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2024年11月23日
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【猫ツンデレ】

2010年04月15日
 飼ってる猫が女っぽくなってた。
「……ふぁぁぁぁ。あ、タカシだタカシだ。やい、膝に乗せろ」
 猫が……いや、元猫の娘さんが俺の膝の上に無理やり乗ってきた。
「んー……なんか、狭いな。タカシ、小さくなったか?」
「え、ええと、育ち盛りだから小さくなることもある」
「にゃるほど、そうか。……んー、狭い」
 いや、そうじゃなくて! ええいくつろぐな、ノドを鳴らすな! なんで要所要所が毛に覆われてんだ! 視姦不能!
「え、えと、猫さん? どして女の子になってるのかなー?」
「うー……あちしは昔からメスにゃりよ。変なこと言うタカシな」
「いやいやいや、そうじゃなくて! 人の娘っぽくなってることの説明を求めてるわけで!」
「うっさい」
 顔面を引っかかれた。痛い。
「ぐちゃぐちゃ言ってないで、ノド撫でれ。ほれ、早く」
「うう……学校では女性陣になじられ、安息の地と思われた家でさえこの扱い! 今立たずしていつ立つと言うのか! そう、い」
「早くする」
 また引っかかれた。痛い。
「……気持ちいいですか、お嬢様」
 顔に引っかき傷をつけたまま、こちょこちょとノドをなでる。
「んー……あんま気持ちよくない。タカシ、下手になった?」
「失礼な! 唯一の特技だぞ!? これだけは誰にも負ける気がしないわ!」
「むー……じゃ、頭撫でれ。なでなですれ」
「……どっちがご主人様か分からなくなってきた」
「あちしが主人、タカシは奴隷。知らなかったか?」
 初耳です。とにかく、奴隷としてご主人様の頭をなでる。
「んー……こりは、気持ちいいにゃり。もっとなでなですれ」
「それはいいんだけど、ちっと重い。のけ」
「我慢する。なでなで、なでなですれー」
 ご主人様が満足するまでなでなでしてたら夜になったので驚いた。足しびれた。

