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2024年11月21日
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【ツンデレにマルチを強要したら】
2012年01月22日
「久しぶりに昔のエロゲを引っ張り出してプレイしたところ、マルチが死ぬほど可愛かったので今日から先生はマルチ。決定」
「なんて無茶なことを平然と言うですかっ!? 先生はマルチではなく、先生ですっ! 大人です!」
なんかもにゃもにゃ言ってる大谷先生(自称大人、見た目小学生)の耳にマルチっぽい自作の付け耳をつける。
「あーっ!? もうっ、全然許可してないのに勝手に変なのつけないでくださいっ!」
「お、普通にくださいって言った」
「へ? ……あーっ! 今回はちゃんと言えました! えへへっ、すごい? すごい?」
「あーすごいすごい」
ぴょんこぴょんこ跳ねつつ、満面の笑みですごいか生徒に問いかける教師の頭をなでる。
「……なんか知んないけど、馬鹿にされた気分でいっぱいです」
折角なでてやったというのに、大谷先生は不満気に眉を寄せた。
「そりゃ馬鹿にしているからなあ。そんな気分にもなるだろ」
「やっぱりですっ! 別府くん、先生を馬鹿にしてはいけませんっ!」
「いや、教師という職業を馬鹿にしたんじゃない。大谷先生という一個人を馬鹿にしたんだ。勘違いさせたなら謝る。悪かった」
「謝られたのにより一層不愉快になる魔法をかけられましたっ!」
ぺこりと頭を下げたのに、先生は涙目で怒った。
「それより先生、折角マルチっぽくなったのだからはわわはわわと言いなさい」
「生徒が教師に要求することじゃないですっ!」
「言ったら大人扱いするから」
そう言った途端、先生の目が輝きだした。
「ほっ、本当ですかっ!? 先生のこと、尊敬しますかっ!? もー子供だ子供だって馬鹿にしませんか!? 胸が小さいことをいじりませんか!? 執拗に頭をなでませんか!? 意味もなく抱っこしませんか!?」
「質問が多い。一つにしてくれ」
「う……そ、それじゃ、本当に先生のことを大人扱いしてくれますか?」
「任せろ。約束しよう」
「わ、分かりました。それなら先生も我慢して言います。……は、はわわ!」
「…………」
「はわわ! はわわ! はわわ! はぁはぁ……ど、どですか?」
「なんかイマイチ。20点」
「えええええ!?」
「どーも先生にはマルチ感が足りない。ゲーム貸すからマルチシナリオをクリアし、きちんとマルチのキャラを把握すること」
「頑張ったのに! 折角言いたくもないのにはわわって言ったのに、20点って! 先生、非常に不本意です!」
「赤点なので、当然先ほどの約束も反故させていただきます」
「酷いです! 別府くん酷すぎです! 悪魔です! 悪魔超人です! いっそ悪魔将軍です!」
「地獄の断頭台!」
「わ、上手です! ぱちぱちぱち!」
隠れた特技、一人必殺技を披露したら、普通に感心された。
「……いやいや、違います。必殺技とかどーでもいいんです」
「全く関係ないが、口でぱちぱちって言う奴って馬鹿みたいだよな。いや、全く関係ないが」
「また馬鹿にされた!? もー! 別府くんは! やっぱり悪魔です!」
「人間です」
「うぐぐ……しかも冷静に否定するなんて、なんだか先生の方が子供みたいじゃないですか! どーゆーつもりですかっ!?」
「実際に子供だから、別に変なことじゃないと思う」
「こんなに言ってるのにまだ先生のことを子供扱いしますか!? どういうつもりなのですかっ!」
「だって、先生の幼女感ときたら尋常ではないのだから、仕方ないではないか」
「仕方ないではなくないですっ! 別府くんのばかっ!」
「ややこしい怒り方をするな。まあそういうわけで、引き続き子供扱いするのでそのつもりで」(なでなで)
「ほーら、早速先生の頭をなでなでと! 酷い扱いです! 頭なでないでくだたいっ!」
「お、例のくだたいが出た。さすが先生、自身のキャラをよく分かっていらっしゃる」
「そんなつもりないですっ! 別府くんのばかっ! 先生のこと馬鹿にしてばっかで! だいっきらいですっ!」
「これは悲しいことを。俺は先生のことを大好きなのに」
「はわっ、はわわっ!?」
「ん?」
「は、う、え、そ、そんなこと言われても、こっ、困ります、困りますっ! そ、そりゃ先生も本心では、その、アレですけど、……そ、そーゆーことは卒業してからですねっ!?」
先生はやたらと顔を赤くしながら、両手をぶんぶんと振った。
「ふむ……」
「……あ、あの、別府くん? ……あ、あの、どしてもって言うならですね、その……あの、えと。……み、みんなに秘密で、そ、その、……て、手とか繋いだりとかなら、ですね?」
「さっきの“はわわ”はなかなかの出来だった。なんだ、やればできるじゃないか!」(なでなで)
「…………」
「もーっ! 別府くんは! もーっ!」
先生は両手をぐるぐると回転させながらこちらに突撃してきた。
「ひぃ、先生が急遽牛憑きに! なのに乳が依然平らとは、涙を禁じ得ない」
「今日も別府くんはいじわるです! 許しがたいです!」
「あ、ちなみにさっき先生を大好きと言ったけど、異性へのそれではなく、人間としての好意の話ですよ、もちろん」
「さらにいじわるを上乗せ!? 信じられないほどいじわるです! もはやいじわる王のれべるです!」
「王か。最近の俺は黄衣の王とかが好きだなあ。いあ! いあ! はすたあ!」
「ちっとも分からないですしなんだかちょこっと怖いですうわーんっ!」
「ああ今回も先生を泣かしてしまった。はいはい、泣かない泣かない。ごめんな、先生」(なでなで)
「ぐすぐす……今回も泣かされました。今日も別府くんは悪魔の御使いです」
「いあ いあ はすたあ! はすたあ くふあやく ぶるぐとむ ぶぐとらぐるん ぶるぐとむ! あい あい はすたあ!」
「本物っ!? はわっ、はわわわわっ!?」
ガタガタと震えながらSAN値を減らす大谷先生は可愛いなあと思った。
「なんて無茶なことを平然と言うですかっ!? 先生はマルチではなく、先生ですっ! 大人です!」
なんかもにゃもにゃ言ってる大谷先生(自称大人、見た目小学生)の耳にマルチっぽい自作の付け耳をつける。
「あーっ!? もうっ、全然許可してないのに勝手に変なのつけないでくださいっ!」
「お、普通にくださいって言った」
「へ? ……あーっ! 今回はちゃんと言えました! えへへっ、すごい? すごい?」
「あーすごいすごい」
ぴょんこぴょんこ跳ねつつ、満面の笑みですごいか生徒に問いかける教師の頭をなでる。
「……なんか知んないけど、馬鹿にされた気分でいっぱいです」
折角なでてやったというのに、大谷先生は不満気に眉を寄せた。
「そりゃ馬鹿にしているからなあ。そんな気分にもなるだろ」
「やっぱりですっ! 別府くん、先生を馬鹿にしてはいけませんっ!」
「いや、教師という職業を馬鹿にしたんじゃない。大谷先生という一個人を馬鹿にしたんだ。勘違いさせたなら謝る。悪かった」
「謝られたのにより一層不愉快になる魔法をかけられましたっ!」
ぺこりと頭を下げたのに、先生は涙目で怒った。
「それより先生、折角マルチっぽくなったのだからはわわはわわと言いなさい」
「生徒が教師に要求することじゃないですっ!」
「言ったら大人扱いするから」
そう言った途端、先生の目が輝きだした。
「ほっ、本当ですかっ!? 先生のこと、尊敬しますかっ!? もー子供だ子供だって馬鹿にしませんか!? 胸が小さいことをいじりませんか!? 執拗に頭をなでませんか!? 意味もなく抱っこしませんか!?」
「質問が多い。一つにしてくれ」
「う……そ、それじゃ、本当に先生のことを大人扱いしてくれますか?」
「任せろ。約束しよう」
「わ、分かりました。それなら先生も我慢して言います。……は、はわわ!」
「…………」
「はわわ! はわわ! はわわ! はぁはぁ……ど、どですか?」
「なんかイマイチ。20点」
「えええええ!?」
「どーも先生にはマルチ感が足りない。ゲーム貸すからマルチシナリオをクリアし、きちんとマルチのキャラを把握すること」
「頑張ったのに! 折角言いたくもないのにはわわって言ったのに、20点って! 先生、非常に不本意です!」
「赤点なので、当然先ほどの約束も反故させていただきます」
「酷いです! 別府くん酷すぎです! 悪魔です! 悪魔超人です! いっそ悪魔将軍です!」
「地獄の断頭台!」
「わ、上手です! ぱちぱちぱち!」
隠れた特技、一人必殺技を披露したら、普通に感心された。
「……いやいや、違います。必殺技とかどーでもいいんです」
「全く関係ないが、口でぱちぱちって言う奴って馬鹿みたいだよな。いや、全く関係ないが」
「また馬鹿にされた!? もー! 別府くんは! やっぱり悪魔です!」
「人間です」
「うぐぐ……しかも冷静に否定するなんて、なんだか先生の方が子供みたいじゃないですか! どーゆーつもりですかっ!?」
「実際に子供だから、別に変なことじゃないと思う」
「こんなに言ってるのにまだ先生のことを子供扱いしますか!? どういうつもりなのですかっ!」
