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2025年04月20日
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【かまきりちなみん】
2010年05月30日
「……かぷ」
昼休み、飯も食い終わり屋上で一人優雅に惰眠を貪っていると変な音が聞こえた。
「あぎあぎあぎあぎ」
その上、なんか頭を噛まれてるような痛みが……って
「痛い痛い痛い痛い!」
噛まれてる! ていうか食べられてる!?
痛みの元を探し、手を頭の上に持っていく。なんか触れた。掴んで目の前に持ってくる。
「……かまきりです。きしゃー」
見知った顔が、カマキリの格好で、猫のように背中を掴まれてそこにいた。
「いきなり何すんだよ!」
「……メスのカマキリは、オスを食べるといいます。……カマキリちなみも、オスを食べます」
「……なるほど、よく分かった。でも、それ誤解してるぞ」
「……え?」
「単にカマキリは動くものをエサと認識しているだけで、好き好んでオスカマキリを食ってるわけじゃない。実際、自然界ではメスがオスを食うことはあまりないらしいぞ」
「…………」
聞きかじった知識を披露すると、ちなみは困ったような、少し怒ったような顔で俺を見つめた。
「……そんなこと、言わないでください。……空気、読んでください」
なんか怒られた。
「……いいんです。カマキリはそうかもしれませんが、カマキリちなみはオスを食べるんです」
そう言うと、ちなみは俺の両肩に後ろから足をかけ、頭をかじりだした。
「だから、食うな! ったく、オスを食うなら他に誰でもいるだろうに……」
「……カマキリちなみの特徴はもう一つあるんです」
「なんだ? どうせまた変なことだろ?」
「……オスはオスでも、タカシというオスしか食べられないのです」
「…………」
「……食べて、いいですか?」
「……まぁ、痛くない程度なら」
チャイムが鳴るまで、俺は甘噛みされたり舐められたりした。
昼休み、飯も食い終わり屋上で一人優雅に惰眠を貪っていると変な音が聞こえた。
「あぎあぎあぎあぎ」
その上、なんか頭を噛まれてるような痛みが……って
「痛い痛い痛い痛い!」
噛まれてる! ていうか食べられてる!?
痛みの元を探し、手を頭の上に持っていく。なんか触れた。掴んで目の前に持ってくる。
「……かまきりです。きしゃー」
見知った顔が、カマキリの格好で、猫のように背中を掴まれてそこにいた。
「いきなり何すんだよ!」
「……メスのカマキリは、オスを食べるといいます。……カマキリちなみも、オスを食べます」
「……なるほど、よく分かった。でも、それ誤解してるぞ」
「……え?」
「単にカマキリは動くものをエサと認識しているだけで、好き好んでオスカマキリを食ってるわけじゃない。実際、自然界ではメスがオスを食うことはあまりないらしいぞ」
「…………」
聞きかじった知識を披露すると、ちなみは困ったような、少し怒ったような顔で俺を見つめた。
「……そんなこと、言わないでください。……空気、読んでください」
なんか怒られた。
「……いいんです。カマキリはそうかもしれませんが、カマキリちなみはオスを食べるんです」
そう言うと、ちなみは俺の両肩に後ろから足をかけ、頭をかじりだした。
「だから、食うな! ったく、オスを食うなら他に誰でもいるだろうに……」
「……カマキリちなみの特徴はもう一つあるんです」
「なんだ? どうせまた変なことだろ?」
「……オスはオスでも、タカシというオスしか食べられないのです」
「…………」
「……食べて、いいですか?」
「……まぁ、痛くない程度なら」
チャイムが鳴るまで、俺は甘噛みされたり舐められたりした。
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【ねこちなみん】
2010年05月29日
昨日は夜更かしをして眠かったので、養護教諭にうまいこと言って保健室で寝ていたんですよ。