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【ツンデレが男とスーパーに行ったら】

2010年04月14日
 備蓄が尽きそうなので、姉さんと一緒に買い物に行くことになった。
「買い物くらい一人で行きなさいよねぇ……もう、私忙しいのに」
「気のせいか、部屋でせんべい食ってたように見えましたが」
「気のせいよ」
 断言しやがった。このクソ姉め、炊事洗濯全部俺に押し付け、自分はせんべい片手に優雅に読書か!
「姉さん、炊事とか交代制にしない?」
「ダメよ。本当は私が全部やってあげたいけど、タカくんのためにならないから涙を呑んでタカくんにやらせてるのよ?」
「……姉さん、とてもとても嘘くさいです」
「あら、私の言うこと信じられないの? 久しぶりにお仕置きかしらね♪」
「ぼく、炊事洗濯大好きさ! だからお仕置きだけは!」
 嬉々としてポシェットから怪しげな器具を取り出す姉に、慌てて謝る。
「はぁ、最初っからそう言えばいいのに」
「すいませんでした」
「まぁいいわ。ほら、入るわよ」
 近所のスーパーに入り、適当な物を買い物カゴに入れていく。
「タカくん、あんまりインスタント食品ばっかり買ったらダメよ。体に悪いわ」
「大丈夫だって、俺頑丈だから」
「だれもタカくんの心配なんてしてないわよ。私の体を心配してるの」
「……そっスか」
「お肌に悪いから、少しだけね」
 そう言って、姉は自分の好みのインスタント食品だけカゴに残し、後は全部戻してしまった。
「姉さん、レトルトカレー食べたい……」
「ダメよ、辛いの嫌いだもの」
 ダメ元で言ってはみたが、やっぱりダメだった。たまにはボンカレー食いたい。
「甘口食えばいいじゃん」
「ダメよ。大人の女性が甘口食べてるなんて誰かに知られたら、恥ずかしいわ」
「……胸は子供のクセに」
「……何か言った、タカくん?」
 極めて小声で言ったのに、姉の耳に届いてしまったようだ。
「気のせいです、美しく優しいお姉様」
「あら、そうかしら? ……タカくん、人の身体的欠陥をけなすなんて、間違ってるよね?」
「ま、まったくです! で、でも、俺は別に……」
「『乳小さき者は人に在らず』なんて、タカくんも随分なこと言うわね」
 言ってない。さすがにそこまで思ってないし、思っても言えない。
「大体ね、言うほど私小さくないわよ。タカくんが勘違いしてるだけよ」
「そ、その通りです、お姉様」
「もうちょっとでBに届くし、毎日豊胸トレーニングしてるし、すぐDにまでなるわよ」
「いや、それはさすがに無理かと……」
 思わず本音が口をつく。姉の顔に笑みが張り付いた。
「ね、姉さん、違うんだ。今のはその、ええと!」
「……うふふ、今日はどんなお仕置きにしようかな~♪」
 にこやかにポシェットを漁る姉に、どうしようもないことを悟る。
 ……だがしかし! 諦めたらそこで終わりだ。粘れ、俺!
「で、でも、小さい方がいいこともあるよね? 走るとき邪魔にならないし、匍匐前進も楽だし!」
「今日はスペシャルコースがいいのね、タカくん」
 いかん、状況がさらに悪化した。
「お、俺は小さい方が好きだよ! 姉さんの小ぶりな胸、大好きさ!」
 ……って、これじゃ逆効果じゃん! 小さいの気にしてるのに、なに言ってるかな俺は! 確かに小さい方が好きだけど、今言うことじゃないだろ!
 恐る恐る姉を見る。姉さんは困ったように息を漏らした。
「まったく、しょうがない子ね」
「え、それじゃ……」
「大まけにまけて通常コースにしてあげる。よかったね、タカくん」
「わぁい! ……え、でもそれって結局お仕置きされるってことじゃ……」
「ほら、買い物続けるわよ。ぼーっとしないの」
 とにかく、よく分からないけど機嫌が直ってよかった。
 ただ、やっぱりお仕置きされた。何度やられても恥ずかしいやら悔しいやらもうお婿に行けない。畜生。
「大丈夫よ。その時は、私がもらってあげるわよ」
 器具を片付けながら、冗談とも本気ともとれることを言う姉さんだった。

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水1

2010年04月14日
 弁当忘れた。金もない。さて、どうしよう。
黄「あれ? どったの、ご飯食べないの?」
 黄色がパンをかじりながら楽しげによってきた。……こいつ、分かってて言ってるな。
男「貴様のパンをよこせ!」
黄「よっと。にゅふふふふ、あまいねー。そんな腕じゃ私のパンは奪えないよ?」
男「じゃあこれで」
 近くで不安そうに様子を窺っていた水色の弁当を奪う。
水「あ……」
黄「アンタ、何してんのよ! 水ちゃんのお弁当取るなんて、人非人じゃないの!?」
水「い、いいの黄ちゃん。……ご飯ないとお腹空くもんね? わたし、もういっぱい食べたから、後は食べてもいいよ」
男「う……」
 いっぱい食べたと言っているが、ご飯の一角がなくなっているだけだ。おかずに手をつけた様子は見られない。
黄「こんな奴のために我慢するなんて……なんていい子なのっ!」
水「あ、あぅ……」
 黄色が水色を抱きしめ、ほっぺをすりすりした。とてもいい光景だけど、水色の顔が真っ赤なので止めさせよう。
男「お嬢さん方。大変麗しい光景ですが、これ以上は俺の安全弁が崩壊する恐れがあるのでやめれ」
黄「崩壊したらどうなるの?」
男「俺もすりすりに参加する」
 ちょうど崩壊したので、水色の空いてるほっぺにすりすりする。……うぉぉ、とろけるほど気持ちいい。
水「あ、あぅぅ……」
黄「ちょっと、水ちゃん嫌がってるじゃないの! やめなさいよ!」
男「嫌がってるのはおまえにすりすりされてるからだ! 仮に俺が嫌がられてるとしても、こんな気持ちいい行為やめられるか!」
水「う、あぅ、気持ちいいって……あぅぅ」
黄「嫌なのはコイツにすりすりされることで、私はいいもんねー、水ちゃん?」
男「そんなことないよな? ……ていうか、大丈夫か? 顔真っ赤だけど……」
水「う、うう……ぷしゅー」
 目をぐるぐる回転させて、水色がぶっ倒れた。
黄「ああっ、水ちゃん、水ちゃーん!」
 俺と黄色は慌てて水色を保健室に連れて行くのだった。

