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2025年04月19日
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【ツンデレが水着を買いに行くのに付き合わされたら】
2010年03月30日
みことが水着を買うから来いと、俺を誘った。面倒ではあるがどんなのを買うか興味もあるので、着いて行くことにした。
「それでタカシ。私にはどのような水着が似合うだろうか?」
デパートの水着売り場でみことと水着を眺めてると、そんなことを訊ねられた。
「スク水」
「死ねばいいのに」
即答すると、すごい辛辣な言葉を吐かれた。負けない。
「正確に言うと、スクール水着。できれば旧スク。用意できないのであれば俺が用意するので、水抜き穴に秘密棒を挿入する権利を」
めげずに言ったら目を突かれた。あまりの痛みに通路を転げまわる。
「はぁ……愚か者め」
「痛い痛い痛い! 目が、目がァ!」
「さて、今年の流行はなんだろうな……」
「いかん! 痛みが限界を超したためか、みことが流行を気にするという幻聴まで聞こえだした!」
「…………」
何が気に障ったのか知らないが、無言で顔を踏まれた。
「すいません、これ捨ててください」
俺を踏みにじった後、みことは俺の首元を掴み、店員さんに差し出た。このままでは物理的に捨てられる。
「あらあら、大変な彼女を持ったものね、カレシ?」
「だっ、誰が彼女だ、誰が!」
店員さんがからかうと、みことは顔を真っ赤にして俺の首を絞めた。なんで俺が攻撃されるんだろう。
「みこちんみこちん、死ぬよ? ほーら、泡ぶくぶくぶく」
「変な愛称で呼ぶなッ!」
「あらあら、カニみたい」
店員さんの取り成しもあり、どうにか生還。
「うえー……三回ほど死にかけた」
「そのまま黄泉へ行けばよかったものを……」
「彼氏にそんなこと言うものじゃないわよ?」
「だから違うと言ってるだろう!」
店員さんが勘違いすると、俺が攻撃されるという図式が知らない間に成立している。辛い。
「うう……店員さん、残念ですが俺とみこと──この偉そうなのは、ただの友達なのです。なので、そういうこと言わない方向でお願いしたい」
みことが「誰が偉そうだ、誰が」とでも言いたげに俺を見た。
「つまり、この夏に友達から恋人にランクアップするのね!? なんかお姉さん、興奮してきちゃったなー♪」
「そっ、そんな訳ないだろう! 誰がこんな奴と!」
言いながら俺の頬をぐいぐい引っ張るみこと。痛いし千切れそうだし、泣きそう。
「そーだ! 私が水着見立ててあげる! これでもプロだから選ぶの上手よ?」
「え、いやしかし、私は……」
引っ張ってた手を放し、みことは困惑したように俺を見た。
「いつつ……選んでもらえ、みこと。何も知らない俺が選ぶより、プロに選んでもらった方が可愛いの見つかるんじゃないか?」
「(……誰に一番見て欲しいと思ってるんだ、この馬鹿)」
みことが小さく何か呟いたけど、よく聞こえなかった。
「あらあら、あらあらあら。……そういうことなのね」
俺は聞こえなかったけど、店員さんは聞こえたようで、大変いやらしい笑みを浮かべた。
「なっ、何がだ!? 何のことだ!? わっ、私は知らん!」
その笑みを見て、みことは見てて可哀想になるくらい狼狽した。
「……ふふっ。頑張りなさい、かーれし♪」
店員さんに軽く背を押され、みことの前に立つ。
「あー……よく分からんが、俺が水着見るってことでいいのか?」
「……ふ、ふんっ! お前がどうしてもと言うなら、見させてやらんでもない!」
勢いよくそっぽを向くみことだが、どうして顔が赤いのだろう。
「なんでこの流れでスクール水着を選ぶッ!」
「あるから選ばざるを得ないじゃん! それで水抜き穴なんですが」
「黙れ黙れ黙れ、この愚か者がッ!」
「あらあらあら」
店員さんが優雅に微笑む中、マウントポジションで殴られました。
「それでタカシ。私にはどのような水着が似合うだろうか?」
デパートの水着売り場でみことと水着を眺めてると、そんなことを訊ねられた。
「スク水」
「死ねばいいのに」
即答すると、すごい辛辣な言葉を吐かれた。負けない。
「正確に言うと、スクール水着。できれば旧スク。用意できないのであれば俺が用意するので、水抜き穴に秘密棒を挿入する権利を」
めげずに言ったら目を突かれた。あまりの痛みに通路を転げまわる。
「はぁ……愚か者め」
「痛い痛い痛い! 目が、目がァ!」
「さて、今年の流行はなんだろうな……」
「いかん! 痛みが限界を超したためか、みことが流行を気にするという幻聴まで聞こえだした!」
「…………」
何が気に障ったのか知らないが、無言で顔を踏まれた。
「すいません、これ捨ててください」
俺を踏みにじった後、みことは俺の首元を掴み、店員さんに差し出た。このままでは物理的に捨てられる。
「あらあら、大変な彼女を持ったものね、カレシ?」
「だっ、誰が彼女だ、誰が!」
店員さんがからかうと、みことは顔を真っ赤にして俺の首を絞めた。なんで俺が攻撃されるんだろう。
「みこちんみこちん、死ぬよ? ほーら、泡ぶくぶくぶく」
「変な愛称で呼ぶなッ!」
「あらあら、カニみたい」
店員さんの取り成しもあり、どうにか生還。
「うえー……三回ほど死にかけた」
「そのまま黄泉へ行けばよかったものを……」
「彼氏にそんなこと言うものじゃないわよ?」
「だから違うと言ってるだろう!」
店員さんが勘違いすると、俺が攻撃されるという図式が知らない間に成立している。辛い。
