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2024年11月23日
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【ツンデレと二人で校内放送】

2010年03月28日
 みことと一緒に校内放送することになった。ということで、放送室に連行された。
「……なんで?」
「貴様が先日休んでいる間に、私ともども放送委員に任命されたのだ。……まったく、なんで私が貴様なんぞと一緒にしなければならないのか……」
 ぶちぶち呟きながら放送用のスイッチを入れるみこと。
『みなさんこんにちは。放送委員がお送りするお昼のニュースです』
『みことみことー、んで何やんの? みことの性癖とか暴露したりしていい?』
『もうスイッチ入っておる! 変なこと言うな、たわけっ!』
 俺を張り倒してから、みことはマイクの前に座りなおした。
『んっ、んんっ、……失礼しました。混線したようです』
『いつつ……いやいや、混線してないぞ。それで話の続きなんだが、みことの性癖を知るためここで裸の付き合いをぐぇぇぇぇ』
 首をぎううと締められる。いかん、死ぬ。
『こ、ここで死ぬと片付けるの大変かと! どこか別の場所で!』
『……それもそうだな。いいか、もう余計なこと言うな』
 俺を放し、みことは養豚場の豚を見るような視線で俺を射抜いた。
『分かった、努力する』
『ん、んんっ。……失礼しました、また混線したようです。それでは最初のニュース、椎水さんが水泳の県大会に出場しました。素晴らしいことですね』
『あいつ胸ないから水の抵抗少なくて速いんだろうな』
『後で殺されるぞ』
『……今のカットで』
『生放送だ。残念だったな、別府タカシ』
『名前を言うなよっ! 言わなかったらかなみの奴バカだから分からなかっただろうに!』
『……今のも全部放送されてることに気づいているのか?』
『…………。か、かなみってステキだよね。そんなステキな方が暴力なんて振るわないよね?』
『無駄な努力を行う別府タカシであった』
『自分でも薄々気づいてるけど言うなっ!』
『ふふっ。続きまして、不思議なニュースです。女生徒らしき人影が空を飛んでいる所が目撃されました。何か情報がある方は、生徒会まで』
『あー、それたぶんちなみだ。こないだ“……新作の着ぐるみできた。……今度のは、ジェットで空を飛ぶ”とか言ってたから』
『……学園の不思議が解決しました。次のニュースです。毎日遅刻する人物がいるため、生徒会は近々その人物に罰則を設ける模様です』
『……お、俺じゃないよね? みことも遅刻してるもんね?』
『毎日近所の生徒に起こされているにも関わらず、いつもいつも始業時間ギリギリまで寝て、あげくその生徒を巻き込んで遅刻をするのです。罰を与えられて当然ですね』
『ええっ!? 当然じゃない! 第一、みことも悪いぞ! もっとしっかり起こせば、俺もすぐ起きるのに!』
『何を言うか! 私はしっかり起こしておる!』
『どこがだよ! ゆさゆさ優しく揺すってさ、ゆりかごみたいで逆に眠くなるだろ! ……あ、そうだ、次からキスして起こして』
『きっ、ききき、キスだと!? そんなことできるわけないだろうが、たわけっ!』
『でも、みことにキスされたらびっくりして一瞬で起きれること請け合い』
『む……し、しかし、そう簡単に接吻など、その……』
『ほっぺ、ほっぺでいいからさ。な?』
『……ど、どうしても、か?』
『どうしても!』
『……そ、それなら、その、……してやらんでもない。いっ、言っておくがな、貴様を起こすためだ! 他意はないぞ、他意は!』
『やたっ、これで毎日みことにキスしてもらえる! こんにちは、バラ色の人生!』
『ええい笑うな騒ぐな踊るな! ここは放送室だぞ! ……あ』
『ん? どしたみこと、真っ青だぞ?』
『……スイッチ、入ってるの忘れてた』
『え、それって……』
『……さっきの会話、全部校内に筒抜け……』
『……えええええっ!?』
『そっ、それではお昼の放送終わりますっ! 放送委員でしたっ!』
 みことは慌しくマイクのスイッチを切った。聞こえないはずなのに、生徒達の黄色い声がここまで届いてくるようだ。
「うう……ううう……全部お前のせいだぞ」
 みことは恨めしそうに俺を睨んだ。ただ、真っ赤なので全然怖くない。
「あは、あはは……はぁ。教室戻りたくねー……」
 それでも、戻らないわけにはいかない。意を決して二人して教室に戻ると、まぁ生暖かい視線の雨あられ。
「ふふ、ふふふ……全部貴様のせいだっ!」
「い、いや、俺だけのせいじゃないと思いますよ!?」
 必死の抵抗空しく、照れ隠しにしては過剰と思えるほどべこんぼこんにされました。

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