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2024年11月23日
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【休みとなるといつも寝ているツンデレ】

2010年03月26日
 本日はお休みDayです。暇なので朝っぱらからボクっ娘の家に遊びに来ました。勝手知ったる他人の家、おばさんに挨拶してから梓の部屋に侵入、おはようボクっ娘!
「くぴーくぴー」
 人がさわやかに挨拶してると言うのに、梓と来たらくぴくぴ言いながら鼻提灯を膨らませている始末。ええい、こうなっては懐かしの早朝バズーカしか……!
 しかし、冷静に考えてみると殺傷能力のないバズーカは持ってないし、無論普通のバズーカも持ってない。それに早朝ドッキリを仕掛けに来たわけではなく、暇を潰しに来たわけで。
 ……むぅ、なんか色々考えてたら眠くなってきた。幸いにして目の前にはふわふわの布団がある。なんか隣でくぴくぴ言ってる生物がいるけど、別にいいや。
 布団をめくり、梓の隣に寝る。うむ、くぴくぴ生物の体温のおかげでなかなかの暖かさ。とはいえ、朝早いせいかまだ寒い。
 どうしようかと思っていたら、突如俺の灰色の脳が火花をあげて高速回転し始め、「くぴくぴ生物に抱きつけ」と命じた。
 なるほどそれは名案だと我ながら思ったので、目の前で平和そうに鼻提灯を膨らませる人に抱きつく。
 おおっ、これは素晴らしい。暖かいだけでなく、ふわふわ機能までついているとは! 素敵ステキ!
「……ん、んー?」
 柔らかさに感動して抱きつきながらすりすりしてると、目の前の知り合いがゆっくり目を開いた。そして、その目を大きく見開いた。
「な、なな、ななななな、なにやってんだよぉ!?」
「おはよう」
「挨拶なんてどうでもいいよっ! なんでボクの部屋で、ボクの布団の中で、ボクと一緒に寝てるんだよぉ!?」
「なんでと言われても……それを説明するには宇宙の始まりから説明しなければならないんだ」
「しろよっ、してみろよっ!」
 む、そうきたか。
「うむ。宇宙のはじまり──すなわち、ビッグバンが起こった際に、ステキなサムシングが生まれたのだ。それが今日まで生き残り、そのステキがついさっき俺に囁いたのだ、『くぴくぴ生物に抱きつけ』と」
「タカシ適当にも程があるよっ! 第一、くぴくぴ生物ってなにさ!」
「梓、暇だから桃鉄でもしよっか」
「人の話聞けよっ!」
 確かに人の話は聞いた方がいい。なので、耳を澄まして梓の声を待つ。しかし、おかしなことに聞こえてくるのは早鐘のような鼓動ばかり。
「どこに耳つけてんだよっ!?」
「背中」
「おっぱいだよ、ばかぁっ!」
 ほっぺをつねられ痛い痛い。
「だって、ほら、ぺったぺただし、間違えたフリしたら梓なら『あははー、ボクぺったんこだからね』とか言って誤魔化されるかなーって」
「誤魔化されないし、似てないよっ!」
「さっきから疑問だったんですが、何を怒っているんですか?」
「布団の中に変質者がいたら誰だって怒るに決まってるだろ、ばかぁ!」
「実際にいたのは美男子でよかったな」
「変質者だよ、もうちょっと寝てたら性犯罪者にれべるあっぷしてたよ!」
「失敬な、まだ前科ないぞ」
「まだとか言ってるから信用ないんだよっ!」
「ところで梓たん」
「なんだよっ! ていうか“たん”とか言うな!」
「おまえが起きてからずーーっと抱きついたままなんですが、それは指摘しないのですかね?」
「あっ……き、気づいてたんならとっとと出ろ、ばかーーっ!!」
 思い切り押し出されてしまった。途端、身を切るような冷気が身体を襲う。
「うおっ、寒い寒い寒い! 布団の中にいたから余計寒い! 梓、布団に入れろ!」
「ヤだよ来るなよボクの布団だぞ! あっ、こら、入るなって言ってるのに! どこ触ってるんだよぉ!?」
「背中」
「おっぱいだよ、ばかぁっ!」
 なんかよく分からんけどすっごい怒られたが、部屋が暖まるまで一緒に布団の中にいました。
「くぴくぴ生物は暖かいなぁ」
「だから、くぴくぴ生物ってなんだよぉ!? そっ、それに、……すりすりすんなよぉ」
 照れながら俺を見上げるくぴくぴ生物は、まぁ、その、……ちょっと可愛かった、ような。

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