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2025年02月02日
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【寝起きにツンデレがそばにいたら】

2013年02月08日
「……ん、んぐ。……ふわあああ~」
「……やっと起きた」
「うわらばっ!?」
「……うわらば?」
 目が覚めたら視界いっぱいにちなみの顔だったのでうわらばが出た。
「え、あの、なんでちなみが俺の家にいるの? 結婚したっけ?」
「……タカシと結婚とか噴飯モノ確定」
「失礼な。じゃあ、なんでこんな朝早くから我が家にいるのでしょうか」
「……膝枕のため?」
「え」
 そういえば今日の枕はいつもより柔らか度数が高めだよなー。しかも心なしか温かいよなー。いわゆる体温的なソレだよなー。
「……なんで膝枕をされている」
「……してほしそうな顔をしていたから?」
「寝てただけです」
「……貧乳に膝枕されるのは嫌と申すか」(涙目)
「そうは申さぬけど!」
「……いつもならそう言いながらなでるのに、今日はなでないし。……やっぱ嫌なんだ」(涙目)
「ええい! 体勢的になでにくいからなでないだけだっての!」ナデナデ
「…………」(嬉しい)
「はぁ……。で、朝っぱらから何の用だ?」
「……なんか妖怪? ……なんちて。……うひゃひゃ?」
「別にお前が言う必要はないです」ナデナデ
「…………」(嬉しい)
「で」
「?」
 ちなみは不思議そうに小首を傾げた。
「や、ハテナじゃなくて。何の用かと聞いているのです」
「……んーと。……んーと」
「ないのですか。用事が」
「……いや、ある。……なんの用もないのにタカシの家になんて来たりしない」
「いや、何の用もなくても来てほしいですがね。それはそうと、用事はなんですか」
「……んーと。……何にしよ」
「何にしよって聞こえましたが」
「……あ、そだ。……ごそごそ、じゃーん」
「そ、それはぁ!」
「……ご存知、タカシの大好きなネコミミ。……そしてそれを、そうちゃーく」スチャ
「猫耳カチューシャを携帯していることにも驚くが、それをためらいもなく頭部につける年頃の乙女にも驚いた」
「……うるさい。……あ、こほん。……うるさいにゃん」
「なんという媚力か……ッ!」ナデナデナデ
「……くにゃーん」(嬉しい)
「で」
「にゃ」
「いや、可愛いけど。結局何用なのですか」
「……ぺろぺろ」
「鼻を舐めないで」
「……まずい」
「鼻の味までは保証できません」
「……今日もタカシにはがっかりだ」
「意味が分からん」
「……がっかりしたので、膝枕はここまでー」スッ
「あああああ」
「……で」ゴソゴソ
「なにをしている」
「……見た通り、タカシと同衾している」
「同衾とか言うなっ! 柔らかく『一緒の布団に入ってる』とか言ってくださいよ!」
「……一緒の意味だし」
「いや、同衾のバヤイは色恋とか性関連の色々が含まれる意味合いなのでそのあの」
「……猫相手に発情するとか、タカシの性欲は果てしない」ガクガク
「ねこちなみん相手なので発情もしますよ」
「……あ、あぅ」
 普通に照れないで。困ります。色々。
「……にゃ、にゃー」ペロペロ
「ぶべべ。顔を舐めるな」
「……まずい」
「俺の顔の味見に来たのか?」
 ちなみはモソモソと布団の中にもぐり、俺の胸に自分の顔をぴたりとつけた。
「お、おい」
「……久々に休みだから、来た。……だけ」
 こもった声が布団の中から聞こえてきた。
「……学校だと、……くっつけないし」
「それは、なんというか、その、……イチャイチャしにきたということでよろしいか?」
「……よろしくない。……にゃ。……今日もタカシは性欲に支配されている。……にゃ」
 ちなみが布団から顔だけ出した。かわいい。
「かわいい」スリスリ
 かわいいので、ほっぺを手でスリスリしたりする。
「んー。うにゃにゃ」
「うにゃにゃとか! もっとそういう萌え台詞をお願いします!」
「……サービスしなきゃよかった」
 どういうことかちなみが落ち込んだ。
「そう言わずにもっとサービスお願いしますよ」ギュッ
「……勝手に抱きしめるな。そんなのは許可してない」
「いいですか?」
「……まあ、どうしてもと言うのなら」
「ヤッタネ!」ギュー
「……やれやれ。これだからタカシは困る」ギュー スリスリ
「なんかそちらからも抱き返されてるような。さらに言うなら、スリスリもされてるような」
「……超勘違い。これだから童貞は困る」スリスリスリ
「そうだろうか」
「……そうなの」ムギュギュ スリスリ ペロペロ
「擬音が多すぎやしませんか」
「……なんのことやら」
「無理がありすぎるかと」
「…………」
 突然ちなみが黙って俺の顔を見上げた。
「ん? どした?」ナデナデ
「……ちゅー。……が、したくなった」
「え」
「……ちゅー」
「え、いや、あの」
「……ちゅー。……にゃ」
「ここでまさかの猫投入……ッ!」
「……にゃー?」(小首を傾げつつ)
「ええぇえいっ!」

