!」
「うーん、なんだかえっちな気分」
「え、えっちな気分って! ぼ、ボクそんなつもりじゃ……」
「梓、キスしよっか」
「えええっ!? き、キスなんかより、遊ぼうよ? ほら、ゲームとか、ね?」
「梓……」
 ゲームを持つ手を優しく握り、そっと梓に体を寄せる。
「あ……」
 小さく息を吐き、梓はそっと目を閉じ……
 次の瞬間、轟音が部屋を包んだ。それとほぼ同時に稲光が走る。
「うおぉっ! びっくりした~。近いな」
 窓から空を見上げると、いつの間にか真っ暗な雲が立ち込めていた。見てる間にぱらぱらと雨が降ってきて、程なく窓を叩く雨音がうるさく感じるようになった。
「すげー雨だな……うぉっ、また光った」
 突然の雨と雷に、なんだかエッチな気分も飛んでしまった。
「はぁ……しょうがない、寝るか。梓、一緒に……梓?」
 梓に呼びかけるが、返事がない。……あ、そっか。
「あぅぅぅぅ~」
「まだ雷苦手なのか?」
 カタカタと震える梓の側に座り、そっと頭をなでる。まるでひよこを触ってるみたいにふわふわで気持ちいい。
「に、苦手じゃないよ~」
「……強がるなら、もうちょっと上手にな」
 にじんだ涙を手ですくってやる。
「こ、怖くなんかないよ? これはタカシを騙すためで、ホントはにゃああああ!」
 強がりを言ってる途中で稲光が走ったため、梓は会話の途中で猫っぽくなった。
「ホントはにゃあ? 実は猫だったのか」
「うにゅ~っ、うにゅ~っ」
 俺の話なんて聞かずに、梓はうにゅうにゅ言いながら俺の服の中に潜り込んだ。しばらくもぞもぞした後、服の中で俺に抱きついたまま首だけ出した。
「はぁ……落ち着いた」
「狭い。出ろ」
「まったく、ヤだね雷。怖くないけど、ゴロゴロうるさくってボク嫌いだよ」
「暑い。出ろ」
「はふー……」
 俺の話なんてまったく聞かずに、梓は安心したように息を吐いた。
 窓の外ではまだ雷が鳴ってるが、梓はもう平気なようで、気持ち良さそうに鼻歌を歌ってる。
「ふんふんふーん♪」
「下手」
「へっ、下手じゃないよっ!」
「じゃあ上手でいいから、出ろ。狭いし暑い」
「う……そ、その、雷が鳴り止むまでいちゃ……ダメかな?」
「ダメ」
「……どうしても?」
「うっ」
 目尻に涙を浮かべて、梓は俺をじっと見た。騙されるな、演技だ演技! 決まってる!
「……ど、どうしても、じゃない……カナ?」
 だがしかし、決まったところで俺に抗えるわけねーじゃん。
「……えへへ。優しいね、タカシ」
 ほらな、すげー嬉しそうに笑うし。ああもう、困る。
 困ったので、ぎゅーっと抱きしめる。
「うぐぐ……苦しいよぉ」
 なんて言いながら、梓は幸せそうに笑った。

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【ツンデレの豆知識】

2010年03月28日
 登校して一服してると、なんだか嬉しそうなボクっ娘が寄って来た。
「おはよう、タカシ! あのね、タカシのために豆知識を披露してあげるよ!」
「結構です」
「……お、お馬鹿なタカシが少しでも賢くなれるように、豆知識を」
「いいです。結構です。かなりの迷惑加減です」
「ここは“わーい、教えて梓ちゃーん”って台詞だろっ!」
「梓を一度たりともちゃん付けで呼んだことないし、そんな馬鹿っぽいキャラでもない」
「いいから言えよっ! ほらほら、ほら!」
「うるさいなぁ……ええと、わーい、ボクっ娘の性感帯を教えて梓ちゃーん」
「変な文が入ってるよ! そんなこと教えるわけないよっ!」
「耳?」
 言いながら梓の耳の穴に軽く小指を入れ、くりくり動かす。
「は、ふぁ……んくっ」
「梓の性感帯は、耳……と」
「違うよっ! こそばゆかっただけだよっ! メモんな、ばかぁっ!」
 違うと言い張りながらも顔の赤い梓にメモを奪われた。無念。
「それより、豆知識だよ! ええとね、枝豆は大豆なんだよ!」
 ……パクリじゃん。あずまんが大王のパクリじゃん。なんでそんな得意気やねん。
「……ま、豆知識だけに、豆ー、なんだけど、その……タカシ?」
 優しく笑ってから、梓のほおを引っ張る。
「あうーっ!?」
「パクリはダメだぞ、梓。豆知識が思いつかないなら、自分で適当にでっち上げるくらいの気概がなくてどうする」
 手を離すと、梓は恨めしそうに俺を見ながらほっぺをさすった。
「豆知識にパクリも何もないよ。第一、タカシじゃないんだから、その場しのぎのデタラメなんてぽんぽん浮かばないよ」
「デタラメなんて一度として言ったことない!」
「うわ、言い切ったよこの人。いっつも適当なことばっか言ってるくせに」
「……ふふ、ボクっ娘のクセにいい度胸だ。ほっぺ引っ張ってやれ」
「あぅ、あぅーっ!」
 そんな日常です。

