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2025年02月03日
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【犬子 ランカ扱い】
2012年11月04日
「マクロスFの歌を聴いてたらランカが可愛く思えてきたので、代わりにお前を可愛がっていいですか?」
「私に対してものすっごい侮辱だよ、符長くんっ!」
冒頭から何やら怒ってる犬子だ。カルシウムが足りないのだろうか。
「骨食べる?」
「怒ってる人を相手に犬扱いをやめないの!? 逆にすごいよ!」
「いやあ。でへへへ」
「褒めてないよっ!」
「薄々だが感じ取ってはいたんだが、その感覚を無視して全力で照れた俺だった。だが、その選択は過ちだったようだな」
「はぅー……」
今日も犬子は俺にはぅーって感じの顔を見せる。
「って、はぅーじゃないよ! ランカちゃんの代わりってことは、やっと私を普通の人間って認識してくれたの?」
「いや、いつもお前が『犬耳じゃないわん! ランカちゃんの髪型と一緒だわん! わふわふ、ご主人さま。なでなでしてくださいですわん!』と言ってるのを思い出し、飼い主としてたまには飼い犬の言うことを聞いてみるかと思ったのです」
「酷い捏造だよ! 最初のランカちゃんの髪型のくだりしかあってないよ! 私は語尾にわんなんてつけてないもん!」
「可愛いのに」
「可愛くても! ……あ、あと、別に符長くんはご主人さまじゃないもん」
「いや、ご主人さまだ。お手」
「違うのにぃ……」
それでも律儀に俺の手に自分の手を重ねてくれる犬子は優しい奴だと思う。
「それじゃあランカの代わりに可愛がるので、服を脱いで股を開け」
「超お断るよっ! それに、可愛がるなら何かの代用品じゃなくて、ちゃんと私として可愛がってよ!」
「なんてえろい台詞だ。これは興奮する」
「え? ……ち、ちちちちち違う違うよっ!? そ、そーゆー意味じゃないんだよっ!」
「なんだ。頭なでまくったり抱っこしたりほっぺにちゅーしたりしたがったが、そういう意味じゃなかったのか。いや、俺の早とちりでいらぬ恥をかくところだった。はっはっは」
「…………」
何やら犬子方面から熱い視線を感じる。
「あー……あのね、符長くん?」
「いいえ」
「そこは否定しちゃダメだよっ! 符長くんでしょ!?」
「ふははは、ばーれーたーかー」ガオー
「……今更だけど、符長くんって変だよね」
「はい。お前は善人だから言い難いだろうが、嫌になったらいつでも友達やめてくれていいぞ。迷惑をかけてまで犬子の善意に甘えるつもりはないから」
「ちょーっぷ!」
「なんか弱々ちょっぷが俺の頭部に振り下ろされたかと思ったが、それは弱々ではなく銀河を引き裂くほどの威力を有したチョップであった。俺の身体は真中から綺麗に左右に別れてしまった。今日から俺はシンメトリー人間です」
「嘘説明はいーのっ! ……そーゆー自虐的なこと言うの、禁止」
「う。い、いや、しかしだな、自虐とかでなく客観的な事実として、俺の学校での評判はあまり」
「禁止なのっ!」
「はいっ」
半泣きで言われては断れない。
「うー……符長くんのそーゆーとこ、ダメだよ。自分で自分を嫌いになっちゃ、誰も符長くんのこと好きになってくんないよ?」
「いやはや」
「いやはやじゃないのっ! ……ま、まあ、私は、その。……アレだけど」
「本当は誰よりも俺を毛嫌いしていると。つまり、今の俺に対する友好的な態度はあとで裏切るための布石か。なんて酷い奴だ!」
「違うよっ! ものすっごく好きだよっ! ……あ」
「…………」
「む、無言で赤面するの禁止禁止禁止っ! い、今のは違うのっ! ち、ちょっとした間違いっていうか! そーゆーのっ!」
「そ、そうだよな。は、ははは」
「……ま、まあ。その、そーゆーワケだから、はい」
「?」
犬子は両手をこちらに投げ出した。意味が分からんので握手する。
「えへへへー♪ ……じ、じゃなくて」
「すごい笑顔でしたね」
「説明しなくていーのっ! ……そ、そじゃなくて、抱っこ」
「…………」
「だ、だから、無言で赤面しなくていーのっ! あ、アレだもん、毛嫌いなんてしてないって証明するための証拠を見せるためだもん。だ、だから抱っことかしてもらってもいいんだもん」
「あ、信じてるので大丈夫です」(NOという感じの手を突きつけながら)
「こんな時に限って物分かりがいい!? 今日も悪辣だよ、符長くん!」
「わはは。……じゃあ、その。抱っこして、いい?」
「……え、えと。……や、優しく、ね?」
「精神的にノーブルであろうとしている俺なので、女性にはいつも優しく接する努力は怠っていないとの噂だから安心しろ」
「素直にうん、って言えばいいのにぃ……」
「緊張すると口数って増えません?」
「あ、符長くんも緊張してるんだ。……えへへ、一緒だね♪」
「いや、数多の女性と床を共にしたことがあるので特に緊張してません」
「……そ、そなんだ。……符長くん素敵だし、しょがないよね。……そだよね」
犬子の精神が暗黒へ落ちていくのを感じる。ものすごい落ち込みようだ。
「なんで信じるか。人を信じる心は尊いが、犬子のそれは少々危ういな」(なでなで)
「嘘なの!? ……も、もー♪ 符長くんの嘘つきー♪」
「急に犬子がご機嫌体質になった。嘘をつかれると喜ぶ特殊性癖なのだろうか。よし、ひとつ喜ばせてやろう。饅頭怖い」
「別にそーゆーわけじゃないよ! ……符長くん、落語好きなの?」
「いや、玉子焼きが好きだ」
「そーじゃないよ! そしてそれは知ってるよ! お弁当作ったら、いっつも嬉しそうに食べてるもんね」
「お前の作る玉子焼きは砂糖が入ってて甘くて好き」
「えへへへー。お母さん直伝なんだよ?」
「そっか。そのうち挨拶行かないとなあ」
「へ? ……え、えええええっ!? き、気が早いよっ! さすがに学生でそーゆーのはちょっと! まだちゅーもしてないし! ……で、でも、どしてもっていうなら、私は別に、その……いいよ?」
「お宅の娘さんがいつも俺に脅迫されて弁当作らされてますよって教えないとな」
「超違うよっ! 純然たる善意だよっ! そして勘違いが恥ずかしいよっ!」
「キミは大変愉快だな」
「好きで愉快なんじゃないよっ! 今日も符長くんはいぢわるだよっ!」
「わはは。……落ち着いたか?」
「えっ、あっ。……えへへ、さすがはノーブルだね?」
「存分に憧れ俺のファングッズを買いあさって俺を肥え太らせろ」
「えへ、ノーブルが裸足で逃げちゃったよ。……じゃ、いい?」
「うむ」
鷹揚にうなずき、ドッキンばぐばぐアニマルな心臓をごまかしつつ、犬子を抱っこする。
「は、はぅ……」
「あ、うすぺたい!」
「言わなくていいの!」
「しまった、こんなところで正直者の心が邪魔をするとは! あ、でもつるぺた大好きですから大丈夫ですよ?」
「……うぅー。……怒りにくいじゃない、ばか」スリスリ
「なんかスリスリされた!?」