「…………」
「……はー。……すごかった」
「感想を言わないで!」
「……あんないっぱいされるとは思わなかった」
「素の感想は恥ずかしいです。やめて」
「……初めてなのに、まさかあんなに舌を」
「すいません俺が悪かったですどうかもう勘弁してください」
「……勘弁してほしければ、またちゅーしろ。いっぱいしろ。休みの度にしろ」クイクイ
 熱っぽい目でこちらを見てるネコミミつけたちっこいのが、俺の服を両手でクイクイと引っ張る。
「うん、分かった。結婚しよう」
 そりゃ俺の頭もおかしくなりますよ!(断言)
「…………。……ま、まだ早いと思う」
 ものすごい赤い顔でそんなことを言われては、身動きが取れなくなります。
「え、えーと。その、冗談なのですが。ほら、結婚とか噴飯モノって言ってたし」
「…………。……わ、分かってたし。ばればれだし。……私も冗談だし」
 ならどうして俺をぺしぺし叩いているのですか。
「うー。……ばか。しね。ばか」ペシペシ
「痛い痛い。まあ、それはその、数年後のお楽しみということで」
「…………う、うん」
 ちなみが湯気を出して撃沈したという噂。

拍手[56回]

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【ツンデレと節分】

2013年02月03日
 今日は節分だ。
「コッチヲミロ……コッチヲミロォ!」
「お化けっ!?」
 というわけで、シアーハートアタックのモノマネをしながらみことの家に突撃したら大変に怯えられた。
「いや、お化けじゃない。こんにちは、俺です」
「驚かすな、愚か者めっ! うう……どうして貴様はみことにそういうことをする?」
「節分なので、一緒に豆でもまきませんか旦那、という提案をしに来ただけなのに半泣きになられるとは」
「なっ、泣いてない、みことは泣いてなどないぞ!」
 慌てた様子でみことは目元をゴシゴシと拭った。
「な? な? 泣いてないだろ?」
「本当だ」ナデナデ
「なでるなっ!」
「いいえ」ナデナデ
「いいえー……」ウンザリ
 今日もみことは俺になでられて悲しそうです。
「で、だ。節分だし、豆まきをしようよ。豆も持ってきたよ」
「嫌だ。どうしてみことが貴様なんかと豆まきなどをしなければならない。一人で勝手に豆をまき、さらに知らず鼻に詰めてしまい、その豆が発芽して鼻から大豆を実らせてしまえばいい」
「なんて罵り文句だ」
「すごいだろう?」エッヘン
「やだこの娘馬鹿丸出し」キュン
「…………」
「よしよし」ナデナデ
 悲しそうな目で見られたので、頭をなでてあげる。
「よしよしではないっ! みことは頭をなでることを許可した覚えはないぞっ!」プンスカ
「そうなの?」ナデナデ
「そうなのだっ! だから、一刻も早くその手を止めろ! これは命令だ!」
「うーん。命令かぁ。どうしようかなあ」ナデナデ
「ええい、いいから手を止めろ! どうして貴様は毎日毎日みことの頭をなでる!?」
「子供とか悪い意味で大好きなんです」ナデナデ
「悪い意味!? というか、みことは子供じゃないっ!」
「いいえ」ナデナデ
「またいいえー……」ションボリ
「と、いうわけで。一緒に豆まきしましょう。しないと節分で追いやられたこの世界の鬼という鬼がみことの家に寄り集まるが、よろしいか」
「どうして貴様はそういう嫌なことをさらっと言う……?」
 泣きそうになりながらも、みことは俺から豆を受け取ってくれた。
「さて、節分だが。鬼は外福は内という呪を唱えながら鬼を模した人物に思う存分豆をぶつける悪逆無道な行事だ。豆をぶつけられて涙目のみことが見たいので、みことが鬼の役ね」
「断る。無様な役は貴様の方がお似合いに決まっているだろう?」
「どうして突然『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』の略称を言ったのか分からないが、俺がしましまのビキニ着てもちっとも楽しくないだろ」
「そんな略称を言った覚えはないっ! そしてビキニ!?」
「ほら、だっちゃの娘が着てるようなアレですよ、アレ。ラム酒だっちゃ!」(酩酊)
「貴様は常に酔っているようだな」
「言い間違えただけですよ。そんなのはいい。さあ、虎縞ビキニを着て俺を興奮させてくれ」
「嫌だ」
「大丈夫、そういう(無乳)方が興奮しますから」
「絶対に嫌だ!」
 今日も俺は説得ロールに失敗します。成功した試しがないよ。
「じゃあもう今のうちからみことの裸を想像して興奮しますから、着てください」
「貴様はもうみことを見るなっ!」(半泣き)
「……なんと見事なつるぺたかッ!」カッ
「見るなー! 見るなと言ってるだろうっ! えすぱぁめ!」ポカスカ
「ぶべらはべら」