「だって、先生の幼女感ときたら尋常ではないのだから、仕方ないではないか」
「仕方ないではなくないですっ! 別府くんのばかっ!」
「ややこしい怒り方をするな。まあそういうわけで、引き続き子供扱いするのでそのつもりで」(なでなで)
「ほーら、早速先生の頭をなでなでと! 酷い扱いです! 頭なでないでくだたいっ!」
「お、例のくだたいが出た。さすが先生、自身のキャラをよく分かっていらっしゃる」
「そんなつもりないですっ! 別府くんのばかっ! 先生のこと馬鹿にしてばっかで! だいっきらいですっ!」
「これは悲しいことを。俺は先生のことを大好きなのに」
「はわっ、はわわっ!?」
「ん?」
「は、う、え、そ、そんなこと言われても、こっ、困ります、困りますっ! そ、そりゃ先生も本心では、その、アレですけど、……そ、そーゆーことは卒業してからですねっ!?」
先生はやたらと顔を赤くしながら、両手をぶんぶんと振った。
「ふむ……」
「……あ、あの、別府くん? ……あ、あの、どしてもって言うならですね、その……あの、えと。……み、みんなに秘密で、そ、その、……て、手とか繋いだりとかなら、ですね?」
「さっきの“はわわ”はなかなかの出来だった。なんだ、やればできるじゃないか!」(なでなで)
「…………」
「もーっ! 別府くんは! もーっ!」
先生は両手をぐるぐると回転させながらこちらに突撃してきた。
「ひぃ、先生が急遽牛憑きに! なのに乳が依然平らとは、涙を禁じ得ない」
「今日も別府くんはいじわるです! 許しがたいです!」
「あ、ちなみにさっき先生を大好きと言ったけど、異性へのそれではなく、人間としての好意の話ですよ、もちろん」
「さらにいじわるを上乗せ!? 信じられないほどいじわるです! もはやいじわる王のれべるです!」
「王か。最近の俺は黄衣の王とかが好きだなあ。いあ! いあ! はすたあ!」
「ちっとも分からないですしなんだかちょこっと怖いですうわーんっ!」
「ああ今回も先生を泣かしてしまった。はいはい、泣かない泣かない。ごめんな、先生」(なでなで)
「ぐすぐす……今回も泣かされました。今日も別府くんは悪魔の御使いです」
「いあ いあ はすたあ! はすたあ くふあやく ぶるぐとむ ぶぐとらぐるん ぶるぐとむ! あい あい はすたあ!」
「本物っ!? はわっ、はわわわわっ!?」
ガタガタと震えながらSAN値を減らす大谷先生は可愛いなあと思った。
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【突然うさぎ耳を装着させられるツンデレ】
2011年01月05日
今年は兎年だ。年賀状なんて出さないからすっかり忘れてた。
「ふわわわ!? ふわ、わわわっ!?」
そんなわけで大谷先生の家に突入し、闖入者に驚いてる隙をついてうさぎ耳を先生に装着する。
「ふむ。イマイチ」
「イキナリ飛び込んできて変な格好させられたうえ、イマイチ!? 言うことがいっぱいありますよっ、別府くん!」
ウサギ耳をつけた中学生みたいな人が何やら半泣きで喚いていた。なんて半泣きが似合う人なんだ。
「聞いてますか、別府くんっ!?」
「ああ、はいはい。ええと、あけましておめでとう、先生。今年もよろしくな」
「はいー、おめでとうございます。こちらこそお願いしますです!」
深々と礼し合う。先生は礼をする時、手をぴこっと後ろに伸ばすクセがあるので、馬鹿っぽくて素敵。
「……って違いますっ! なんでここで新年の挨拶なんですかっ! そんなの後々、後回しです!」
「挨拶は大事だぞ? 聖職者がそんな大事なものを後に回していいのか?」
「うっ……でっ、でも、それどころじゃないんですっ! だってだって、先生家でごろんごろんしてたんですっ! そしたら別府くんが飛び込んできてびっくり仰天なんですもんっ!」
「先生に会いたくて会いたくて、冬休みが終わるのを待ちきれなかったんだ」
「う……そ、そんなので誤魔化されません。ええ、先生そりゃ大人ですから憧れるのも分かりますが、先生と別府くんとじゃ全然釣り合いませんもん。……でででも、別府くんが卒業したら話は別の可能性もなきにしもあらずと言うかですね? ……あれ?」
「ぐーぐー」
「なんかコタツ入ってぐーぐー寝てるーっ!?」
話が長かったので勝手にコタツに潜り込んで寝てたら、何やらうるさい声がして目覚めてしまった。
「ううむ……先生、うるさい。人が寝てるんだから静かにしなさい」
「しかも怒られた!? ここは世界の常識が通用しない場所なんですか!?」
「正月からテンション高いなあ。しかもウサギ耳なんてつけてるから、馬鹿っぽさが普段の二割り増しだぞ。もっと頑張れ」
「ぜーんぶ別府くんのせいですっ! テンション高いのは別府くんが突然隣の朝ごはんばりに突撃してきて気が立ってるからで、ウサギ耳はこれまた別府くんが無理矢理に先生につけてそのうえイマイチなんて評したからですっ!」
「長い。3文字で」
「うさーっ!」
珍奇極まる鳴き声をあげつつ、先生は両手を上げた。
「惜しい。4文字だ。次回の応募をお待ちしています」
「何の話ですかっ!?」
「あと、うさぎはうさーって鳴き声じゃないと思う」
「うるさいですっ! うさぎの鳴き声なんて知らないですっ!」
「先生は先生なのに馬鹿なんだなあ」
「ものすっごく馬鹿にされてます! そりゃ雑学なんて知りませんよ! 昔そーゆー番組いっぱいやってましたが、ほぼ全部忘れましたもん!」
「まあそんなのどうでもいいや。先生、バニー服着て」
「またしても意味不明ですっ! どうして先生がそんなの着なきゃいけないんですかっ! 先生の魅惑のせくしーぼでーにくらくらになりたいんですかっ!?」
「無茶言うな」
「無茶!?」
何やらショックを受けてる御様子。
「とは言え、別の意味合いでのせくしーぼでーではあるかな。改めて見ると、俺のような特殊な性癖を持つ異常者にはたまらない体つきだからなあ。この無乳はたまらないなあ。押し倒したいなあ!」
「言ってはならないことを全部言ってます!」
「わざとなんだ」
「たまらなく怖いですっ!」
先生が震えだした。
「大丈夫だよ、先生。俺、警察にばれないであろう手段を持ってるんだ!」
震えが強くなった。
「冗談だ。そう震えるな」
「ふっ、震えてなんてませんっ! ちっとも怯えてませんっ!」
「じゃあやっていいのか? やったぁ!」
「冗談という話がどこかへ行きましたよ!? 何をいい笑顔で近寄って来てますか!? 手をわきわきさせてはいけないですっ!」
しっしと追いやられたので、諦める。無念。
「まあ先生を調教するのは今後の課題にするとして、今日はまあ年始の挨拶と言うか、暇つぶしに来たんだ」
「全く聞き逃せないことをさらりと言いましたねっ!?」
「いやぁ、やっぱ暇つぶしに教師の家に来るのはまずかったか?」
「そんなのはどーでもいいんですっ! 調教です、調教のくだりを先生は言っているのです!」
「今されたいのか? 実経験はないが……まあ、やってみるか」
「とんでもない誤解が先生の人生を狂わそうとしていますっ!」
「普通に断れ。なんだその台詞」
先生の頭をぺしぺしと叩く。そのついでに、うにうにと頭をなでる。先生はちっこいので俺が手を置くのに丁度よい位置に頭があり、よく俺の手置き場になっている。
「調教されるかされないかの瀬戸際に立たされているゆえ、いっぱいいっぱいなんですっ! それより、頭なでないでくだたいっ!」
「くだたい?」
「ちょこっとだけ噛んだだけですっ、別府くんのばかっ! まったく、先生のこと馬鹿にしっぱなしで! 先生、今日という今日は許しませんよ!」
「いや、今日に関してはあまり馬鹿にしてないぞ? 単純に性の対象として見ただけだ」
「それはそれで問題大アリですっ! オオアリクイですっ! もばーっ!」
「いや、オオアリクイの鳴き声はそうじゃないと思う」
「冷静に批評しないでくださいっ!」
先生は顔を赤くして叫んだ。
「ううう……なんとか言ってください」
「やっぱウサ耳だけよりバニースーツを着たほうがより興奮すると思う」
「何を言ってるんですか!?」
「自分の担任教師に性的欲求を喚起させる服を着るよう要求した」
「全部分かっててなお言えるって、別府くんはどういう精神構造してるんですかっ!?」
「でもまあ、そういう付属品がなくても先生は可愛いよね」
「うが。……そ、そんな分かりやすいゴマすりに引っかかるほど先生は子供じゃないです。ちっとも嬉しくないです。ほにゃほにゃになんてならないです!」
「ニコニコしてる先生可愛いー」
「褒めないでくださいっ、褒めないでくださいっ!」
顔を真っ赤にする先生の周りをくるくる回りながら、先生を褒め称える。なんの儀式だ。
「可愛いー、先生可愛ー……はぁはぁ。ええい、テンションあがりすぎた。全く意味が分からん」
「ううう……別府くんのばか。ばかばか」
その場に座り込み肩で息をしてると、先生が力なくぺこぽこ叩いてきた。
「だー、疲れた……もう帰る気力もない。テレビでも見て、少し体力を回復させよう」
コタツに入ってテレビの方を向く。と、どういうわけか先生が一緒にコタツに入ってきた。
「ば、罰です。先生にいっぱい酷いこと言った罰です」
そう言って、先生は自ら俺の膝の上に乗った!?
