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2024年11月21日
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幽霊「幽霊です」 男「怖いなあ」 中編

2012年07月24日
男「俺の想像が当たり、ちょっと辛い事件があったが、どうにか放課後になった」

幽霊「頬が腫れてますよ、おにーさん」

女「当然の報いよ。ふん、だ」

友「あっはっは。んじゃ俺は先に帰るな」

男「待てよ。一緒に帰って友達に噂とかされると恥ずかしいし、一緒に帰らないか? ゲーセン行こうぜ」

友「頭おかしい奴とは一緒に帰りたくないんだ」

男「じゃあ仕方ないな。また明日な、友」

友「ああ。また明日な、男。それに女さん、あと幽霊も」

女「はいはい。またね、友くん」

幽霊「見えてないようですが、また明日です」

男「幽霊とか馬鹿じゃねえの」

友「お前が言うな」

幽霊「見えてるおにーさんが言うのは明らかにおかしいです!」

女「じゃあ、一刻も早く死んで証明してみなさいよ」

男「女の台詞の鋭利さといったら……!」

友「あっはっは。んじゃ今度こそまたな、皆」

拍手[20回]

男「……さて。んじゃ俺らも帰るか」

幽霊「はい! 一緒の登校、一緒の下校です!」

女「そうね。……い、一緒の方角だから、アンタと一緒に帰るのも仕方ないわよね///」

男「誰に言ってんだ」

女「う、うるさい! ただの独り言よ!///」

幽霊「……ふーむ」


女「ところでさ、アンタは幽霊ちゃんに触れるのよね」

男「ああ」フニフニ

幽霊「ひゃ、ひゃああ」

女「セクハラはするなッ!」ゲシッ

男「これは幽霊に触る大義名分を得たと思い、急ぎほっぺをふにふにしただけです。本当はおっぱいとかお尻とか触りたかったんだけど、勇気が出せずにほっぺに留まったんです。だから殴らないでください」

幽霊「び、びっくりしました///」

女「コイツは……まさかとは思うけど、家で変なことしないでしょうね?」

男「まっ、ままままままままままままさかあ!!!」

幽霊「このままでは確実に変なことをされます。貞操の危機です。初体験が生身ではなく幽体とは思いもしませんでした」

男「し、しませんよ!? そんな人として間違ったこと……あ、でも相手は幽霊だから人としてとか関係ないから……よし、する!」

幽霊「男らしさが間違った方向で発揮されてます」

女「幽霊ちゃん、うち来る?」

男「なんてこった! 俺の幽霊があ!」

幽霊「……べ、別に私は誰のものでもないです///」

女「何か聞き捨てならないものが聞こえたわね」

男「おや、夏なのに寒気が」


男「何かオラオラ的な攻撃を受けたのか、体中がやけに痛い」

女「生きてるだけでありがたいと思いなさい」

幽霊「私は死んでますけどね?」

男「いやまったく。わはははは!」

女「不謹慎ッ!」

幽霊・男「ご、ごめんなさい」

女「まったく……で、どうする、幽霊ちゃん? うち来る?」

幽霊「……そうしたいのは山々なんですが、おにーさんに取り憑いているので、おにーさんから離れられないんです。一度取り憑くと、そう簡単に別の人に取り憑いたりはできないのです」

男「そうなのか! それなら仕方ないなあ!」ニマニマ

女「……明日幽霊ちゃんに何かあったか聞くから。変なことしたら……分かってるわよね?」

男「お仕置きとしておっぱいを押し付けられるのか。いや困ったなあ、おっぱい怖いからなあ」

女「するわけないでしょッ!」ギューッ

男「饅頭怖いだとまんじゅうが腹いっぱい食べられるのに。おかしい」

幽霊「おにーさんのほっぺがびろーんってなってて面白いです」


女「じゃあ私はこっちだから行くけど……何かあったらコイツを殺してでも逃げたらいいからね、幽霊ちゃん。どうせ人権とかないんだから、殺人もオッケーよ」

幽霊「はい!」

男「はいと来た。目の前で自身の殺人事件の計画を打ち明けられる恐怖に、君は打ち勝てるだろうか。ちなみに俺は勝てない」ブルブル

幽霊「おにーさんの顔色が面白い感じに」

女「これだけ怯えてたら大丈夫そうね……じゃあね幽霊ちゃん。あとついでに男も」

幽霊「はい! さよならです、おねーさん」

男「……行ったか。くくく、この翁を謀ろうなど百年早いわい」

幽霊「おにーさんは実はおじーさんだったのですか?」

男「いや、見た目通り高校生です。衝動的に適当なことを言う癖があるのです。勘違いさせてごめんね?」

女「気にしないでいいわよ。それくらいは想定内だから」ヒョコッ

男「ひぎぃッ」

幽霊「あ、おねーさん。さっきぶりです」

女「幽霊とはいえ、やっぱコイツのとこに女の子一人置いとくのは危ないわね。……し、しょうがないわよね、道義的にね、うん」

幽霊「何を一人で言ってるんでしょうか?」

女「だ、だから、仕方なく、仕方なく! 幽霊ちゃんを守るため、……わっ、私もアンタの家に泊まってあげるわよ!///」

幽霊「わあ! はーれむ! はーれむですよ、おにーさん!」

女「ちっ、違うわよ!/// ……ていうか男、どうしたの?」

男「びっくりした時にとっておきの破瓜の声をあげたのに、誰にもつっこまれなくて悲しんでたんだ」

幽霊「別の意味で可哀想ですね、おにーさん」


男「さて、なんか知らんが可愛い女の子が二人も家に、それも泊まりで来ることになった。これがこの世の春か。幸せすぎるので、人生のバランス的に明日あたりたぶん何かの事故で死ぬ」