「想像しただけなのに、あんなに叩かれるとは思いもしなかった」
「うー……全部貴様が悪いのだ。みことをえっちな目で見るな、愚か者め」ムスー
「いやはや。可愛い子を見るとどうしてもね」
「う……か、可愛いとか言うなっ!」ポカスカ
 何やら赤い顔をしたみことが、可愛らしい擬音と共に殴ってきた。
「解せぬ」
「はー、はー……そ、それで。その、豆まきだが」
「虎ジマビキニを着てくれると!?」
「……ど、どうしても、というのなら、その……き、着てやらなくはないぞ?」
「そりゃ、モチロン! 怪獣モチロンさパパ! ……モチロン? 誰?」
「知るか!」
 そんなわけで、みことがだっちゃになってくれる様子。どういう心境の変化か知らないが、嬉しいなったら嬉しいな!

「……き、着替えたぞ」
「そっか! 俺は部屋から追い出されてるからね! 寒い廊下で待機してるから分かんなかったよ!」
「は、入ってもいいが、その……見ても笑うなよ?」
「前フリですか」
「今すぐ元の服に着替えるっ!」
「ウソ、ウソですよ! 絶対に笑いませんから、どうかこの天の岩戸を開いてください!」
「……全く貴様は……。……いいな、絶対だぞ?」
 ドアが開く。そこにタイガーがいた。
「ど、どうだ? 変じゃないか? ……というか、変に決まってる」
「がおー!」
「貴様の方が変!?」
 驚愕に染まるみことをよそに、俺は彼女の視姦に忙しかった。
 うすぺたい乳を守る、トラジマの薄布。そして魅惑のとらいあんぐるハートを守護する、黄色と黒のパンツ。ぺたんこでも……否、ぺたんこだからこそ、彼女はこれほどに美しい。もしみことが鬼なら、今すぐにでも奴隷になるね!
「超可愛いですね!」ナデナデナデ
「な、なでるなぁ! みことはそんなこと許可してない!」
「うーん。そうだっけ。……でも、まあ、いいや!」ナデナデ
「よくない! そ、そんなことより、豆まきをするのだろう? 早く準備をしろ」
「いや、そんなのより今日はみことをなでたり抱っこしたりちゅーしたりする予定なので」
「そんな予定はないっ!」
「ああ、そうだそうだ。その虎縞ブラとぺたんこの隙間に手を入れて楽しむのを忘れてた。思い出させてくれてありがとう、みこと」ナデナデ
「もう着替えるーっ!」
「しまった、やりすぎた。ええと、冗談ですよー。ほんとにもー」
「ものすごく嘘っぽいぞ!」
「嘘ですから」
「やっぱ着替えるっ!」
「しまった、正直者の性(SAGA)がこんなところで! ええい、正直者は馬鹿を見るとはまさに至言だな!」スリスリ
「とか言いながら、なでなでからスリスリへ移行しているぞっ!? みことのほっぺにすりすりするなぁ!」(涙目)
「うひゃひゃ」
「ひーんっ!」