「うう……店員さん、残念ですが俺とみこと──この偉そうなのは、ただの友達なのです。なので、そういうこと言わない方向でお願いしたい」
みことが「誰が偉そうだ、誰が」とでも言いたげに俺を見た。
「つまり、この夏に友達から恋人にランクアップするのね!? なんかお姉さん、興奮してきちゃったなー♪」
「そっ、そんな訳ないだろう! 誰がこんな奴と!」
言いながら俺の頬をぐいぐい引っ張るみこと。痛いし千切れそうだし、泣きそう。
「そーだ! 私が水着見立ててあげる! これでもプロだから選ぶの上手よ?」
「え、いやしかし、私は……」
引っ張ってた手を放し、みことは困惑したように俺を見た。
「いつつ……選んでもらえ、みこと。何も知らない俺が選ぶより、プロに選んでもらった方が可愛いの見つかるんじゃないか?」
「(……誰に一番見て欲しいと思ってるんだ、この馬鹿)」
みことが小さく何か呟いたけど、よく聞こえなかった。
「あらあら、あらあらあら。……そういうことなのね」
俺は聞こえなかったけど、店員さんは聞こえたようで、大変いやらしい笑みを浮かべた。
「なっ、何がだ!? 何のことだ!? わっ、私は知らん!」
その笑みを見て、みことは見てて可哀想になるくらい狼狽した。
「……ふふっ。頑張りなさい、かーれし♪」
店員さんに軽く背を押され、みことの前に立つ。
「あー……よく分からんが、俺が水着見るってことでいいのか?」
「……ふ、ふんっ! お前がどうしてもと言うなら、見させてやらんでもない!」
勢いよくそっぽを向くみことだが、どうして顔が赤いのだろう。
「なんでこの流れでスクール水着を選ぶッ!」
「あるから選ばざるを得ないじゃん! それで水抜き穴なんですが」
「黙れ黙れ黙れ、この愚か者がッ!」
「あらあらあら」
店員さんが優雅に微笑む中、マウントポジションで殴られました。
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【ツンデレと二人で校内放送】
2010年03月28日
みことと一緒に校内放送することになった。ということで、放送室に連行された。
「……なんで?」
「貴様が先日休んでいる間に、私ともども放送委員に任命されたのだ。……まったく、なんで私が貴様なんぞと一緒にしなければならないのか……」
ぶちぶち呟きながら放送用のスイッチを入れるみこと。
『みなさんこんにちは。放送委員がお送りするお昼のニュースです』
『みことみことー、んで何やんの? みことの性癖とか暴露したりしていい?』
『もうスイッチ入っておる! 変なこと言うな、たわけっ!』
俺を張り倒してから、みことはマイクの前に座りなおした。
『んっ、んんっ、……失礼しました。混線したようです』
『いつつ……いやいや、混線してないぞ。それで話の続きなんだが、みことの性癖を知るためここで裸の付き合いをぐぇぇぇぇ』
首をぎううと締められる。いかん、死ぬ。
『こ、ここで死ぬと片付けるの大変かと! どこか別の場所で!』
『……それもそうだな。いいか、もう余計なこと言うな』
俺を放し、みことは養豚場の豚を見るような視線で俺を射抜いた。
『分かった、努力する』
『ん、んんっ。……失礼しました、また混線したようです。それでは最初のニュース、椎水さんが水泳の県大会に出場しました。素晴らしいことですね』
『あいつ胸ないから水の抵抗少なくて速いんだろうな』
『後で殺されるぞ』
『……今のカットで』
『生放送だ。残念だったな、別府タカシ』
『名前を言うなよっ! 言わなかったらかなみの奴バカだから分からなかっただろうに!』
『……今のも全部放送されてることに気づいているのか?』
『…………。か、かなみってステキだよね。そんなステキな方が暴力なんて振るわないよね?』
『無駄な努力を行う別府タカシであった』
『自分でも薄々気づいてるけど言うなっ!』
『ふふっ。続きまして、不思議なニュースです。女生徒らしき人影が空を飛んでいる所が目撃されました。何か情報がある方は、生徒会まで』
『あー、それたぶんちなみだ。こないだ“……新作の着ぐるみできた。……今度のは、ジェットで空を飛ぶ”とか言ってたから』
『……学園の不思議が解決しました。次のニュースです。毎日遅刻する人物がいるため、生徒会は近々その人物に罰則を設ける模様です』
『……お、俺じゃないよね? みことも遅刻してるもんね?』
『毎日近所の生徒に起こされているにも関わらず、いつもいつも始業時間ギリギリまで寝て、あげくその生徒を巻き込んで遅刻をするのです。罰を与えられて当然ですね』
『ええっ!? 当然じゃない! 第一、みことも悪いぞ! もっとしっかり起こせば、俺もすぐ起きるのに!』
『何を言うか! 私はしっかり起こしておる!』
『どこがだよ! ゆさゆさ優しく揺すってさ、ゆりかごみたいで逆に眠くなるだろ! ……あ、そうだ、次からキスして起こして』
『きっ、ききき、キスだと!? そんなことできるわけないだろうが、たわけっ!』
『でも、みことにキスされたらびっくりして一瞬で起きれること請け合い』
『む……し、しかし、そう簡単に接吻など、その……』
『ほっぺ、ほっぺでいいからさ。な?』
『……ど、どうしても、か?』
『どうしても!』
『……そ、それなら、その、……してやらんでもない。いっ、言っておくがな、貴様を起こすためだ! 他意はないぞ、他意は!』
『やたっ、これで毎日みことにキスしてもらえる! こんにちは、バラ色の人生!』
『ええい笑うな騒ぐな踊るな! ここは放送室だぞ! ……あ』
『ん? どしたみこと、真っ青だぞ?』