で、さっき起きたんだけど、なんか猫っぽいのが俺の横で寝てる。
「うにゅ……にゅ……」
えーと、どうしよう。起こした方がいいんだろうけど、うにゅうにゅ言ってるし鼻息がなんか甘いしええと!(混乱中)
「ん……ふぁぁぁぁぁ……」
上半身だけで右往左往していたところ、猫が目を覚ました。
「……ねこです。にゃあにゃあ」
「なんで俺の横で寝てるのですか?」
なんて聞いたら、むー、とちなみの眉毛が寄った。
「……タカシのせいです。下校時間になるまでこんなところで寝てるなんて……卑怯です」
「いや、意味が分からん。なんで俺がここで寝てるだけで卑怯になるんだ?」
「……知りません。もういいです。まだ眠たいのでどっか行ってください」
ちなみは俺の布団を剥ぎ取り、また横になってしまった。
「いや、行けと言うなら行くけど……」
いまいち納得できないけど、なんか機嫌を損ねているのでとっとと退散しよう。
立ち上がろうとして、服の裾を小さな手が掴んでいるのが見えた。
「……ちなみさん。裾を掴まれてると、どこにも行けないのですが」
「……ちなみとしては、鈍感なタカシはどっかに行って欲しいです」
でも、とちなみは続けた。
「……ねこちなみは、まだ小さな猫なので一人で寝るのは嫌です。寝るまで、……そばにいてほしいです」
顔を半分布団で隠し、か細い声でちなみは言った。
一瞬だけ考え、俺は再びベッドに腰を下ろした。
「ねこなら仕方ないな。俺もまだ眠いし、一緒に寝るか」
ちなみの隣に横たわる。と、ぎゅっと抱きしめられた。
「……こうしないと狭いから、抱きついただけです。……他意はありません」
俺の胸で顔を隠し、消えそうな声でちなみは言った。
「……ま、確かに狭いからな。俺もいいか?」
小さくコクンと頷くのを感じてから、俺はちなみの腰に腕を回し、軽く抱きしめたまま目をつむった。
で、さっき起きたんだけど、なんか猫っぽいのが俺の横で寝てる。
「うにゅ……にゅ……」
えーと、どうしよう。起こした方がいいんだろうけど、うにゅうにゅ言ってるし鼻息がなんか甘いしええと!(混乱中)
「ん……ふぁぁぁぁぁ……」
上半身だけで右往左往していたところ、猫が目を覚ました。
「……ねこです。にゃあにゃあ」
「なんで俺の横で寝てるのですか?」
なんて聞いたら、むー、とちなみの眉毛が寄った。
「……タカシのせいです。下校時間になるまでこんなところで寝てるなんて……卑怯です」
「いや、意味が分からん。なんで俺がここで寝てるだけで卑怯になるんだ?」
「……知りません。もういいです。まだ眠たいのでどっか行ってください」
ちなみは俺の布団を剥ぎ取り、また横になってしまった。
「いや、行けと言うなら行くけど……」
いまいち納得できないけど、なんか機嫌を損ねているのでとっとと退散しよう。
立ち上がろうとして、服の裾を小さな手が掴んでいるのが見えた。
「……ちなみさん。裾を掴まれてると、どこにも行けないのですが」
「……ちなみとしては、鈍感なタカシはどっかに行って欲しいです」
でも、とちなみは続けた。
「……ねこちなみは、まだ小さな猫なので一人で寝るのは嫌です。寝るまで、……そばにいてほしいです」
顔を半分布団で隠し、か細い声でちなみは言った。
一瞬だけ考え、俺は再びベッドに腰を下ろした。
「ねこなら仕方ないな。俺もまだ眠いし、一緒に寝るか」
ちなみの隣に横たわる。と、ぎゅっと抱きしめられた。
「……こうしないと狭いから、抱きついただけです。……他意はありません」
俺の胸で顔を隠し、消えそうな声でちなみは言った。
「……ま、確かに狭いからな。俺もいいか?」
小さくコクンと頷くのを感じてから、俺はちなみの腰に腕を回し、軽く抱きしめたまま目をつむった。
【ハムスターちなみん】
2010年05月29日
学校帰り、ちなみを誘ってペットショップへ行った。
「ああ、可愛いなぁ。ハムスター可愛いなぁ」
「…………」
「知ってるか? ハムスターはげっし目ネズミ科キヌゲネズミ亜科で、可愛いのが特徴だ」
「……興味、ないです」
「ああ可愛いなぁハムスター可愛いなぁ(聞いてない)」
「…………」