「イチイチ言わなくていいのっ! 折角どさくさでやったのにっ!」
「や、失敬。びっくりした模様」
「……まあ、符長くんのドキドキしてる心臓に免じて許しちゃうよ」
「びっくりしたからね。ドキドキも仕方ないね。びっくりしたからね」
「抱っこの最初からドキドキしてたよ?」
ごまかせてなかった様子。くそぅ、恥ずかしい。
「えへへ。いっぱい抱っこしたらそのうち慣れるから、そしたらだいじょぶだよ?」
「え、そんなにするの」
「……べ、別に符長くんがしたくないならいいけど」(半泣き)
「か、勘違いしないでよねっ! したくないわけじゃないんだからねっ! ただの確認なんだからねっ!」
「わ、ツンデレだ!」
「時折ツンデレ語を喋りたくなる病気なんだ」
「……やっぱ符長くんって、変わってるよね」
「そう言う人もいるよね」
「あ、自虐やめた。えへへ、偉い偉い」ナデナデ
「偉かろう偉かろう。存分になでるがいい」
「なんか可愛くない……」
「……かっ、代わりに犬子が可愛いからいいじゃないか」
「え、あ、う……」
「なぜまっすぐに照れる」
「ふ、符長くんこそ顔真っ赤だよ! 普段ならそーゆー軽口もへーきなくせに、今日に限ってどもったりしてるし!」
「体温と触感と嗅覚を同時に攻められては、童貞には抵抗の術はないよ」
「あ、まだしたことないんだ。……よかったぁ」
「ほう?」
「い、一般論でね!? 簡単に誰とでもするような人って信用出来ないなーって、それだけだよ!? ……ほ、ホントに」
「なるほど、よく分かる話だ。犬子の信頼に応えられるよう、これから10年は誰ともそういうことはしないでいよう」
「べ、別にそこまでする必要はないと思うよ? ほ、ほら、よく知ってる好きな人との間なら、別にだいじょぶだと思うし」
「なんだ。じゃあそこらの女性と親しくなって経験しよう」
「う~~~~~!」
「と思ったが、犬子が情けない顔で睨むのでやめておこう」
「ほっ。……あと、情けなくなんてないもん。怒った顔だもん」
「お前の怒り顔は迫力がないんだよな。ちょっとそういう顔をしてみてくれ」
「こ、こう? ……うー」
犬子は自分なりの怒り顔を見せた。ただ、俺には眉を寄せて困ってるようにしか見えない。
「可愛い」(なでなで)
「お、怒った顔なのに……も、もー♪」
といった感じでイチャらイチャらできたが、途中からランカを可愛がりたいという感情は頭の中から消えていた。
「恐るべきは犬ぢからか……!」
「こんな甘々空間なのにまだ犬扱いだったの!?」
なんか驚いてる犬子だった。
「私に対してものすっごい侮辱だよ、符長くんっ!」
冒頭から何やら怒ってる犬子だ。カルシウムが足りないのだろうか。
「骨食べる?」
「怒ってる人を相手に犬扱いをやめないの!? 逆にすごいよ!」
「いやあ。でへへへ」
「褒めてないよっ!」
「薄々だが感じ取ってはいたんだが、その感覚を無視して全力で照れた俺だった。だが、その選択は過ちだったようだな」
「はぅー……」
今日も犬子は俺にはぅーって感じの顔を見せる。
「って、はぅーじゃないよ! ランカちゃんの代わりってことは、やっと私を普通の人間って認識してくれたの?」
「いや、いつもお前が『犬耳じゃないわん! ランカちゃんの髪型と一緒だわん! わふわふ、ご主人さま。なでなでしてくださいですわん!』と言ってるのを思い出し、飼い主としてたまには飼い犬の言うことを聞いてみるかと思ったのです」
「酷い捏造だよ! 最初のランカちゃんの髪型のくだりしかあってないよ! 私は語尾にわんなんてつけてないもん!」
「可愛いのに」
「可愛くても! ……あ、あと、別に符長くんはご主人さまじゃないもん」
「いや、ご主人さまだ。お手」
「違うのにぃ……」
それでも律儀に俺の手に自分の手を重ねてくれる犬子は優しい奴だと思う。
「それじゃあランカの代わりに可愛がるので、服を脱いで股を開け」
「超お断るよっ! それに、可愛がるなら何かの代用品じゃなくて、ちゃんと私として可愛がってよ!」
「なんてえろい台詞だ。これは興奮する」
「え? ……ち、ちちちちち違う違うよっ!? そ、そーゆー意味じゃないんだよっ!」
「なんだ。頭なでまくったり抱っこしたりほっぺにちゅーしたりしたがったが、そういう意味じゃなかったのか。いや、俺の早とちりでいらぬ恥をかくところだった。はっはっは」
「…………」
何やら犬子方面から熱い視線を感じる。
「あー……あのね、符長くん?」
「いいえ」
「そこは否定しちゃダメだよっ! 符長くんでしょ!?」
「ふははは、ばーれーたーかー」ガオー
「……今更だけど、符長くんって変だよね」
「はい。お前は善人だから言い難いだろうが、嫌になったらいつでも友達やめてくれていいぞ。迷惑をかけてまで犬子の善意に甘えるつもりはないから」
「ちょーっぷ!」
「なんか弱々ちょっぷが俺の頭部に振り下ろされたかと思ったが、それは弱々ではなく銀河を引き裂くほどの威力を有したチョップであった。俺の身体は真中から綺麗に左右に別れてしまった。今日から俺はシンメトリー人間です」
「嘘説明はいーのっ! ……そーゆー自虐的なこと言うの、禁止」
「う。い、いや、しかしだな、自虐とかでなく客観的な事実として、俺の学校での評判はあまり」
「禁止なのっ!」
「はいっ」
半泣きで言われては断れない。
「うー……符長くんのそーゆーとこ、ダメだよ。自分で自分を嫌いになっちゃ、誰も符長くんのこと好きになってくんないよ?」
「いやはや」
「いやはやじゃないのっ! ……ま、まあ、私は、その。……アレだけど」
「本当は誰よりも俺を毛嫌いしていると。つまり、今の俺に対する友好的な態度はあとで裏切るための布石か。なんて酷い奴だ!」
「違うよっ! ものすっごく好きだよっ! ……あ」
「…………」
「む、無言で赤面するの禁止禁止禁止っ! い、今のは違うのっ! ち、ちょっとした間違いっていうか! そーゆーのっ!」
「そ、そうだよな。は、ははは」
「……ま、まあ。その、そーゆーワケだから、はい」
「?」
犬子は両手をこちらに投げ出した。意味が分からんので握手する。
「えへへへー♪ ……じ、じゃなくて」
「すごい笑顔でしたね」
「説明しなくていーのっ! ……そ、そじゃなくて、抱っこ」
「…………」
「だ、だから、無言で赤面しなくていーのっ! あ、アレだもん、毛嫌いなんてしてないって証明するための証拠を見せるためだもん。だ、だから抱っことかしてもらってもいいんだもん」
「あ、信じてるので大丈夫です」(NOという感じの手を突きつけながら)
「こんな時に限って物分かりがいい!? 今日も悪辣だよ、符長くん!」
「わはは。……じゃあ、その。抱っこして、いい?」
「……え、えと。……や、優しく、ね?」
「精神的にノーブルであろうとしている俺なので、女性にはいつも優しく接する努力は怠っていないとの噂だから安心しろ」
「素直にうん、って言えばいいのにぃ……」
「緊張すると口数って増えません?」