『……スイッチ、入ってるの忘れてた』
『え、それって……』
『……さっきの会話、全部校内に筒抜け……』
『……えええええっ!?』
『そっ、それではお昼の放送終わりますっ! 放送委員でしたっ!』
みことは慌しくマイクのスイッチを切った。聞こえないはずなのに、生徒達の黄色い声がここまで届いてくるようだ。
「うう……ううう……全部お前のせいだぞ」
みことは恨めしそうに俺を睨んだ。ただ、真っ赤なので全然怖くない。
「あは、あはは……はぁ。教室戻りたくねー……」
それでも、戻らないわけにはいかない。意を決して二人して教室に戻ると、まぁ生暖かい視線の雨あられ。
「ふふ、ふふふ……全部貴様のせいだっ!」
「い、いや、俺だけのせいじゃないと思いますよ!?」
必死の抵抗空しく、照れ隠しにしては過剰と思えるほどべこんぼこんにされました。
「……なんで?」
「貴様が先日休んでいる間に、私ともども放送委員に任命されたのだ。……まったく、なんで私が貴様なんぞと一緒にしなければならないのか……」
ぶちぶち呟きながら放送用のスイッチを入れるみこと。
『みなさんこんにちは。放送委員がお送りするお昼のニュースです』
『みことみことー、んで何やんの? みことの性癖とか暴露したりしていい?』
『もうスイッチ入っておる! 変なこと言うな、たわけっ!』
俺を張り倒してから、みことはマイクの前に座りなおした。
『んっ、んんっ、……失礼しました。混線したようです』
『いつつ……いやいや、混線してないぞ。それで話の続きなんだが、みことの性癖を知るためここで裸の付き合いをぐぇぇぇぇ』
首をぎううと締められる。いかん、死ぬ。
『こ、ここで死ぬと片付けるの大変かと! どこか別の場所で!』
『……それもそうだな。いいか、もう余計なこと言うな』
俺を放し、みことは養豚場の豚を見るような視線で俺を射抜いた。
『分かった、努力する』
『ん、んんっ。……失礼しました、また混線したようです。それでは最初のニュース、椎水さんが水泳の県大会に出場しました。素晴らしいことですね』
『あいつ胸ないから水の抵抗少なくて速いんだろうな』
『後で殺されるぞ』
『……今のカットで』
『生放送だ。残念だったな、別府タカシ』
『名前を言うなよっ! 言わなかったらかなみの奴バカだから分からなかっただろうに!』
『……今のも全部放送されてることに気づいているのか?』
『…………。か、かなみってステキだよね。そんなステキな方が暴力なんて振るわないよね?』
『無駄な努力を行う別府タカシであった』
『自分でも薄々気づいてるけど言うなっ!』
『ふふっ。続きまして、不思議なニュースです。女生徒らしき人影が空を飛んでいる所が目撃されました。何か情報がある方は、生徒会まで』
『あー、それたぶんちなみだ。こないだ“……新作の着ぐるみできた。……今度のは、ジェットで空を飛ぶ”とか言ってたから』
『……学園の不思議が解決しました。次のニュースです。毎日遅刻する人物がいるため、生徒会は近々その人物に罰則を設ける模様です』
『……お、俺じゃないよね? みことも遅刻してるもんね?』
『毎日近所の生徒に起こされているにも関わらず、いつもいつも始業時間ギリギリまで寝て、あげくその生徒を巻き込んで遅刻をするのです。罰を与えられて当然ですね』
『ええっ!? 当然じゃない! 第一、みことも悪いぞ! もっとしっかり起こせば、俺もすぐ起きるのに!』
『何を言うか! 私はしっかり起こしておる!』
『どこがだよ! ゆさゆさ優しく揺すってさ、ゆりかごみたいで逆に眠くなるだろ! ……あ、そうだ、次からキスして起こして』
『きっ、ききき、キスだと!? そんなことできるわけないだろうが、たわけっ!』
『でも、みことにキスされたらびっくりして一瞬で起きれること請け合い』
『む……し、しかし、そう簡単に接吻など、その……』
『ほっぺ、ほっぺでいいからさ。な?』
『……ど、どうしても、か?』
『どうしても!』
『……そ、それなら、その、……してやらんでもない。いっ、言っておくがな、貴様を起こすためだ! 他意はないぞ、他意は!』
『やたっ、これで毎日みことにキスしてもらえる! こんにちは、バラ色の人生!』
『ええい笑うな騒ぐな踊るな! ここは放送室だぞ! ……あ』
『ん? どしたみこと、真っ青だぞ?』
『……スイッチ、入ってるの忘れてた』
『え、それって……』
『……さっきの会話、全部校内に筒抜け……』
『……えええええっ!?』
『そっ、それではお昼の放送終わりますっ! 放送委員でしたっ!』
みことは慌しくマイクのスイッチを切った。聞こえないはずなのに、生徒達の黄色い声がここまで届いてくるようだ。
「うう……ううう……全部お前のせいだぞ」
みことは恨めしそうに俺を睨んだ。ただ、真っ赤なので全然怖くない。
「あは、あはは……はぁ。教室戻りたくねー……」
それでも、戻らないわけにはいかない。意を決して二人して教室に戻ると、まぁ生暖かい視線の雨あられ。
「ふふ、ふふふ……全部貴様のせいだっ!」
「い、いや、俺だけのせいじゃないと思いますよ!?」
必死の抵抗空しく、照れ隠しにしては過剰と思えるほどべこんぼこんにされました。
【ツンデレと一緒に焼き芋を食べたら】
2010年03月27日
学校からの帰り道、みことと一緒に歩いてると石焼き芋屋がイモイモ言いながら近づいてきた。
「みこと、石焼かれたイモでも食わんか? 奢られてもいいぞ」
「食うのは構わんが、絶対に奢らん」
「ケチ」
ちょっと悪口言ったら首を絞められたので、必死に謝る。
「奢ってくれるなら、許してやろう」