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【エビフライが大好物なツンデレ】

2010年03月28日
「えびふりゃー!」
「…………」
「えびふりゃー!」
「…………」
「えびあうっ!」
 エビフライを掲げ、嬉しそうにりゃーりゃー言う梓の頭を軽く叩く。
「うるさい」
「うう……タカシにもエビフライの素晴らしさを伝えてあげてたのに、暴力を振るうなんて酷いよ」
「暴力って……お前なぁ」
「聞いた? 別府くん、梓ちゃんに激しい暴力を振るってるってさ」
「暴力……ああ、SMね。別府くんにとっては空気と同じくらい親しいんでしょうね。やっぱり変態ね」
 耳聡く梓の言葉を聞いたクラスメイトたちが、いつものように情報を曲解して俺を蔑む。
「こらっ、梓! SMなんて10年早いぞっ! そういうことは大きくなってからしなさい!」
「ボク、タカシと同い年なんだけど……」
 さりげなく梓を叱って落ちた地位を上げようとしたら、至極真っ当な事を言われたので困る。
「とにかく。エビフライを食べる時は静かに食べなさい」
「はーい。むぐむぐ」
 むぐむぐ言いながら俺の弁当箱からエビフライを取る梓。……食った!?
「あああああ! “俺のエビフライ食ってもいいよ”なんて言ってないのに食った!」
「タカシ、ご飯を食べる時は静かに食べようね?」
「すいません」
 優しくたしなめられたので、謝る。
「いやいやいや、そうじゃなくて! なんで俺のエビフライ食うんだよ、えびふりゃー!」
「ふふん、世界中のえびふりゃーはボクのだよ! 特にタカシのえびふりゃーは全部ボクの!」
「なんたる傲慢、なんたる独善! 許せない、許せるはずがない! 俺もえびふりゃー好きなんだ、返せ!」
「ぱくぱくぱく!」
「返せと言ってるそばから残ったえびふりゃーが全て梓の口に!?」
「もぐもぐ……げふー。あはっ、満足だよ。明日もお弁当にえびふりゃー入れてくるように。これ、めーれーだから」
「……ふふ、梓は“食い物の恨み骨髄に徹する”という格言を知らないようだな……」
 近くの級友が「なんか混じってる」とか言ってるけど無視。
「た、タカシ、どしたの? なんか目が血走ってるけど……」
 どしたの、なんて言いながら椅子から腰を浮かせ、逃げる素振りを見せる梓。
「逃がすか、えびふりゃー光線!」
「タカシが子供でも恥ずかしくて言えないようなことを平然と言いながら追いかけてくるよぉ!」
 俺を馬鹿にしながら梓は廊下へ飛び出した。慌てて追いかける。

「はぁ……まったく、あの馬鹿。後でボクっ娘の刑だ」
 梓に撒かれてしまい、気落ちしながら教室に戻る。
「…………」
 すると、俺の席に小さな人影を見つけた。あれ、先輩か? 一体何を……って、
「先輩! なに俺の弁当食ってんだよ!」
「……?」
「いや、不思議そうな顔しないで。それ俺の弁当」
 先輩はコクコクうなずくと、残りを一気に全部食った。
「……先輩、何か俺に恨みでも?」
「…………」
「……自分の分食べただけじゃ足りなくて、俺のを食った、ですか。……ええと、その、畜生」
 梓に逃げられた恨みと合わせ、先輩のもちもちほっぺを引っ張る。おお、伸びる伸びる。
「…………」
 あぅー、という感じの顔で俺を見る先輩。
「いや、あぅーは俺の方。……はぁ、腹減った」
 ほっぺを離すと、先輩は訳知り顔で俺のお腹をぽんと叩いた。
「…………」
「……おいしかった、ですか。あはははは。先輩、人の神経逆なでるの上手だね」
 そう言うと、先輩は偉そうに胸を張った。いや、褒めてない。
 悔しいので先輩のぺた胸をまさぐると、目聡くその様子を見ていたクラスメイトに囲まれ、こんな時だけ発揮されるチームワークでぐるぐる巻きにされ、ロッカーに押し込まれた。その時間なんと30秒。
「……俺が何をしたというのだ」
「うわっ、ロッカーが喋った! 七不思議なのカナ?」
 戻ってきた梓が俺の独り言を聞いて驚いていた。