「あ、符長くんも緊張してるんだ。……えへへ、一緒だね♪」
「いや、数多の女性と床を共にしたことがあるので特に緊張してません」
「……そ、そなんだ。……符長くん素敵だし、しょがないよね。……そだよね」
犬子の精神が暗黒へ落ちていくのを感じる。ものすごい落ち込みようだ。
「なんで信じるか。人を信じる心は尊いが、犬子のそれは少々危ういな」(なでなで)
「嘘なの!? ……も、もー♪ 符長くんの嘘つきー♪」
「急に犬子がご機嫌体質になった。嘘をつかれると喜ぶ特殊性癖なのだろうか。よし、ひとつ喜ばせてやろう。饅頭怖い」
「別にそーゆーわけじゃないよ! ……符長くん、落語好きなの?」
「いや、玉子焼きが好きだ」
「そーじゃないよ! そしてそれは知ってるよ! お弁当作ったら、いっつも嬉しそうに食べてるもんね」
「お前の作る玉子焼きは砂糖が入ってて甘くて好き」
「えへへへー。お母さん直伝なんだよ?」
「そっか。そのうち挨拶行かないとなあ」
「へ? ……え、えええええっ!? き、気が早いよっ! さすがに学生でそーゆーのはちょっと! まだちゅーもしてないし! ……で、でも、どしてもっていうなら、私は別に、その……いいよ?」
「お宅の娘さんがいつも俺に脅迫されて弁当作らされてますよって教えないとな」
「超違うよっ! 純然たる善意だよっ! そして勘違いが恥ずかしいよっ!」
「キミは大変愉快だな」
「好きで愉快なんじゃないよっ! 今日も符長くんはいぢわるだよっ!」
「わはは。……落ち着いたか?」
「えっ、あっ。……えへへ、さすがはノーブルだね?」
「存分に憧れ俺のファングッズを買いあさって俺を肥え太らせろ」
「えへ、ノーブルが裸足で逃げちゃったよ。……じゃ、いい?」
「うむ」
鷹揚にうなずき、ドッキンばぐばぐアニマルな心臓をごまかしつつ、犬子を抱っこする。
「は、はぅ……」
「あ、うすぺたい!」
「言わなくていいの!」
「しまった、こんなところで正直者の心が邪魔をするとは! あ、でもつるぺた大好きですから大丈夫ですよ?」
「……うぅー。……怒りにくいじゃない、ばか」スリスリ
「なんかスリスリされた!?」
「イチイチ言わなくていいのっ! 折角どさくさでやったのにっ!」
「や、失敬。びっくりした模様」
「……まあ、符長くんのドキドキしてる心臓に免じて許しちゃうよ」
「びっくりしたからね。ドキドキも仕方ないね。びっくりしたからね」
「抱っこの最初からドキドキしてたよ?」
ごまかせてなかった様子。くそぅ、恥ずかしい。
「えへへ。いっぱい抱っこしたらそのうち慣れるから、そしたらだいじょぶだよ?」
「え、そんなにするの」
「……べ、別に符長くんがしたくないならいいけど」(半泣き)
「か、勘違いしないでよねっ! したくないわけじゃないんだからねっ! ただの確認なんだからねっ!」
「わ、ツンデレだ!」
「時折ツンデレ語を喋りたくなる病気なんだ」
「……やっぱ符長くんって、変わってるよね」
「そう言う人もいるよね」
「あ、自虐やめた。えへへ、偉い偉い」ナデナデ
「偉かろう偉かろう。存分になでるがいい」
「なんか可愛くない……」
「……かっ、代わりに犬子が可愛いからいいじゃないか」
「え、あ、う……」
「なぜまっすぐに照れる」
「ふ、符長くんこそ顔真っ赤だよ! 普段ならそーゆー軽口もへーきなくせに、今日に限ってどもったりしてるし!」
「体温と触感と嗅覚を同時に攻められては、童貞には抵抗の術はないよ」
「あ、まだしたことないんだ。……よかったぁ」
「ほう?」
「い、一般論でね!? 簡単に誰とでもするような人って信用出来ないなーって、それだけだよ!? ……ほ、ホントに」
「なるほど、よく分かる話だ。犬子の信頼に応えられるよう、これから10年は誰ともそういうことはしないでいよう」
「べ、別にそこまでする必要はないと思うよ? ほ、ほら、よく知ってる好きな人との間なら、別にだいじょぶだと思うし」
「なんだ。じゃあそこらの女性と親しくなって経験しよう」
「う~~~~~!」
「と思ったが、犬子が情けない顔で睨むのでやめておこう」
「ほっ。……あと、情けなくなんてないもん。怒った顔だもん」
「お前の怒り顔は迫力がないんだよな。ちょっとそういう顔をしてみてくれ」
「こ、こう? ……うー」
犬子は自分なりの怒り顔を見せた。ただ、俺には眉を寄せて困ってるようにしか見えない。
「可愛い」(なでなで)
「お、怒った顔なのに……も、もー♪」
といった感じでイチャらイチャらできたが、途中からランカを可愛がりたいという感情は頭の中から消えていた。
「恐るべきは犬ぢからか……!」
「こんな甘々空間なのにまだ犬扱いだったの!?」
なんか驚いてる犬子だった。
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【犬子 ハロウィン2】
2012年11月02日
「ううう……ハロウィンだかなんだか知らんが、寒い。寒すぎて死ぬる」
「あ、符長くんだ。えへへ、おはよ?」
ポケットに手をつっこんで震えるかっこいい俺を目ざとくみつけた犬子が、ぽてぽてと走り寄って来て笑顔で挨拶してきた。
「ん、おはよ」(なでなで)
「あ……え、えへへ♪」
忠義ある犬には礼節を持って応えると話題の俺なので、頭をなでて労ると嬉しそうになったのでよかったと思った。(小学生の作文風)
「なんか最近急に寒くなったと思わんか? そしてトリックオアトリートだと思わんか?」
「さ、寒いのは思うけど……なんでハロウィンをついでに言ったの?」
「お菓子ください」
「持ってないよ」
「じゃあいたづらをするのでおっぱいを揉まれても騒がないように」
「今日も朝からえっちだよ、符長くん!」
「はい」
「はいじゃないよぉ……」
何やらはぅーって感じの顔をされた。よくされます。
「あとね、あとね。今日はハロウィンじゃないよ?」
「何を言ってるのだろう、この犬は。やはり犬程度の知能ではイベントの理解などできないのだろうか」
「まだ私のこと犬扱いしてるの!? ひょっとしてずっとなの!?」
「お手」
「しないもんっ! なぜなら私は犬じゃないから!」
「今日の犬子は頑なだな。お手とか言って犬子と触れ合いたかったが、まあ諦めるか」
「……え、えーっとねえ。な、なんだかお手がしたくなったよ。わ、わんわん?」
「ほう、やはり犬だったか。お手」
「わんわん♪ ……って! すっごく手が冷たいよ! どしたの?」
「手が冷たい奴は心まで冷たいと言うのか。なんて奴だ!」
「言ってないよ、言ってないよ!? むしろ符長くんはとっても心が暖かい人だよ?」
「今日も犬子は俺に弱みを握られているようだな」
「今日も符長くんは照れ屋さんだね?」
にっこり笑いおって。ええい。
「ま、まあいい。ところで、今日はハロウィンではないと言っていたが、どういうことだ?」
「だって、今日は11月の2日だもん。ハロウィンはちょっと前だよ?」
「俺はタイムマシンに乗ってちょっと前から来たから大丈夫なんだ」