「堪能しました」ツヤツヤ
「陵辱された……」ゲッソリ
「言い過ぎです。ちょっとなでたりスリスリしたりしただけです」
「どこがちょっとだ!? ほら、もう30分以上過ぎてるぞ!」
「楽しい時間は過ぎ去るのが本当に早いねえ。みことと一緒にいると、俺はあっという間にお爺さんになりそうだよ」
「うっ。……そ、そんなこと言われても、みことは機嫌なんて直さないからな!」
「?」
「……うー、うるさいっ!」
「何も言ってません」
 なんか頬をつねられた。不可解成。
「そっ、それより、豆まきをするのだろう? ほら、早くしないか」
「それもそうだな。よし、豆をまくぞ!」
 はい、と手渡された豆を握り、みことに向け軽く投げる。
「鬼は外ー!」パラパラ
「がおー!」
 一応とはいえ鬼のフリをするみことが可愛い。
「福は内ー!」パラパラ
「がおー!」
「みことは俺のー!」ナデナデ
「違うっ!」
 最大限のさりげなさで頭をなでたら否定された。
「同じような文句だったし、ばれないと思ったのに」
「そんなわけあるか! どうして貴様はいつもいつもみことをなでる!」
「投げた豆がみことの胸に当たり、谷間などないのでまっすぐ下に落ちる様子を見てると、どうしてもなでたくなりまして」
「うー! うぅー!」
 涙目で俺の頬をつねってくる鬼が現れた。なかなかに強敵だ。
「さて続き続き」
「ちょっとは堪えろ、馬鹿者め!」
「鬼は外ー」パラパラ
「うー……がおー!」
「可愛い」ナデナデ
「なでるなぁ!」(半泣き)
 結局、夜までつるぺた鬼と豆まきしたりなでたりしました。

拍手[13回]

【狐ねえ6】

2013年01月18日
 とてもよく分かる! 簡単なあらすじ
 子供のころに行方不明になったお姉ちゃんが狐になって帰ってきた。意味が分からない。

弟「というわけで、学校へ行こう」
姉「……だいじょぶですか? お姉ちゃん、変じゃないですか? ちゃんと人間に見えますか?」ビクビク
弟「明らかに狐だね。今すぐ鍋にして食べちゃいたくなるけど、弟だから我慢するよ」
姉「ふわああん!」
弟「ああお姉ちゃんが開始数秒でボロ泣きだ。ウソだよお姉ちゃん、誰がどう見ても可愛い女の子だよ」ナデナデ
姉「ううー、うううー。今日も弟はとても意地悪です。大嫌いです。ぷいっ」
弟「世の中は俺よりも意地悪な人間が大量にいるんだ。これくらいで騙されてたら、お姉ちゃんなんてあっという間においしく食べられちゃうよ?」
姉「食べないでぇー!」ワタワタ
弟「何か違う意味で受け取ったようだが、警戒してくれたようだし、まあいいか」

弟「学校へ行く準備(姉のミミを帽子で隠し、しっぽをどうにかしてスカートに格納)を終えて家を出たのだけど」
姉「うう……だ、大丈夫ですか? お姉ちゃんをぱーんって撃って、ぱくぱく食べようとするひどい人間はいませんか?」ビクビク
弟「おどかしすぎたのか、お姉ちゃんが俺から離れてくれない」
姉「ううう……離れたらダメですよ? ちゃんとお姉ちゃんを守ってくださいよ?」
弟「姉を守るのは弟の務め。任せて、お姉ちゃん!」
姉「弟……お姉ちゃん、感激です!」
弟「あっ」ユビサシ
姉「ん? どしました?」
弟「速い! 弟、超速い!」ダッシュ
姉「あっ! 待って、弟待って待って置いてかないでふえええん!」
弟「しまった、軽いイタズラだったのだが泣かせてしまった」

姉「ううー! うううー!」ギュー
弟「あの。もう逃げないからそんな思いっきり俺の腕に掴まらなくてもいいと思うのだけど。というか、もうほぼ抱きついてるのだけど」
姉「弟のいうことは信頼できないのです! また置いてかれたら、一匹になったところを猟師さんに撃たれて死んじゃいます! ぱーんって!」
弟「こんな町中に猟師さんなんていないよ。だから、ほら、お姉ちゃん。離れて」
姉「……お姉ちゃんにくっつかれるのは、迷惑ですか?」ウルウル
弟「う。い、いや、そうじゃなくて、歩きにくいというだけで、個人的には一生こうしていたいというか、いや何言ってんだ」
姉「じゃあ問題ないです♪」フリフリ
弟「スカートに入れて隠してたしっぽがフリフリしてるよ、お姉ちゃん」
姉「あや、あやややや! うう……止まれー、しっぽ止まれー」フリフリ
弟「止まらないね」
姉「止まらないです……」フリフリ
弟「こうなったら力任せにしっぽを引き千切って遠くに投げ捨てるしかないね」
姉「ふわーん!」
弟「恐怖でしっぽは止まったが、また泣かせてしまった」