幽霊「おにーさんはねがちぶですね」

男「ネガティブ、な」

幽霊「ねがちぶ」

女「あ、私一度家に帰るわね。荷物とかあるし、親にも言っておかないといけないから」

男「荷物ってなんだろ。ぱんつかな。ブラ……は、ないな。なぜならぺたんこだから、する必要性がない」

女「えい」サクリ

男「ぎにゃあ」

女「じゃあね、幽霊ちゃん。また後でね」

幽霊「は、は、はい」ガタガタ

男「前が見えねえ」フラフラ


男「類稀なる回復力で復帰したので、帰ろっか、幽霊」

幽霊「はい」


男「というわけで、我が家に着いた」

幽霊「私の家でもあります」

男「俺がお金を出して借りてるはずなんだけどなあ」

幽霊「居住権を行使します!」

男「ひぃ、また法律! 助けて!」ガバッ

幽霊「ひゃ、ひゃああ///」

女「やー、お母さんに勘ぐられて本っ当困ったわよ。そんなんじゃないの……」ガチャ

男「oh,bad timing」サワサワ

幽霊「あ、あの、おにーさん……そこ、お尻ですよ?///」

女「お仕置きの時間よ」ゴゴゴゴゴ

男「ああ、こうやって要所要所で折檻を受けることにより、人生のバランスがとられているのか。よくできていやがる、ちくしょう。でもお尻柔らかいからいいか」ナデナデ

幽霊「あ、あの、おにーさん、そ、その……困ります///」

女「男が泣くまで殴るのをやめないッ!」


幽霊「おにーさんが泣いたのでおねーさんは殴るのをやめました」

男「この女、怖すぎる」ガタガタ

女「うっさい! アンタが幽霊ちゃんを襲わなけりゃ殴ったりしないわよ!」

幽霊「お、襲われたんですか、私?」

男「いかん、幽霊の怯えた表情に嗜虐心が刺激され、またムラムラしてきた」

女「もっかい殴る?」

男「勘弁してください」

幽霊「一点の曇りもない土下座です」


女「ったく……ところで、ご飯の準備とかしてるの?」

男「どうだろう。幽霊、ちょっと冷蔵庫開けて中身見てくれ」

幽霊「はい。……あれ? あれ?」スカスカ

男「あー、そういや物に触れないんだったな。すっかり忘れてた」

幽霊「そでした。私も忘れてました。おにーさんたちと話してると、時々自分が幽霊だということを忘れちゃいます」

男「若年性痴呆症か。可哀想になあ」

幽霊「それくらい楽しいって話だったのに! おにーさんはひどいです!」

男「はいはい。ごめんね」ナデナデ

幽霊「ううう。おにーさんになでられると、どういうわけか許してあげたくなる心地になってしまいます」

女「…………」イライラ

男「なあ幽霊、視界の端に何かとんでもない怒気を背負った鬼のようなものが見えるんだけど、お前の仲間が遊びに来てたりしないか?」ナデナデ

幽霊「あれはおねーさんですよ、おにーさん?」

男「はっはっは。ただの人間があんなプレッシャーを放てるわけないじゃないか。まったく、何を言っているのか、この幽霊は」ツンツン

幽霊「あ、あぅ……ほ、ほっぺ、つつかないでください///」

女「はいこけた!」ドゲシッ

男「大変痛い!?」

幽霊「芸術の域に達しそうな飛び蹴りです」

男「うぐぐ……てめえ! 何しやがる! てめえ!」

女「こけたの。偶然。だから仕方ないの。ドジっ子なの」

男「あんなライダーキックをかましておいて偶然こけたとかちゃんちゃらおかしいぜ! ただ、ドジっ子なら仕方ないので許す」

女「自分で言っておいてなんだけど、それで許すのはおかしいのよ?」

男「ドジっ子とか好きなんだ。ドジっ子メイドとかいいなあ」チラチラ

女「やらないわよ」

男「別に胸元を強調するデザインじゃないから貧乳の方でも安心ですよ? あ、でもコンプレックスを刺激された姿を眺めるのもご飯が進みそうだし、それもアリだな!」

女「何か突拍子もない天災が起こってコイツだけ原子にまで分解されないかなあ」

男「どうも女はしてくれそうにないな。じゃあ幽霊がやって幽霊。メイド服着てくれ」

幽霊「私、着替えとかできません」

男「じゃあいいや。することないし死のうかな」

女「そんなんで諦めるなッ!」

幽霊「そんな様でよくこの年齢まで生き残れたと感心しますよ、おにーさん」

男「どうにもいじめられて辛いので、そろそろ夕食の材料でも買いに行きましょう」

女「え? 冷蔵庫に何かないの?」

男「即席ラーメンとかならあるが、わざわざ女が来てくれたのにそんなのを出すのは申し訳ないからな」

女「……そ、そう。……ま、まあ、私をもてなすのは、とっ、トーゼンよね!?///」

幽霊「どして声が裏返ってるんですか、おねーさん?」

女「うっ、うるさいっ!」

幽霊「ふああっ!? こっ、怖い、怖いですっ!」ピュー

男「ああよしよし。幽霊をいじめるなよ、女。貧乳同士仲良くしろと言ってるだろ?」

女「アンタ毎秒喧嘩売ってるでしょッ!?」

