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2024年11月22日
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【お嬢口調に憧れるボクっ娘】

2010年03月25日
「お、おはようございますですわよ、タカシ」
「…………」
 いつものように学校へ行く途中でボクっ娘に会うと、奇妙奇天烈摩訶不思議な言語を駆使して俺に挨拶らしきものをしてきた。
「な、なんとか言えよぉ……ですわよ」
「おはやう、変な人。なんか憑かれた?」
「憑かれてなんかないよっ! ……あのね、実はね」
「あー今日も寒いなー寒いと冬眠しそう」
「人がいっしょーけんめー話そうとしてるのに聞く素振りも見せない!?」
「冬眠する素振りなら見せてるぞ? なんなら一緒に冬眠するか?」
「しないっ! いいからボクの話聞けっ!」
 なんか怒られたので聞くことにする。
「ボクねー、リナちゃんの口調に憧れてんだ。ほら、リナちゃんかっくいーよね」
「お前が比較対象だと、誰でもかっこよく見える」
「うう……タカシは酷いことを平然と言うから嫌いだよ」
「やや、ボクっ娘が一見傷ついた風だ」
「傷ついてるよっ! これでも傷つきやすい乙女なんだよっ!」
「まるで俺の持ってるガンプラみたいだな。よく一人で戦わせて遊ぶから傷まみれ」
「タカシの寂しい趣味なんか知んないよっ!」
「さ、寂しいとは失敬な! 罰としてお前も俺のガンプラ遊びに付き合え。俺がシャア専用ガンキャノンするから、お前ザク使え」
「そんなシャア専用ないよっ!」
「赤いのは全てシャア専用じゃないのか?」
「違うよっ! ……じゃなくて、ボク、リナちゃんみたいなかっくいー女性になりたいから、まず口調からマネることにしたんだ。……ですわよ?」
「しかしなぁ……口調を真似たところで、胸は大きくならないぞ?」
「リナちゃんの胸に憧れてるんじゃなくて、性格に憧れるんだよっ! 一回も胸のことなんて言ってない!」
「しかし、リナの乳のでかさを知ってるだろ? あれを知ってて憧れないなんて、もはや罪だぞ」
「タカシ無茶苦茶言ってるよぉ!?」
「その名もきょぬー憧れない罪。罰として永遠に貧乳。や、これは素敵」
「ちっとも素敵じゃないよっ! ずーっとちっちゃいおっぱいなんてヤだよっ!」
「ちっちゃいおっぱいには夢が詰まってるという話なのにか?」
「問題外だよっ!」
「それはとても残念ですが、それよりいいのか? 口調がいつもの頭の悪いボクっ娘口調に戻ってるが」
「え……あ! タカシがいたら、リナちゃんっぽくなれないですことよ。困るですわよ。……あと、ボクのいつもの口調は別に頭悪くないもん」
「これは失礼した。頭が悪いのは梓なだけで、口調に罪はないよな」
「謝ってるフリしてまたボクを馬鹿にした!?」
「や、バレた」
「バレた、じゃないよぉ! もー許さない、今日という今日は泣かすもんねっ!」
「…………」
「な、なんだよ、ニヤニヤして。……とうとう狂った?」
「真顔で聞くな。じゃなくて、やっぱお前はいつもの口調の方がいいな」
 困惑してる様子の梓の頭を軽くなでる。
「う……う?」
「かっくいーのもいいが、普段のぽやぽやしてるお前の口調の方が、俺は好きだな」
「え……ええっ!?」
 突然大声を出されて、耳キーン。
「すすっ、好きって! 好きって言った!」
「ん……あ、いや、そうじゃなくて、好意を抱くというか、その、なんだ。……そう! 友達として好き、と!」
「……ともだちー?」
「なぜに不満顔か」
「ふっ、不満なんかじゃないよっ! え、えーっと、……と、とにかく、タカシがそうまで言うなら、ボクは普段の口調に戻すよ」
「だよもん星人にか」
「……タカシのいじわる星人」
 そんな異星人二人で登校しました。

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