「仮にそうだとしても、この世界は11月2日だから意味ないよ?」
「……すまない。本当はタイムマシンになんて乗ってないんだ。許してくれ、犬子!」
「知ってるよ」
「なんという慧眼……!」
「朝から元気だね、符長くん」
「朝から犬子に会えて、嬉しさで元気が体中に満ち満ちているんだ」
「ひゃうわっ!?」
何やら犬子が面白い感じになった。
「……え、えーとねぇ。……わ、私も、符長くんにね? あ、朝から会えて、その。……う、嬉しいんだよ?」
顔中真っ赤にして、犬子はゆっくりと、だけどはっきりそう言った。
「流石は犬子、忠犬の名は伊達ではないな。俺も一日ぶりに会えて嬉しいよ」
「分かってたけど、分かってたけど! 分かってたけど、やっぱり犬扱い! ぬわー!」
「パパスだ」
「違うよっ!」
「わはは。……はぁ」
「……どしたの? 元気ないよ? 私に会えて元気が満ちてるんじゃないの?」
「ものすごいうぬぼれだな」
「うー! うー!」
涙目でぽかぽか叩かれた。
「いたた、ごめんごめん」
「うぅー……酷いよ符長くん。符長くんが言ったことなのに」
「頭がおかしいから前後のことを考えず、思ったことをそのまま言うからね」
「もー、すぐ自分のこと悪く言ってぇ……悪いクセだよ?」
「わはは。それはともかく、お腹が空いたんだ」
「なんだか符長くんはいっつもお腹が空いてるね。朝ごはん食べてないの?」
「この時期の布団は心安らいでなぁ……」
「ご飯食べたら遅刻しちゃうくらいの時間に起きてるんだね……」
何やら呆れられてる気配がする。
「あ! だからハロウィンとか言ってたんだね。それでお菓子をもらおうと」
「そうなんだ。よく分かったな」
「伊達に付き合い長くないもんね♪」
「なるほど。これほどのツーカーの仲であるなら、このまま嫁にするのが得策だな」
「よっ、嫁!? はわっ、はわわわわっ!?」
「あ、これは面白い! 写真を撮ろう」
「やめて」
「はい」
「まったくもぉ……冗談ばっかり」
「わはは」
「そいえば、前にもあったよね、こーゆーハロウィンがどーとかって」
「あー、そだな。まるで進歩がないな!」
「何を胸張ってるのこの人!?」
「それどころか、以前はお菓子が食べたいという明確な理由があったのに対し、今回はお腹が空いたという本能に突き動かされている始末。進歩どころか退化と言っていいだろう」
「また適当なこと言ってぇ……。あのね、お弁当のデザートに果物持ってきたから、それなら食べてもいーよ?」
「マジか。でも、ドリアンを教室なんかで食ってみんなに迷惑かけないかなあ? まあ犬子のせいにすればいいか」
「そんなの持ってきてないし、私のせいにしないでよ、符長くんっ!」
「匂いはキツイが、ドリアンおいしいらしいよ? 食ったことないから知らないが」
「私もないもん」
「じゃあ新婚旅行先で一緒に食べましょうね」
「やっぱり結婚するの!? はわっ、はわわわわ!?」
なんか赤い顔であわあわしてる犬が大変に愉快だったので写真を撮ろうとしたら、やっぱり怒られた。
「あ、符長くんだ。えへへ、おはよ?」
ポケットに手をつっこんで震えるかっこいい俺を目ざとくみつけた犬子が、ぽてぽてと走り寄って来て笑顔で挨拶してきた。
「ん、おはよ」(なでなで)
「あ……え、えへへ♪」
忠義ある犬には礼節を持って応えると話題の俺なので、頭をなでて労ると嬉しそうになったのでよかったと思った。(小学生の作文風)
「なんか最近急に寒くなったと思わんか? そしてトリックオアトリートだと思わんか?」
「さ、寒いのは思うけど……なんでハロウィンをついでに言ったの?」
「お菓子ください」
「持ってないよ」
「じゃあいたづらをするのでおっぱいを揉まれても騒がないように」
「今日も朝からえっちだよ、符長くん!」
「はい」
「はいじゃないよぉ……」
何やらはぅーって感じの顔をされた。よくされます。
「あとね、あとね。今日はハロウィンじゃないよ?」
「何を言ってるのだろう、この犬は。やはり犬程度の知能ではイベントの理解などできないのだろうか」
「まだ私のこと犬扱いしてるの!? ひょっとしてずっとなの!?」
「お手」
「しないもんっ! なぜなら私は犬じゃないから!」
「今日の犬子は頑なだな。お手とか言って犬子と触れ合いたかったが、まあ諦めるか」
「……え、えーっとねえ。な、なんだかお手がしたくなったよ。わ、わんわん?」
「ほう、やはり犬だったか。お手」
「わんわん♪ ……って! すっごく手が冷たいよ! どしたの?」
「手が冷たい奴は心まで冷たいと言うのか。なんて奴だ!」
「言ってないよ、言ってないよ!? むしろ符長くんはとっても心が暖かい人だよ?」
「今日も犬子は俺に弱みを握られているようだな」
「今日も符長くんは照れ屋さんだね?」
にっこり笑いおって。ええい。
「ま、まあいい。ところで、今日はハロウィンではないと言っていたが、どういうことだ?」
「だって、今日は11月の2日だもん。ハロウィンはちょっと前だよ?」
「俺はタイムマシンに乗ってちょっと前から来たから大丈夫なんだ」
「仮にそうだとしても、この世界は11月2日だから意味ないよ?」
「……すまない。本当はタイムマシンになんて乗ってないんだ。許してくれ、犬子!」
「知ってるよ」
「なんという慧眼……!」
「朝から元気だね、符長くん」
「朝から犬子に会えて、嬉しさで元気が体中に満ち満ちているんだ」
「ひゃうわっ!?」
何やら犬子が面白い感じになった。
「……え、えーとねぇ。……わ、私も、符長くんにね? あ、朝から会えて、その。……う、嬉しいんだよ?」
顔中真っ赤にして、犬子はゆっくりと、だけどはっきりそう言った。
「流石は犬子、忠犬の名は伊達ではないな。俺も一日ぶりに会えて嬉しいよ」
「分かってたけど、分かってたけど! 分かってたけど、やっぱり犬扱い! ぬわー!」
「パパスだ」
「違うよっ!」
「わはは。……はぁ」
「……どしたの? 元気ないよ? 私に会えて元気が満ちてるんじゃないの?」
「ものすごいうぬぼれだな」
「うー! うー!」
涙目でぽかぽか叩かれた。
「いたた、ごめんごめん」
「うぅー……酷いよ符長くん。符長くんが言ったことなのに」
「頭がおかしいから前後のことを考えず、思ったことをそのまま言うからね」
「もー、すぐ自分のこと悪く言ってぇ……悪いクセだよ?」
「わはは。それはともかく、お腹が空いたんだ」
「なんだか符長くんはいっつもお腹が空いてるね。朝ごはん食べてないの?」
「この時期の布団は心安らいでなぁ……」
「ご飯食べたら遅刻しちゃうくらいの時間に起きてるんだね……」
何やら呆れられてる気配がする。
「あ! だからハロウィンとか言ってたんだね。それでお菓子をもらおうと」
「そうなんだ。よく分かったな」
「伊達に付き合い長くないもんね♪」
「なるほど。これほどのツーカーの仲であるなら、このまま嫁にするのが得策だな」
「よっ、嫁!? はわっ、はわわわわっ!?」
「あ、これは面白い! 写真を撮ろう」
「やめて」
「はい」