男「あと、お前も『怖がらせるバルンガ』で有名な幽霊なんだから、びびらされてどうすんだ。逆にお前が怖がらせるくらいのことをしてみろよ」ナデナデ

幽霊「変な二つ名を勝手に付けないで欲しいです……」

女「……ね、ねぇ。幽霊ちゃんも落ち着いたみたいだし、もうなでなくてもいいんじゃない?」

男「そうは言うが、なでてると幸せだから手が止まらないんだ」ナデナデ

幽霊「私も、成仏する時みたいにいー気持ちです……」ポーッ

男「そのまま成仏されたら寂しいのでやめておこう」

幽霊「はわっ!? なでなでが!」

男「お、ナイス萌え言語。今後も努めるように」ナデナデ

幽霊「さながら永久機関です」

女「ねえ、男。手を止めて素直に買い物に行くのと、動けなくなるまで殴られてから買い物に行くの、どっちがいい?」

男「そろそろ買い物に行こうか」

幽霊「おにーさんの顔色が人間のそれとはかけ離れています」


男「というわけで、近所のスーパーマーケットに来た」

幽霊「すーぱーまーけっと」

男「お、これは言えたな」ナデナデ

幽霊「これも、です。なんでも言えます。あいでんててー」

男「アイデンティティ」

幽霊「あいでんててー」

女「…………」

男「ん、どした女。幽霊をじーっと見つめて」

女「ゆ、幽霊ちゃん。もっかいさっきの言って?」

幽霊「はぁ。んと、あいでんててー」

女「……ゆ、幽霊ちゃん可愛い!」ダキッ

幽霊「はわわっ!」

女「幽霊ちゃん、幽霊ちゃん。アイデンティティ?」

幽霊「あ、あいでんててー」

女「あああ……可愛い可愛い可愛いっ!」ナデナデナデ

幽霊「は、はぅあぅはぅ///」

男「百合ってるところ悪いが、一般人には幽霊が見えないがため、一人でくねってるちょっと精神がアレな奴と思われてますよ」

女「レズじゃないっ! 誰がアレよっ! ……って、なんでそんな離れてるのよ」

男「知り合いと思われると嫌なので」

女「知り合いでしょ、男クン?」テクテクテク ギュー

男「今回に限って言えば俺は悪くないと思うのだが、どうして頬をつねられているのだろう」

幽霊「は、はぁはぁ……び、びっくりしました///」

男「ああ、俺もよもや知り合いが街の往来で突然発情するとは思いもしなかった」

女「言い過ぎよッ! ……ち、ちょっと幽霊ちゃんの可愛さに前後不覚になっただけよ///」

男「しっかりしろよ、レズ女」

女「うっさいロリコン。童貞こじらして死ね」

幽霊「酷い戦いもあったものです」


男「いつまでも店の前でくねくね痴態を見せつけるのもなんだし、そろそろ店に入らないか」

女「もうやってないわよ!」

幽霊「くねくね」ユラユラ


男「そんなわけで三人で入店したわけだが、何買おう」

女「晩ご飯でしょ? 何食べたい?」

男「食べたいものはたくさんあるが、生憎技術が欲望に追いついていないもので、できるものは限られているんだ」

女「いいわよ。泊めてもらうんだからご飯くらい作ってあげるわよ」

男「折角の申し出だが、毒を盛られると死ぬ体質だから遠慮しとくよ」

女「誰でもそうよっ! アンタを殺すならそんな手間のかかる手段なんて採らないわよ!」

男「暗に直接殴り殺すと言われているようで、震えが止まらないよ」ブルブル

幽霊「マネしたくなる程度には楽しそうです」ブルブル

男「別に楽しくて震えているわけではなくて、身体の防衛機構が勝手に震わせるんだ」

幽霊「難しいことはよく分かりません」

男「実は俺もなんだ。しょうがないからサメの話でもしようか」

幽霊「きばがかっこいいです」

女「そこの馬鹿二人、早く来なさい」ガシッ ズルズル

男「ぐええ」

幽霊「おにーさんの首におねーさんの手ががっしりと食い込んでいます。一種の刑罰と言われても違和感のない風景です」


男「さて、女に酷い目に遭わされたが、まあいつものことなのでよしとしよう」

幽霊「おにーさんの度量が果てしないです」

女「単に文句言う度胸がないだけよ」

男「えへんえへん。ええと、メニューだけど、幽霊は何が食べたい?」

幽霊「えっ、私が選んでいいんですか?」

男「ダメだよ」

幽霊「もう何も信じられません……」ションボリ

女「幽霊ちゃんをいじめるなッ!」ドゲシッ

男「軽い冗談なんです。すぐに冗談と言う予定だったんだけど、なんかゴリラ的な力場に遮られたんです」ハナヂ

女「まったく……それで幽霊ちゃん、何が食べたい? なんでもいいわよ?」

幽霊「え、えと……じゃ、ハンバーグがいいです。食べたいです」

女「そっ。じゃあひき肉と玉ねぎ、あと卵ね。そだ、パン粉とかある?」

男「食パンならある」

女「ん、それで大丈夫」

幽霊「おにーさん、おにーさん。パンは朝おにーさんが食べちゃった分で全部ですよ?」クイクイ

男「しまった。しかし今更そんなことを言ったら『じゃあ代わりにお前がひき肉になれ』とか言い出しかねないからな。幽霊、陽動を頼む。その間にどうにかして手に入れてくる」