姉「うぅー! お姉ちゃんを泣かせてはダメです!」プンスカ
弟「俺もそうしたいんだけど、このお姉ちゃんはすぐ泣くから仕方ないんだ」ナデナデ
姉「あと、なでなでもダメです! お姉ちゃんは年上なので、可愛がるのはお姉ちゃんの役目なんです!」
弟「ほう、それは興味深い。じゃあ早速俺を可愛がってくれ」
姉「お任せです♪ な、なで、なで……」セノビ
弟「なでるというか、なんとか頭に触れてるだけのように思えるのだけど」
姉「ちょっとは年長者に頭を下げる心意気が欲しいところです!」
弟「小さいと何かと大変だね」ヒョイ
姉「ち、小さくないです! 他の狐よりおっきいです! ……はい、なでなで」
弟「小さい子が背伸びしてなでなでするのは可愛いね」
姉「小さくないです!」

弟「と言ってる間に、目の前に学校が」
姉「……だ、大丈夫ですか? お姉ちゃん、ちゃんと人間に見えますか?」ビクビク
弟「まだ言ってるのか。大丈夫、どっからどう見ても俺の自慢のお姉ちゃんだ。太鼓判を押すよ」ナデナデ
姉「弟……♪」フリフリ
弟「……どうしてしっぽを振る」
姉「だ、だってだって! 嬉しいことを言われたらしっぽがフリフリしちゃいますもん! 弟が悪いです!」フリフリ
弟「ああもう、このままじゃバレちゃうな。しっぽのフリフリが終わるまで、どっか人気のないとこで時間を潰すか」
姉「あ、あの、遅刻しないですか?」
弟「確実にする」
姉「と、登校初日なのに……どうしてくれるのですか! 弟のばか!」
弟「なんという言いがかり。くそぅ、こうなったらより喜ばせて一時限目まるまる遅刻させてやる! お姉ちゃん大好きだ!」ナデナデ
姉「そ、そんなことを言ってはダメです! はや、はやややや!」フリフリフリ

 結局、宣言通りになりました。

拍手[14回]

【魔女とタンク3】

2013年01月15日
最初から読む場合はこちら
前回はこちら

「というわけで、学校に着いた」
「……何ヶ月もかかったように思えるのは、気のせい?」
「気のせい!」(断言)
「断言されては仕方ない」
「物分かりが良い奴は好きだぞ」(なでなで)
「タンクに好かれてもしょがない」
 そう言いながらも、なでられて心なしか口角が上がってるラピスだった。
「酷い話だ。で、面接か。どこでやるんだ? 職員室?」
「ん」
「……大丈夫とは思うが、あんま魔法使うなよ」
「なんで?」
 さも以外という顔でこちらを見るラピス。やはり俺と違う常識を持ってるようだ。まあ、世界が違うから仕方ないか。1つずつ教えていくしかないな。
「ばれたら面倒な事になるだろうが。下手すりゃ見世物小屋で一生を終えることになるぞ」
「んー……だいじょぶ。ばれない」
「どこからそんな自信が湧いてくるんだ」
「ばれたら魔法で頭いじくるから、だいじょぶ」
「せめて記憶を操作するって言ってくれませンかねェ!?」
「……うるさい」
 ラピスは迷惑そうに眉をひそめた。誰のせいだ。
「はぁ……もう。とにかく、もし魔法使っちゃったら魔力を補充しに俺のトコ来いよ。俺のクラスは2-Aだから、探してくれな」
「使うな、って言ったのに使った時のこと言ってる。……やっぱこのタンク頭悪い」
「この魔女性格悪いな。じゃなくて、最悪の事態を想定してるだけだ。魔法を連発なんてできないんだろ?」
 コクコクとうなずくラピス。素直でよろしい。