「い、いいいや、先生?」
「こっちを見てはなりませぬっ!」
「いや、なりませぬって……あ」
髪から耳が覗けた。超真っ赤。つまり、顔も相応だろう。
「あのー……先生」
「罰です、罰なんです! それ以外の理由など、この銀河系には存在しないんですっ!」
「えーと。その、なんちうか、抱っこしていい?」
「……罰だからダメです。でも、別府くんは超問題児だから、先生の言うことなんて聞かずに抱っこしちゃうに決まってるんです」
ちらり、と先生は肩越しにこちらを窺った。ツバを飲み込み、一度深呼吸。それから、ニコリと微笑で返す。
「新年からいい子になるから抱っこしないよ」
「この流れなら絶対に抱っこするって選択肢しかないのにぃーっ!? 悪魔がここに召喚されましたよ皆さんッ!」
「誰に言ってんだよ」
「うるさいですっ! 別府くんの馬鹿、鈍感、雰囲気ブレイカー!」
「はいはい、叫ぶな」
「う……」
今度こそ後ろから先生をむぎゅっと抱きしめる。先生の小さな身体は、少し熱かった。
「べ、別府くんは意地悪です。意地悪の鬼です」
「来月は豆まきだから鬼役に丁度いいな」
「すっごくテキトーです。変なことばっかです、別府くんは」
「む。いかん、えろいことをするつもりが、何やら先生を抱っこしていたら和みの方が強くなってきた! 頑張れ俺のえろ欲求! 和みに負けるな!」
「う……ど、どっちを応援したらいいのか先生分かりませんっ!」
「えろい方を応援したら先生のおっぱいを舐めるという素敵な結末が待ってるから、そっちを応援したらいいんじゃないかな?」
「頑張れーっ、和み超頑張れーッ!」
必死の応援のせいで、和みwin。くそぅ。
「……でもまあ、これはこれで幸せだからいいか」
俺の膝の上に座り、ミカンの筋を取ってる先生の真剣な顔を見て、そう思った。
「……取れたっ! ほらほら、別府くん! すっごくきれーになりました!」
「あむんっ」
「先生の努力の結晶が一瞬でなくなりましたよ!?」
そして、筋のなくなったミカンを俺に一口で食われ、半泣きの先生を見るのは楽しいとも思った。
「ふわわわ!? ふわ、わわわっ!?」
そんなわけで大谷先生の家に突入し、闖入者に驚いてる隙をついてうさぎ耳を先生に装着する。
「ふむ。イマイチ」
「イキナリ飛び込んできて変な格好させられたうえ、イマイチ!? 言うことがいっぱいありますよっ、別府くん!」
ウサギ耳をつけた中学生みたいな人が何やら半泣きで喚いていた。なんて半泣きが似合う人なんだ。
「聞いてますか、別府くんっ!?」
「ああ、はいはい。ええと、あけましておめでとう、先生。今年もよろしくな」
「はいー、おめでとうございます。こちらこそお願いしますです!」
深々と礼し合う。先生は礼をする時、手をぴこっと後ろに伸ばすクセがあるので、馬鹿っぽくて素敵。
「……って違いますっ! なんでここで新年の挨拶なんですかっ! そんなの後々、後回しです!」
「挨拶は大事だぞ? 聖職者がそんな大事なものを後に回していいのか?」
「うっ……でっ、でも、それどころじゃないんですっ! だってだって、先生家でごろんごろんしてたんですっ! そしたら別府くんが飛び込んできてびっくり仰天なんですもんっ!」
「先生に会いたくて会いたくて、冬休みが終わるのを待ちきれなかったんだ」
「う……そ、そんなので誤魔化されません。ええ、先生そりゃ大人ですから憧れるのも分かりますが、先生と別府くんとじゃ全然釣り合いませんもん。……でででも、別府くんが卒業したら話は別の可能性もなきにしもあらずと言うかですね? ……あれ?」
「ぐーぐー」
「なんかコタツ入ってぐーぐー寝てるーっ!?」
話が長かったので勝手にコタツに潜り込んで寝てたら、何やらうるさい声がして目覚めてしまった。
「ううむ……先生、うるさい。人が寝てるんだから静かにしなさい」
「しかも怒られた!? ここは世界の常識が通用しない場所なんですか!?」
「正月からテンション高いなあ。しかもウサギ耳なんてつけてるから、馬鹿っぽさが普段の二割り増しだぞ。もっと頑張れ」
「ぜーんぶ別府くんのせいですっ! テンション高いのは別府くんが突然隣の朝ごはんばりに突撃してきて気が立ってるからで、ウサギ耳はこれまた別府くんが無理矢理に先生につけてそのうえイマイチなんて評したからですっ!」
「長い。3文字で」
「うさーっ!」
珍奇極まる鳴き声をあげつつ、先生は両手を上げた。
「惜しい。4文字だ。次回の応募をお待ちしています」
「何の話ですかっ!?」
「あと、うさぎはうさーって鳴き声じゃないと思う」
「うるさいですっ! うさぎの鳴き声なんて知らないですっ!」
「先生は先生なのに馬鹿なんだなあ」
「ものすっごく馬鹿にされてます! そりゃ雑学なんて知りませんよ! 昔そーゆー番組いっぱいやってましたが、ほぼ全部忘れましたもん!」
「まあそんなのどうでもいいや。先生、バニー服着て」
「またしても意味不明ですっ! どうして先生がそんなの着なきゃいけないんですかっ! 先生の魅惑のせくしーぼでーにくらくらになりたいんですかっ!?」
「無茶言うな」
「無茶!?」
何やらショックを受けてる御様子。
「とは言え、別の意味合いでのせくしーぼでーではあるかな。改めて見ると、俺のような特殊な性癖を持つ異常者にはたまらない体つきだからなあ。この無乳はたまらないなあ。押し倒したいなあ!」
「言ってはならないことを全部言ってます!」
「わざとなんだ」
「たまらなく怖いですっ!」
先生が震えだした。
「大丈夫だよ、先生。俺、警察にばれないであろう手段を持ってるんだ!」
震えが強くなった。
「冗談だ。そう震えるな」
「ふっ、震えてなんてませんっ! ちっとも怯えてませんっ!」
「じゃあやっていいのか? やったぁ!」
「冗談という話がどこかへ行きましたよ!? 何をいい笑顔で近寄って来てますか!? 手をわきわきさせてはいけないですっ!」
しっしと追いやられたので、諦める。無念。
「まあ先生を調教するのは今後の課題にするとして、今日はまあ年始の挨拶と言うか、暇つぶしに来たんだ」
「全く聞き逃せないことをさらりと言いましたねっ!?」
「いやぁ、やっぱ暇つぶしに教師の家に来るのはまずかったか?」
「そんなのはどーでもいいんですっ! 調教です、調教のくだりを先生は言っているのです!」
「今されたいのか? 実経験はないが……まあ、やってみるか」
「とんでもない誤解が先生の人生を狂わそうとしていますっ!」
「普通に断れ。なんだその台詞」
先生の頭をぺしぺしと叩く。そのついでに、うにうにと頭をなでる。先生はちっこいので俺が手を置くのに丁度よい位置に頭があり、よく俺の手置き場になっている。
「調教されるかされないかの瀬戸際に立たされているゆえ、いっぱいいっぱいなんですっ! それより、頭なでないでくだたいっ!」
「くだたい?」
「ちょこっとだけ噛んだだけですっ、別府くんのばかっ! まったく、先生のこと馬鹿にしっぱなしで! 先生、今日という今日は許しませんよ!」
「いや、今日に関してはあまり馬鹿にしてないぞ? 単純に性の対象として見ただけだ」
「それはそれで問題大アリですっ! オオアリクイですっ! もばーっ!」
「いや、オオアリクイの鳴き声はそうじゃないと思う」
「冷静に批評しないでくださいっ!」
先生は顔を赤くして叫んだ。
「ううう……なんとか言ってください」
「やっぱウサ耳だけよりバニースーツを着たほうがより興奮すると思う」
「何を言ってるんですか!?」
「自分の担任教師に性的欲求を喚起させる服を着るよう要求した」
「全部分かっててなお言えるって、別府くんはどういう精神構造してるんですかっ!?」
「でもまあ、そういう付属品がなくても先生は可愛いよね」
「うが。……そ、そんな分かりやすいゴマすりに引っかかるほど先生は子供じゃないです。ちっとも嬉しくないです。ほにゃほにゃになんてならないです!」
「ニコニコしてる先生可愛いー」
「褒めないでくださいっ、褒めないでくださいっ!」
顔を真っ赤にする先生の周りをくるくる回りながら、先生を褒め称える。なんの儀式だ。
「可愛いー、先生可愛ー……はぁはぁ。ええい、テンションあがりすぎた。全く意味が分からん」
「ううう……別府くんのばか。ばかばか」
その場に座り込み肩で息をしてると、先生が力なくぺこぽこ叩いてきた。
「だー、疲れた……もう帰る気力もない。テレビでも見て、少し体力を回復させよう」
コタツに入ってテレビの方を向く。と、どういうわけか先生が一緒にコタツに入ってきた。
「ば、罰です。先生にいっぱい酷いこと言った罰です」
そう言って、先生は自ら俺の膝の上に乗った!?