幽霊「わ、分かりました。せきにんじゅうだいです!」フンス

女「なんでアンタは人を殺人鬼扱いするの?」

男「しまった、ばれた! ええとええと、俺より幽霊をひき肉にしたほうが珍しい味のハンバーグができると思いますよ?」

幽霊「物理無効ですのでひき肉にはなれません」

男「いや、どういうわけか俺と女に限っては触れるので、手でミンチ状になるまで殴ればできる」

幽霊「ふわああん!」

女「だから、幽霊ちゃんをいじめるなッ!」ドゲシッ

男「冗談です。紳士なので、女性に手をあげるなんてありえないです。代わりじゃないけど女性によく殴られます。納得はいってません」ハナヂ

女「ほらほら、悪い奴は退治したからもう大丈夫よー?」ナデナデ

幽霊「ぐすぐす……おにーさんはひどいです。悪魔です」

男「デビルイヤーは地獄耳!」ババッ

幽霊「も、ものすごくかっこいいぽーずです……!」

女「私には間違ったラジオ体操の動きにしか見えないわね」


男「一人かっこいいポーズを決めてるところを周囲の奥様方にジロジロヒソヒソされたので、あまりの恥ずかしさにそそくさとその場から逃げた俺をどう思うか」

女「恥ずかしがるくらいなら最初からしなきゃいいのに」

幽霊「あんなにかっこいいのに恥ずかしがるなんて、おにーさんはどうかしてます」

男「いや、どうかしてるのは幽霊の美的感覚だ」

幽霊「またいじめられました……」ションボリ

男「ションボリする幽霊は可愛いなあ」ナデナデ

幽霊「ションボリとナデナデが相殺され、ちょうどにうとらるの感情です。無です。むー」

男「では、なでりを強めたら?」ナデナデナデ

幽霊「何やら嬉しい心地になりました」ニコニコ

女「はいはい、そこまで! 幽霊ちゃんもこんな奴に付き合ってあげる必要なんてないのよ?」

幽霊「付き合ってあげてるわけではないです。なでられると嬉しいのです」

男「なんと好都合な。乳でも尻でもなでてくれよう!」

幽霊「遠慮します」

男「話が違う。解せぬ」


男「しょうがないから代わりに女の頭をなでよう」ナデナデ

女「あっ、こら何を勝手に……!」

男「ふむン。幽霊とはまた違う楽しさがあるね」ナデナデ

女「……い、意味分かんないし。なでることの何が楽しいってのよ///」

男「言われてみると確かに。何が楽しいんだか」パッ

女「……あ、やめるんだ」ションボリ

幽霊「おねーさん寂しそうです!」

女「なあっ!? だっ、誰が寂しそうだったのよ!?///」

男「ばか大きな声でそんなこと言うな。チクチク刺激していたぶるのが楽しいのに」

幽霊「あちゃー、失敗しました。ごめんなさい、おにーさん」

男「分かればいいんだ。失敗を糧にさらに大きくなれよ、娘!」ナデナデ

幽霊「私はおにーさんの子供ではないですが、大きくなります。おっぱい育てます!」

男「人間的な話なのに。あと乳は現状維持でどうかお願いします」

幽霊「おにーさんはロリコンさんなので、いつでも身の危険を感じています」

男「ばか、危険度で言うなら今の俺が一番高いぞ? なぜならいま女が静かなのは怒りを溜めている最中だからで、もう少しで超必殺技が俺に降りかかるからでげべっ」

幽霊「降りかかってます」


男「いい加減殴られ疲れたし、普通に買い物しませんか?」

女「アンタが余計なことしなけりゃ最初からそうしてるわよッ!」

幽霊「お買い物は危険がうぉーきんぐです」

男「一般的な買い物の場合は歩いてないんだけどな。女がついてくると往々にして歩き出す」

女「アンタと一緒じゃなけりゃ、私だってこんなことにはならないわよ!」

幽霊「つまり、お二人は特別同士なんですね!」

女「にゃあっ!? そ、そ、そっ、そんなわけないじゃない! ね、ねえ?///」

男「さっきのびっくりした時の声が猫みたいで可愛かったのに、突然のことに録音できなかった。あまりの悔しさに血尿が出そうだ。……否、出す!」

幽霊「無意味に男らしいです」

女「……え、えと。アンタって猫好きなの?」

男「好きだなあ。でも猫かおっぱいかと言われたら、断然後者を推すね!」

幽霊「猫に人のおっぱいがくっついてたらどうですか、おにーさん?」

男「残念ながら俺はケモナーじゃないからあまり嬉しくないなあ」

幽霊「足し算で全ての物事がうまくいくと思ったら大間違いです。反省してください、おにーさん」

男「あれ、俺?」


幽霊「おにーさんに説教したらお腹空きました。早くお買い物を終えてご飯を食べましょう」

男「納得は未だいっていないが、飯には賛成だな」