「何もなけりゃないに越したことはないが、想定外の事は得てして起こるものだからな。魔力を充填して、最悪の事態に備えることに越したことはないだろ」
「…………」
「どした? 見直したか?」
「ん。ちょっと」
「ほほう。惚れた?」
「魔女とタンクの間でそゆことは起きない」
「何事にも例外はあるものだ」
「……はぁ。じゃ」
 小さく嘆息すると、ラピスは廊下の奥へ向かっていった。
「あ、待て待て」
「……まだ何か? 急いでるんだけど」
 殊更面倒くさそうにそう言ってのけやがった。よっぽど放っておこうかと思ったが、一応言っておく。
「逆だ、逆。職員室は反対側だ」
「……初めての場所だから、間違えても仕方ない」
 小走りにこっちに戻ってくるラピス。
「顔赤いぞ」
「赤くない。別に方向音痴じゃない」
「後者に関しては触れてなかったのだが」
「……後で根こそぎ魔力奪ってやる」
 俺をじろーっと睨んでから、今度こそラピスは職員室の方へ歩いて行った。
 軽く嘆息してから、自分の教室へ。友人に軽く挨拶して、世間話を開始。
「よぉ。あのさ、昨日公園の方で何か爆発みてーのあったろ? でもニュースとか全然やってねーの。あれ何だったんだろな?」
「魔女が怪物を退治してたんだ。ちなみに俺はその魔法タンクなんだ」
「中二病はもう卒業しろ」
 試しに正直に話してみたが、全く信用されなかった。一安心だ。しかし、ニュースになってないのは一体……?
 って、考えるまでもないか。魔法でなかったことにしたのだろう。しかし、それなら結界的なもので最初から隠蔽すりゃいいのに。何か考えがあるのだろうか。
 とか考えてたらチャイムが鳴ったので、思考中断。学生らしく授業を受けよう。
 それから数時間後、英語の時間。即ち、大変眠い時間。
 いつものようにアクビを噛み殺していると、突然教室のドアが勢い良く開いた。嫌な予感がする。
 いきなりのことに教室の皆が入り口を注視する。果たして、俺の予感は的中した。
「えーと……あ、いた」
 その闖入者はキョロキョロとクラスを見回すと、一直線にこちらに近づいてきた。
「……いや、確かに言ったよ、なにかあれば来いって。でも、もうちょっとTPOを考えるとかあああああ!?」
「んー」
 闖入者──ラピスは、むぎゅっと俺に抱きついてきた。女体の柔らかな感触が俺を絶叫に誘う。なにこれすごい。
「あ、あの、ら、ラピスさん?」
「んぅ」スリスリ
 頬を襲う未経験の感触。噂に聞く頬ずりに違いない。本当に俺と同じ皮膚をしてるのか。柔らかすぎるぞ。
「……ろ」
 しばし柔らかSHOCKに襲われてると、ラピスが小さくなにかつぶやいた。
「は、はい?」
「……なでなでしろ」
 なんという破壊力。これは抗う術がない。
「は、はい」ナデナデ
「んー」
 これで満足したのか、ラピスは最後に数度スリスリすると、俺から離れた。
「……ん、回復。……じゃ」
 さっきの逆回しを見るかのように、ラピスはまっすぐに教室を出て行った。
「……え」
 え、置いてかれるの? この状況で?
 男子勢はほぼ全員が俺を親の仇とでも勘違いするばかりに鬼気迫る勢いで睨んでいるし、女性陣は何か周囲の女性とヒソヒソ囁き合ってるし、先生は仁王っぽくなってるし。
「……さて。どういうことか説明してもらえるな?」
 先生の言葉に、そりゃ俺の台詞だ、と心の中でつぶやくのだった。