「い、いいいや、先生?」
「こっちを見てはなりませぬっ!」
「いや、なりませぬって……あ」
髪から耳が覗けた。超真っ赤。つまり、顔も相応だろう。
「あのー……先生」
「罰です、罰なんです! それ以外の理由など、この銀河系には存在しないんですっ!」
「えーと。その、なんちうか、抱っこしていい?」
「……罰だからダメです。でも、別府くんは超問題児だから、先生の言うことなんて聞かずに抱っこしちゃうに決まってるんです」
ちらり、と先生は肩越しにこちらを窺った。ツバを飲み込み、一度深呼吸。それから、ニコリと微笑で返す。
「新年からいい子になるから抱っこしないよ」
「この流れなら絶対に抱っこするって選択肢しかないのにぃーっ!? 悪魔がここに召喚されましたよ皆さんッ!」
「誰に言ってんだよ」
「うるさいですっ! 別府くんの馬鹿、鈍感、雰囲気ブレイカー!」
「はいはい、叫ぶな」
「う……」
今度こそ後ろから先生をむぎゅっと抱きしめる。先生の小さな身体は、少し熱かった。
「べ、別府くんは意地悪です。意地悪の鬼です」
「来月は豆まきだから鬼役に丁度いいな」
「すっごくテキトーです。変なことばっかです、別府くんは」
「む。いかん、えろいことをするつもりが、何やら先生を抱っこしていたら和みの方が強くなってきた! 頑張れ俺のえろ欲求! 和みに負けるな!」
「う……ど、どっちを応援したらいいのか先生分かりませんっ!」
「えろい方を応援したら先生のおっぱいを舐めるという素敵な結末が待ってるから、そっちを応援したらいいんじゃないかな?」
「頑張れーっ、和み超頑張れーッ!」
必死の応援のせいで、和みwin。くそぅ。
「……でもまあ、これはこれで幸せだからいいか」
俺の膝の上に座り、ミカンの筋を取ってる先生の真剣な顔を見て、そう思った。
「……取れたっ! ほらほら、別府くん! すっごくきれーになりました!」
「あむんっ」
「先生の努力の結晶が一瞬でなくなりましたよ!?」
そして、筋のなくなったミカンを俺に一口で食われ、半泣きの先生を見るのは楽しいとも思った。
【ツンデレと新学期】
2010年09月04日
今日からまた学校なので大変面倒くさい。
「うやー」
「突然先生の頭をわしわしっと!? これはもう確実に別府くんの仕業に違いないです! ……ほら見たことか!」
かったるいので登校中に発見した珍獣こと大谷先生の頭を後ろからわしわしこねたら、即座にばれた。
「おはよう、先生」
「おはようではないですっ! 先生にする挨拶ではないです! どうして先生の頭をわしわしーってするですか!?」
「だって、先生の胸をわしわしーってしたら冗談では済まないと思って。……いや、まさか冗談で済むと? 先生、ちょっと前向いて」
「絶対に向きませんッ! まったく、別府くんには困ったものです。いや、というよりも、先生に大人の魅力が溢れすぎているのが困りものなのですかね。おっぱいが大きいのも困りものです」
「先生のおっぱいは着脱可能な製品なの?」
「不可能製品ですっ! おっきかったらなーって仮定のお話ですっ! ええそりゃ夏休み前から今に至るまで全くちっとも全然サイズ変わってませんようえーんっ!」
「ああ先生を泣かしてしまった。泣き叫ぶ幼女は嗜虐心をそそっていいなあ」
「幼女じゃありませんし、ちょっとは泣き止ませる努力を見せてほしいし、何より発言がすっごく怖いですっ!」
「実はS気質なんだ」
「そんなの、普段の別府くんを見てればがっつり分かります! 別府くんのいじわる!」
「はいはい。ごめんな、先生」(なでなで)
「いつでも子ども扱いですよぉ……」
「分かったよ、次からは大人扱いするよ」
「……具体的には?」
「名刺渡す」
「すっごく大人っぽいです! はや、でも先生は名刺持ってないから交換できないです……」
「普段から大人大人と言ってるくせにこの体たらく。先生もこの程度か」
「ぐぅぅぅぅ……だってだって、名刺なんて使う機会ないからしょうがないです! わたくし、こーゆーものですとか言ったことないです!」
「わたくし、こーゆーものです」
「先を越されました!? ……あの、なんで握手してるんですか?」
「名刺なんて持ってないから代わりだ」
「やーい、子供ー♪」
全力で先生の手を握りつぶす。
「はやややや!? 手が、先生の手がみりみりと!?」
「先生の手は柔らくて気持ちいいね」
「こっちはそれどころではないですよ!? 手が、手がみりゃみりゃ言ってます! そして同時に激しい痛みが先生を襲っていますよ!?」
「なんか余裕あるなこの生物」
「ないです、ちっともないです! 痛くて痛くて死にそうです! ぐげー! あ、今死にました! だから手を、手を離してください!」
「先生って基本的に頭が悪い発言多いよね」
「いいから手を、手をー!?」
いい加減限界っぽかったので、手を離してあげる。先生はすぐさま手を戻し、ふーふー息を吹きかけた。
「ううううう……とっても痛かったです! 別府くんのばか!」
「ごめんな。ただ、俺は先生をいじめたかっただけなんだ。それだけは、どうか信じて欲しい」
「全然いい話じゃないのに、それっぽい雰囲気で騙そうとしてます!?」
「信じた?」
「信じるも何も、最初っから最後まで全力でいじめられてます!」
「分かってるならいいや。じゃ、そろそろ学校行こうか、先生」
「結局一度も謝られてませんっ! そんな酷い生徒と一緒になんて行きません!」
「それにしても、久しぶりに先生に会えて嬉しいよ」
「……で、でもまあ、先生は大人なので、自分より生徒の都合を優先する度量を見せる必要があります。だ、だから、一緒に行ってあげてもいいです……よ?」
「でも、友達に噂とかされると恥ずかしいし」
「自分から誘っておいてまさかのときメモ返しっ!? もう何も信じられませんよ、別府くんのばかーっ!」
「ああ待って待って先生。一緒に行こうよ」
「行きませんっ、絶対に行きませんっ!」
早足でスタスタと行く先生を追いかけながら、学校へ向かうのだった。
「うやー」
「突然先生の頭をわしわしっと!? これはもう確実に別府くんの仕業に違いないです! ……ほら見たことか!」
かったるいので登校中に発見した珍獣こと大谷先生の頭を後ろからわしわしこねたら、即座にばれた。
「おはよう、先生」
「おはようではないですっ! 先生にする挨拶ではないです! どうして先生の頭をわしわしーってするですか!?」
「だって、先生の胸をわしわしーってしたら冗談では済まないと思って。……いや、まさか冗談で済むと? 先生、ちょっと前向いて」
「絶対に向きませんッ! まったく、別府くんには困ったものです。いや、というよりも、先生に大人の魅力が溢れすぎているのが困りものなのですかね。おっぱいが大きいのも困りものです」
「先生のおっぱいは着脱可能な製品なの?」
「不可能製品ですっ! おっきかったらなーって仮定のお話ですっ! ええそりゃ夏休み前から今に至るまで全くちっとも全然サイズ変わってませんようえーんっ!」
「ああ先生を泣かしてしまった。泣き叫ぶ幼女は嗜虐心をそそっていいなあ」
「幼女じゃありませんし、ちょっとは泣き止ませる努力を見せてほしいし、何より発言がすっごく怖いですっ!」
「実はS気質なんだ」
「そんなの、普段の別府くんを見てればがっつり分かります! 別府くんのいじわる!」
「はいはい。ごめんな、先生」(なでなで)
「いつでも子ども扱いですよぉ……」
「分かったよ、次からは大人扱いするよ」
「……具体的には?」
「名刺渡す」
「すっごく大人っぽいです! はや、でも先生は名刺持ってないから交換できないです……」
「普段から大人大人と言ってるくせにこの体たらく。先生もこの程度か」
「ぐぅぅぅぅ……だってだって、名刺なんて使う機会ないからしょうがないです! わたくし、こーゆーものですとか言ったことないです!」
「わたくし、こーゆーものです」