女「(にゃー……いや、いきなり語尾ににゃーとかつけたら、あんまりすぎるわね)」ブツブツ

男「何を言ってるのですか、お嬢さん」ヌッ

女「きゃああああああ!? いきなり近寄るなッ!」ドゲシッ

男「なんか近寄っただけで殴られた。酷すぎる。こんな世界では、この先生きていく自信がない」ハナヂ

女「あっ、ごっ、ごめん! つい! ……で、でもアンタも悪いのよ? いきなり女の子に無遠慮に近寄ったりするから。……まあ、殴ったのは悪かったケドさ」

男「知り合いがいきなりぶつぶつ言い出したら、誰だって心配して近寄るだろーが」

女「……し、心配したんだ。ふーん、そっか///」

男「当たり前だろ。だのに殴られて、お兄さん意気消沈ですよ」

女「そ、そっか。……じゃ、じゃあさ、お詫びってわけじゃないけど、これから語尾にさ、にゃ」

幽霊「このせんせいきていくとは、きのこるの亜種ですね」ナデナデ

男「幽霊になでられて元気百倍! もう何も怖くない」

女「…………」

男「女? どうかしたか?」

女「なんでもないわよッ!」ドゲシッ

男「どうにもそうは思えない」ハナヂ

幽霊「見てるこっちが貧血になりそうなくらい鼻血を出してますよ、おにーさん」

男「たまにはラッキースケベで鼻血を出したいよ。ていうかそういう事態に陥ったなら、鼻血が出るのではなく海綿体に血液が集まるよな」

女「なっ、何言ってんのよアンタは!」ギュー

男「ほほほひっはふは(頬を引っ張るな)」

幽霊「かいめんたい、って何ですか、おにーさん?」

男「おおぅ。なんとイノセントな瞳で問いかけるのだ、この娘は。よし、汚そう! 海綿体とは、ち」

幽霊「ち?」キラキラ

男「ち、ち……ぐ、くそぅ、負けるな! 汚すんだ、俺はこの娘を汚すんだあ! い、言うぞ! 海綿体とは、ち、ち……」

幽霊「ち?」キラキラ

男「視線に物理的な力があろうとは予想だにしなかったよ……。俺の負けだ、完敗だ。女、メルヒェンに説明してあげてくれ……」

女「おちんちんのことよ」

男「てめえ! 何教えてやがる! てめえ!」

女「早めの性教育よ」

男「メルヒェンにと言っただろ! なんということを……! 俺が親なら今頃泣いてるね!」

幽霊「なるほど、おちんちんですね! おちんちんさん、こんにちは」ニッコリ

男「人の下腹部に挨拶しないでください!」

女「あははははっ!」


男「何やら非常に疲れた。精神的に陵辱された気分だ」

女「あー面白かった。さて、それじゃ買うもの買って帰りましょうか?」

幽霊「そですね。じゃあ行きましょうおねーさん、おちんちんさん」

男「その呼称やめてくれないと泣きますよ?」

女「あははっ。ほら幽霊ちゃん、コイツいじめるのも楽しいけど、いい加減にしないと材料が売り切れちゃうわよ?」

幽霊「あっ、それは大問題です! 急ぎひき肉と卵を買うのです!」フヨフヨ

女「あっ、行っちゃった。あの子、物掴めないのに……」

男「どうせ戻ってくるよ。つーかお前、あんなちっさい子に変なこと教えるねい」

女「あら、妙なところでまともなのね。アンタのことだから喜ぶと思ったのに」

男「いや、まあなんというか、嬉しいは嬉しいんだけど、どう扱えばいいのか。実際に見せて反応をうかがってもいいかなあ?」

女「私がなんのために泊まりに来たか忘れたようね。幽霊ちゃんをアンタから守るために来たのよ?」

男「なるほど。じゃあ保護者責任でお前も幽霊と一緒に見てください」

女「なっ……だっ、誰がアンタの粗末なものを見るってのよ!///」

男「貴様、俺の秘密どこで知った!?」

女「うっさい!」

幽霊「物に触れないことを忘れてました……あ、またおにーさんがほっぺを引っ張られてます」フヨフヨ


男「さて、その後も少しトラブルがあって殴られたり蹴られたりしたものの、どうにか目的の品を手に入れ、現在我が家にいるわけなんですが、どうでしょう」

女「きったないわねー。アンタ一人だけならまだしも、幽霊ちゃんもいるんだからちょっとは掃除しなさいよ」

幽霊「私は幽霊なので、これくらい汚いほうがおどろおどろしい雰囲気が出てよいかと思われます。ひゅーどろどろ」

男「ああ怖い怖い。しかし、おっぱいを俺に押し付けてひゅーどろどろ言われるのが一番怖いんだ」

幽霊「よいことを聞きました」

女「嘘よ」

幽霊「また騙されそうになりました……。でも、灰色の脳細胞がおにーさんの言葉を嘘と見抜きました。私は頭がいいです」

男「いや、前にも似たような嘘を言ったのに、少しでも信じた時点でとんでもなく馬鹿だよ」

幽霊「おにーさんがまたまた私をいじめます。ひんひん」