死にたくないので奢ることにする。余計なこと言うんじゃなかった。
「げほげほ……おっちゃーん、イモくれ。二個」
「あいよっ、イモ二つで1000万円だよ」
この国の物価はここまで跳ね上がっていたのか。あまりの高額に思わず泣きそうになる。
「じょ、冗談だよ……1000円ね、1000円」
「なんだ。でも高いな、10円にしろ」
「んなこと言われてもねぇ……うちも商売なんで」
そう言いながら、おっちゃんは困ったように笑った。
「じゃあ間を取って100円。これ以上出せというなら、今ここでみことを犯す」
鼻血が出るまでみことに殴られたので、犯さない。
「はい、1000円」
「ま、まいど……」
赤い染みのついた1000円札を怯えながら受け取り、おっちゃんは俺に芋入り袋を預け全力で逃げた。
「んじゃ食うか」
「いいからまず鼻血を止めろ。見てて不愉快だ」
誰のせいだとは言えず、みことに芋袋を渡してから鼻にティッシュを詰める。
「……む? おいタカシ、これ三つ入ってるぞ」
「どれどれ」
勘違いしたフリをして、みことの襟を指で軽く引っ張り胸元を覗き込む。
「ブラがあって先端のさくらんぼが見えない。みこと、外して」
色々あって、また鼻血が噴出した。
「暴力はよくないですよ、みことさん?」
半分泣きながら鼻に再びティッシュを詰める。
「貴様が余計なことしなければ済む話だろうが、この色欲魔人めッ!」
「わはは。んで、三つとか言ってなかったっけ?」
「あ、ああ。これ……さっきと同じ事したら、確実に殺すからな」
「わははは、ま、まさか、するわけないじゃないデスカ」
背中に冷や汗が伝うのを感じながら、みことの持つ袋を覗く。確かに、芋が三つ入っていた。
「本当だな、三つある。きっとアレだ、みことの暴虐ぶりを見て恐れをなし、一つ献上したんじゃないか?」
「そんなわけないだろう! 私があまりに綺麗なので、サービスしたに決まってる」
一人で納得してるが、本当は殴られまくってる俺を哀れに思い、サービスしてくれたに違いない。
「何を落ち込んでいる? ほら」
辿り着いた真実に一人落ち込んでいると、みことは俺に焼き芋を差し出した。
「喜べ、特別に貴様にもやろう。嬉しいだろう?」
「みことみこと、俺の金。俺のお金がイモに変わったの。奢ってもらって喜ぶのは、みこと」
「…………」
子供が喰らったら泡吹いて失神するレベルの視線に貫かれる。
「わぁい、みことが手ずからイモを食べさせてくれるなんて、人生で7番目くらいに嬉しいなぁ」
「だっ、誰も手ずから食べさすなどと言ってない! それに、7番目とは何事だ!」
「じゃあ6番目」
「何を言っている。1番目に決まっているだろう」
「どうでもいいから食おう。腹減った」
「…………。ふんっ!」
俺の口に芋を突っ込み、みことは乱暴に芋の皮を剥いた。
「あぎあぎ。うーん、皮がまじぃ」
「うるさい。黙って食え。皮は剥け」
言われたとおり黙って食べる。3秒で飽きた。
「みこと、イモ食うとおならが出るよな。つまり、俺たちはおならカップルなのか?」
「……貴様の脳はどうなってるんだ? まったく、訳の分からぬこと……か、カップルだと!?」
「カップル。男女ふたりの組み合わせ。夫婦。恋人同士」
「ば、ばか、私と貴様なんかがそんな関係の訳ないだろう! このばか、ばかばか!」
みことは顔を真っ赤にしながら俺を叩いた。照れ隠しの攻撃と思うが、確実に急所ばかりを狙ってくるので実は俺を亡き者にしようとしているのかもしれない。
「すいません、もう少しだけ生きたいです」
あまりの痛みに地面に転がったまま許しを請う。
「はぁはぁ……まったく、いいから立て」
みことは俺に手を貸して立たせてくれた。時々優しくて困惑するが、基本的に厳しいので問題なし。
「手がやわこい」
思ったことを言ったら蹴られた。ほら、厳しい。
「いちいち言うな、馬鹿者っ!」
「すいません」
顔を赤らめてる娘さんにまた蹴られては敵わないので、自分で立つ。
「なんで焼きイモを食うだけで鼻血出したり蹴られたりしないといけないんだろう」
「貴様が余計なことばかりするからだ、馬鹿者」
なるほどそうか。じゃあ余計なことしないで、大人しく食べよう。
もぐもぐもぐ。ぷぅ。
「……?」
咀嚼音の中に、異音が。俺じゃないよ。
「みこと、さっき」
「気のせいだ!」
みことは真っ赤になりながら俺の言葉を遮った。
「言われてみればそうかも。ところでみこと、俳句を思いついたので聞け。芋美味し おならぷうぷう 5秒後」
「見事な俳句だなッ!」
ボコボコにされた。
「ふん、ふん。私だって人間だ、おならくらいするさ」
みことはふて腐れたようにもそもそ芋を食った。
「あいたた……まぁ、気にするな。俺も気にしない」
「……思いっきり馬鹿にした奴が、何を」
いかん、みことがいじいじいじけ虫に! いじけ虫には、世辞だ!
「え、えっと、みこと」
じっとみことを見つめるが、言葉に詰まってしまう。
……むぅ。いざ褒めるとなると、なんというか、その、照れる。
「な、なんだ? ……まっ、まさか!?」
よく分からんが、みことまで焦りだした。
「こ、こんな道端で言うのか? 私としては、もっとロマンチックな所の方が……し、しかしどうしてもと言うなら、その、私もやぶさかではないというか、そのだな」
何かむにむに言いながら俺方向に熱視線をぶつけているようだが、こっちはそれどころではないのだ! ええい、男は度胸! 言っちまえ!
「つるぺたっていいよね!」
「…………。……ふ、ふふ、ふふふ」
最高の笑みでサムズアップすると、みことが笑った。やった、世辞成功! 世辞というか本音だけど!
