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2024年11月22日
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【ねこちなみん】

2010年05月29日
 昨日は夜更かしをして眠かったので、養護教諭にうまいこと言って保健室で寝ていたんですよ。
 で、さっき起きたんだけど、なんか猫っぽいのが俺の横で寝てる。
「うにゅ……にゅ……」
 えーと、どうしよう。起こした方がいいんだろうけど、うにゅうにゅ言ってるし鼻息がなんか甘いしええと!(混乱中)
「ん……ふぁぁぁぁぁ……」
 上半身だけで右往左往していたところ、猫が目を覚ました。
「……ねこです。にゃあにゃあ」
「なんで俺の横で寝てるのですか?」
 なんて聞いたら、むー、とちなみの眉毛が寄った。
「……タカシのせいです。下校時間になるまでこんなところで寝てるなんて……卑怯です」
「いや、意味が分からん。なんで俺がここで寝てるだけで卑怯になるんだ?」
「……知りません。もういいです。まだ眠たいのでどっか行ってください」
 ちなみは俺の布団を剥ぎ取り、また横になってしまった。
「いや、行けと言うなら行くけど……」
 いまいち納得できないけど、なんか機嫌を損ねているのでとっとと退散しよう。
 立ち上がろうとして、服の裾を小さな手が掴んでいるのが見えた。
「……ちなみさん。裾を掴まれてると、どこにも行けないのですが」
「……ちなみとしては、鈍感なタカシはどっかに行って欲しいです」
 でも、とちなみは続けた。
「……ねこちなみは、まだ小さな猫なので一人で寝るのは嫌です。寝るまで、……そばにいてほしいです」
 顔を半分布団で隠し、か細い声でちなみは言った。
 一瞬だけ考え、俺は再びベッドに腰を下ろした。
「ねこなら仕方ないな。俺もまだ眠いし、一緒に寝るか」
 ちなみの隣に横たわる。と、ぎゅっと抱きしめられた。
「……こうしないと狭いから、抱きついただけです。……他意はありません」
 俺の胸で顔を隠し、消えそうな声でちなみは言った。
「……ま、確かに狭いからな。俺もいいか?」
 小さくコクンと頷くのを感じてから、俺はちなみの腰に腕を回し、軽く抱きしめたまま目をつむった。

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