女「ああよしよし。男は……もう、幽霊ちゃんをいじめるな!」

男「あまり大きな声を出さないで。怖くて泣きそうだ」

幽霊「怖い!? 私の出番です! ひゅーどろどろ!」

男「だから、そんな元気いっぱい言われても怖くないです」

幽霊「ままなりません……」ションボリ


女「じゃ、夕飯作っちゃうわね」

男「何か手伝おうか?」

幽霊「あ、私も手伝います」

女「じゃーお願い。何ができる?」

男「後ろでにぎやかし」

幽霊「応援ならお任せです」

女「……テレビでも見てて」

男「夕方のテレビなんて見ても仕方ないしなあ。よし幽霊、イチャイチャしよう」

幽霊「嫌です」

男「先っぽ! 先っぽだけだから!」

幽霊「何がですか?」

女「私の前でよくもまあそんなどぎついセクハラできるわね?」チャキッ

男「OK俺が悪かった、だからその手に持ってる鈍く光る刃物を本来の使い方以外で使わないでください」

幽霊「今日もおにーさんの土下座が光ってます」


男「ふぅ。俺の冴え渡る妙技でどうにか危機を脱したぞ。すごかろう。惚れてもいいよ」

幽霊「無理です」

男「そりゃそうだ」

女「ねー男、することないんだったらお風呂でも洗っててー」

男「くそぅ、俺が、この俺が女に言われるがまま顎で使われていいのか!? 否、よくない! 今こそ俺たち立場の弱い男衆で団結し、立場逆転を! 古き良き亭主関白を」

幽霊「おにーさん、おにーさん。一緒にお風呂洗いましょうか?」クイクイ

男「あ、それは楽しそうだ。やるやるー」

女「……ま、まあ、大丈夫よね。たぶん」

──風呂場──

男「風呂だ!」ババーン

幽霊「お風呂です!」ババーン

男「いや、やはり風呂はいいな。わけもなく仁王立ちしたくなる」

幽霊「狭いです」

男「アパートの風呂だからなあ。それもやむなしかと」

幽霊「こんな狭いと、一緒に入ると肌と肌が触れ合っちゃいますね?」

男「なんと。今の発言で俺の興奮度はうなぎ登り、既に暴発しそうです」

幽霊「どして前かがみになってるんですか、おにーさん?」

男「男には、色々あるのさ……」

幽霊「おちんちんさんが元気いっぱいなんですね?」

男「折角アンニュイな感じで言ったのに。笑顔でそういうこと言われると、なんか泣きそうだよ」

幽霊「じゃ、お風呂洗っちゃいましょうか、おにーさん」

男「はい。しかし、お前は物を掴めないから何も手伝えないんじゃないか?」

幽霊「むぅ。じゃあ、応援します。ふれー、ふれー、おにーさん」

男「手を振って応援してくれるのはありがたいが、風呂場は狭いのでその手がものすごく俺に当たり、結構痛い」

幽霊「痛いのはおにーさんだけじゃないです。当てる私も痛いのです!」

男「なんでどっかで聞いたことがあるようないい台詞を言うの? そして幽霊も痛覚があるの?」

幽霊「かっこいいからです。痛覚はあります。たぶん」

男「どれどれ」ムニュー

幽霊「いひゃいでひゅ、おにーしゃん」

男「可愛い」ナデナデ

幽霊「はぅぅ」

男「さて、幽霊とイチャイチャできて満足したので、洗いますかね」

幽霊「知らずイチャイチャされました。許しがたいです。あとで怖がらせたり呪ったりします」

男「久々に幽霊の趣味が出た」

幽霊「隙あらばいじめます。おにーさんはひどいです」

男「まあそう言うなよ。幽霊とコミュニケーションをとれる者の特権だ」ゴシゴシ

幽霊「……まあ、世には私みたいな幽霊を認識できない人間の方が多いですからね。……あの、おにーさん」

男「ん?」ゴシゴシ

幽霊「ありがとございます」ペコリン

男「どういたしまして」ペコリン ガッ

幽霊「どしておにーさんは何のありがとうか分からないのにお辞儀を返すのですか?」

男「頭下げた時に風呂の縁に頭ぶつけて痛い」

幽霊「よしよし。痛いの痛いの飛んでけー」ナデナデ

男「でへへぇ」ニヤニヤ

幽霊「この程度だろう、という想像をはるかに上回るほど気持ち悪いです。おにーさんの地力にはほとほと驚かされます」ションボリ

男「ちくしょう」

幽霊「それで、おにーさん。さっきのありがとうですが、私のことを嫌わないでありがとう、と言いたかったのです」

男「…………」

幽霊「なんだかんだ言って、私は幽霊です。人に嫌われて当然みたいな存在なのに、おにーさんは私を普通に受け入れてくれて。それが、嬉しかったのです」

幽霊「そのありがとう、なのです。だからおにーさん、改めて言います。ありがとうございます」

男「気にするな。代わりにおっぱいを触らせてください」