「……あ、やっと出てきた。……遅い」(ほっぺぷくー)
「よくもまあいけしゃあしゃあと……」
 放課後、すごいことになってたが今世紀最大の口八丁手八丁スキルでどうにか切り抜け、へろへろになりながら昇降口へ向かうと、そこに頬を膨らませたラピスがいた。
「お前なあ、あれは一体どういうことだよ」
「……魔力が切れたら来いって言ったのはタンクなのに。……なんか怒ってる」シュン
「あ、いや、怒ってはいるが、その、あまり怒ってないぞ?」
「まあ、タンクのことだし、どっちでもいいけど」
「…………」
「じゃ、帰ろ? まだ帰り道よく分かんないから、待ってた」
「あー……まあ、途中で話すか」
「ん」コクコク

 ラピスと並んで帰宅。14歳というのを差し引いてもコイツは結構背が低く歩幅が狭いので、ちょっと油断すると置いていってしまう。
「うー。……もっとゆっくり歩け、ばか」
 そんなわけで、ラピスが頻繁に小走りする羽目になってしまう。
「ああ、悪い悪い」
「……好きで小さいわけじゃない」
「何も言ってません」
「……足の長さは普通。背が伸びないだけ」
「だから、何も言ってないのだが」
「……うー」
「唸られても。って、そんなのどうでもいい。教室でのことだ」
「…………。なんかあったっけ?」
「ええっ!? あれだけの爆弾を放り込んでおいて!?」
「……冗談。……面白い?」
「他人事ならなあ……!」
「やたっ。……将来は、お笑い芸人になろう。……片手間に適当なこと言って、億万長者」
「舐めくさった将来設計はともかく、今は教室での行為について、だ。なんであんな目立つ真似を」
「……別に、問題ないし」
「いやいやいや! 超あるよ! 現に俺さっきまで職員室で詰問されてたし! なんで魔法で助けてくれなかったんだ!?」
「……私のことじゃないし」
「なんという度胸だコンチクショウ。俺が『ラピスは魔法使いだぴょーん。TV局に売り払うでゲスよ』と先生たちにばらす危険性を考えなかったのか?」
「……信じてるから」
「う」
 真っ直ぐに見据えられた。青い瞳が俺を映してる。
「……ま、まあ、俺も別にお前が嫌いとかじゃなくてだな、避けられる危険は避けたほうがいいんじゃないかって話をしたかっただけでだな、その……」
「……まあ、タンクごときが言った所で誰も信じないだろうし。信じても、魔法で頭いじくるからだいじょぶだし」
「さっきの信じるっていい台詞はなんだったんですかねェ……?」
「……ドキドキした?」
「あーもー心臓が破裂するかと思うほどですよ」(むぎゅー)
「……その割に、ほっぺを引っ張られてる。……ツンデレ?」
「うるせい。で、俺のトコ来たってことは、魔法使ったってことだよな。……何かあったのか?」
「……だいじょぶ。たいしたことない」
「本当か? ……その、何かやらしいことされた、とか?」
「……薄い本の読み過ぎ」
「うぐ」
 ……そういや、コイツは俺を数年に渡って観察してたって言ってたよな。……と、いうことは……。
「……いくらなんでも、毎日は、どうかと思う」
 ほんのりと頬を染めて、自分の足元を見ながら、ラピスはぽしょぽしょと呟いた。
「よし。死のう」
「……それは、困る。……だから、ダメ」ギュッ
 俺の前に回りこみ、ラピスは包み込むように俺の両手を握った。そして、真摯に俺を見つめた。
「フヒィ」
 まるでモテた経験のない俺の当然の帰結として、そんな声が漏れる。
「……訂正。……やっぱどうでもいい」
 汚いものを触ったかのように手を振り払われた。
「酷い! ニヤケ面ながらもどうにかいいセリフを返そうと苦心した結果なのに!」
「……失敗してるじゃん」
「頑張ったことを評価してくださいよ」
「……結果が大事」
「チクショウ! ……はぁ、過ぎたことだし、もういいや。と思い込もう。で、魔法はなんで使ったんだ?」
「……試験の後、ノド乾いたから、ジュース買おうと思ったけど、お金持ってなかったから」
「から……え? 偽造したの?」
「……魔法で自販機を壊して、ジュース手に入れた」
「より悪質な犯罪を!?」
「……うるさい」
 迷惑そうな顔で両耳をふさぐラピス。この魔女、怖え。
「お前、そんな無茶すんなよ。その前に俺を探して金を借りろよ。ていうか100円くらいならおごってやるよ」
「……タンクごときに借りを作るなんて、魔女としてプライドが許さない」
「それくらいで借りなんて思わねーよ。いーから、次はちゃんと俺に言うこと。いいな?」
「むー」
 頭をぽんぽんして言い聞かせたら、むーって口を尖らされた。なんて胸キュンな仕草だろう。
「ま、まあそういうことだから。ちなみに、その自販機の後始末は?」
「……だいじょぶ。……ちゃんと粉々にした」
「え、直したとかじゃなくて? 粉々を後始末と言い張る精神構造から、かなりの爆発性質を保持してると判断できますが、俺の推察はどうだと思います?」
「……このタンクも粉々にしようかな」
「怖いですね。とにかく、明日その粉々を直すように」
「……めんどい」
「めんどくても!」
「ぶー」
 といった感じでぶーたれる魔女だったが、どうにか平穏無事(?)に転入は成功したようで、安心しました。

拍手[17回]