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【休みとなるといつも寝ているツンデレ】

2010年03月26日
 本日はお休みDayです。暇なので朝っぱらからボクっ娘の家に遊びに来ました。勝手知ったる他人の家、おばさんに挨拶してから梓の部屋に侵入、おはようボクっ娘!
「くぴーくぴー」
 人がさわやかに挨拶してると言うのに、梓と来たらくぴくぴ言いながら鼻提灯を膨らませている始末。ええい、こうなっては懐かしの早朝バズーカしか……!
 しかし、冷静に考えてみると殺傷能力のないバズーカは持ってないし、無論普通のバズーカも持ってない。それに早朝ドッキリを仕掛けに来たわけではなく、暇を潰しに来たわけで。
 ……むぅ、なんか色々考えてたら眠くなってきた。幸いにして目の前にはふわふわの布団がある。なんか隣でくぴくぴ言ってる生物がいるけど、別にいいや。
 布団をめくり、梓の隣に寝る。うむ、くぴくぴ生物の体温のおかげでなかなかの暖かさ。とはいえ、朝早いせいかまだ寒い。
 どうしようかと思っていたら、突如俺の灰色の脳が火花をあげて高速回転し始め、「くぴくぴ生物に抱きつけ」と命じた。
 なるほどそれは名案だと我ながら思ったので、目の前で平和そうに鼻提灯を膨らませる人に抱きつく。
 おおっ、これは素晴らしい。暖かいだけでなく、ふわふわ機能までついているとは! 素敵ステキ!
「……ん、んー?」
 柔らかさに感動して抱きつきながらすりすりしてると、目の前の知り合いがゆっくり目を開いた。そして、その目を大きく見開いた。
「な、なな、ななななな、なにやってんだよぉ!?」
「おはよう」
「挨拶なんてどうでもいいよっ! なんでボクの部屋で、ボクの布団の中で、ボクと一緒に寝てるんだよぉ!?」
「なんでと言われても……それを説明するには宇宙の始まりから説明しなければならないんだ」
「しろよっ、してみろよっ!」
 む、そうきたか。
「うむ。宇宙のはじまり──すなわち、ビッグバンが起こった際に、ステキなサムシングが生まれたのだ。それが今日まで生き残り、そのステキがついさっき俺に囁いたのだ、『くぴくぴ生物に抱きつけ』と」
「タカシ適当にも程があるよっ! 第一、くぴくぴ生物ってなにさ!」
「梓、暇だから桃鉄でもしよっか」
「人の話聞けよっ!」
 確かに人の話は聞いた方がいい。なので、耳を澄まして梓の声を待つ。しかし、おかしなことに聞こえてくるのは早鐘のような鼓動ばかり。
「どこに耳つけてんだよっ!?」
「背中」
「おっぱいだよ、ばかぁっ!」
 ほっぺをつねられ痛い痛い。
「だって、ほら、ぺったぺただし、間違えたフリしたら梓なら『あははー、ボクぺったんこだからね』とか言って誤魔化されるかなーって」
「誤魔化されないし、似てないよっ!」
「さっきから疑問だったんですが、何を怒っているんですか?」
「布団の中に変質者がいたら誰だって怒るに決まってるだろ、ばかぁ!」
「実際にいたのは美男子でよかったな」
「変質者だよ、もうちょっと寝てたら性犯罪者にれべるあっぷしてたよ!」
「失敬な、まだ前科ないぞ」
「まだとか言ってるから信用ないんだよっ!」
「ところで梓たん」
「なんだよっ! ていうか“たん”とか言うな!」
「おまえが起きてからずーーっと抱きついたままなんですが、それは指摘しないのですかね?」
「あっ……き、気づいてたんならとっとと出ろ、ばかーーっ!!」
 思い切り押し出されてしまった。途端、身を切るような冷気が身体を襲う。
「うおっ、寒い寒い寒い! 布団の中にいたから余計寒い! 梓、布団に入れろ!」
「ヤだよ来るなよボクの布団だぞ! あっ、こら、入るなって言ってるのに! どこ触ってるんだよぉ!?」
「背中」
「おっぱいだよ、ばかぁっ!」
 なんかよく分からんけどすっごい怒られたが、部屋が暖まるまで一緒に布団の中にいました。
「くぴくぴ生物は暖かいなぁ」
「だから、くぴくぴ生物ってなんだよぉ!? そっ、それに、……すりすりすんなよぉ」
 照れながら俺を見上げるくぴくぴ生物は、まぁ、その、……ちょっと可愛かった、ような。