幽霊「失望の数が多すぎます……」ションボリ

男「い、いや、ここは思い切って、も、も、も、もんだりしますよ!? ほ、ほら、今はなんかつけこめる雰囲気っぽいし!」

幽霊「おねーさんを呼んできましょう」フヨフヨ

男「い、一回……いや、二回。……否! やはり、三回、もしくはそれ以上、揉むね! 俺は!」

女「あんなに小さい子の胸を?」

男「おや、件の胸と似たような人。こんにちは」


男「未遂なのに殴られるのは納得がいきません」ハナヂ

女「馬鹿ねー、もし実際に触ってたらそんなのじゃ済まないわよ」

幽霊「ぷぷぷぷぷ」ヒョコッ

男「あっ、幽霊! 貴様、いつの間に忍法入れ替わりの術でニントモカントモ拙者忍者でゴザルよニンニンを使えるようになりやがった!」

幽霊「無駄に名前が長いです」

女「男がいやらしいことをしてきます、って私を呼んだのよ」

男「……ああ! そりゃ仕方ないさ! 風呂場だもの、いやらしいことのひとつもしたくなるさ!」

幽霊「ひどい開き直りっぷりです」

女「まだ殴り足りないのかしら?」バキボキ

男「ひぃ、女が自分の全身の骨という骨を粉砕しながらゆっくり近寄ってくる!」

女「してないわよ! 指の骨を鳴らしたの! 変なこと言うな!」

幽霊「おねーさん、おねーさん。骨をペキポキ鳴らすのは、あまり身体によくないらしいですよ?」

女「あら、そうなの?」

男「まあ幽霊はもう死んでるから関係ないけどな」

幽霊「それもそうです。折角だし、鳴らしてみましょう」グイグイ

男「どした?」

幽霊「……ちっとも鳴りません。ペキポキのペくらい出てもいいものです」ションボリ

男「ションボリする幽霊は可愛いなあ」ナデナデ

幽霊「……///」

女「…………」イライラ ギュー

男「俺の頬をつねる理由を述べよ」

女「うっさい!」


男「何やら頬がヒリヒリするが、それでも風呂を掃除しなければならないとは。こんな重体の人間を働かせるだなんて、この世に神はいないのか」

幽霊「幽霊ならいますよ?」フヨフヨ

男「本当だ。可愛い」ナデナデ

幽霊「はうう」

女「…………」ジーッ

男「あ、あの、女さん。手を出さないのは大変に嬉しいのですが、その、ゴルゴーンもかくやと思えるほどの視線の圧はどうにかなりませんかね。このままでは石化する」

女「…………」ジィーッ

男「ええと、その、いかん、とうとう身体が石に」

幽霊「見た目は一緒です」ベシベシ

男「痛い痛い。顔を叩かないで」

幽霊「石の強さを過信しました」

女「……はぁ。さて、それじゃ私は料理の続きをしてくるわね」

男「ん、あ、ああ。ふぅ、ようやっと出ていってくれたか。ああ緊張した」

女「超目の前にいるわよッ!」

男「しまった、気を抜くのが少し早かった。でも誤差の範囲だし、いいよね?」

女「よくないッ! なによ、そんなに私が嫌いなの!?」

男「いやいや、まさか。大好きですよ?」

女「んな……ッ!?///」

幽霊「これが噂の告白シーンですか」

男「あ、いかん、何か勘違いさせた模様。か、勘違いしないでよね、勘違いなんだからねっ!」

女「ドやかましいッ!」

幽霊「ややこしいです、おにーさん」

男「時々ツンデレ語を使いたくなるんだ」

女「そ、そんなことより、ど、どーゆーことなのよ! そ、その、……だ、大好き、って///」

男「大好きです」

幽霊「告白されました」

女「なんで私に告白した次の瞬間に幽霊ちゃんに告白してるかッ!」ギューッ

男「ぐええ」

幽霊「またおにーさんが首を絞められてます。見慣れた光景で、ちょっと飽き飽きです」

男「ところが俺は毎度毎度死に瀕しているのでちっとも飽きない。幽霊もされてみてはどうだ? 立場が違えば見える景色もまた変わってくるだろうよ」

幽霊「私はもう死んでるので死に瀕してません」

男「然り然り! がはははは!」

女「殺されかけてんだからちょっとは苦しめッ!」ギューッ

男「ぐええ」

幽霊「おにーさんは律儀です」


男「さて、例によって臨死体験から奇跡の生還を果たしたので、さっきの大好きの説明をします」

女「は、早くしなさいよ! 全然キョーミないけど!」

男「じゃあしない」

女「…………」ギューッ

男「ひはひ」

幽霊「おにーさんのほっぺは大体いつも伸びてます」

女「とっとと喋れ!」

男「拷問?」

女「そうよッ!」

男「なんと。でも石も何も抱いてないよ? それどころかこんな狭い風呂場に女の子が二人も揃っていて、まるで何かのご褒美のようだけどいいんだろうか」

女「いい加減にしないと髄液が出るまで殴る」