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【ファンタジーな世界でツンデレをかばって男が大けがしたらどうなるの】

2010年04月14日
 今でない時、ここでない場所。剣と魔法な世界に住む俺は、宿代を稼ぐためギルドで怪物退治を請け負い、怪物が出るという場所へ向かっている最中だった。
「それで、何を退治するの?」
 相棒のかなみがめんどくさそうに俺に語りかける。
「んーと、ゴブリンを1匹、かな。畑を荒らすんで、退治してくれって近隣の村から依頼があった」
「地味ねぇ……ドラゴン退治とか、そういう派手な依頼ないの?」
 腰の剣を抜き、かなみは近くの草を切った。
「返り討ちに遭うのがオチだろ。かなみはともかく、俺は最近まで武器なんて使ったことなかったんだ。一瞬で焼き尽くされるぞ」
 真新しい剣が腰にあるのを確認しつつ、かなみに答える。
「そんなのがなんで怪物退治なんてするの?」
「一番依頼額が高かったから。もう三ヶ月分ツケがたまってるし、少しは払っておかないと追い出される」
「……そんなとこだと思った」
 かなみは呆れたように息を吐いた。
「ま、かなみがいるから大丈夫だろ」
「……へぇ、信頼してくれてんだ」
「かなみなら片手でトロルでも引き千切るのも容易いだろうし」
「人を筋肉バカみたいに言うなっ! 無理に決まってるでしょ!」
 などと適当に話していると、依頼された場所についた。
「ここね、ゴブリンが出るっていう畑は」
「近くに森があるな。あそこからやってくるんだろ」
「どうする? 来るの待つ?」
「いや、こっちから行こう。相手は一匹なんだ、大丈夫だろ」
「……戦いの素人がなんか言ってるけど、その通りね。んじゃ、サクサク行きましょ」
 毒を吐いてからかなみは森の中へ入って行った。置いていかれては敵わないので、俺も後に続く。
 しばらく森を歩いていると、洞穴を見つけた。
「あそこかな?」
「よし。かなみ、突っ込め」
「なんで私が! こういうのは男の役目でしょ!」
「じゃあ尚更だ。行け、かなみ」
「誰が男か! いーから行けッ!」
 尻を蹴っ飛ばされ、洞穴に頭から突っ込む。
「いてて……ったく、蹴らなくてもいいのに」
 洞穴の中は暗く湿っていた。鞄の中からカンテラを取り出し、火を入れる。
「…………」
 明かりに照らされ、洞穴の中がはっきり見えた。10匹以上いる、ゴブリンの姿が。
「うわ、うわあああ!」
 慌てて洞穴から飛び出し、外で待機していたかなみに抱きつく。
「ちょ、ちょっと! なに抱きついてんのよ!」
「ご、ご、ゴブリン! 10匹ぐらいいる!」
「うそっ!? 依頼じゃ1匹って話だったんじゃないの!?」
「いーから逃げろ! 俺たちじゃ無理だ!」
「ダメよ! 私たちが逃げたら、村が襲われるじゃない!」
「そんな場合じゃないだろ! 死ぬぞ!?」
 そうこうしている内に、洞穴からゴブリンたちが姿を見せた。その数、ざっと10。
「私だけでもやってやる! タカシは応援呼んで来て!」
 その群れの中に、かなみは剣を掲げて飛び込んだ。
「ああもう……畜生! お前一人じゃ持ち堪えられるわけないだろうが!」
 鞘から剣を抜き、俺も群れに飛び込む。ゴブリンたちは雄叫びを上げて敵を迎えた。