「先を越されました!? ……あの、なんで握手してるんですか?」
「名刺なんて持ってないから代わりだ」
「やーい、子供ー♪」
全力で先生の手を握りつぶす。
「はやややや!? 手が、先生の手がみりみりと!?」
「先生の手は柔らくて気持ちいいね」
「こっちはそれどころではないですよ!? 手が、手がみりゃみりゃ言ってます! そして同時に激しい痛みが先生を襲っていますよ!?」
「なんか余裕あるなこの生物」
「ないです、ちっともないです! 痛くて痛くて死にそうです! ぐげー! あ、今死にました! だから手を、手を離してください!」
「先生って基本的に頭が悪い発言多いよね」
「いいから手を、手をー!?」
いい加減限界っぽかったので、手を離してあげる。先生はすぐさま手を戻し、ふーふー息を吹きかけた。
「ううううう……とっても痛かったです! 別府くんのばか!」
「ごめんな。ただ、俺は先生をいじめたかっただけなんだ。それだけは、どうか信じて欲しい」
「全然いい話じゃないのに、それっぽい雰囲気で騙そうとしてます!?」
「信じた?」
「信じるも何も、最初っから最後まで全力でいじめられてます!」
「分かってるならいいや。じゃ、そろそろ学校行こうか、先生」
「結局一度も謝られてませんっ! そんな酷い生徒と一緒になんて行きません!」
「それにしても、久しぶりに先生に会えて嬉しいよ」
「……で、でもまあ、先生は大人なので、自分より生徒の都合を優先する度量を見せる必要があります。だ、だから、一緒に行ってあげてもいいです……よ?」
「でも、友達に噂とかされると恥ずかしいし」
「自分から誘っておいてまさかのときメモ返しっ!? もう何も信じられませんよ、別府くんのばかーっ!」
「ああ待って待って先生。一緒に行こうよ」
「行きませんっ、絶対に行きませんっ!」
早足でスタスタと行く先生を追いかけながら、学校へ向かうのだった。
【ラーメンの味で喧嘩するツンデレ】
2010年05月16日
とある休日。お腹が空いたので何か食おうと冷蔵庫を漁ったが、何もない。ははぁこれは神がもういい死ねと言っていると悟ったので、無神論者として断固抵抗すべく、外食することにした。
今日はよい天気だなあと思いながらぷらぷら歩いてると、能天気を具現化したような存在を発見したのでチョップしてみた。
「痛いっ!? 誰ですか、先生の頭にチョップするのは!」
具現化した存在、即ち担任の大谷先生がわきゃわきゃわめいた。この生物は大人らしいのだが、身長やら精神年齢やら乳やら色々幼く、ロリコンである俺の心をぐらぐらさせる存在なので油断ならない。
「少なくとも俺でないことは確かだ」
「別府くんです! これはもう別府くんがしたに違いないです! ていうか、別府くんがしたという確かな証拠を見つけました!」
「ほう、俺に冤罪を被せるか。面白い、やってみせろ! 異議ありとか言ってやる!」
「今まさに先生の頭に別府くんの手が載ってます! チョップの形のままです!」
「ああ、しまった。今のナシね」
そそくさと先生の頭から手をどけ、こほんと咳払い。
「い、一体誰が俺の先生の頭にチョップなんてしたんだ! 許さねえぞ!」
「無理がありすぎですっ! 嘘ぱわーが満載です! ……あ、あと、“俺の”ではないです! 先生は先生のものです!」
「後半の台詞に照れが入っているのは何故ですか」
「う、うるさいですっ! 大人には色々あるのですっ!」
「はいはい」(なでなで)
「頭なでないでくだたいっ!」
「くだたい?」
「うがー!」
先生が怒って威嚇した。
「まあなんでもいいや。こんな昼間っからどしたんだ、先生?」(なでなで)
「ちっとも堪えてないです。依然なでられるがままです。……えっとですね、お昼ご飯をどこかで食べようと思ったんです」
「奇遇だな、俺もなんだ。ここで会ったのも何かの縁だ、奢らせてやってもいいぞ」
「別府くんが信じられないくらい偉そうです! 世が世なら斬り捨て御免ってされても文句言えないです!」
「文明開化が起きててよかったよ。それで、どこで食うんだ?」
「え、あれ、先生が奢るってなってる……?」
「あ、そこのラーメン屋行こう。前食って、うまかったんだ」
「ま、待ってくださいっ! 手握らないでくださいっ! 腕組むのもダメですっ! だからってお姫様抱っこはありえないですよ!?」
色々文句を言われたので、先生を小脇に抱えて店に入る。
「いらっしゃいま……」
「ほらほら店員さん驚いてますっ! ていうか何より先生が一番驚いてますっ! 先生は鞄じゃないので小脇に抱えないでくださいっ!」
「ジャンバラヤひとつ」
「そんなのありませんっ! いーから下ろしてくださいっ!」
ぎゃーぎゃーうるさかったので、先生を下ろし、適当なテーブル席に座る。
「ふうっ。全く、別府くんは問題児の中の問題児です。信じられないです」
「unbelievable」
「無駄に発音がいいですよぉ……」
メニューを見る。この店の売りはこってりとしたスープだ。よし、こってりラーメン、君に決めた!
「先生、決まった?」
「んとですね……はい、いいですよ。じゃ、店員さん呼びますね」
テーブルに据え付けられているスイッチを先生が押すと、すぐに店員さんがやってきた。
「えっと、チャーハンと、ラーメンのあっさりでお願いします」
「ラーメンのこってり、それとギョーザ」
注文を聞き、店員さんが厨房に戻っていった。さて、話すべき議題ができた。
「先生、なんでまたあっさりなんて」
「別府くんこそ、なんでこってりなんですか? しつこすぎて死んじゃっても、先生埋めることしかできないですよ?」
「あ、ちょっと待ってくれ。ICレコーダーで録音して教育委員会に送るから、さっきの台詞もっかい言ってくれ」
「絶対に言いません!!! ……別府くんは鬼です。先生のこと、嫌いですか?」
「思いのほか好きだよ」
「普通に好きって言ったほうがいいです! なんですか、思いのほかって!」
「じゃあ、改めて。……先生、大好きだ」
「そ、それはそれで色々問題ありです! て、ていうかですね、先生の手を握ってじーっとこっちを見てはダメです! は、はやややや!?」
先生を見つめる時間と比例して、先生の顔がどんどん赤くなっていって愉快痛快。
「も、もーいいです! ……ま、まったく、別府くんは先生をからかってばかりで困ります。先生、ぷんぷんです」
先生は俺の手を振り払い、ぷらぷらと振った。
「臭いのか? 女の子なんだから、風呂には毎日入れよな」
「ハエがたかってるわけではないです! ぷーんぷーんではないです! ぷんぷんと言いました! 怒ってることを可愛らしく表現したのですっ!」
「自分で可愛らしくとか言うなよ……」
「う、うるさいです! 別府くんのばか!」
「で、話は戻るが、なんだってあっさりなんて頼んだんだ? この店の売りはこってりスープだぞ?」
「……前に注文したんですが、しつこくってしつこくって、全部食べられなかったんです」
「三回食えばやみつきだぞ? 現に俺なんて、週に一度は食いたくなる。そして食べなかったら手が震え、幻聴まで聞こえ出すんだ」
「本当に病みつきです! 何が入ってるんですか!?」
「鳥のダシか何かじゃないか?」
「意外と普通の答えでした!」
などと侃々諤々先生と言い合ってると、店員さんがやってきて注文した品々をテーブルに並べた。
「わー……久々ですが、やっぱりおいしそーです。いただきまーす♪」
「くるしゅうない」
「……ずるずる」
偉そうに言ったら、先生が嫌そうな顔をしてラーメンをすすりだした。
「んー♪ おいしいです♪ ほらほら、別府くんも一度食べたらこのあっさりスープのよさが分かりますよ?」
「まあ待て、俺の分を食ってからだ。ずるずるずる……」
まずスープを少し飲んでから、麺をすする。うむ、想像通りうまい。
「まったりとしていて、それでいてしつこくなく」
「ものすごく嘘っぽい表現です……」