男「ちょっと涙出るくらい怖かったので真面目に説明します」

幽霊「よしよし。怖くないですよー? 怖いのは私ですよー?」ナデナデ

男「わぁい」

女「…………」

男「ち、違うんです! ファービーか俺かというくらいなでられちゃうと簡単に喜ぶんです! あと幽霊は怖くない」

幽霊「さりげなくけなされました……」

女「いいから。説明。早く」

男「は、はい。ええとですね、さっきの大好きというのは、異性としての感情ではなく、友人としての大好きでして、でも見た目は花丸をあげたいくらいの出来ですし、性格も実はそんな嫌いじゃないし、どうしよう」ナデナデ

女「説明が混乱してるッ!」

男「その頭の端からにょろーっと昆布みたいなのが垂れてる髪形が俺はもう好きで好きで」ナデナデ

女「好きに対する批評内容じゃないわよ! ツインテールっていうの!」

男「これはこれはご丁寧に。男と申します」ペコリン

女「私の名前がツインテールじゃないッ!」

幽霊「私は幽霊っていいます」ペコリン

男「お、よい自己紹介だ」ナデナデ

幽霊「えへへへー」ニコニコ

男「こんな小さな幽霊が自己紹介できたのに、おっきな女は自己紹介できないのかなー?」

女「何この鬱陶しい流れ。ああもう分かったわよ。私は女。これでいい?」

男「ちなみにおっきなと言ったが、この大きなは年齢だけにかかっており、身長や胸にはかかっていないのでご注意ください。身長はともかく、胸は幽霊とほぼ差がないですから」

女「わざわざのご説明痛み入るわねッ!」ギリギリ

男「ぎええええっ」

幽霊「今は亡きフリッツ・フォン・エリックが蘇ったかのような技の冴えです」


男「というわけで説明したが、どうでしょうか。あとやけにこめかみが痛い」

女「結局よく分からなかったわよ。……ま、まあ、その。この髪形を褒めてくれたのは嬉しいケドさ///」

幽霊「私も昆布を垂らすべきでしょうか」

女「幽霊ちゃんまで!? 違うって言ってるでしょッ!」

幽霊「ふああっ!? お、おにーさーん!」フヨフヨ

男「よっしゃ慰めると称して幽霊の身体まさぐりタイム来た! 来い、幽霊!」ニマニマ

幽霊「ううううう……おねーさーん!」ダキッ

女「私が怒鳴ったのに……まあしょうがないわよね。ごめんね、幽霊ちゃん」ナデナデ

幽霊「はうー」

男「おっぱいホールドの構えが無駄になった」

女「アンタそのうち捕まるわよ」

男「自分でも薄々そんな気はしていたんだ。早めに権力を掌握しないとなあ」

女「今のうちにコイツを消しておいたほうが世のためのような気がするわ」

幽霊「おにーさんが仲間になりたそうにこちらを見ている」

男「まだ死にたくないです」

幽霊「おにーさんが私と友だちになるのを嫌がります……」ションボリ

女「あらあら、可哀想に。男もそれくらい受け入れる度量があるといいのにねー?」

男「うぅむ……よしわかった、女神転生のアリスでもしんでくれる? の問に神速ではいと答えた俺だ、幽霊の仲間になってやる!」

幽霊「わーいわーい!」

女「ちょ、ちょっと! 何言ってるのよ!」

男「でも死ぬのは怖いので幽霊を生き返らせる方向で」

女「あ、そ、そうよね。……焦らせるな、ばか」ギュー

男「痛い」

幽霊「生き返りたいところですが、もう肉体ないです」

男「この幽霊使えねえなあ」

幽霊「久しぶりにいじめられた気がします。なんだか少し嬉しいです」

男「この幽霊は歪んだ性癖を持ってて一寸怖いなあ」

幽霊「あっ、怖がられました! ひゅーどろどろ!」

男「はいはい怖い怖い」ナデナデ

幽霊「えへへへへー♪」ニコニコ

女「…………」ジーッ

男「さ、さぁて。遊ぶのもいいが、そろそろ掃除を再開しないとな」

幽霊「何を焦ってるんですか、おにーさん?」

男「あ、焦ってなんていないよ? 決してさっきと同じ轍を踏むまいとしているのではないよ?」

女「……ひ」

男「すいません今すぐ掃除しますので髄液だけはどうか!」

女「……ひゅーどろどろ///」

男「…………」

女「ひ、ひゅーどろどろ」

男「……え?」

女「ひ、ひゅーどろどろ!」

男「……え、えーと」

女「……だーっ! ナシッ! 今のナシッ! 全部忘れろ馬鹿ッ!///」ドダダダダッ

男「なんか幻覚と幻聴が」

幽霊「恐るべきことに現実です」

男「……そうか」

幽霊「……はい」

男「……女も逃げちゃったし、掃除しちゃおうか?」

幽霊「……そですね」
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