「……いい度胸だ」
べこんぼこんにされた。褒めたのに。
「つるぺたって褒め言葉だと思うんですが」
「うるさいッ! 猛省しろ、超鈍感男!」
つるぺたに怒られながらも、一緒に帰宅した。
「みこと、石焼かれたイモでも食わんか? 奢られてもいいぞ」
「食うのは構わんが、絶対に奢らん」
「ケチ」
ちょっと悪口言ったら首を絞められたので、必死に謝る。
「奢ってくれるなら、許してやろう」
死にたくないので奢ることにする。余計なこと言うんじゃなかった。
「げほげほ……おっちゃーん、イモくれ。二個」
「あいよっ、イモ二つで1000万円だよ」
この国の物価はここまで跳ね上がっていたのか。あまりの高額に思わず泣きそうになる。
「じょ、冗談だよ……1000円ね、1000円」
「なんだ。でも高いな、10円にしろ」
「んなこと言われてもねぇ……うちも商売なんで」
そう言いながら、おっちゃんは困ったように笑った。
「じゃあ間を取って100円。これ以上出せというなら、今ここでみことを犯す」
鼻血が出るまでみことに殴られたので、犯さない。
「はい、1000円」
「ま、まいど……」
赤い染みのついた1000円札を怯えながら受け取り、おっちゃんは俺に芋入り袋を預け全力で逃げた。
「んじゃ食うか」
「いいからまず鼻血を止めろ。見てて不愉快だ」
誰のせいだとは言えず、みことに芋袋を渡してから鼻にティッシュを詰める。
「……む? おいタカシ、これ三つ入ってるぞ」
「どれどれ」
勘違いしたフリをして、みことの襟を指で軽く引っ張り胸元を覗き込む。
「ブラがあって先端のさくらんぼが見えない。みこと、外して」
色々あって、また鼻血が噴出した。
「暴力はよくないですよ、みことさん?」
半分泣きながら鼻に再びティッシュを詰める。
「貴様が余計なことしなければ済む話だろうが、この色欲魔人めッ!」
「わはは。んで、三つとか言ってなかったっけ?」
「あ、ああ。これ……さっきと同じ事したら、確実に殺すからな」
「わははは、ま、まさか、するわけないじゃないデスカ」
背中に冷や汗が伝うのを感じながら、みことの持つ袋を覗く。確かに、芋が三つ入っていた。
「本当だな、三つある。きっとアレだ、みことの暴虐ぶりを見て恐れをなし、一つ献上したんじゃないか?」
「そんなわけないだろう! 私があまりに綺麗なので、サービスしたに決まってる」
一人で納得してるが、本当は殴られまくってる俺を哀れに思い、サービスしてくれたに違いない。
「何を落ち込んでいる? ほら」
辿り着いた真実に一人落ち込んでいると、みことは俺に焼き芋を差し出した。
「喜べ、特別に貴様にもやろう。嬉しいだろう?」
「みことみこと、俺の金。俺のお金がイモに変わったの。奢ってもらって喜ぶのは、みこと」
「…………」
子供が喰らったら泡吹いて失神するレベルの視線に貫かれる。
「わぁい、みことが手ずからイモを食べさせてくれるなんて、人生で7番目くらいに嬉しいなぁ」
「だっ、誰も手ずから食べさすなどと言ってない! それに、7番目とは何事だ!」
「じゃあ6番目」
「何を言っている。1番目に決まっているだろう」
「どうでもいいから食おう。腹減った」
「…………。ふんっ!」
俺の口に芋を突っ込み、みことは乱暴に芋の皮を剥いた。
「あぎあぎ。うーん、皮がまじぃ」
「うるさい。黙って食え。皮は剥け」
言われたとおり黙って食べる。3秒で飽きた。
「みこと、イモ食うとおならが出るよな。つまり、俺たちはおならカップルなのか?」
「……貴様の脳はどうなってるんだ? まったく、訳の分からぬこと……か、カップルだと!?」
「カップル。男女ふたりの組み合わせ。夫婦。恋人同士」
「ば、ばか、私と貴様なんかがそんな関係の訳ないだろう! このばか、ばかばか!」
みことは顔を真っ赤にしながら俺を叩いた。照れ隠しの攻撃と思うが、確実に急所ばかりを狙ってくるので実は俺を亡き者にしようとしているのかもしれない。
「すいません、もう少しだけ生きたいです」
あまりの痛みに地面に転がったまま許しを請う。
「はぁはぁ……まったく、いいから立て」
みことは俺に手を貸して立たせてくれた。時々優しくて困惑するが、基本的に厳しいので問題なし。
「手がやわこい」
思ったことを言ったら蹴られた。ほら、厳しい。
「いちいち言うな、馬鹿者っ!」
「すいません」
顔を赤らめてる娘さんにまた蹴られては敵わないので、自分で立つ。
「なんで焼きイモを食うだけで鼻血出したり蹴られたりしないといけないんだろう」
「貴様が余計なことばかりするからだ、馬鹿者」
なるほどそうか。じゃあ余計なことしないで、大人しく食べよう。
もぐもぐもぐ。ぷぅ。
「……?」
咀嚼音の中に、異音が。俺じゃないよ。
「みこと、さっき」
「気のせいだ!」
みことは真っ赤になりながら俺の言葉を遮った。
「言われてみればそうかも。ところでみこと、俳句を思いついたので聞け。芋美味し おならぷうぷう 5秒後」
「見事な俳句だなッ!」
ボコボコにされた。
「ふん、ふん。私だって人間だ、おならくらいするさ」
みことはふて腐れたようにもそもそ芋を食った。
「あいたた……まぁ、気にするな。俺も気にしない」
「……思いっきり馬鹿にした奴が、何を」
いかん、みことがいじいじいじけ虫に! いじけ虫には、世辞だ!