その夜。眠いので寝ようと布団をめくったら、なんかいる。
「ハムスターです……はむはむ」
「……いつの間に?」
「……タカシが一人でえっちなビデオ見てふがふが言ってる最中、窓からこっそりと」
「俺の一番かっこいいところ見やがったなコンチクショウ!」
怒っていいのか恥ずかしがっていいのか分からず、とりあえず叫ぶ。
「……夜中に叫ばないでください。近所迷惑です。……別にかっこよくもないです」
逆に怒られた。更にけなされた。
「……まぁいいや。勝手に侵入したことは不問にする。で、何か用か?」
「……ハムスター、です」
そう言って、ちなみは両手をわさわさと揺すった。
「見りゃ分かる」
ちなみは不満そうに、むー、と頬を膨らませた。
「……ハムスター、なんです」
「いや、だから分かるっての」
その言葉に、ちなみはうつむいてしまった。心なしか、着ぐるみの耳までうなだれている。
「……ハムスターちなみは……可愛くない、みたいです」
「はぁ? なんのこと……」
ペットショップでのことを思い出し、唐突に理解した。コイツは、ハムスターに対抗してるんだ。
「ひゃっ!?」
今更口でどうこう言っても信じてもらえるとは思えなかったので、抱きしめた。
「……なっ、何のつもりですか?」
「急におまえが可愛く見えたから、思わず抱きしめた」
「……い、今更嘘臭いです。詐欺っぽいです。結婚詐欺師です」
誰も結婚するとは言ってない。
「あー、本物のハムスターも可愛いけど、ハムスターちなみんはもっと可愛いなぁ。すりすりすり」
ちょっとわざとらしいけど、あえて口にしてちなみにほお擦りする。途端、ちなみの頬が真っ赤になった。
「……嘘っぽいです。……けど、騙されてあげます」
そう言って、ちなみは俺の耳を甘噛みした。お返しに、俺もちなみの耳に
親に見つかった。
なんで「挙式はいつにする?」なんて言ってるの、母さん?
え、婚約するの?
「ああ、可愛いなぁ。ハムスター可愛いなぁ」
「…………」
「知ってるか? ハムスターはげっし目ネズミ科キヌゲネズミ亜科で、可愛いのが特徴だ」
「……興味、ないです」
「ああ可愛いなぁハムスター可愛いなぁ(聞いてない)」
「…………」
その夜。眠いので寝ようと布団をめくったら、なんかいる。
「ハムスターです……はむはむ」
「……いつの間に?」
「……タカシが一人でえっちなビデオ見てふがふが言ってる最中、窓からこっそりと」
「俺の一番かっこいいところ見やがったなコンチクショウ!」
怒っていいのか恥ずかしがっていいのか分からず、とりあえず叫ぶ。
「……夜中に叫ばないでください。近所迷惑です。……別にかっこよくもないです」
逆に怒られた。更にけなされた。
「……まぁいいや。勝手に侵入したことは不問にする。で、何か用か?」
「……ハムスター、です」
そう言って、ちなみは両手をわさわさと揺すった。
「見りゃ分かる」
ちなみは不満そうに、むー、と頬を膨らませた。
「……ハムスター、なんです」
「いや、だから分かるっての」
その言葉に、ちなみはうつむいてしまった。心なしか、着ぐるみの耳までうなだれている。
「……ハムスターちなみは……可愛くない、みたいです」
「はぁ? なんのこと……」
ペットショップでのことを思い出し、唐突に理解した。コイツは、ハムスターに対抗してるんだ。
「ひゃっ!?」
今更口でどうこう言っても信じてもらえるとは思えなかったので、抱きしめた。
「……なっ、何のつもりですか?」
「急におまえが可愛く見えたから、思わず抱きしめた」
「……い、今更嘘臭いです。詐欺っぽいです。結婚詐欺師です」
誰も結婚するとは言ってない。
「あー、本物のハムスターも可愛いけど、ハムスターちなみんはもっと可愛いなぁ。すりすりすり」
ちょっとわざとらしいけど、あえて口にしてちなみにほお擦りする。途端、ちなみの頬が真っ赤になった。
「……嘘っぽいです。……けど、騙されてあげます」
そう言って、ちなみは俺の耳を甘噛みした。お返しに、俺もちなみの耳に
親に見つかった。
なんで「挙式はいつにする?」なんて言ってるの、母さん?