「超うめえ」
「シンプルですが、とってもよく伝わります。いりませんが!」
手をNOという感じにして出されたので、レンゲでスープをすくい先生に向ける。
「いらないって言ってるのに……」
「まあまあ、騙されたと思って一口飲んで見てくれよ。もし飲んで騙されたと感じたのであれば、先生は騙されやすいので後で詐欺して大金うはうは」
「絶対に飲みません!!!」
俺の説得はよく失敗します。
「それより、先生のラーメンを食べてみるべきです。あっさりしていて、とてもおいしいんですよ?」
「猿の脳みそより?」
「ありえないチョイスですっ! もーちょっとマシなものを出すべきですっ!」
「寡聞にして猿以外の脳の味を知らないんだ」
「猿は知ってるんですかっ!? 別府くんが恐ろしい生物に見えてきました……」
「男ってのは怖いものさ」
「怖いの種類が違いますっ!」
「まあ、本当は猿の味も知らないんだけどな。それはともかく、そのスープ味見していいか?」
「普通に、最初っから、わーいって言って食べればいいのに……」
「わーい」
「なんか馬鹿にされてる気がします……」
どうしろと言うのだ。とまれ、先生が差し出したレンゲを口に含む。
「ふむ……。まあ、普通だな」
「ええっ!? そんなことないですよ、とってもおいしいですよ!? 別府くんは普段ろくなもの食べてないからそう感じるだけです!」
「俺だけでなく、別府家全体を敵に回す台詞だな」
「こんなおいしーのに……このおいしさが分からないなんて、別府くんは可哀想です。……あっ! え、えっと、お子様にはこのおいしさが分からないんですよ。……ふふん?」
「まあ、お子様は舌が発達してないので、しつこいものよりあっさりしたものの方が好きだよな」
「折角の大人アピールのチャンスを冷静に潰さないでくださいっ!」
「そこまで大人と言い張るのであれば、やはり俺様のスープを飲んで証明するしかあるまい」
再度レンゲでラーメンのスープをすくい、先生に向ける。
「う……こ、これを飲んだら大人ですか? 先生を尊敬しますか? もういじめませんか?」
「いいえいいえいいえ」
「いっぱいいいえって言われました! 飲む理由が一切なくなりましたっ!」
「しまった。よし、嘘をつくぞ。うーんうーんうーん。これを飲んだら大人で尊敬していじめない」
「騙す気が全く見えませんっ! もうちょっと頑張って欲しいものですっ!」
「ええと……よし。俺がおいしいと感じるものを、先生に味わって欲しいんだ」
「あ、あぅ……そ、それはよい騙し文句です。先生、ちょこっとぐらぐら来ました。もうちょっと頑張ったら、先生、くらーっていっちゃうかもですよ?」
先生は両手を合わせ、軽く首を傾げて何かを期待する目でこちらを見た。
「よし。……先生、俺が卒業したら、小さなアパートでも借りて、一緒に」
「すとーーーーーーっぷ! それはなんか違う意味でくらくらーってしちゃう大変危険な呪文なので、片手間に言うのは禁止です! 禁止禁止禁止!」
先生は顔を真っ赤にしながら俺の頭に連続でチョップした。
「先生、痛い」
「うるさいですっ! 別府くんのばかっ! 本当に別府くんは嘘ばっかりつくダメな生徒ですっ!」
「嘘をつくかもしれないが、少なくとも年齢は詐称してはいないぞ。……あ」
「あーっ! それは先生に実は幼女だろばーかばーかって暗に言ってますね! 先生は子供ではなく、大人ですっ! ほらほら、めんきょしょー!」
気づいた時には既に遅く、先生は手馴れた様子で懐から免許証を取り出すと、俺の頬にめり込ませだした。
「先生、痛い。あと、俺の頬に目はないので、そこに押し込まれても見えない」
「もー何十回と見せたので、知ってるでしょ!」
「なら何十回と見せなくてもいいのでは」
「毎回毎回別府くんが先生の年齢を疑うからですっ!」
「うるさい合法ロリだなあ」
「あんまりな台詞が飛び出しましたよ!?」
「黙らないと先生の口を塞いで家に持ち帰り、一緒にゲームとかするぞ」
「途中まですっごく怖かったのに、最終的には友達感覚です!」
「先生と仲良くなりたいんだ」
「一緒にラーメン食べておいて、何を言ってるですか……」
「いやはや。先生と一緒だと、何やっても楽しいよね」
「なっ、なに、何を、何を言ってるですか!? そ、そゆこと言っても先生は篭絡されませんよ!? う? う!?」
「篭絡って何の話でしょうか」
「うっ、うるさいですっ! 別府くんのばかっ!」
先生は俺を怒りながらずるずるずるーっと一気にラーメンをすすった。
「げへんげへんげへんっ!」
そしてむせた。
「ああほら、一気に食ったりするから。はい」
水を渡すと、先生は一気にあおった。
「……っん、っん、っん、……ぷはぁ。ふぅ、死ぬかと思いました」
「あ、それ俺の水だった。まあいいか」
「わざとですねっ!? わざと別府くんの水を飲まして先生を混乱させる策ですねっ!?」
「この疑心暗鬼ロリはめんどくさいなあ」
「いちいちロリってつけないでくだたいっ!」
ぎゃーぎゃー騒ぐ大谷先生を、迷惑そうな微笑ましそうな目で見る従業員と客たちだった。
今日はよい天気だなあと思いながらぷらぷら歩いてると、能天気を具現化したような存在を発見したのでチョップしてみた。
「痛いっ!? 誰ですか、先生の頭にチョップするのは!」
具現化した存在、即ち担任の大谷先生がわきゃわきゃわめいた。この生物は大人らしいのだが、身長やら精神年齢やら乳やら色々幼く、ロリコンである俺の心をぐらぐらさせる存在なので油断ならない。
「少なくとも俺でないことは確かだ」
「別府くんです! これはもう別府くんがしたに違いないです! ていうか、別府くんがしたという確かな証拠を見つけました!」
「ほう、俺に冤罪を被せるか。面白い、やってみせろ! 異議ありとか言ってやる!」
「今まさに先生の頭に別府くんの手が載ってます! チョップの形のままです!」
「ああ、しまった。今のナシね」
そそくさと先生の頭から手をどけ、こほんと咳払い。
「い、一体誰が俺の先生の頭にチョップなんてしたんだ! 許さねえぞ!」
「無理がありすぎですっ! 嘘ぱわーが満載です! ……あ、あと、“俺の”ではないです! 先生は先生のものです!」
「後半の台詞に照れが入っているのは何故ですか」
「う、うるさいですっ! 大人には色々あるのですっ!」
「はいはい」(なでなで)
「頭なでないでくだたいっ!」
「くだたい?」
「うがー!」
先生が怒って威嚇した。
「まあなんでもいいや。こんな昼間っからどしたんだ、先生?」(なでなで)
「ちっとも堪えてないです。依然なでられるがままです。……えっとですね、お昼ご飯をどこかで食べようと思ったんです」
「奇遇だな、俺もなんだ。ここで会ったのも何かの縁だ、奢らせてやってもいいぞ」
「別府くんが信じられないくらい偉そうです! 世が世なら斬り捨て御免ってされても文句言えないです!」
「文明開化が起きててよかったよ。それで、どこで食うんだ?」
「え、あれ、先生が奢るってなってる……?」
「あ、そこのラーメン屋行こう。前食って、うまかったんだ」
「ま、待ってくださいっ! 手握らないでくださいっ! 腕組むのもダメですっ! だからってお姫様抱っこはありえないですよ!?」
色々文句を言われたので、先生を小脇に抱えて店に入る。
「いらっしゃいま……」
「ほらほら店員さん驚いてますっ! ていうか何より先生が一番驚いてますっ! 先生は鞄じゃないので小脇に抱えないでくださいっ!」
「ジャンバラヤひとつ」
「そんなのありませんっ! いーから下ろしてくださいっ!」
ぎゃーぎゃーうるさかったので、先生を下ろし、適当なテーブル席に座る。
「ふうっ。全く、別府くんは問題児の中の問題児です。信じられないです」
「unbelievable」
「無駄に発音がいいですよぉ……」
メニューを見る。この店の売りはこってりとしたスープだ。よし、こってりラーメン、君に決めた!