 どれくらい剣を振るっただろう、もう腕の感覚はない。体は裂傷複数、打撲多数で満身創痍。地面にはゴブリンたちの死骸が8つほど。
「はぁっ、はぁっ……ちょっと、きついわね」
「はぁ、はぁ……言っただろーが、逃げろって」
「うっさいなー、私は応援呼んでって言っでしょ。……バカね、アンタだけでも逃げりゃいいのに」
 笑いを浮かべるかなみだったが、イマイチ精彩に欠ける。俺と同じように、限界が近いのだろう。
「バカはそっちだ」
「うるさいわね、アンタこそ……」
「ほっとけるわけないだろ。仲間なんだから」
 残ったゴブリンがじりじりと間合いを詰めてくる。数はこちらと同数だが、傷を負っていないだけ向こうが有利だろう。
「……あは、仲間か。……アンタって、そういうことしれっと言うのね」
「さぁって。かなみ、生き残るぞ」
 血がこびりついた剣を持ち直す。ゴブリンは低い唸り声を上げた。
「ふふっ、素人がかっこつけて。……そうね、こんな怪物が相手じゃ私の輝かしい歴史の終止符に相応しくないものね」
 そう強がって、かなみも剣を持ち直した。そして、化け物に飛び掛った。
 もう一匹のゴブリンがかなみに襲い掛かろうとしたところを、牽制してこちらに向かせる。
「お前の相手は、俺だよん」
 軽口を叩きながら両手で剣を持ち、ゴブリン目掛けダッシュ。鋭い爪を皮鎧で受け、思い切り胴体を貫く。ゴブリンは悲痛な叫びを上げながら、尚も爪を振り回した。
 鎧を切り裂き肩にまで爪が食い込むが、それでもゴブリンを貫いたまま剣を奴の背後にある木に突き立てる。苦悶の叫びを上げ、ゴブリンは息絶えた。
「かなみは!?」
 慌ててかなみを見ると、ちょうどゴブリンを仕留めたところだった。ほっと胸を撫で下ろす。
「あー……しんどかった」
 地面に転がるかなみの元へ歩み寄ろうとして、気づいた。洞穴にもう一匹いる。そして、そいつは今まさにかなみに襲いかかろうとしていた。
「かなみッ!」
「えっ、きゃっ!」
 かなみを突き飛ばすと同時に、背中に衝撃と熱が走る。
「ちょっと、いきなり何……」
 かなみの顔が青く染まっていく。
「逃げろ、かなみ……」
「ちょっと、ねえ! なに血なんか流してるのよ! ちょっと、やめてよ!」
「ばか、逃げろって……」
「やめてよ、嘘でしょ!? ねえ、タカシ!」
 意識が保てない。かなみの像が揺らぐ。ただかなみの無事だけを願い、俺の意識は閉じた。

 目覚めると、そこは白い部屋だった。
「……あっ、タカシ!」
 耳をつんざく大声に振り向くと、そこに目を潤ましたかなみがいた。
「アンタねぇ、生きてるならとっとと起きなさいよ!」
 目を擦りながら、かなみは少し怒ったように言った。
「ええと……どうなったんだ?」
「あの後、偶然通りがかった魔術師に助けてもらったの。……あそこ、ゴブリンの巣窟だったんだって」
「なんだって!? ギルドの親父、適当なこと言いやがって……依頼料上乗せしてもらわないとな」
「それより! なんで庇ったりしたの!? 下手したら死ぬところだったのに!」
「なんで、と言われても……体が勝手に動いたんだ、仕方ないだろ」
「何それ! 馬鹿にしてるの!?」
「まーまー、いーじゃん。助かったんだし」
「よくない! あのままタカシが死んだりしたら、私、わたし……」
 かなみの瞳から涙が零れる。
「かなみ……」
「うぐっ、ひっく……次あんなことしたら、許さないから! 勝手に死んだりしたら、殺すからね!」
「……殺されるのは敵わないな。分かった、次からは無茶しない」
 流れる涙を手で拭ってやる。
「……約束、だよ?」
 その手を、かなみはぎゅっと握った。未だ潤む瞳で、俺をじっと見ている。
「……ああ、約束だ」
 かなみの目が閉じられた。吸い込まれるように、俺は……
「……ちーす。……ん、病院でエロいことしてるので、罰ー。……なむなむ、ふぁいあー」
 魔術師の衣装に身を包んだ変な奴が、病室に入ってくるなり俺目掛け火の玉を放ってきた!
「うぎゃあああ!」
「ああっ、タカシが吹っ飛んだ!」
「……正義の勝利。……ぶい」

