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2024年11月21日
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【かぶとむしかなみんvsくわがたちなみん】

2010年05月26日
「最近カブトムシとかクワガタとか見ないよなぁ」
 なんて言ったのがそもそもの間違いだったと、今は思う。
「か、カブトムシよ。えっと、かぶかぶ?」
「……クワガタです。くわくわ」
 だって、人が自室でくつろいでるのに、窓からカブトムシっぽいかなみと、クワガタっぽいちなみが侵入してくるなんて、普通思わないじゃないですか。
「……お嬢さん方。なんのつもりですか」
「その、タカシが最近カブトムシ見ないって言ってたし、えっと……」
「……さーびす?」
 そんなサービスあるか。かなみも「そう、それ!」とか言うな。
「それで、どっちが可愛い?」
 かたや角を上下に揺らすカブトムシ、かたや二本の角をがちがちと交差させるクワガタ。その無駄に凄いギミックがむかつく。
「いや、どっちも可愛く」
「……甲乙つけがたい、と」
 そんなことは一言も言ってない。
「じゃあ勝負して白黒つけるしかないわね!」
 何をどうすればそうなるんだ、かなみ。お前もなんでそんなやる気満々なんだ、ちなみ。
「賞品は前もって言っておいたように、タカシを一週間奴隷にできる権利ね」
 待って。俺不在で話を進めないで。お願い。あと前もってってどういうこと? 相談済み?
「じゃあ……Fight!」
 そう言って、かなみとちなみが俺の方に走ってきた。え、俺の方に?
 俺を押し倒し、そのまま腕を取り、一気に肘関節を締め上げる。腕ひしぎ逆十字固めなんて、どこで覚えたの?
 かなみが右腕を、ちなみが左腕を折りにかかる。
「痛い痛い痛い痛い! 折れる折れる! ていうかなんで俺がやられてんだよ!」
「……ぎぶ?」
 諦めたらそこで試合終了です、というなんかの言葉が脳裏に浮かぶ。訳が分からんが負けてたまるか!
「頑張るわね……これでどう?」
 かなみが思い切り関節を極める。胸に手の平を押し当てられ、天国のような感触と地獄のような苦しみの狭間でどうすればいいのか。
 しかし何で俺が攻められてるんだ。ええい腹立たしい、乳もんでやれ。もにゅもにゅもにゅ。
「もむなぁぁぁ!」
 本気で極められる。いかん、折れる。
「ギブギブギブギブ! 勘弁してください!」
 その言葉で、ふたりとも手を離してくれた。
「ったく、馬鹿なんだから……。じゃあ私が最初に一週間タカシを奴隷にして、その後ちなみに貸してあげるわね」
「……私が最初。かなみは後で」
「なんでよっ! 私が極めたから私が最初でいいでしょ! ……そこ、逃げるな!」
 忍び足で部屋から脱出しようとしたら、かなみに捕まった。ぎゅっと抱きつかれる。
「……じゃあ、二人で一緒にタカシを奴隷にしよ?」
 俺の鼻をつんつんと突付きながら、さも名案であるかのようにちなみが言った。
「んー……まぁいっか。そういう訳でタカシ、今日からアンタ奴隷ね♪」
「……なんでこうなったのかなー」
 二人に抱きつかれながら、俺は明日から一週間続く奴隷生活を思い、深く深くため息をついた。

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【掃除好きなツンデレ】

2010年05月26日
「や、タカシ。中国人的美少女、メイシンアルよ」
「……はい。はじめまして」
 掃除から逃げようとそっと教室を抜け出ようとしてたら、メイシンとかいう一人だけチャイナ服着た変な女生徒に肩を掴まれた。
「はじめましてチガウ。クラスメイト。半年以上同じ学校通てるネ」
「知ってる。いっつも昼飯中華だよな。呪われてんのか?」
「呪いチガウ! 中華、おいしいヨ?」
「中華の美味さを説きに来たのか? あいにく俺は忙しいんで、帰らせてもらうぞ」
 そのまま教室から出ようとすると、再び引き止められた。
「待つ! 待つヨロシ! タカシ、今日掃除当番ネ。あなたいつもサボてばかり、今日こそ掃除するネ」
 はい、とホウキを渡された。それを近くで掃除してる男子生徒に渡す。
「名も知らぬ男子生徒よ、メイシンからのプレゼントだ。ありがたく受け取れ」
「タカシに渡したネ! 何考えてるか!」
 なんだか知らないが、メイシンは怒りながら男子生徒からホウキを引ったくって俺に押し付けた。哀れな男子生徒はメイシンの剣幕に恐れおののいている。
「掃除なんか毎日しなくてもいいじゃねえか。一ヶ月に一度で十分だ」
「何言てるか! 毎日掃除しないとダメね! 綺麗な教室じゃないと、みんな楽しく過ごせないネ」
「俺の部屋は魔窟という名がピッタリな光景だけど、それなりに毎日楽しいぞ」
「……タカシの部屋、汚いか?」
「まぁ、綺麗汚いでいうなら、汚い方かな」
 ゴミで足の踏み場もない自室を思い浮かべ、そう答える。
「……わかた。このあと、タカシの部屋も掃除するネ」
「ああ思い出した。俺の部屋はまるで俺自身を映したかのように綺麗に掃除されてたんだ」
「だたら、なおのことね。タカシ自身を映してるなんて、もう信じられないくらい汚れてるネ」
 ひどいことを言われた。
「いいネ? 逃げたら承知しないヨ」
 何されるんだろう、と興味を持った時点でもう逃げてた。
「……いい度胸ネ」