「まったくもぉ……冗談ばっかり」
「わはは」
「そいえば、前にもあったよね、こーゆーハロウィンがどーとかって」
「あー、そだな。まるで進歩がないな!」
「何を胸張ってるのこの人!?」
「それどころか、以前はお菓子が食べたいという明確な理由があったのに対し、今回はお腹が空いたという本能に突き動かされている始末。進歩どころか退化と言っていいだろう」
「また適当なこと言ってぇ……。あのね、お弁当のデザートに果物持ってきたから、それなら食べてもいーよ?」
「マジか。でも、ドリアンを教室なんかで食ってみんなに迷惑かけないかなあ? まあ犬子のせいにすればいいか」
「そんなの持ってきてないし、私のせいにしないでよ、符長くんっ!」
「匂いはキツイが、ドリアンおいしいらしいよ? 食ったことないから知らないが」
「私もないもん」
「じゃあ新婚旅行先で一緒に食べましょうね」
「やっぱり結婚するの!? はわっ、はわわわわ!?」
なんか赤い顔であわあわしてる犬が大変に愉快だったので写真を撮ろうとしたら、やっぱり怒られた。
【普段はツインテールのツンデレさんが髪を降ろしたのを男が見てドキッとしちゃったら】
2012年10月25日
いつものようにふらふら登校してると、前を行く女生徒の中に見知った尻を見つけた。だが、いつもと何か違う。奇妙な違和感が。なんだ? ……あ。
「あああああ!」
「うわっ!? な、何!? ……って、アンタか。今日も頭おかしいわね」
思わず件の女生徒、つまりかなみに駆け寄る。
「そんなのどうでもいいんです! 頭から垂れてた昆布がなくなってますよ! 食べちゃった!?」
「昆布じゃないっ! 髪! ツインテールだって何百回と言ってるでしょうがっ!」
「そう、そのそれ! なんかないよ! どしたの? そんな食うに困るほど困窮してたのなら、俺に言ってくれればいいのに。少しなら金貸すよ?」
「だから昆布じゃないって言ってるでしょ、この鳥頭! ちょっとしたイメチェンよ、イメチェン。……で、ど、どう?」
「ムリダナ」
「無理ってどういうことよっ!?」
おや、突然アイアンクローをされましたよ。こめかみが割れるようです。
「今すぐに離さないと全力で泣き叫びますがよろしいか!?」
「あにを情けないことを堂々と言ってるのよっ!」
とはいえ流石の暴虐王かなみも往来で泣かれるのもどうかと思ったのだろう、手を離してくれた。大変痛かった。
「……て、ていうか、なによ。無理って」
「いやね、いつものツインテール? っていうの? その髪型だと背や胸と相まって非常に幼女感が高かったのに、そんなストレートだと幼女感が消えちゃうじゃないですか」
「幼女じゃないっ!」
「いいえ」
「いいえ!?」
「だというのに、そんな髪を下ろしたりしたら……ドキドキするじゃねえか!」
「えっ」
「いつもは可愛いって感じなのに、髪型を変えたら綺麗ってのはどういうことだコンチクショウ! アレか、俺を混乱させて楽しんでいるのか?」
「え、あ、あの……あ、あたし、綺麗なの?」
「おや、口裂け女ですか。初めまして」
「初めましてッ!」
口裂け女が僕の首を絞めてきます。
「げほっげほっ……あのさ、死ぬから」
「うっさい! ……じゃ、じゃなくて。……あ、あの、その。……ほ、ホントに、その、そーゆー感じなの?」
「まあ、その、なんというか。そういう可能性も無きにしも非ずと言うか」
「……つまり、どーゆーコト?」
楽しくなっちゃったのか、かなみは小さく笑いながら俺のわき腹をつんつん突ついた。
「だ、だから、そのだな。さっき言った感じなのですよ」
「さっきって?」
「だ、だから。つい先刻ですよ」
「なんて言ったの? ねーねー。ねーってば?」
「だ、だからぁ」
う。コイツ分かってて訊ねてやがるな。なんて笑顔だ。
「……だから、その。……き、綺麗だな、って」
ああもう。ああもう。超恥ずかしい。なんて拷問だ。
「……へへー。じゃ、特別に、明日からもこの髪型でいてあげるね?」
「あ、それはいいです」(NOという感じの手を突きつけながら)
「はぁ!? なんでよ!」
「前にも言ったが、幼女感がなくなるので」
「あによそれ! さっきまであんなにいい雰囲気だったのに! このロリコン!」
「はい!」(ちょお笑顔)
「うわぁ……」
「あ、大丈夫大丈夫。かなみ以外には手を出さない紳士ですから」
「あたしにも手を出すなっ!」
「ぬぅ……だ、だが、そんな扇情的なまな板を持ってたら、誰もが触りたくなるに決まってるじゃないか!」
「ほう。いい度胸だ」
「おや、胸をまな板に例えるのは駄目でしたか。これはいけない」
かなみから殺気が巻き起こったので、逃げる。
「あっ、こら逃げるなロリコン! 待ちなさいよーっ!」
という感じで、朝っぱらから駆け足で学校へ向かう極めて健康的な俺たちだった。
「あああああ!」
「うわっ!? な、何!? ……って、アンタか。今日も頭おかしいわね」
思わず件の女生徒、つまりかなみに駆け寄る。
「そんなのどうでもいいんです! 頭から垂れてた昆布がなくなってますよ! 食べちゃった!?」
「昆布じゃないっ! 髪! ツインテールだって何百回と言ってるでしょうがっ!」
「そう、そのそれ! なんかないよ! どしたの? そんな食うに困るほど困窮してたのなら、俺に言ってくれればいいのに。少しなら金貸すよ?」
「だから昆布じゃないって言ってるでしょ、この鳥頭! ちょっとしたイメチェンよ、イメチェン。……で、ど、どう?」
「ムリダナ」
「無理ってどういうことよっ!?」
おや、突然アイアンクローをされましたよ。こめかみが割れるようです。
「今すぐに離さないと全力で泣き叫びますがよろしいか!?」
「あにを情けないことを堂々と言ってるのよっ!」
とはいえ流石の暴虐王かなみも往来で泣かれるのもどうかと思ったのだろう、手を離してくれた。大変痛かった。
「……て、ていうか、なによ。無理って」
「いやね、いつものツインテール? っていうの? その髪型だと背や胸と相まって非常に幼女感が高かったのに、そんなストレートだと幼女感が消えちゃうじゃないですか」
「幼女じゃないっ!」
「いいえ」
「いいえ!?」
「だというのに、そんな髪を下ろしたりしたら……ドキドキするじゃねえか!」
「えっ」
「いつもは可愛いって感じなのに、髪型を変えたら綺麗ってのはどういうことだコンチクショウ! アレか、俺を混乱させて楽しんでいるのか?」
「え、あ、あの……あ、あたし、綺麗なの?」
「おや、口裂け女ですか。初めまして」
「初めましてッ!」
口裂け女が僕の首を絞めてきます。
「げほっげほっ……あのさ、死ぬから」
「うっさい! ……じゃ、じゃなくて。……あ、あの、その。……ほ、ホントに、その、そーゆー感じなの?」
「まあ、その、なんというか。そういう可能性も無きにしも非ずと言うか」
「……つまり、どーゆーコト?」
楽しくなっちゃったのか、かなみは小さく笑いながら俺のわき腹をつんつん突ついた。