え、婚約するの?
【メカちなみん】
2010年05月28日
ちなみが事故に遭って三ヶ月。今日、彼女が退院するらしく、俺は急いでちなみの元へ向かった。
「ちなみ、元気になったんだな! 良かった、俺、心配して……」
「……ア、タカシ。オイスー」
「…………」
なんか、頭からアンテナみたいなのが生えてる。しかも口調がカタカナだ。……メカ?
「……ん、喋りにくい。普通に話す」
「喋れんのかよ! てーか、おまえ、それ……」
「……いや、事故で体の中無茶苦茶になっちゃって、このままじゃ死ぬからって、こうなった?」
「なんで疑問系なんだよ! ああもう!」
助かったことを喜ぶべきなのか、メカっぽくなったことを嘆けばいいのか分からない。
「……だいじょぶ。体は柔らかいままだから。……最新の技術を使ったって」
そう言って、ちなみは自分のほおを俺に触らせた。確かに彼女の言うとおり、以前のちなみと同じかそれ以上にぷにぷにする。
「……えっちもできるらしいよ?」
「女の子がそういうこと言うな! 最近の娘っ子は恥じらいがなくて困る!」
「……照れてる。……タカシ、ちょっとかわいい」
「うがー! からかうな!」
「……まぁ、マルチみたいな感じで接すれば、ぐー?」
「なんでマルチとか知ってんだよ……まぁいいや、マルチと同じように接するぞ?」
俺はちなみの頭をなでた。ちょっとアンテナが邪魔。
「……はわわわわー」
ちゃんと律儀に返すちなみは偉いと思う。棒読みなのは減点だが。
そのまましばらく撫でていると、ちなみが悲しげな顔をしているのに気がついた。
「ん、どした?」
「……クラスのみんな、受け入れてくれるかな。……体中機械になったからって、……嫌われないかな」
俺は、少し強くちなみの頭をなでた。
「ぐだぐだ考えるな。大丈夫、みんないい奴だから笑って受け入れてくれるって。……それに、最悪俺がいるだろ?」
「……偉そう。……でも、ありがと」
それからしばらく、ちなみは俺になでられるままだった。少し笑ってくれたのが、嬉しかった。
「ちなみ、元気になったんだな! 良かった、俺、心配して……」
「……ア、タカシ。オイスー」
「…………」
なんか、頭からアンテナみたいなのが生えてる。しかも口調がカタカナだ。……メカ?