「え、えっと、みこと」
じっとみことを見つめるが、言葉に詰まってしまう。
……むぅ。いざ褒めるとなると、なんというか、その、照れる。
「な、なんだ? ……まっ、まさか!?」
よく分からんが、みことまで焦りだした。
「こ、こんな道端で言うのか? 私としては、もっとロマンチックな所の方が……し、しかしどうしてもと言うなら、その、私もやぶさかではないというか、そのだな」
何かむにむに言いながら俺方向に熱視線をぶつけているようだが、こっちはそれどころではないのだ! ええい、男は度胸! 言っちまえ!
「つるぺたっていいよね!」
「…………。……ふ、ふふ、ふふふ」
最高の笑みでサムズアップすると、みことが笑った。やった、世辞成功! 世辞というか本音だけど!
「……いい度胸だ」
べこんぼこんにされた。褒めたのに。
「つるぺたって褒め言葉だと思うんですが」
「うるさいッ! 猛省しろ、超鈍感男!」
つるぺたに怒られながらも、一緒に帰宅した。
【タカシがツンデレに近付くと百合な後輩に邪魔されてしまいます】
2010年03月23日
寒いので、みことに抱きついて暖を取ろう。ついでにおっぱいも揉もう。
「みこと、暖を取るついでに乳を揉ませぐげっ」
ふらりふらりと寄っていったら、死角から硬い何かで思い切り殴られた。
「痛い痛い痛い! ちょっと脳が出てないか見て! 出てたら俺に分からないように戻して!」
「お姉さま大丈夫ですか!? 入れられてません!? 妊娠してませんよね!?」
俺ともう一人でみことに詰め寄ると、二人ともチョップされた。
「落ち着け愚か者ども!」
「うぁ……みことのチョップは鋼鉄チョップ。俺の脳が大変だーゼー」
丁度痛みが一番激しい箇所をチョップされたせいで、瞬間最大痛みを更新。痛くて痛くて床を転げまわる。
「お姉さま、この変態捨てませんか?」
「……非常に同意したいが、こんなアレな奴でも一応友人でな。我慢してやってくれ」
なんか酷いこと言われてるような気がするが、頭が痛すぎてよく分からない。
「うわっ、別府くんがこっちに転がってきた! しかもスカートの中覗かれてる! 踏んじゃえ!」
ピンクパンツに踏まれ痛みがアップ。別に場所に転がり避難!
「わっ、今度はこっち来た! しかもまたスカートの中覗いてるし! 踏んじゃえ踏んじゃえ!」
しまぱんにも踏まれ、俺は一体どうすればいいのか。
「でも、パンツが見れて嬉しいのは秘密だ」
「こっち来い莫迦」
みことは俺の耳を引っ張って無理矢理立たせ、教室の隅に連れて行った。
「まったく……どうして普通にできないのだ」
「特別であることを望まずにはいられない年頃なんだ」
「自分で言うな、愚か者っ!」
「そうですそうです、お姉さまに近づくなんて愚か者ですっ! 死んだほうがいいですっ!」
「……なぁみこと、さっきから気になっていたのだけど、これ何?」
みことと一緒になってキャンキャン吠える小さな子を指差す。
「こ、これとは失礼ですっ! 私は百合子ってすっばらしい名前があるんですよっ! ぐりぐりしないでくださいっ!」
指すついでにつむじをぐりぐりすると、ちみっこは俺に噛み付くように自分の名を名乗った。
「これはご丁寧に。寿司すし男と申します」
「あ、これはご丁寧に。……お家はすし屋を?」
「いえ、フランス料理店です」
「すっ、すごいですお金持ちですお金ください! いちおくえん!」
「……全部嘘だ」
キラキラ目を輝かせる百合子に、みことが疲れたように言った。
「本当の名は別府タカシで、実家は普通の家です」
「騙されましたよ!?」
案外百合子は馬鹿みたい。梓とどっちがお馬鹿だろう。
「……なんだろ、馬鹿にされた気がする」
友達とおしゃべりしてた梓が周囲をきょろきょろ見てるので、必死で目をあわさないようにする。
「私を騙すなんて……あなたはダメです! あなたみたいなダメ人間に、お姉さまは似合いません! 今すぐ死んでください!」
「死ぬのは嫌だぁ!」
「落ち着け莫迦。百合子も、冗談でも死ねとか言うな」
「本気です! さ、ぐぐっと死んでみてください!」
「死ぬのは嫌だぁ! 助けてぇ!」
恐怖のあまりみことにすがりつくと、再びみことチョップが俺と百合子のどたまに落ちた。
「うぐぐ……痛いです。全部別府さんのせいです!」
両手で頭をかかえ、百合子は涙目で俺を責めた。
「じゃあ間を取って俺をお兄ちゃんと呼べ」
「何をどうしたらそんな言葉が出るのかちっとも分かりませんが、一つだけ分かりました! お姉さま、やっぱりこの人変態です!」
「知ってる。有名だ」
百合子もかなりのものだが、みこともかなり失礼かと。
「変態は死んだほうがいいです! もう一度これで脳挫傷です!」
そう言って、百合子は机の上に置かれていた硬そうな棒を握った。
「お姉さまに近づく羽虫を撃退する棒、その名も撃退棒です! これで貴方も脳挫傷♪」
「可愛く言われても脳挫傷は嫌だぁ! 助けてみこと!」
「あっ、こら、抱きつくな!」
「あっ、ずるいです卑怯です私も抱きつきたいです! お姉さまラブ!」
「こら百合子まで! ええい二人とも抱きつくな!」
その後、二人とも怒られた。二時間説教させられた。
「みこと、暖を取るついでに乳を揉ませぐげっ」
ふらりふらりと寄っていったら、死角から硬い何かで思い切り殴られた。
「痛い痛い痛い! ちょっと脳が出てないか見て! 出てたら俺に分からないように戻して!」
「お姉さま大丈夫ですか!? 入れられてません!? 妊娠してませんよね!?」
俺ともう一人でみことに詰め寄ると、二人ともチョップされた。
「落ち着け愚か者ども!」
「うぁ……みことのチョップは鋼鉄チョップ。俺の脳が大変だーゼー」
丁度痛みが一番激しい箇所をチョップされたせいで、瞬間最大痛みを更新。痛くて痛くて床を転げまわる。
「お姉さま、この変態捨てませんか?」
「……非常に同意したいが、こんなアレな奴でも一応友人でな。我慢してやってくれ」
なんか酷いこと言われてるような気がするが、頭が痛すぎてよく分からない。
「うわっ、別府くんがこっちに転がってきた! しかもスカートの中覗かれてる! 踏んじゃえ!」
ピンクパンツに踏まれ痛みがアップ。別に場所に転がり避難!