「だ、だから、そのだな。さっき言った感じなのですよ」
「さっきって?」
「だ、だから。つい先刻ですよ」
「なんて言ったの? ねーねー。ねーってば?」
「だ、だからぁ」
う。コイツ分かってて訊ねてやがるな。なんて笑顔だ。
「……だから、その。……き、綺麗だな、って」
ああもう。ああもう。超恥ずかしい。なんて拷問だ。
「……へへー。じゃ、特別に、明日からもこの髪型でいてあげるね?」
「あ、それはいいです」(NOという感じの手を突きつけながら)
「はぁ!? なんでよ!」
「前にも言ったが、幼女感がなくなるので」
「あによそれ! さっきまであんなにいい雰囲気だったのに! このロリコン!」
「はい!」(ちょお笑顔)
「うわぁ……」
「あ、大丈夫大丈夫。かなみ以外には手を出さない紳士ですから」
「あたしにも手を出すなっ!」
「ぬぅ……だ、だが、そんな扇情的なまな板を持ってたら、誰もが触りたくなるに決まってるじゃないか!」
「ほう。いい度胸だ」
「おや、胸をまな板に例えるのは駄目でしたか。これはいけない」
かなみから殺気が巻き起こったので、逃げる。
「あっ、こら逃げるなロリコン! 待ちなさいよーっ!」
という感じで、朝っぱらから駆け足で学校へ向かう極めて健康的な俺たちだった。
【ツンデレに嫌な天気だなって言ったら】
2012年10月23日
今日はなんだか曇っていて、今にも雨が降り出しそうだ。
「うーむ……嫌な天気だな。傘持ってくりゃよかったかなあ」
「ダウトッ!」
いきなり隣を歩くかなみが俺に疑念を抱いたことを宣言した。
「し、信じてくれ! 俺は浮気なんてしちゃいない! そもそも相手をしてくれる異性はお前しかいないんだ! あとそういう貧乳が大好きなので浮気とか考えられない!」
なので、かなみの手を取って必死に訴えてみる。
「何の話よッ!」
「いや、ダウトと言われたから」
「はぁ?」
というわけで、ダウトの意味を説明してみたら、ため息をはかれた。
「ダウトが疑うって意味なのを知らないのはあたしが悪かったけど……何となく分かるでしょ、間違いって意味で使ってるって」
「手を繋ぐチャンスと思いまして」
「思うなっ! ……あ、あと、浮気とか意味分かんない。そもそも付き合ってないし」
ほんのりと頬を染め、かなみはあさっての方を見ながらぶつぶつと呟いた。
「そうなの?」
「そうなのっ! 料理の練習のためにお弁当作って、その在庫処理を頼んでるだけっ!」
「なんと」
「まったく……あ、それと貧乳とか言うな。女性に対する言葉じゃないわよ」
「分かったぞ、えぐれ乳」
言われた通りにしたのに、どうした訳かかなみの機嫌がすごいことになった。
「ふんっ!」
「前が見えねえ」
あと、俺の顔もすごいことになった。主に暴力的なサムシングで。
「自業自得よ、馬鹿っ!」
「いやはや。ところでかなみ、何がダウトなのだ?」
「は?」
「いや、なんか俺が嫌な天気だなとかって言ったら、お前がダウトって言ったろ。それについてね」
「ああ。ほら、お百姓さんにとっては、雨は嫌な天気じゃないでしょ、って話をしたかったんだけど、もういっぱいアンタと話せたから満足しちゃったからいーの」
「なるほど。ところでかなみ」
手をひらひらさせてなんでもなく言ってるが、少しだけ気になることが。
「あによ。まだ何かあるの?」
「俺といっぱい話がしたかったのですか?」
「? ……~~~~~っ!?」
自分の台詞を思い出したのか、かなみの顔がみるみる赤くなっていく。
「ちっ、違うわよ! そんなわけないじゃない! 何をうぬぼれてるのよ、ばか、ばーか! 誰がアンタなんかと! べーっだ!」
「ちなみに俺はかなみといっぱい話したい」
「……! し、し、知らないわよ、アンタのことなんてっ!」
「だから教えてるんじゃないか」
「う、うっさい! 教えるな、ばかっ!」
「いやはや」
「……ま、まあ。あたしは心が広いから、ちょっとくらいなら、アンタとおしゃべりしてあげてもいいわよ?」
「あ、今日はもういっぱい喋ったので結構です」(NOという感じの手をつきつけながら)
「そーゆートコ大っ嫌い!」
「いていて」
軽い冗談だったのだが、頭をがじがじかじられて大変に痛い。
「嘘嘘、冗談ですよかなみさん。いつでもいつだってウエルカムですよ」
「うー……ホントに?」
「いや、どうだろう。例えば俺が便所で頑張ってるところに突然やってきて『開けろ! 開けろぉ!』とドアをドンドン叩かれては、さしもの俺もウエルカムとはとてもじゃないが」
「ふつーにそうだよって言え!」
「は、はい、そうです。いつでも来てください」
「……わ、分かった。しょーがないから、またお喋りしたげる。か、感謝しなさいよね!?」
「ああはいはい」
俺の目の前にちょこんと立つと、かなみはそう偉そうに言った。可愛かったので頭をなでる。
「う、うー……なでるのなんて許可してないわよ、ばか」
「なんと」
「なんとじゃないわよ、ばか」
と言いながらも、手を払いのけないかなみさん超善人。
「うーむ……嫌な天気だな。傘持ってくりゃよかったかなあ」
「ダウトッ!」
いきなり隣を歩くかなみが俺に疑念を抱いたことを宣言した。
「し、信じてくれ! 俺は浮気なんてしちゃいない! そもそも相手をしてくれる異性はお前しかいないんだ! あとそういう貧乳が大好きなので浮気とか考えられない!」
なので、かなみの手を取って必死に訴えてみる。
「何の話よッ!」
「いや、ダウトと言われたから」
「はぁ?」
というわけで、ダウトの意味を説明してみたら、ため息をはかれた。
「ダウトが疑うって意味なのを知らないのはあたしが悪かったけど……何となく分かるでしょ、間違いって意味で使ってるって」
「手を繋ぐチャンスと思いまして」
「思うなっ! ……あ、あと、浮気とか意味分かんない。そもそも付き合ってないし」
ほんのりと頬を染め、かなみはあさっての方を見ながらぶつぶつと呟いた。
「そうなの?」
「そうなのっ! 料理の練習のためにお弁当作って、その在庫処理を頼んでるだけっ!」
「なんと」
「まったく……あ、それと貧乳とか言うな。女性に対する言葉じゃないわよ」
「分かったぞ、えぐれ乳」
言われた通りにしたのに、どうした訳かかなみの機嫌がすごいことになった。
「ふんっ!」
「前が見えねえ」
あと、俺の顔もすごいことになった。主に暴力的なサムシングで。
「自業自得よ、馬鹿っ!」
「いやはや。ところでかなみ、何がダウトなのだ?」
「は?」
「いや、なんか俺が嫌な天気だなとかって言ったら、お前がダウトって言ったろ。それについてね」
「ああ。ほら、お百姓さんにとっては、雨は嫌な天気じゃないでしょ、って話をしたかったんだけど、もういっぱいアンタと話せたから満足しちゃったからいーの」
「なるほど。ところでかなみ」
手をひらひらさせてなんでもなく言ってるが、少しだけ気になることが。
「あによ。まだ何かあるの?」
「俺といっぱい話がしたかったのですか?」
「? ……~~~~~っ!?」