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【お嬢口調に憧れるボクっ娘】

2010年03月25日
「お、おはようございますですわよ、タカシ」
「…………」
 いつものように学校へ行く途中でボクっ娘に会うと、奇妙奇天烈摩訶不思議な言語を駆使して俺に挨拶らしきものをしてきた。
「な、なんとか言えよぉ……ですわよ」
「おはやう、変な人。なんか憑かれた?」
「憑かれてなんかないよっ! ……あのね、実はね」
「あー今日も寒いなー寒いと冬眠しそう」
「人がいっしょーけんめー話そうとしてるのに聞く素振りも見せない!?」
「冬眠する素振りなら見せてるぞ? なんなら一緒に冬眠するか?」
「しないっ! いいからボクの話聞けっ!」
 なんか怒られたので聞くことにする。
「ボクねー、リナちゃんの口調に憧れてんだ。ほら、リナちゃんかっくいーよね」
「お前が比較対象だと、誰でもかっこよく見える」
「うう……タカシは酷いことを平然と言うから嫌いだよ」
「やや、ボクっ娘が一見傷ついた風だ」
「傷ついてるよっ! これでも傷つきやすい乙女なんだよっ!」
「まるで俺の持ってるガンプラみたいだな。よく一人で戦わせて遊ぶから傷まみれ」
「タカシの寂しい趣味なんか知んないよっ!」
「さ、寂しいとは失敬な! 罰としてお前も俺のガンプラ遊びに付き合え。俺がシャア専用ガンキャノンするから、お前ザク使え」
「そんなシャア専用ないよっ!」
「赤いのは全てシャア専用じゃないのか?」
「違うよっ! ……じゃなくて、ボク、リナちゃんみたいなかっくいー女性になりたいから、まず口調からマネることにしたんだ。……ですわよ?」
「しかしなぁ……口調を真似たところで、胸は大きくならないぞ?」
「リナちゃんの胸に憧れてるんじゃなくて、性格に憧れるんだよっ! 一回も胸のことなんて言ってない!」
「しかし、リナの乳のでかさを知ってるだろ? あれを知ってて憧れないなんて、もはや罪だぞ」
「タカシ無茶苦茶言ってるよぉ!?」
「その名もきょぬー憧れない罪。罰として永遠に貧乳。や、これは素敵」
「ちっとも素敵じゃないよっ! ずーっとちっちゃいおっぱいなんてヤだよっ!」
「ちっちゃいおっぱいには夢が詰まってるという話なのにか?」
「問題外だよっ!」
「それはとても残念ですが、それよりいいのか? 口調がいつもの頭の悪いボクっ娘口調に戻ってるが」
「え……あ! タカシがいたら、リナちゃんっぽくなれないですことよ。困るですわよ。……あと、ボクのいつもの口調は別に頭悪くないもん」
「これは失礼した。頭が悪いのは梓なだけで、口調に罪はないよな」
「謝ってるフリしてまたボクを馬鹿にした!?」
「や、バレた」
「バレた、じゃないよぉ! もー許さない、今日という今日は泣かすもんねっ!」
「…………」
「な、なんだよ、ニヤニヤして。……とうとう狂った?」
「真顔で聞くな。じゃなくて、やっぱお前はいつもの口調の方がいいな」
 困惑してる様子の梓の頭を軽くなでる。
「う……う?」
「かっくいーのもいいが、普段のぽやぽやしてるお前の口調の方が、俺は好きだな」
「え……ええっ!?」
 突然大声を出されて、耳キーン。
「すすっ、好きって! 好きって言った!」
「ん……あ、いや、そうじゃなくて、好意を抱くというか、その、なんだ。……そう! 友達として好き、と!」
「……ともだちー?」
「なぜに不満顔か」
「ふっ、不満なんかじゃないよっ! え、えーっと、……と、とにかく、タカシがそうまで言うなら、ボクは普段の口調に戻すよ」
「だよもん星人にか」
「……タカシのいじわる星人」
 そんな異星人二人で登校しました。

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