「……ん、喋りにくい。普通に話す」
「喋れんのかよ! てーか、おまえ、それ……」
「……いや、事故で体の中無茶苦茶になっちゃって、このままじゃ死ぬからって、こうなった?」
「なんで疑問系なんだよ! ああもう!」
助かったことを喜ぶべきなのか、メカっぽくなったことを嘆けばいいのか分からない。
「……だいじょぶ。体は柔らかいままだから。……最新の技術を使ったって」
そう言って、ちなみは自分のほおを俺に触らせた。確かに彼女の言うとおり、以前のちなみと同じかそれ以上にぷにぷにする。
「……えっちもできるらしいよ?」
「女の子がそういうこと言うな! 最近の娘っ子は恥じらいがなくて困る!」
「……照れてる。……タカシ、ちょっとかわいい」
「うがー! からかうな!」
「……まぁ、マルチみたいな感じで接すれば、ぐー?」
「なんでマルチとか知ってんだよ……まぁいいや、マルチと同じように接するぞ?」
俺はちなみの頭をなでた。ちょっとアンテナが邪魔。
「……はわわわわー」
ちゃんと律儀に返すちなみは偉いと思う。棒読みなのは減点だが。
そのまましばらく撫でていると、ちなみが悲しげな顔をしているのに気がついた。
「ん、どした?」
「……クラスのみんな、受け入れてくれるかな。……体中機械になったからって、……嫌われないかな」
俺は、少し強くちなみの頭をなでた。
「ぐだぐだ考えるな。大丈夫、みんないい奴だから笑って受け入れてくれるって。……それに、最悪俺がいるだろ?」
「……偉そう。……でも、ありがと」
それからしばらく、ちなみは俺になでられるままだった。少し笑ってくれたのが、嬉しかった。
【ツンデレを起こしたら】
2010年05月28日
ちなみが寝坊で困る。
「……ぐーぐー」
「ちなみに何故困るのかと言うと、ちなみを起こす役割が肉親ではなく幼なじみの俺だからだ。そして何故俺は虚空に話しかけているのか」
「……頭がおかしいから。……ぐーぐー」
「起きてやがるなコンチクショウ」
「……のっとぐーぐー」
寝息に否定の語が入ったので、寝ているのだろう。とまれ、とっとと起こそう。
「ちなみ、起きろ。起きないと性的ないたづらを行う」
「……ぐーぐー」
「よい返事、よい寝息だ。じゃあ起こすと称しておっぱいをまさぐりますので、そのつもりで」
「…………」
鼻歌まじりにちなみのパジャマを脱がそうとしてたら、寝息が止んでることに気づいた。どうしたのかと顔を上げたら、おはようちなみさん。おめめぱっちり素敵だね。
「……うう、朝からタカシが人を孕ませようとする」
「朝っぱらから失敬な! ちょっとおっぱいをもふもふしようとしただけだ! ほら見ろ、パジャマの上を脱がしてる最中だろ!」
「……それはそれでどうかと」
「俺もそう思ったんだけど、思春期の青年を止めることはできなかったんだ。あと、貧乳でも、もふもふという擬音を使ってよかったのかな? ぺたぺたの方がよかったか?」
「……なんでもいいけど、そろそろ悲鳴あげていい?」
「どうしてもと言うならあげてもいいが、あのおばさんのことだ、ビデオカメラ片手にやってくるだけだぞ」
「……我が親ながら、その様子がありありと想像できる。しょうがない、タカシのほっぺをつねるだけで我慢してやる」
「ありがとうございます」
感謝の言葉を述べながら頬をつねられる。当然痛い。
「……ふう。これに懲りたらもう私のおっぱいを付け狙わないこと。やくそく」
「…………。うん、狙わない」
「……まったく信用できない」
「ちなみが可愛いから我慢できないんだ」
無言で赤くならないで。何か言って。
「……ま、まったく。タカシは調子がよくて困る。えいえい」
だからと言って人の鼻をふにふに押さないで。対応に困ります。
「……う、うう。何か言うべき」
「もう今日は学校休んで一日中イチャイチャしたいです」
「……きゅ、究極のえろ魔人がここに誕生した。たすけてー」