「わっ、今度はこっち来た! しかもまたスカートの中覗いてるし! 踏んじゃえ踏んじゃえ!」
しまぱんにも踏まれ、俺は一体どうすればいいのか。
「でも、パンツが見れて嬉しいのは秘密だ」
「こっち来い莫迦」
みことは俺の耳を引っ張って無理矢理立たせ、教室の隅に連れて行った。
「まったく……どうして普通にできないのだ」
「特別であることを望まずにはいられない年頃なんだ」
「自分で言うな、愚か者っ!」
「そうですそうです、お姉さまに近づくなんて愚か者ですっ! 死んだほうがいいですっ!」
「……なぁみこと、さっきから気になっていたのだけど、これ何?」
みことと一緒になってキャンキャン吠える小さな子を指差す。
「こ、これとは失礼ですっ! 私は百合子ってすっばらしい名前があるんですよっ! ぐりぐりしないでくださいっ!」
指すついでにつむじをぐりぐりすると、ちみっこは俺に噛み付くように自分の名を名乗った。
「これはご丁寧に。寿司すし男と申します」
「あ、これはご丁寧に。……お家はすし屋を?」
「いえ、フランス料理店です」
「すっ、すごいですお金持ちですお金ください! いちおくえん!」
「……全部嘘だ」
キラキラ目を輝かせる百合子に、みことが疲れたように言った。
「本当の名は別府タカシで、実家は普通の家です」
「騙されましたよ!?」
案外百合子は馬鹿みたい。梓とどっちがお馬鹿だろう。
「……なんだろ、馬鹿にされた気がする」
友達とおしゃべりしてた梓が周囲をきょろきょろ見てるので、必死で目をあわさないようにする。
「私を騙すなんて……あなたはダメです! あなたみたいなダメ人間に、お姉さまは似合いません! 今すぐ死んでください!」
「死ぬのは嫌だぁ!」
「落ち着け莫迦。百合子も、冗談でも死ねとか言うな」
「本気です! さ、ぐぐっと死んでみてください!」
「死ぬのは嫌だぁ! 助けてぇ!」
恐怖のあまりみことにすがりつくと、再びみことチョップが俺と百合子のどたまに落ちた。
「うぐぐ……痛いです。全部別府さんのせいです!」
両手で頭をかかえ、百合子は涙目で俺を責めた。
「じゃあ間を取って俺をお兄ちゃんと呼べ」
「何をどうしたらそんな言葉が出るのかちっとも分かりませんが、一つだけ分かりました! お姉さま、やっぱりこの人変態です!」
「知ってる。有名だ」
百合子もかなりのものだが、みこともかなり失礼かと。
「変態は死んだほうがいいです! もう一度これで脳挫傷です!」
そう言って、百合子は机の上に置かれていた硬そうな棒を握った。
「お姉さまに近づく羽虫を撃退する棒、その名も撃退棒です! これで貴方も脳挫傷♪」
「可愛く言われても脳挫傷は嫌だぁ! 助けてみこと!」
「あっ、こら、抱きつくな!」
「あっ、ずるいです卑怯です私も抱きつきたいです! お姉さまラブ!」
「こら百合子まで! ええい二人とも抱きつくな!」
その後、二人とも怒られた。二時間説教させられた。
【雨が降っていると何故か男の部屋でゴロゴロするツンデレ】
2010年03月21日
折角の休日だというのに、外は雨。こんな日は家でゴロゴロするに限る。ただ、
「おいタカシ、茶だ、茶をもて。ノドが渇いた」
他人の部屋ということに気づいてないのか、机の前に陣取り無法っぷりを最大限に発揮するみことがいなければ、の話だが。
「ええい憎らしい、こっそり茶に精液入れてやれ。……む、勃たん。みこと、パンツ見せてパンツ」
みことのスカートの裾をつまむと、なぜか一杯殴られたので、普通に茶を淹れる。
「ずず……ふん、最初から素直に淹れておれば殴られずに済んだものを、莫迦め」
「いや、俺は普通に茶を淹れるつもりはあったぞ? ただ、そこに精液を入れようとしただけで」
「それがいかんのだ、たわけッ!」
「……尿だったらよかった、という話?」
思い切り頬を引っ張られて痛い痛い。
「だったら何を入れればいいというのだ」
ほっぺたを押さえながらみことに聞くと、
「何も入れるな。普通に茶を淹れろ」
という、味もそっけもない答えが返ってきた。
「それじゃ面白くない」
「茶を飲むのに、なぜ面白さが必要なのだ……まったく、暇な奴だ」
「それを言うなら、みこともかなりのもんだぞ。お前、雨の中わざわざ俺んち来たんだろ? 自分の家で大人しくしてりゃいいものを」
「うぐ……そ、それは、その、……貴様が退屈だろうと思い、わざわざ遊びに来てやったのだ! ふふん、どうだ?」
「どう、と問われても、退屈を楽しんでたのでお帰りはあちらへ、としか」
「…………」(半泣き)
「すっげー暇! あまりの暇さに世界を滅ぼしかねないほど暇だった! いやぁ、みことが来てくれて助かった! みことは世界の救世主だ!」
「そ、そこまで言うことはないが、……まぁ悪い気はせんな。ふふん、感謝しろ」
色々思うところはあるが、泣き止んだからまぁいいや。
「しかし……暇だな。おいタカシ、何か暇を潰す品はないのか?」
「品、ねぇ……ええと、本に、本、それから本。あと本、本、最後に……本」
「全部本ではないか! しかも漫画!」
「おもちろいよ?」
「まったく……しょうがない、読んでやろう」
