[PR]
2024年12月05日
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
【雪ねえ 朝の時間】
2013年06月17日
朝起きると妙に布団が温かい心地で、ああ春なんだなァと思ったが、実際のところは雪ねえが俺の布団に潜り込んでおり、さらに俺を至近距離でじーっと見つめていたので、朝から心臓が止まります。
「お姉ちゃんを残して死ぬなッ!」ビビビビビ
ねずみ男ばりのビンタで生還。助かった。
「あ~……朝から死んだ」
「ううううう~……驚かすな、馬鹿彰人ぉ……っ!」
黄泉路から戻ってくると、姉が涙と鼻水まみれで一寸怖い。
「体液過剰ですね、雪ねえ」
「誰のせいだと思っている!」
軽いボケを返そうと思ったが、泣きながら俺を思い切り抱きしめる姉の想いに、しばし自分を忘れて抱きしめ返す。
「……はぁっ。落ち着いた」
ややあって、雪ねえは俺を抱きしめるのをやめると、袖で自分の顔を拭いた。どうにも女らしさが欠けているように思えるが、言うと折檻されるので言わない。
「なんというか、その、ごめんな、雪ねえ。次からは朝起きたら死なないようにするよ」
「そうしてくれると非常に助かる」
我ながらなんて台詞だと思ったが、悲しいことに事実なので素直に伝える。
「そのためにも、布団に忍びこむのはやめてください」
「断る」
今日も雪ねえは男らしかった。
「さて。じゃあ抱っこしろ」カムカム
「さっきしましたが」
「何を言っている。さっきのは再開の抱擁だろう。今度はおはようの抱っこだ。なでなでも忘れるな」
「おはよう、雪ねえ」(なでなで)
「それは枕だッ!」
「急に小さくなったから、おかしいと思ったんだ」
「妄言はいいから抱っこしろ。なでなでしろ。ちゅーもしろ」
「増えた」
「増えてない」
言い切りやがった。
「はぁ……さて! 朝食を作るか!」ツヤツヤ
「解せぬ」
朝から雪ねえに抱っこしてなでなでしてほっぺにちゅーして疲れた。いや、別に嫌という訳ではないんですが、主導権って何って感じなので、男として色々ウウムというか、眠い。
「zzz」
「こら彰人、机の上に頭を載せるな。寝るならちゃんとお姉ちゃんの膝枕で寝ろ」
「あっ、雪ねえ頭おかしい」
またしてもビビビのねずみ男が現れたので、素直に膝枕される。
「ふふ……本当に彰人は甘えん坊だなぁ。もう高校生なのだから、いつまでもお姉ちゃんっ子だったらダメだぞ?」(なでなで)
朝食を作るのを中断し、雪ねえは俺に膝枕をしかけた。今日も遅刻の予感。
「うーん、それは確かにそうだね。よし、今日から自立しよう。雪ねえ、今日から俺に構うな」
「偉いぞ、彰人! 大人っぽくて素敵だぞ!」(なでなで)
にっこり笑って俺の頭をなでているが、それは雪ねえにとって構うには入らないようだ。
「さて、それじゃ朝ごはんを作ろう。お姉ちゃんが料理するから、彰人はお姉ちゃんを後ろから抱っこしろ」
「構うなって言ったのに。そして、それは邪魔にしかなってないと思うのだが」
「何を言うか! これは構うとかではなく、お手伝いだからいいのだ! そして、彰人がお姉ちゃんにくっつくことにより外部エネルギーが補給され、お姉ちゃん力が5倍に膨れ上がるんだぞ!」
「全体的に頭悪いね、雪ねえ」
頬をつねられたので、雪ねえを後ろから抱っこする。
「ん~♪」スリスリ
つもりだったのだが、どういうことか雪ねえが180度回転しており、姉弟で抱き合う不思議な謎展開が披露されております。
「雪ねえ、それでは料理ができないと思うのだが」
「もう料理とかどうでもいい。このまま一生過ごしてたい」スリスリ
「いかん、このままでは雪ねえがダメ人間に! 俺の専売特許を奪われてなるものか!」
という固い決意の元、頑張って雪ねえから離れる。
「ああっ、彰人、彰人が! 彰人の体温がぁーっ!」
「いいから。いいから朝飯食って学校行くぞ。遅刻しますよ旦那」
「お姉ちゃんは彰人と抱っこしてたいのに……酷いぞ、彰人!」プンプン
「はいはい。いいから準備する」(なでなで)
「うぅー」
不満がる雪ねえをどうにかなだめすかし、朝飯の準備にかかる。
「玉子焼きでいいか、彰人?」
「うん」
雪ねえが玉子焼きを作るなら、俺は味噌汁でも作るか。
「さて、何か具あったかなァ……」
「おい彰人、何をしている」
「冷蔵庫に頭を突っ込んで味噌汁の具を探している最中ですが、何か逆鱗に触れましたか」ビクビク
「お姉ちゃんの背中を守らないとは何事だ!」ドカーン
「え、それまだ続いてたの?」
「やらないなら今日学校に行った際、休憩時間の度に彰人の教室へ行って彰人に抱きつく」
「雪ねえは俺が守る!!!」