「悲鳴に危機感を感じられません」
「……も、もういいから。……あ、あっち向く。……タカシの顔を見てると、吐き気がおえーおえーだから」
「顔の赤さを見られないように、ではなく?」
「……いい加減にしないと、ちゅーするぞ」
「それは大変に困る! いやしたくないかと言うとそんなことはないのだけど、もうちょっとよい雰囲気の時とかこっちからしたいとか幼なじみという境遇が逆にしづらくしててうぬぬと色々あるんだけど、まあいいや。ちゅーしましょう」
「……恐るべき思考の混乱。……しょうがない、しよう」
そんなわけでむいーっと顔を近づけてたら、いつまでも俺たちがやって来ないことに痺れを切らしたちなみのおばさんが部屋に乱入こんにちは。
「あらあら、朝っぱらから子作りね。ふぁいと、娘! 負けるな婿養子!」
闖入者が雰囲気を完膚なきまで破壊してくれたので、お互い離れる。
「あらあらあら」
「おばさん、ちなみ起きました」
「……おはよう、お母さん」
「あら? 続きは?」
自分の子供のラブシーンを見たがるおばさんを押して、台所へ。いつもの定位置の席に座り、おばさんの淹れてくれたコーヒーを飲む。
「ごめんね、タカシくん。もうちょっと後に突入してたら事後だったのにね」
「事後とか言わないでください。あと、そんな早くないと思います。思いたいです」
「……のー。タカシは早漏に違いない」
背後から嫌な事を言う奴。これはもう奴以外ありえない。
「朝から親と子の両方からセクハラに遭う男の気持ちを考えたことあるか、ちなみ?」
俺の隣の席に座り、テーブルの中央に置かれたパンを取ろうと一生懸命手を伸ばしてるちなみに訴える。
「……そもそも、タカシが私のおっぱいを揉もうとしなければこうならなかったはず」
「言わないで!」
「あらあら。うちの娘、朝から陵辱されたのね」
「言わないで!!」
「「やーい、えろ魔人ー」」
「ステレオで言わないで!!!」
朝から辱めを受けた後、おばさんに見送られちなみと一緒に登校する。
「うー。……誰かに朝から揉まれ起こされたので、まだ眠い」
「酷い単語を使うな。ていうか、揉んでません。未遂です」
「……気づかなかったら、揉んでたくせに。……これも私のスレンダーな身体が持つ魔性の魅力のせいか」
「ものは言いようだな、えぐれ乳」
「……ロリコンが何か言ってる」
勝負は痛み分けのようだ。
「……うーん。やっぱまだ眠い。……そうだ、名案を思いついた」
「自分で名案って言う奴の出す案って大概愚策だよな」
「……うるさい。……眠い私をおぶって学校へ連れて行け」
「ほら見ろ、愚策だ」
「……今なら、私をおぶった時におっぱいがもにゅもにゅ当たるさーびす付き」
「もにゅもにゅ?」
じーっとちなみの胸元を見る。もにゅもにゅという擬音が与えるイメージからあまりにも脱却しすぎだろう。
「……もにゅもにゅ。他に適当な擬音があると?」
「ぺたぺた」
「……ないす度胸」
頬をぐにーっと引っ張られた。
「……いーから、おんぶする。……そしたら、今日の陵辱を忘れてやる」
「してない! 未遂だってば! ていうか言葉が朝のうららかな日に、あまりに不穏当!」
「……ていせい。寝てる私の胸を揉みしだき、ぺろぺろ舐めた事を、野良犬に噛まれたと思ってやる」
「だから、未遂! 未遂って言葉を是非入れたらどうかな!? あと色々追加されてますが!」
そして道行く生徒たちが俺とちなみの会話を聞いていたのだろう、俺を犯罪者を見る目で遠巻きに見てきます。
「ほら見ろ、お前のせいで俺が犯罪者扱いだ」
「……いつも通りの扱いに、タカシにっこり」
「無茶言うな」
「……まあそんなわけで、私をおんぶするといい」
「あーもう、分かったよ。これ以上何か言われると善意の通行人に警察呼ばれそうだし。ほい」
「……ん」
ちなみに背を向けて座ると、軽い重みが背中にかかる。
「……ふふ、らくちんだ」