 メイシンが謎の中国武術の使い手だということを思い出したのは、保健室のベッドの上でだった。

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【委員長に誕生日プレゼントとしてエロゲ贈った】

2010年05月22日
 委員長が誕生日らしいってんで、日頃の感謝と復讐を込めてエロゲ贈ってやった。陵辱ものは流石にどうかと思ったので、面白いと評判の純愛ものを綺麗にラッピングして渡した。
 翌日、登校するとえらい剣幕で委員長が詰め寄ってきた。
「よ、委員長。今日もオデコが素敵だな」
「オデコのことは言わないでください! それより昨日のプレゼント、一体何のつもりですか!」
「心を込めて選びました」
「そういう問題じゃないです! え……えっちなゲームじゃないですか」
 委員長は軽く頬を染めながら、ごにょごにょと言った。
「面白かっただろ? どのキャラがよかった? 俺はすずねえとカナ坊が」
「やってません! え……えっちなのはいけないと思います!」
 まほろまてぃっくを贈ればよかったのか?
「そんな無茶言うな。俺からエッチを取ると何が残るというんだ?」
「……そうですね、別府君は普段覗きやセクハラばかりしてますし……骨と皮?」
 真剣な顔で言われると、さすがに傷つく。否定できないから尚更だ。
「んで、ゲームはどうしたんだ?」
「捨てました。当たり前じゃないですか」
「あ……そっか。……そだな、ゴメンな、変なの贈って」
 考えられた結果だけど、実際に本人の口から捨てられたと聞くと、へこむ。
「あ……」
「じゃな。また今度ちゃんとしたの贈るから。……悪かったな」
 何か言いたそうな委員長を置いて、自分の席に戻る。自分の蒔いた種とはいえ、その日は一日へこんでいた。

 夜。委員長は水気の残る髪をタオルで拭きながら、今日のことを思い返していた。
「悪いこと……言っちゃったかな」
 視線を机の上に移す。そこに、タカシから贈られたゲームがあった。
「捨てた、とか嘘言って。……どんなものでも、捨てられるわけないのに」
 捨てたどころか、昨日はずっとやってた。ちょっとエッチだったけど、すごく面白かった。
「……でも、女の子がエッチなゲームやって面白かったって言ったら変かな……でも、これくれたの別府君だし……ううううう~、どうしようどうしよう~」
 学年一位の頭もまるで回転せず、委員長はぐるぐると目を回しながら混乱していた。

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【空から光線やら毒ガスやら火やら手やら足やらごはん光線やら屁やらのツンデレ】

2010年05月21日
【空を飛びながら目から石化光線を出し、鼻から毒ガスを吹き口から火を吐き、100本の手で人間を殴りながら200本の足で地割れを起こし、しっぽからごはんがまずくなる光線を出しながらお尻から常に屁をこき続けるツンデレ】