みことはベッドに寝転がり、適当に取った漫画を読み始めた。
「じゃあ、俺は漫画を読むみことを観ることにする」
すごく嫌そうな顔をされたが、気にせず観る。
数分経った頃だろうか、みことは顔をあげて俺を見た。
「……あの、見ないでほしいのだが」
「尻を?」
「どっ、どこを見ているのだ、たわけッ!」
「尻。臀部。みことの性感帯」
大変叱られた。
「みことの性感帯を当てられず申し訳ありませんでした」
「そういうことを怒ってるんじゃない! じーっと見るなと言っているのだ! 大体、私を見ていても楽しくないだろう?」
「そうでもないぞ? 漫画読んで笑ったりハラハラしたりしてるみことの顔見てるの、すげー楽しいし」
「う、そ、そうか……」
みことは照れくさそうな顔をしながら、指で頬をかいた。
「じゃなくて! 貴様に見られていると、その、……本を読むのに集中できんのだ。だから、あまり見るな」
「分かった、任せろ!」
「…………」
力いっぱい了解したのに、とても不安げな顔で見られた。
「ま、まあいい。私は続きを読むことにする」
「じゃあ、俺は俺のすべき事を成そう」
ベッドに寝そべるみことの隣に滑り込み、すかさずみことに抱きつく。
「ちょ、ちょっと、いきなり何をするか!」
「昼寝! 抱き枕つき!」
「私は抱き枕ではない! ええい離せ抱きつくな頭をなでるなあ!」
「最近の抱き枕はふにふにでいい香りなんだなぁ、はっはっは」
「笑うな、莫迦者! だから頭をなでるなあ!」
そんな感じの休日でした。超頭なでた。
「おいタカシ、茶だ、茶をもて。ノドが渇いた」
他人の部屋ということに気づいてないのか、机の前に陣取り無法っぷりを最大限に発揮するみことがいなければ、の話だが。
「ええい憎らしい、こっそり茶に精液入れてやれ。……む、勃たん。みこと、パンツ見せてパンツ」
みことのスカートの裾をつまむと、なぜか一杯殴られたので、普通に茶を淹れる。
「ずず……ふん、最初から素直に淹れておれば殴られずに済んだものを、莫迦め」
「いや、俺は普通に茶を淹れるつもりはあったぞ? ただ、そこに精液を入れようとしただけで」
「それがいかんのだ、たわけッ!」
「……尿だったらよかった、という話?」
思い切り頬を引っ張られて痛い痛い。
「だったら何を入れればいいというのだ」
ほっぺたを押さえながらみことに聞くと、
「何も入れるな。普通に茶を淹れろ」
という、味もそっけもない答えが返ってきた。
「それじゃ面白くない」
「茶を飲むのに、なぜ面白さが必要なのだ……まったく、暇な奴だ」
「それを言うなら、みこともかなりのもんだぞ。お前、雨の中わざわざ俺んち来たんだろ? 自分の家で大人しくしてりゃいいものを」
「うぐ……そ、それは、その、……貴様が退屈だろうと思い、わざわざ遊びに来てやったのだ! ふふん、どうだ?」
「どう、と問われても、退屈を楽しんでたのでお帰りはあちらへ、としか」
「…………」(半泣き)
「すっげー暇! あまりの暇さに世界を滅ぼしかねないほど暇だった! いやぁ、みことが来てくれて助かった! みことは世界の救世主だ!」
「そ、そこまで言うことはないが、……まぁ悪い気はせんな。ふふん、感謝しろ」
色々思うところはあるが、泣き止んだからまぁいいや。
「しかし……暇だな。おいタカシ、何か暇を潰す品はないのか?」
「品、ねぇ……ええと、本に、本、それから本。あと本、本、最後に……本」
「全部本ではないか! しかも漫画!」
「おもちろいよ?」
「まったく……しょうがない、読んでやろう」
みことはベッドに寝転がり、適当に取った漫画を読み始めた。
「じゃあ、俺は漫画を読むみことを観ることにする」
すごく嫌そうな顔をされたが、気にせず観る。
数分経った頃だろうか、みことは顔をあげて俺を見た。
「……あの、見ないでほしいのだが」
「尻を?」
「どっ、どこを見ているのだ、たわけッ!」
「尻。臀部。みことの性感帯」
大変叱られた。
「みことの性感帯を当てられず申し訳ありませんでした」
「そういうことを怒ってるんじゃない! じーっと見るなと言っているのだ! 大体、私を見ていても楽しくないだろう?」
「そうでもないぞ? 漫画読んで笑ったりハラハラしたりしてるみことの顔見てるの、すげー楽しいし」
「う、そ、そうか……」
みことは照れくさそうな顔をしながら、指で頬をかいた。
「じゃなくて! 貴様に見られていると、その、……本を読むのに集中できんのだ。だから、あまり見るな」
「分かった、任せろ!」
「…………」
力いっぱい了解したのに、とても不安げな顔で見られた。
「ま、まあいい。私は続きを読むことにする」
「じゃあ、俺は俺のすべき事を成そう」
ベッドに寝そべるみことの隣に滑り込み、すかさずみことに抱きつく。
「ちょ、ちょっと、いきなり何をするか!」
「昼寝! 抱き枕つき!」
「私は抱き枕ではない! ええい離せ抱きつくな頭をなでるなあ!」
「最近の抱き枕はふにふにでいい香りなんだなぁ、はっはっは」
「笑うな、莫迦者! だから頭をなでるなあ!」
そんな感じの休日でした。超頭なでた。