「ええい。俺は朝からどうしておんぶしているのだろう」
「……普段の行いの結果。やーいばーか」
「もういっそ我が身もろとも車道に躍り出たい気分だ」
「……私が下りてからなら、許可する」
それではただの自殺なので、丁重に辞退する。
「……とても不満。えいえい」
「髪を引っ張るな」
「……おお、手綱のようだ。……ダメなタカシを名手綱捌きで操る私。……すごい?」
「夫婦気取りですね」
「? ……っ!? ち、違う。そんなつもりじゃない。違う」
「そんな露骨に嫌がらなくても」
「い、嫌とかじゃなくて! ……あ、ち、違う。そう。嫌なの。びっくりしたとかじゃなくて、嫌なの」
「びっくりしたのか。いや、ちなみに嫌われてなくてよかった」
「嫌いと言ってる。言ってる!」
「はいはい」
「うー!」
がぶがぶと頭を噛まれながら、俺はちなみと一緒に登校した。
「……ぐーぐー」
「ちなみに何故困るのかと言うと、ちなみを起こす役割が肉親ではなく幼なじみの俺だからだ。そして何故俺は虚空に話しかけているのか」
「……頭がおかしいから。……ぐーぐー」
「起きてやがるなコンチクショウ」
「……のっとぐーぐー」
寝息に否定の語が入ったので、寝ているのだろう。とまれ、とっとと起こそう。
「ちなみ、起きろ。起きないと性的ないたづらを行う」
「……ぐーぐー」
「よい返事、よい寝息だ。じゃあ起こすと称しておっぱいをまさぐりますので、そのつもりで」
「…………」
鼻歌まじりにちなみのパジャマを脱がそうとしてたら、寝息が止んでることに気づいた。どうしたのかと顔を上げたら、おはようちなみさん。おめめぱっちり素敵だね。
「……うう、朝からタカシが人を孕ませようとする」
「朝っぱらから失敬な! ちょっとおっぱいをもふもふしようとしただけだ! ほら見ろ、パジャマの上を脱がしてる最中だろ!」
「……それはそれでどうかと」
「俺もそう思ったんだけど、思春期の青年を止めることはできなかったんだ。あと、貧乳でも、もふもふという擬音を使ってよかったのかな? ぺたぺたの方がよかったか?」
「……なんでもいいけど、そろそろ悲鳴あげていい?」
「どうしてもと言うならあげてもいいが、あのおばさんのことだ、ビデオカメラ片手にやってくるだけだぞ」
「……我が親ながら、その様子がありありと想像できる。しょうがない、タカシのほっぺをつねるだけで我慢してやる」
「ありがとうございます」
感謝の言葉を述べながら頬をつねられる。当然痛い。
「……ふう。これに懲りたらもう私のおっぱいを付け狙わないこと。やくそく」
「…………。うん、狙わない」
「……まったく信用できない」
「ちなみが可愛いから我慢できないんだ」
無言で赤くならないで。何か言って。
「……ま、まったく。タカシは調子がよくて困る。えいえい」
だからと言って人の鼻をふにふに押さないで。対応に困ります。
「……う、うう。何か言うべき」
「もう今日は学校休んで一日中イチャイチャしたいです」
「……きゅ、究極のえろ魔人がここに誕生した。たすけてー」
「悲鳴に危機感を感じられません」
「……も、もういいから。……あ、あっち向く。……タカシの顔を見てると、吐き気がおえーおえーだから」
「顔の赤さを見られないように、ではなく?」
「……いい加減にしないと、ちゅーするぞ」
「それは大変に困る! いやしたくないかと言うとそんなことはないのだけど、もうちょっとよい雰囲気の時とかこっちからしたいとか幼なじみという境遇が逆にしづらくしててうぬぬと色々あるんだけど、まあいいや。ちゅーしましょう」
「……恐るべき思考の混乱。……しょうがない、しよう」
そんなわけでむいーっと顔を近づけてたら、いつまでも俺たちがやって来ないことに痺れを切らしたちなみのおばさんが部屋に乱入こんにちは。
「あらあら、朝っぱらから子作りね。ふぁいと、娘! 負けるな婿養子!」
闖入者が雰囲気を完膚なきまで破壊してくれたので、お互い離れる。