 放課後、暇なのでみんなで喫茶店でだらだらだべっていた。そこで、「一番恐ろしい生き物」という話題になった。
「そうね……空を飛んで目から石化光線出すのって、怖いわよね」
「……鼻から毒ガス。……口から火。……怖い。……ぶるぶる」
「そんなの、100本の手で人を殴りながら200本の足で地割れを起こす生き物が怖いに決まってますわ」
「儂は、しっぽから飯がまずくなる光線を出されるのが嫌じゃのう。飯は大事だからの」
「ふむ、そうだな……。尻から常に屁を出されては堪らんな。臭いのは苦手だ」
「おまえら、病院行け」
 全員に奢らされ、見も心も寒くなって一人帰宅。早々に就寝。
 その夜、俺は夢を見た。そこは小さな村で、みな何かに怯えているような顔をしていた。
「化け物じゃあ~! 化け物が現れたぞ~!」
 突然、そばにいた爺さんが叫んだ。壊れた?
「爺さん、何言ってんだ? 老衰?」
「アレを見よ! あれこそ、恐怖のツンデレじゃ!」
 爺さんの指差す先に、巨大な生き物が空を飛んでいた。
 その生き物はまっすぐ俺のいる村に飛んできて、目から光線を出した。その光線を浴びたものは石になってしまった。さらに、鼻から緑色のガスを出した。……毒ガスか?
 さらに怪物は口から火を吹いた。それに怯えた村人たちを100本はありそうな手で殴り、さらにそれ以上ある足で地割れを起こし、何人かの村人がその割れ目に落ちた。
「やめろ! これ以上は許さん!」
 夢だし、かっこつけよう。死んでも目が覚めるだけだろうし。
「なによ! うるさいわね、私の勝手でしょ!」
 意外なことに、その化け物には言葉が通じた。……つーか、顔、かなみそっくりじゃん。
「ほら、これでも食らいなさい!」
 化け物(以下、かなみ)は、しっぽからピンク色の光線を出した。その光線は村民の家に直撃した。
直後、中からおひつを持った村人が飛び出てきた。
「まずい! ご飯がまずい!」
「あーっはっはっはっは! どう? ご飯をまずくしてやったわよ!」
「…………」
「な、なによその目は!」
 あれだ。現実のかなみと一緒で、馬鹿だコイツ。
「く~~~~~! 馬鹿にしてぇ!」
 憤った瞬間、かなみの尻からぶぅ、という大きな音がした。
「あ……や、やだ、止まんない」
 ぶぅ、ぶぅ、ぶぅ、と続けて屁が出る。
「……それがおまえの必殺技?」
「~~~~~! お、覚えてなさいよ!」
 かなみは顔を真っ赤にして逃げていった。
「おお、よくぞ化け物を追い払ってくださった!」
「いや、勝手に屁して勝手に逃げてったけど……」
 村人たちが俺を賞賛する中、徐々に意識が覚醒しだした。

「……なんつー夢だ」
 なんか疲れた。とっとと学校行こう。
「あ、おはよータカシ」
 学校へ向かう途中、かなみと遭遇した。
「おっすかなみ。屁は止まったか?」
「いきなり何言ってんのよ馬鹿!」
 顔を真っ赤にしたかなみは、俺を殴って先に行ってしまった。
「んー、あれだ、勘違いだな」
 俺はかなみを追いかけるため、走って学校へ向かった。

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【わきの下で1秒間に10個おにぎりを作ることのできるタカシ】

2010年05月21日
 メイシンがおにぎりを食ったことがないと言うので、作って食わせてやった。
「おいしネ! これ、凄くおいしネ!」
「俺の血と汗と涙と得体の知れない何かの結晶だ。味わってくれ」
「……それ聞くと物凄くまずくなるから、言葉て不思議ネ」
 口に入れたおにぎりを嫌そう咀嚼しながら、それでもメイシンは次々とおにぎりを食べていった。
「むぐむぐ……やっぱおいしネ。タカシ、もっと作るヨロシ」
「白っぽくて粘々した液体を入れていいなら」
 殴られた。色んな奴に殴られたけど、メイシンの突きが一番痛い。
「何考えてるカ! タカシはやぱり馬鹿ね!」
「それとも直接飲むか?」
 殴られて壁まで吹き飛んだ。突っ込みに中国拳法使うのは、やめていただきたい。
「ごめんなさい冗談です……えぐっ」
「いいから早く作るネ! ワタシお腹空いたネ!」
 メイシンに急かされ、台所へ向かう。
 普通に手で握ってもできないことはないが、どうしても作るのが遅くなる。メイシンを待たせないためにも、ここは一つ特技を用いるか。
 まず服を脱ぎ、炊飯器を開ける。そしておもむろに米を取り、わきに当てる。で、わきを閉じる。はい、完成。
 この技なら、1秒で10は作れるだろう。難点はわき毛やら汗が多少おにぎりに付着することだが、まぁ瑣末な事だろう。
 出来上がったおにぎりを山盛り皿に載せ、メイシンに持っていく。
「うぃ、追加だぞー」
「待てたネ!」
 皿を机に置くと、メイシンは恐ろしい勢いでおにぎりを口に入れた。まぁ、自分の作ったものを喜んで食ってもらうと嬉しいよな。
 なんて思って見てると、ぴたりとメイシンの動きが止まった。ゆっくりと自分の手を口の中に入れ、中から何か取り出した。……ちぢれた、毛だ。
「……タカシ。まさかホントに白いの、入れたカ……?」
「ち、違う! んなことやってない! たぶんそれは俺のわき毛だ!」
 俺は誤解を解くため、いかにしておにぎりを製造したか事細かに説明した。
「……そカ。白いのは入れてないカ」
「理解していただいて幸いです」
「……でも、わきで作ったの食べさすなんて最低ネ。タカシは一度死んだ方がいいネ!」
 善意は伝わりにくいものだなぁ、と壁にめり込んだまま思った。

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