 後で聞いた話だが、俺を吹っ飛ばした悪魔は、かなみを助けてくれた魔術師らしい。
「……ちなみです。……愛と正義のラブリー魔法使いなのです」
「愛と正義の人は怪我人に火の玉放ったりしないぞ。“暴力と悪の残虐魔法使い”ならよく似合ってる」
「……むか。……不愉快なので、貴方のパーティに入ることにします」
「なんで!?」
「……ダメな人を更生させるのもラブリー魔法使いの務め。……ふぁいと、ちなみ」
 悪魔が仲間に入ってしまった。
「うう……せっかくタカシと二人きりのパーティだったのに……」
 かなみが何か言ってるけど、俺はただ悪魔の参入に頭を抱えるばかりだった。

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白1

2010年04月14日
 2ヶ月ほど入院していた白が今日、退院してきた。
男「やっと復帰できたか。よかったな」
白「うん、ありがとね。……でも、いっぱい休んじゃったし、進級できるかな」
男「もし白が留年することになったら、職員室を襲撃してウヤムヤにするから大丈夫だ」
白「ダメだよ! もう、悪いことしたら神様に怒られるよ?」
男「神様?」
白「そう。神様はね、いっつも私たちを見守っててくれるの。だから、悪いことしたら罰が当たるよ?」
男「はぁ」
白「あーっ、信じてないね。ホントだよ? こうしてる今もキミを見て、どんな罰を与えようか考えてるよ」
男「悪いことなんてしたことないから平気さ」
白「一度も?」
男「一度も」
 疑わしげな白の視線に晒されていると、友人がやってきた。
友人「おい、先生がお前探してたぞ。こないだのアレじゃないか?」
男「こないだのアレ?」
友人「ほら、アレだよ。学校でチキンレースやって、お前が勢い余って自転車ごと池に落ちて、そこの鯉が全滅したやつ」
男「でも、代わりの魚入れといたから大丈夫だろ?」
友人「……金魚でどうやって誤魔化すんだよ」
男「魚なんてどれも似たようなもんだろ」
友人「全然ちげーよ! とにかく、伝えたからな。気ぃつけろよ」
男「分かった、サンキュ」
 白に向き直ると、とても睨まれていた。
男「……かように、私は悪いことなんて一度も」
白「すっごい悪人だね。おでこに『悪』って刺青した方がいいよ」
 それはただの馬鹿です。
白「鯉さん可哀想だよ」
男「故意ではないので許してください」
白「わ、すっごいつまんないね」
男「…………」
白「鯉と故意をかけたの? ね? 駄洒落?」
男「ええいうるさい! とにかく、……何の話だっけ?」
白「キミが駄洒落好きって話だよ」
 誤情報が白の頭にインプットされていた。駄洒落は嫌いです。
男「じゃなくて! お前の進級の話だよ」
白「だいじょーぶだよ。なんとかなるんじゃないカナ?」
 カナとか言うな。間違っても二回言うなよ。
男「ま、なんかあったら言ってくれ。俺にできることなら、なんでも力になる」
白「そ、そう? あはは、ありがと」
男「言い換えれば、できないことは何もしない」
白「……それ言わなかったら、かっこいい台詞だったんだけどね」
 苦笑いを浮かべながらも、少し嬉しそうな白だった。

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