【ツンデレがお年玉をせびったら】

2013年01月07日
「お正月です、おにーさん」
 近所の中学生、ふみが我が家にやってきた。これは俺の財布が大変にピンチな予感。
「そ、そうだな。あけましておめでとう、ふみ」
「あけましておめでとうです、おにーさん」
 ふみはペコリと頭を下げた。礼儀正しいので頭をなでる。
「新年から中学生の頭をなでるとは。今年もおにーさんの性欲は留まることを知らないようです」
「ただなでただけでこの扱いとは。今年もこの娘さんには困らされそうだ」
「まったく、これだからロリコンは危険です。……えへへ」
 ちゃんと最後まで毒を吐いてて。せめて分からないように笑って。どうしたらいいか分からなくなるよ。
「こ、こほん。……ところでおにーさん、私は年下です」
「そ、そうだね。小さくて可愛いね」
「小さくないですが、可愛いのは異論ないです」フンス
「…………」
「……おにーさんから言っておいて、可愛くないと言うのですか。社交辞令だったのですね」ションボリ
「いやいやいや! 超可愛いですよ! ただ、今は別の心配事がありましてね?」
「ほう。ちょー可愛いのですか」
「あ、ああ。ちょー可愛いです」
「そんなちょー可愛くて年下の私に、おにーさんはどんな評価を下すのでしょうか」
 さあ。来たぞ。
「おにーさん。お年玉、ください」
「……ふみ。古典には古典の良さがあってだな、その良さを確認してもらうために」
「あ、『玉を落としてお年玉ー』とかやったら半裸になって叫びます」
 奥の手を潰された。もう何もない。
「どしました? さあ、お年玉ください」
「う、うむ……」
「お年玉、おとしだま。おっとしっだまっ、おっとしっだまっ♪」
 ふみは節をつけて歌い出した。それどころか、楽しげな踊りまで繰り出した。ただ、依然として無表情を貫いたままだが。
「い、いや、まあ。その、だな」
「おっとしっだまー、おっとしっだにゃー。にゃっにゃにゃっにゃにゃー♪」
「もう全部猫です」
「可愛いですか?」
「鼻血が出そうな程度は」ナデナデ
「うにゃうにゃ」
「うぅむ。……分かった、ここまでサービスをされては俺も異論はない。お年玉をやろう!」
「わーい」
「わーいと言う時くらい笑ってくれませんかねェ?」
「これ以上のサービスには追加料金が発生しますが、大丈夫ですか?」
「もはや風俗ですね」
「お、おにーさん、えっちです……」
「なんでそういう時はキチンと恥じらいの表情をするのですか!!!」
 これだけで一週間はオカズに困りそうにないですよ。全く。
「お正月だけの特別サービスです。ただ、思い出す度にいちおくえんください」
「嫌です」
「おにーさん、けちです……」
「お年玉だけで我慢しとけ。んーと……ああ、あったあった」
 引き出しに入れておいたポチ袋を取り出し、さらに自分の財布も取り出す。……うーむ、あまり芳しくないな。
「有り金全部でも構いませんよ?」
「強盗か」
「かねをだせー」ペシペシ
「こんな可愛い強盗には金を差し出すしかない」
 札を数枚入れて、ふみにポチ袋を渡す。
「わ。……ありがとうございます、おにーさん。大切に使いますね?」
「ん、そうしてくれると嬉しい」
「じゃあ、窓からお金を投げ捨てて、愚民どもがそれを必死に拾う様を鑑賞する遊びをするので、おにーさんも一緒に見ますか?」
「大切の意味って知ってる?」
「おにーさんが私に対して思ってることですね?」ニヤリ
「はい。あ。……い、いやいや、そんなこと思ってませんよ? 厄介な奴としか思ってませんよ?」
「そ、そですか。あ、あはは」
「ははは」
 二人して乾いた笑い声をあげる。やたらめったら顔が熱い。ふみも真っ赤なまま、はははと笑ってる。ええい。
「ど、どんなに大切に思おうとも私は手に入らないのに、それでも私を大切にするおにーさんは滑稽ですね。は、ははは」
「そ、そうだな。はっはっは」
「……うぅ。……一度、仕切りなおすのが互いのためだと思うのです」
 絞りだすような声で、真っ赤なふみがつぶやく。
「う、うむ。異論はない」
 というわけで、二人同時に深呼吸。……ふう、少し落ち着いた。
「……ふぅ。えと、ここからやり直します。大切……つまり、おにーさんが私に対して思ってることですね?」
「えーと……いやいや、何言ってんだこの娘は」
 そう言うと、ふみはほっとしたように息を吐いた。
「うん、それでいいのです。まったく、なんで最初に『はい』とか言っちゃいますかね、このおにーさんは」ペシペシ
「や、急に質問が来たので、つい本音が──」
 ……あ。いかん。
「……わざとですか。一度やり直した上での先の台詞。わざとですね。わざと私の顔の毛細血管を活発にさせているのですね。おにーさんは今年も悪魔のようです」
 真っ赤で涙目のふみが、俺をじろーっと睨む。
「もしそうなら、俺の顔が熱を持っている理由がないのだが」
「ただの間抜けでしたか。非常に厄介な間抜けです。えいえい」
 チョップされた。完璧に俺が悪いので、粛々と受ける。
「……うー。もういいです。罰です、どっか連れてってください。いっぱいおごってもらいます」
「貴様、お年玉まで強奪しておいてさらに俺の財布にダメージを与えようというのか」
「こんな可愛い女の子とデートできるのだから、喜ぶべきではないですか?」
「む。本当だ。嬉しい」
「そこは、『何言ってんだコイツ』とか言うところじゃないのですか! 今年のおにーさんはなんだか素直で厄介です!」
「すいません冬休みの野郎が俺の頭を朦朧としやがりまして!」
「うー! えいえい!」
 またしても真っ赤な顔で俺に何度もチョップするふみだった。

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