「先生、決まった?」
「んとですね……はい、いいですよ。じゃ、店員さん呼びますね」
テーブルに据え付けられているスイッチを先生が押すと、すぐに店員さんがやってきた。
「えっと、チャーハンと、ラーメンのあっさりでお願いします」
「ラーメンのこってり、それとギョーザ」
注文を聞き、店員さんが厨房に戻っていった。さて、話すべき議題ができた。
「先生、なんでまたあっさりなんて」
「別府くんこそ、なんでこってりなんですか? しつこすぎて死んじゃっても、先生埋めることしかできないですよ?」
「あ、ちょっと待ってくれ。ICレコーダーで録音して教育委員会に送るから、さっきの台詞もっかい言ってくれ」
「絶対に言いません!!! ……別府くんは鬼です。先生のこと、嫌いですか?」
「思いのほか好きだよ」
「普通に好きって言ったほうがいいです! なんですか、思いのほかって!」
「じゃあ、改めて。……先生、大好きだ」
「そ、それはそれで色々問題ありです! て、ていうかですね、先生の手を握ってじーっとこっちを見てはダメです! は、はやややや!?」
先生を見つめる時間と比例して、先生の顔がどんどん赤くなっていって愉快痛快。
「も、もーいいです! ……ま、まったく、別府くんは先生をからかってばかりで困ります。先生、ぷんぷんです」
先生は俺の手を振り払い、ぷらぷらと振った。
「臭いのか? 女の子なんだから、風呂には毎日入れよな」
「ハエがたかってるわけではないです! ぷーんぷーんではないです! ぷんぷんと言いました! 怒ってることを可愛らしく表現したのですっ!」
「自分で可愛らしくとか言うなよ……」
「う、うるさいです! 別府くんのばか!」
「で、話は戻るが、なんだってあっさりなんて頼んだんだ? この店の売りはこってりスープだぞ?」
「……前に注文したんですが、しつこくってしつこくって、全部食べられなかったんです」
「三回食えばやみつきだぞ? 現に俺なんて、週に一度は食いたくなる。そして食べなかったら手が震え、幻聴まで聞こえ出すんだ」
「本当に病みつきです! 何が入ってるんですか!?」
「鳥のダシか何かじゃないか?」
「意外と普通の答えでした!」
などと侃々諤々先生と言い合ってると、店員さんがやってきて注文した品々をテーブルに並べた。
「わー……久々ですが、やっぱりおいしそーです。いただきまーす♪」
「くるしゅうない」
「……ずるずる」
偉そうに言ったら、先生が嫌そうな顔をしてラーメンをすすりだした。
「んー♪ おいしいです♪ ほらほら、別府くんも一度食べたらこのあっさりスープのよさが分かりますよ?」
「まあ待て、俺の分を食ってからだ。ずるずるずる……」
まずスープを少し飲んでから、麺をすする。うむ、想像通りうまい。
「まったりとしていて、それでいてしつこくなく」
「ものすごく嘘っぽい表現です……」
「超うめえ」
「シンプルですが、とってもよく伝わります。いりませんが!」
手をNOという感じにして出されたので、レンゲでスープをすくい先生に向ける。
「いらないって言ってるのに……」
「まあまあ、騙されたと思って一口飲んで見てくれよ。もし飲んで騙されたと感じたのであれば、先生は騙されやすいので後で詐欺して大金うはうは」
「絶対に飲みません!!!」
俺の説得はよく失敗します。
「それより、先生のラーメンを食べてみるべきです。あっさりしていて、とてもおいしいんですよ?」
「猿の脳みそより?」
「ありえないチョイスですっ! もーちょっとマシなものを出すべきですっ!」
「寡聞にして猿以外の脳の味を知らないんだ」
「猿は知ってるんですかっ!? 別府くんが恐ろしい生物に見えてきました……」
「男ってのは怖いものさ」
「怖いの種類が違いますっ!」
「まあ、本当は猿の味も知らないんだけどな。それはともかく、そのスープ味見していいか?」
「普通に、最初っから、わーいって言って食べればいいのに……」
「わーい」
「なんか馬鹿にされてる気がします……」
どうしろと言うのだ。とまれ、先生が差し出したレンゲを口に含む。
「ふむ……。まあ、普通だな」
「ええっ!? そんなことないですよ、とってもおいしいですよ!? 別府くんは普段ろくなもの食べてないからそう感じるだけです!」
「俺だけでなく、別府家全体を敵に回す台詞だな」
「こんなおいしーのに……このおいしさが分からないなんて、別府くんは可哀想です。……あっ! え、えっと、お子様にはこのおいしさが分からないんですよ。……ふふん?」
「まあ、お子様は舌が発達してないので、しつこいものよりあっさりしたものの方が好きだよな」
「折角の大人アピールのチャンスを冷静に潰さないでくださいっ!」
「そこまで大人と言い張るのであれば、やはり俺様のスープを飲んで証明するしかあるまい」
再度レンゲでラーメンのスープをすくい、先生に向ける。
「う……こ、これを飲んだら大人ですか? 先生を尊敬しますか? もういじめませんか?」
「いいえいいえいいえ」
「いっぱいいいえって言われました! 飲む理由が一切なくなりましたっ!」
「しまった。よし、嘘をつくぞ。うーんうーんうーん。これを飲んだら大人で尊敬していじめない」
「騙す気が全く見えませんっ! もうちょっと頑張って欲しいものですっ!」
「ええと……よし。俺がおいしいと感じるものを、先生に味わって欲しいんだ」
「あ、あぅ……そ、それはよい騙し文句です。先生、ちょこっとぐらぐら来ました。もうちょっと頑張ったら、先生、くらーっていっちゃうかもですよ?」
先生は両手を合わせ、軽く首を傾げて何かを期待する目でこちらを見た。
「よし。……先生、俺が卒業したら、小さなアパートでも借りて、一緒に」
「すとーーーーーーっぷ! それはなんか違う意味でくらくらーってしちゃう大変危険な呪文なので、片手間に言うのは禁止です! 禁止禁止禁止!」
先生は顔を真っ赤にしながら俺の頭に連続でチョップした。
「先生、痛い」
「うるさいですっ! 別府くんのばかっ! 本当に別府くんは嘘ばっかりつくダメな生徒ですっ!」
「嘘をつくかもしれないが、少なくとも年齢は詐称してはいないぞ。……あ」
「あーっ! それは先生に実は幼女だろばーかばーかって暗に言ってますね! 先生は子供ではなく、大人ですっ! ほらほら、めんきょしょー!」
気づいた時には既に遅く、先生は手馴れた様子で懐から免許証を取り出すと、俺の頬にめり込ませだした。
「先生、痛い。あと、俺の頬に目はないので、そこに押し込まれても見えない」
「もー何十回と見せたので、知ってるでしょ!」
「なら何十回と見せなくてもいいのでは」
「毎回毎回別府くんが先生の年齢を疑うからですっ!」
「うるさい合法ロリだなあ」
「あんまりな台詞が飛び出しましたよ!?」
「黙らないと先生の口を塞いで家に持ち帰り、一緒にゲームとかするぞ」
「途中まですっごく怖かったのに、最終的には友達感覚です!」
「先生と仲良くなりたいんだ」
「一緒にラーメン食べておいて、何を言ってるですか……」
「いやはや。先生と一緒だと、何やっても楽しいよね」
「なっ、なに、何を、何を言ってるですか!? そ、そゆこと言っても先生は篭絡されませんよ!? う? う!?」
「篭絡って何の話でしょうか」
「うっ、うるさいですっ! 別府くんのばかっ!」
先生は俺を怒りながらずるずるずるーっと一気にラーメンをすすった。
「げへんげへんげへんっ!」
そしてむせた。
「ああほら、一気に食ったりするから。はい」
水を渡すと、先生は一気にあおった。
「……っん、っん、っん、……ぷはぁ。ふぅ、死ぬかと思いました」
「あ、それ俺の水だった。まあいいか」
「わざとですねっ!? わざと別府くんの水を飲まして先生を混乱させる策ですねっ!?」
「この疑心暗鬼ロリはめんどくさいなあ」
「いちいちロリってつけないでくだたいっ!」
ぎゃーぎゃー騒ぐ大谷先生を、迷惑そうな微笑ましそうな目で見る従業員と客たちだった。
【ツンデレが起こしにきたら】
2010年02月28日
朝は超眠ぃ。なのでぐーすか寝てたら、体を揺さぶられた。
「もー、休みだからってぐーすかぴゃーぴゃー寝て……先生、ぷんぷんですよ?」
どうやら俺の家に下宿してる大谷先生のようだ。しかし、この程度のゆさゆさで起きるほど俺の眠気は甘くない!