自分の台詞を思い出したのか、かなみの顔がみるみる赤くなっていく。
「ちっ、違うわよ! そんなわけないじゃない! 何をうぬぼれてるのよ、ばか、ばーか! 誰がアンタなんかと! べーっだ!」
「ちなみに俺はかなみといっぱい話したい」
「……! し、し、知らないわよ、アンタのことなんてっ!」
「だから教えてるんじゃないか」
「う、うっさい! 教えるな、ばかっ!」
「いやはや」
「……ま、まあ。あたしは心が広いから、ちょっとくらいなら、アンタとおしゃべりしてあげてもいいわよ?」
「あ、今日はもういっぱい喋ったので結構です」(NOという感じの手をつきつけながら)
「そーゆートコ大っ嫌い!」
「いていて」
軽い冗談だったのだが、頭をがじがじかじられて大変に痛い。
「嘘嘘、冗談ですよかなみさん。いつでもいつだってウエルカムですよ」
「うー……ホントに?」
「いや、どうだろう。例えば俺が便所で頑張ってるところに突然やってきて『開けろ! 開けろぉ!』とドアをドンドン叩かれては、さしもの俺もウエルカムとはとてもじゃないが」
「ふつーにそうだよって言え!」
「は、はい、そうです。いつでも来てください」
「……わ、分かった。しょーがないから、またお喋りしたげる。か、感謝しなさいよね!?」
「ああはいはい」
俺の目の前にちょこんと立つと、かなみはそう偉そうに言った。可愛かったので頭をなでる。
「う、うー……なでるのなんて許可してないわよ、ばか」
「なんと」
「なんとじゃないわよ、ばか」
と言いながらも、手を払いのけないかなみさん超善人。
【狐ねえ5】
2012年10月16日
弟「お姉ちゃん」
姉「なんですか、弟」
弟「こっちに戻ってきて結構経ったし、そろそろ学校へ行ってはどうだろうか」
姉「がっこう! 知ってます知ってます、同じくらいの歳の子供がみんなで遊ぶところです!」
弟「いや、遊ぶのではなく勉強する場なのだが」
姉「似たようなものです! ……でも、あの、いいのですか?」
弟「? なにが?」
姉「……お姉ちゃんは狐なので、狐の耳としっぽが生えてます。こんなお姉ちゃんが学校に行っても、大丈夫なのですか?」
弟「ああ、なるほど。確かに多少問題あるかもなあ。世の人間全てが俺みたいな奴ではないし」(さわさわ)
姉「ふひゃあ!? み、みみをさわさわしてはいけないのです! そこは敏感なのです!」
弟「任せろ!」(さわさわ)
姉「任せろと言ったのに! 言ったのに、まださわさわしてます!」
弟「とても気持ちがいいからね」(さわさわ)
姉「は、はぅ……あ、あまりさわってはいけないのです。困るのです、困るのです」
弟「おや、どういうわけかお姉ちゃんが気持ちよさそうな顔を」
姉「! き、気持よくなどないのです! 敏感なだけなのです! くすぐったいだけです!」
弟「ふーん」(くにくに)
姉「ふひゃあああ!? さ、触り方を変えてはいけないのです!」
弟「大変だ、このお姉ちゃんえろい! よし、ちょっと俺の指を咥えて?」(くにくに)
姉「え? え?」
弟「HAYAKU!」
姉「は、はい」パクッ
弟「そして、ぺろぺろしてください!」
姉「え? え? ……れろれろ」(困惑しつつも従順に)
弟「……ふぅ」
姉「?」ペロペロ
弟「あ、ごめんなさい。本能に囚われてました。もう大丈夫です、ごめんなさい」
姉「……もういいのですか?」ペロペロ
弟「はい。あの、だからもう大丈夫なので」
姉「ちょっと楽しいです」ペロペロペロ
弟「ええい! なんかまた囚われた! ええい!」
姉「れろれろれろ♪」
弟「ふぅ……」
姉「お姉ちゃんは楽しかったです。またやりたいです」フリフリ
弟「いや、その、俺も楽しいは楽しかったけど、これは闇系の遊びなので光系のお姉ちゃんには向いていないと」
姉「お姉ちゃんは闇に潜む狐なので、闇系です! くーるなのです! お姉ちゃんはくーるに去るぜ、なのです!」フンス
弟「俺の漫画を読んだね」
姉「漢字が多くてちょっと読むの大変でしたが、面白かったです。めめたぁ」
弟「あーはいはい、めめたぁ」(なでなで)
姉「めめたぁ」フリフリ
弟「じゃなくて。学校の話をしていたのに。どうしてこうなった」
姉「弟がいきなりお姉ちゃんのみみをさわさわするからです。弟がいけないのです!」
弟「うむ。全くもってその通り。ごめんなさい」(ぺこり)
姉「でも、お姉ちゃんは優しいので許します。あ、そだ。あぶらげをくれたら許します」
弟「取引を持ちかけるだなんて許せない。一週間油揚げ禁止」
姉「ふわーん!」
弟「今日もお姉ちゃん可愛い」
姉「ぐすぐす……」モグモグ
弟「油揚げをあげたらすぐに泣き止んだ。お姉ちゃんは簡単だ」
姉「簡単ではないのです! お姉ちゃんは難しいのです!」モグモグ
弟「いや、難しいってのはどうかと。ところでお姉ちゃん、おいしい?」
姉「はい!」モグモグ
弟「そりゃ重畳」(なでなで)
姉「♪」フリフリ
弟「で、学校なのですが」
姉「はい」
弟「まあ、大丈夫だろ、たぶん」
姉「適当です! このみみとしっぽはどうするのですか!」フリフリ
弟「可愛い」(さわさわ)
姉「ひゃああ! か、可愛いではなくて、可愛いではなくて!」
弟「しっぽも可愛い」(もふもふ)
姉「し、しっぽ! しっぽはダメです、ダメなのです! また前みたくなっちゃうのです!」
弟「前?」
姉「詳しい言及は避けますが、弟のせいで大変になってしまった事件のことです!」
弟「ああ、思い出した。お漏らし事件ね」
姉「ふわーん!」
弟「このお姉ちゃん泣き虫だな」(もふもふ)
姉「ふわ、な、泣いてるのにもふもふって……ふわ、ふわあ、らめ、らめぇぇぇぇぇ!!!」
弟「あ」
姉「ぐしゅ……ぐしゅぐしゅ……」
弟「あ、や、その。ごめんね、お姉ちゃん」
姉「ダメって言ったのに。前にもダメって言ったのに。今回もダメって言ったのに。酷い弟です。ぐしゅ」
弟「いや本当ごめんね、お姉ちゃん。でも、お漏らしするお姉ちゃんも可愛いよ?」
姉「嬉しくないです!」ガー
弟「褒めたのに」
姉「ちっとも褒めてないです。もう弟はお姉ちゃんのしっぽに触ってはいけません! 禁則事項なのです!」
弟「分かった!」(もふもふ)
姉「ちっとも分かってません!? あっ、だめっ、そんな強く握ったらまた!?」
弟「ああ失敬失敬。日に二度は多いよね。また明日にするよ」
姉「今日も明日も明後日もダメです! どうしてお姉ちゃんに酷いことをするのですか!?」
弟「外界の人間は酷い奴が多いからね。そんな奴との付き合い方を、俺を通して練習させているのではなくて純然たる俺の趣味だよ」
姉「ああ、そういう……ええっ!?」
弟「さて、学校か。どうするかなあ……」
姉「え、お姉ちゃんをいじめるのが趣味ってどういうことですか!?」
弟「んー、みみは帽子でどうにかなるとして、問題はしっぽだなあ。うーん……」(もふもふ)
姉「お姉ちゃんの質問に答えなさい! いやその前にお姉ちゃんのしっぽをもふもふするのを止めてください! なぜなら、あっ、やっ、だめ、らめぇぇぇぇぇ!」