「あらあらあら」
「おばさん、ちなみ起きました」
「……おはよう、お母さん」
「あら? 続きは?」
自分の子供のラブシーンを見たがるおばさんを押して、台所へ。いつもの定位置の席に座り、おばさんの淹れてくれたコーヒーを飲む。
「ごめんね、タカシくん。もうちょっと後に突入してたら事後だったのにね」
「事後とか言わないでください。あと、そんな早くないと思います。思いたいです」
「……のー。タカシは早漏に違いない」
背後から嫌な事を言う奴。これはもう奴以外ありえない。
「朝から親と子の両方からセクハラに遭う男の気持ちを考えたことあるか、ちなみ?」
俺の隣の席に座り、テーブルの中央に置かれたパンを取ろうと一生懸命手を伸ばしてるちなみに訴える。
「……そもそも、タカシが私のおっぱいを揉もうとしなければこうならなかったはず」
「言わないで!」
「あらあら。うちの娘、朝から陵辱されたのね」
「言わないで!!」
「「やーい、えろ魔人ー」」
「ステレオで言わないで!!!」
朝から辱めを受けた後、おばさんに見送られちなみと一緒に登校する。
「うー。……誰かに朝から揉まれ起こされたので、まだ眠い」
「酷い単語を使うな。ていうか、揉んでません。未遂です」
「……気づかなかったら、揉んでたくせに。……これも私のスレンダーな身体が持つ魔性の魅力のせいか」
「ものは言いようだな、えぐれ乳」
「……ロリコンが何か言ってる」
勝負は痛み分けのようだ。
「……うーん。やっぱまだ眠い。……そうだ、名案を思いついた」
「自分で名案って言う奴の出す案って大概愚策だよな」
「……うるさい。……眠い私をおぶって学校へ連れて行け」
「ほら見ろ、愚策だ」
「……今なら、私をおぶった時におっぱいがもにゅもにゅ当たるさーびす付き」
「もにゅもにゅ?」
じーっとちなみの胸元を見る。もにゅもにゅという擬音が与えるイメージからあまりにも脱却しすぎだろう。
「……もにゅもにゅ。他に適当な擬音があると?」
「ぺたぺた」
「……ないす度胸」
頬をぐにーっと引っ張られた。
「……いーから、おんぶする。……そしたら、今日の陵辱を忘れてやる」
「してない! 未遂だってば! ていうか言葉が朝のうららかな日に、あまりに不穏当!」
「……ていせい。寝てる私の胸を揉みしだき、ぺろぺろ舐めた事を、野良犬に噛まれたと思ってやる」
「だから、未遂! 未遂って言葉を是非入れたらどうかな!? あと色々追加されてますが!」
そして道行く生徒たちが俺とちなみの会話を聞いていたのだろう、俺を犯罪者を見る目で遠巻きに見てきます。
「ほら見ろ、お前のせいで俺が犯罪者扱いだ」
「……いつも通りの扱いに、タカシにっこり」
「無茶言うな」
「……まあそんなわけで、私をおんぶするといい」
「あーもう、分かったよ。これ以上何か言われると善意の通行人に警察呼ばれそうだし。ほい」
「……ん」
ちなみに背を向けて座ると、軽い重みが背中にかかる。
「……ふふ、らくちんだ」
「ええい。俺は朝からどうしておんぶしているのだろう」
「……普段の行いの結果。やーいばーか」
「もういっそ我が身もろとも車道に躍り出たい気分だ」
「……私が下りてからなら、許可する」
それではただの自殺なので、丁重に辞退する。
「……とても不満。えいえい」
「髪を引っ張るな」
「……おお、手綱のようだ。……ダメなタカシを名手綱捌きで操る私。……すごい?」
「夫婦気取りですね」
「? ……っ!? ち、違う。そんなつもりじゃない。違う」
「そんな露骨に嫌がらなくても」
「い、嫌とかじゃなくて! ……あ、ち、違う。そう。嫌なの。びっくりしたとかじゃなくて、嫌なの」
「びっくりしたのか。いや、ちなみに嫌われてなくてよかった」
「嫌いと言ってる。言ってる!」
「はいはい」
「うー!」
がぶがぶと頭を噛まれながら、俺はちなみと一緒に登校した。