「むー、起きません。別府くん、おーきーなーさーい!」
布団の上に馬乗りになり、先生は激しく体を揺さぶった。
本来なら重さのあまり起きるところだが、先生はそこらの子供程度の大きさなので、むしろ心地よい重みでさらに眠気が。
「むう、全然です。……まっ、まさか、先生が知らない間に死にましたか!?」
怖い事を言われているような気がする。
「そ、蘇生です! 人工呼吸です! はうあっ、よもやこんなところでファーストキスを奪われるとは! 先生、びっくりです!」
「俺の方がびっくりだあああああっ!」
「みぎゃああああっ!?」
がばりと起き上がり、先生を吹き飛ばす。先生はころころ転がり、頭から壁にぶつかった。
「うぐぐぐ……痛い、痛いです! 血が出ました! ほらほら!」
「出てねえよ」
ばびゅーんと走り寄って来て、先生は俺の顔に自分の頭をぐりぐり押し付けた。
「出てます! 別府くんは心が汚れてるから見えないだけですっ!」
「先生の血は心が綺麗じゃないと見えないのか」
「そんなのどうでもいいですっ! 別府くん、起きてるなら早く起きてください! 別府くんのせいで先生、頭がとても痛いです!」
「俺も朝から子供の高い声聞かされて頭がガンガンする」
「あああああっ!? こ、子供って言いました、言われましたよ!? 先生は子供じゃないです、立派な大人です! ちょっと人よりコンパクトにできてるだけですっ!」
「先生、この間小学生と間違われて補導されたよな。いや、あの時は笑った笑った」
「ものすっごく馬鹿にされてますっ! 別府くん、先生を馬鹿にしたら怒りますよ! めってしますよ!」
「ふん。やれるものならやってみろ」
「うぐぐぐぐ……馬鹿にしてえ! いきますよ、泣いてもごめんなさいしませんよ! せーの……めっ!」
「めぎゃああああああああっ!!!」
「みぎゃああああっ!!?」
対抗して驚かせたら予想以上に驚かれてしまった。先生は俺の布団に頭から入って震えている。頭隠して尻隠さず状態だ。
「べっ、別府くん、先生を怖がらせると怒りますよ! 別に怖くなかったですが!」
「先生、顔出して喋らないと相手に失礼だよ」
「知らないです! 別府くん相手に失礼とかないです! 別府くんの言うことなんて知りません!」
「先生、スカートまくれてパンツ丸出しだよ」
「みぎゃあああっ!? み、見ないでくださいっ! 見ると先生怒りますよ!」
俺の言うことなんて知らないとか言ってた人が一瞬で信じた。まあ、本当に丸出しなんだけど。
「先生、大人って言われたいならクマさんぱんつはやめたほうがいいと思うが」
「いーから見ないでくださいっ! ……ううっ、からまって出れません!」
俺の布団は毛布やら薄手の布やら沢山あるので、ちょっとした障害物競走の様相を呈している。と思ってる間も先生の子供パンツを見続ける。
「ぬうううう……こうなったら奥の手です! えやっ!」
「うわっ!」
先生は元来た場所から出るのを諦め、上側、俺が座ってる方から出てきた。まあ、つまり、俺に引っ付く位近くにいるわけで。
「ふふん、これでパンツを隠すことに成功です。どうです? すごいですか?」
「ち、近い、先生近い」
「え? ……へ、平気です。先生は大人ですから、別府くんが側にいても平気です。ちっともドキドキなんてしません。そもそも別府くんのことなんて、先生なんとも思ってませんから」
先生は平気そうな顔でそう言った。ただ、その顔は真っ赤だったが。
「んなのどうでもいいから、早く離れろ。いやいい、俺が離れる」
「な、なんですか、そんな先生と離れたいんですか! そ、そんなこと言われても、先生ちっともショックじゃないですよ! 本当ですよ!」
「いや、んなことはどうでもよくて」
あんまり近づかれると色々まずいわけで。ほら、朝だし。
「もういいです、先生がどきます!」
とか言いながら、先生は床に手を置こうとして俺の股間に手を。朝で血液が集まってる俺の股間に手を。
「棒? なんで棒が……あ」
自分が掴んでいるのが何なのか気づいたのか、先生の顔が見る間に赤くなっていく。
「だ、大丈夫ですよ? そ、その、男の人は朝にこうなるらしいですし。その、よく知らないですが」
「いーから離せっ!」
先生は慌てて俺の棒から手を離した。
「…………」
「嗅ぐなっ!」
自分の手の平を嗅ごうとする先生を一喝する。
「ああもう……朝から陵辱された気分だ」
「そっ、それはこっちの台詞です! 朝からとんでもないもの握らされましたよ! 初体験ですよ! どうしてくれるんですか!」
「お返しにおっぱいを触らせてくれたらいいと思う」
「え、えっちなのはいけないと思います! ばーい、別府くんの持ってる漫画です!」
「いかん、おっぱいがない人に失礼なお願いをしてしまった」
「もっと失礼なこと言ってますよ!? ありますよ、先生はないすばでーだからおっぱいたゆんたゆんですよ! 心の目で見れば!」
心眼は会得してないので、先生の乳はつるぺたのままだ。
「もうなんか朝から疲れた……飯食ってもっかい寝よう」
「ダメです! そんな不摂生な生活、先生の目が光ってる間は許しません! 今日は一緒にお勉強です!」
「実践形式の保健体育ならする」
「えっちなのはいけないと思いますっっっ!!!」
朝っぱらから絶叫する先生だった。
「もー、休みだからってぐーすかぴゃーぴゃー寝て……先生、ぷんぷんですよ?」
どうやら俺の家に下宿してる大谷先生のようだ。しかし、この程度のゆさゆさで起きるほど俺の眠気は甘くない!
「むー、起きません。別府くん、おーきーなーさーい!」
布団の上に馬乗りになり、先生は激しく体を揺さぶった。
本来なら重さのあまり起きるところだが、先生はそこらの子供程度の大きさなので、むしろ心地よい重みでさらに眠気が。
「むう、全然です。……まっ、まさか、先生が知らない間に死にましたか!?」
怖い事を言われているような気がする。
「そ、蘇生です! 人工呼吸です! はうあっ、よもやこんなところでファーストキスを奪われるとは! 先生、びっくりです!」
「俺の方がびっくりだあああああっ!」
「みぎゃああああっ!?」
がばりと起き上がり、先生を吹き飛ばす。先生はころころ転がり、頭から壁にぶつかった。
「うぐぐぐ……痛い、痛いです! 血が出ました! ほらほら!」
「出てねえよ」
ばびゅーんと走り寄って来て、先生は俺の顔に自分の頭をぐりぐり押し付けた。
「出てます! 別府くんは心が汚れてるから見えないだけですっ!」
「先生の血は心が綺麗じゃないと見えないのか」
「そんなのどうでもいいですっ! 別府くん、起きてるなら早く起きてください! 別府くんのせいで先生、頭がとても痛いです!」
「俺も朝から子供の高い声聞かされて頭がガンガンする」
「あああああっ!? こ、子供って言いました、言われましたよ!? 先生は子供じゃないです、立派な大人です! ちょっと人よりコンパクトにできてるだけですっ!」
「先生、この間小学生と間違われて補導されたよな。いや、あの時は笑った笑った」
「ものすっごく馬鹿にされてますっ! 別府くん、先生を馬鹿にしたら怒りますよ! めってしますよ!」
「ふん。やれるものならやってみろ」
「うぐぐぐぐ……馬鹿にしてえ! いきますよ、泣いてもごめんなさいしませんよ! せーの……めっ!」
「めぎゃああああああああっ!!!」
「みぎゃああああっ!!?」
対抗して驚かせたら予想以上に驚かれてしまった。先生は俺の布団に頭から入って震えている。頭隠して尻隠さず状態だ。
「べっ、別府くん、先生を怖がらせると怒りますよ! 別に怖くなかったですが!」
「先生、顔出して喋らないと相手に失礼だよ」
「知らないです! 別府くん相手に失礼とかないです! 別府くんの言うことなんて知りません!」
「先生、スカートまくれてパンツ丸出しだよ」
「みぎゃあああっ!? み、見ないでくださいっ! 見ると先生怒りますよ!」
俺の言うことなんて知らないとか言ってた人が一瞬で信じた。まあ、本当に丸出しなんだけど。
「先生、大人って言われたいならクマさんぱんつはやめたほうがいいと思うが」
「いーから見ないでくださいっ! ……ううっ、からまって出れません!」
俺の布団は毛布やら薄手の布やら沢山あるので、ちょっとした障害物競走の様相を呈している。と思ってる間も先生の子供パンツを見続ける。
「ぬうううう……こうなったら奥の手です! えやっ!」
「うわっ!」
先生は元来た場所から出るのを諦め、上側、俺が座ってる方から出てきた。まあ、つまり、俺に引っ付く位近くにいるわけで。
「ふふん、これでパンツを隠すことに成功です。どうです? すごいですか?」
「ち、近い、先生近い」
「え? ……へ、平気です。先生は大人ですから、別府くんが側にいても平気です。ちっともドキドキなんてしません。そもそも別府くんのことなんて、先生なんとも思ってませんから」
先生は平気そうな顔でそう言った。ただ、その顔は真っ赤だったが。
「んなのどうでもいいから、早く離れろ。いやいい、俺が離れる」
「な、なんですか、そんな先生と離れたいんですか! そ、そんなこと言われても、先生ちっともショックじゃないですよ! 本当ですよ!」
「いや、んなことはどうでもよくて」
あんまり近づかれると色々まずいわけで。ほら、朝だし。
「もういいです、先生がどきます!」
とか言いながら、先生は床に手を置こうとして俺の股間に手を。朝で血液が集まってる俺の股間に手を。
「棒? なんで棒が……あ」
自分が掴んでいるのが何なのか気づいたのか、先生の顔が見る間に赤くなっていく。
「だ、大丈夫ですよ? そ、その、男の人は朝にこうなるらしいですし。その、よく知らないですが」
「いーから離せっ!」
先生は慌てて俺の棒から手を離した。
「…………」
「嗅ぐなっ!」
自分の手の平を嗅ごうとする先生を一喝する。
「ああもう……朝から陵辱された気分だ」
「そっ、それはこっちの台詞です! 朝からとんでもないもの握らされましたよ! 初体験ですよ! どうしてくれるんですか!」
「お返しにおっぱいを触らせてくれたらいいと思う」
「え、えっちなのはいけないと思います! ばーい、別府くんの持ってる漫画です!」
「いかん、おっぱいがない人に失礼なお願いをしてしまった」
「もっと失礼なこと言ってますよ!? ありますよ、先生はないすばでーだからおっぱいたゆんたゆんですよ! 心の目で見れば!」
心眼は会得してないので、先生の乳はつるぺたのままだ。
「もうなんか朝から疲れた……飯食ってもっかい寝よう」
「ダメです! そんな不摂生な生活、先生の目が光ってる間は許しません! 今日は一緒にお勉強です!」
「実践形式の保健体育ならする」
「えっちなのはいけないと思いますっっっ!!!」
朝っぱらから絶叫する先生だった。