弟「あ」
姉「……ぐしゅ。ぐしゅぐしゅ」
弟「ええと、その。本当にごめんなさい、お姉ちゃん」
姉「日に二度は多いと言ったのは誰ですか。ぐすん」
弟「いやもう本当ごめんなさい。お詫びになんでもします」
姉「……今日からおいなりさんを、一週間連続で」
弟「え、あ、さすがに連続ってのは」
姉「うぅー……」(涙じわーっ)
弟「とても楽しそうな献立で俺は嬉しいよ!」
姉「……じゃあ、今回だけ許します。でも、もう次はないですからね!? 絶対ですからね!?」
弟「分かった。しっぽのもふもふは一日一回に留めておくよ」
姉「一回なら許すってお話はどこから来たのですか!?」
弟「というわけで、みみを触ろう」(さわさわ)
姉「ひゃああ!? み、みみなら触っていいなんて言ってません、言ってません!」
姉「なんですか、弟」
弟「こっちに戻ってきて結構経ったし、そろそろ学校へ行ってはどうだろうか」
姉「がっこう! 知ってます知ってます、同じくらいの歳の子供がみんなで遊ぶところです!」
弟「いや、遊ぶのではなく勉強する場なのだが」
姉「似たようなものです! ……でも、あの、いいのですか?」
弟「? なにが?」
姉「……お姉ちゃんは狐なので、狐の耳としっぽが生えてます。こんなお姉ちゃんが学校に行っても、大丈夫なのですか?」
弟「ああ、なるほど。確かに多少問題あるかもなあ。世の人間全てが俺みたいな奴ではないし」(さわさわ)
姉「ふひゃあ!? み、みみをさわさわしてはいけないのです! そこは敏感なのです!」
弟「任せろ!」(さわさわ)
姉「任せろと言ったのに! 言ったのに、まださわさわしてます!」
弟「とても気持ちがいいからね」(さわさわ)
姉「は、はぅ……あ、あまりさわってはいけないのです。困るのです、困るのです」
弟「おや、どういうわけかお姉ちゃんが気持ちよさそうな顔を」
姉「! き、気持よくなどないのです! 敏感なだけなのです! くすぐったいだけです!」
弟「ふーん」(くにくに)
姉「ふひゃあああ!? さ、触り方を変えてはいけないのです!」
弟「大変だ、このお姉ちゃんえろい! よし、ちょっと俺の指を咥えて?」(くにくに)
姉「え? え?」
弟「HAYAKU!」
姉「は、はい」パクッ
弟「そして、ぺろぺろしてください!」
姉「え? え? ……れろれろ」(困惑しつつも従順に)
弟「……ふぅ」
姉「?」ペロペロ
弟「あ、ごめんなさい。本能に囚われてました。もう大丈夫です、ごめんなさい」
姉「……もういいのですか?」ペロペロ
弟「はい。あの、だからもう大丈夫なので」
姉「ちょっと楽しいです」ペロペロペロ
弟「ええい! なんかまた囚われた! ええい!」
姉「れろれろれろ♪」
弟「ふぅ……」
姉「お姉ちゃんは楽しかったです。またやりたいです」フリフリ
弟「いや、その、俺も楽しいは楽しかったけど、これは闇系の遊びなので光系のお姉ちゃんには向いていないと」
姉「お姉ちゃんは闇に潜む狐なので、闇系です! くーるなのです! お姉ちゃんはくーるに去るぜ、なのです!」フンス
弟「俺の漫画を読んだね」
姉「漢字が多くてちょっと読むの大変でしたが、面白かったです。めめたぁ」
弟「あーはいはい、めめたぁ」(なでなで)
姉「めめたぁ」フリフリ
弟「じゃなくて。学校の話をしていたのに。どうしてこうなった」
姉「弟がいきなりお姉ちゃんのみみをさわさわするからです。弟がいけないのです!」
弟「うむ。全くもってその通り。ごめんなさい」(ぺこり)
姉「でも、お姉ちゃんは優しいので許します。あ、そだ。あぶらげをくれたら許します」
弟「取引を持ちかけるだなんて許せない。一週間油揚げ禁止」
姉「ふわーん!」
弟「今日もお姉ちゃん可愛い」
姉「ぐすぐす……」モグモグ
弟「油揚げをあげたらすぐに泣き止んだ。お姉ちゃんは簡単だ」
姉「簡単ではないのです! お姉ちゃんは難しいのです!」モグモグ
弟「いや、難しいってのはどうかと。ところでお姉ちゃん、おいしい?」
姉「はい!」モグモグ
弟「そりゃ重畳」(なでなで)
姉「♪」フリフリ
弟「で、学校なのですが」
姉「はい」
弟「まあ、大丈夫だろ、たぶん」
姉「適当です! このみみとしっぽはどうするのですか!」フリフリ
弟「可愛い」(さわさわ)
姉「ひゃああ! か、可愛いではなくて、可愛いではなくて!」
弟「しっぽも可愛い」(もふもふ)
姉「し、しっぽ! しっぽはダメです、ダメなのです! また前みたくなっちゃうのです!」
弟「前?」
姉「詳しい言及は避けますが、弟のせいで大変になってしまった事件のことです!」
弟「ああ、思い出した。お漏らし事件ね」
姉「ふわーん!」
弟「このお姉ちゃん泣き虫だな」(もふもふ)
姉「ふわ、な、泣いてるのにもふもふって……ふわ、ふわあ、らめ、らめぇぇぇぇぇ!!!」
弟「あ」
姉「ぐしゅ……ぐしゅぐしゅ……」
弟「あ、や、その。ごめんね、お姉ちゃん」
姉「ダメって言ったのに。前にもダメって言ったのに。今回もダメって言ったのに。酷い弟です。ぐしゅ」
弟「いや本当ごめんね、お姉ちゃん。でも、お漏らしするお姉ちゃんも可愛いよ?」
姉「嬉しくないです!」ガー
弟「褒めたのに」
姉「ちっとも褒めてないです。もう弟はお姉ちゃんのしっぽに触ってはいけません! 禁則事項なのです!」
弟「分かった!」(もふもふ)
姉「ちっとも分かってません!? あっ、だめっ、そんな強く握ったらまた!?」
弟「ああ失敬失敬。日に二度は多いよね。また明日にするよ」
姉「今日も明日も明後日もダメです! どうしてお姉ちゃんに酷いことをするのですか!?」
弟「外界の人間は酷い奴が多いからね。そんな奴との付き合い方を、俺を通して練習させているのではなくて純然たる俺の趣味だよ」
姉「ああ、そういう……ええっ!?」
弟「さて、学校か。どうするかなあ……」
姉「え、お姉ちゃんをいじめるのが趣味ってどういうことですか!?」
弟「んー、みみは帽子でどうにかなるとして、問題はしっぽだなあ。うーん……」(もふもふ)
姉「お姉ちゃんの質問に答えなさい! いやその前にお姉ちゃんのしっぽをもふもふするのを止めてください! なぜなら、あっ、やっ、だめ、らめぇぇぇぇぇ!」
弟「あ」
姉「……ぐしゅ。ぐしゅぐしゅ」
弟「ええと、その。本当にごめんなさい、お姉ちゃん」
姉「日に二度は多いと言ったのは誰ですか。ぐすん」
弟「いやもう本当ごめんなさい。お詫びになんでもします」
姉「……今日からおいなりさんを、一週間連続で」
弟「え、あ、さすがに連続ってのは」
姉「うぅー……」(涙じわーっ)
弟「とても楽しそうな献立で俺は嬉しいよ!」
姉「……じゃあ、今回だけ許します。でも、もう次はないですからね!? 絶対ですからね!?」
弟「分かった。しっぽのもふもふは一日一回に留めておくよ」
姉「一回なら許すってお話はどこから来たのですか!?」
弟「というわけで、みみを触ろう」(さわさわ)
姉「ひゃああ!? み、みみなら触っていいなんて言ってません、言ってません!」