本気の目だったので、雪ねえの背中に抱きつく。この姉は以前宣言通りの事件を起こしたことがあり、それ以前でも結構なシスコンと周知されていたのだが、今では病的なシスコンと認知される始末。
「違うんだ……シスコンなのは否定しないが、病的なそれはむしろ雪ねえの方なんだ……」ブツブツ
「後ろから彰人の念仏が聞こえるなんて、なんて素敵な朝なんだ!」キラキラ
この姉ちょお強い。勝てる気がしない。
雪ねえを抱っこしたりされたりなでなでしたりされたりほっぺにちゅーしたりされたりご飯を食べたり食べさせられたりしたら、今日も遅刻寸前。
「毎日早起きしてるのになァ……」
「何をぶつぶつ言っている。ほら、そろそろ家を出るぞ」ペロペロ
「あ、うん」
一見まともなことを言ってるが、実は俺の頬をぺろぺろ舐めながらの発言なので、俺の姉はもうダメかもしれない。
「ほら、シャツが出てるぞ。もう、お姉ちゃんがいないと本当に彰人はダメだなあ」
言葉とは裏腹に、雪ねえはニコニコしながら俺の服装を整えた。
「ほら、できたぞ。整えてやったから、お姉ちゃんの頭をなでろ」ワクワク
「偉いぞっっっ!」ナデナデ
「それは枕だっ! どこから持ってきた!?」
「こんなこともあろうかと、秘密の隠し場所に枕を置いておいたんだ。天丼が大好きなんだ」
「その労力を他に回せばいいものを……それより、そんな天丼が好きなら、今日の晩御飯は天丼にするか。彰人のことは全部知ってるつもりだったが、まだまだ知らないことがあるな」
繰り返しの意味での天丼ではなく、パクパク食べる方の天丼と採られてしまった。でも、そっちの天丼も好きだし、いっか。
「それより、お姉ちゃんへのなでなでがまだだぞ。早くしろ」ワクワク
「もうしました」
「枕をなでただけだろうっ! お姉ちゃんをなでろっ!」
「そういえば今日体育があったなー。運動苦手だなー」
「なでないと彰人の体育の時間に乱入してちゅーする」
「雪ねえは俺の服を整えるので偉いなあ」(なでなで)
この姉はすぐに脅迫するので怖い。
「えへ、えへへ……彰人の世話はお姉ちゃんの仕事だから、当然のことなんだぞ?」
ただ、まあ、やたら嬉しそうなので、俺も満更でもない。
「お姉ちゃんを残して死ぬなッ!」ビビビビビ
ねずみ男ばりのビンタで生還。助かった。
「あ~……朝から死んだ」
「ううううう~……驚かすな、馬鹿彰人ぉ……っ!」
黄泉路から戻ってくると、姉が涙と鼻水まみれで一寸怖い。
「体液過剰ですね、雪ねえ」
「誰のせいだと思っている!」
軽いボケを返そうと思ったが、泣きながら俺を思い切り抱きしめる姉の想いに、しばし自分を忘れて抱きしめ返す。
「……はぁっ。落ち着いた」
ややあって、雪ねえは俺を抱きしめるのをやめると、袖で自分の顔を拭いた。どうにも女らしさが欠けているように思えるが、言うと折檻されるので言わない。
「なんというか、その、ごめんな、雪ねえ。次からは朝起きたら死なないようにするよ」
「そうしてくれると非常に助かる」
我ながらなんて台詞だと思ったが、悲しいことに事実なので素直に伝える。
「そのためにも、布団に忍びこむのはやめてください」
「断る」
今日も雪ねえは男らしかった。
「さて。じゃあ抱っこしろ」カムカム
「さっきしましたが」
「何を言っている。さっきのは再開の抱擁だろう。今度はおはようの抱っこだ。なでなでも忘れるな」
「おはよう、雪ねえ」(なでなで)
「それは枕だッ!」
「急に小さくなったから、おかしいと思ったんだ」
「妄言はいいから抱っこしろ。なでなでしろ。ちゅーもしろ」
「増えた」
「増えてない」
言い切りやがった。
「はぁ……さて! 朝食を作るか!」ツヤツヤ
「解せぬ」
朝から雪ねえに抱っこしてなでなでしてほっぺにちゅーして疲れた。いや、別に嫌という訳ではないんですが、主導権って何って感じなので、男として色々ウウムというか、眠い。
「zzz」
「こら彰人、机の上に頭を載せるな。寝るならちゃんとお姉ちゃんの膝枕で寝ろ」
「あっ、雪ねえ頭おかしい」
またしてもビビビのねずみ男が現れたので、素直に膝枕される。
「ふふ……本当に彰人は甘えん坊だなぁ。もう高校生なのだから、いつまでもお姉ちゃんっ子だったらダメだぞ?」(なでなで)
朝食を作るのを中断し、雪ねえは俺に膝枕をしかけた。今日も遅刻の予感。
「うーん、それは確かにそうだね。よし、今日から自立しよう。雪ねえ、今日から俺に構うな」
「偉いぞ、彰人! 大人っぽくて素敵だぞ!」(なでなで)
にっこり笑って俺の頭をなでているが、それは雪ねえにとって構うには入らないようだ。
「さて、それじゃ朝ごはんを作ろう。お姉ちゃんが料理するから、彰人はお姉ちゃんを後ろから抱っこしろ」
「構うなって言ったのに。そして、それは邪魔にしかなってないと思うのだが」
「何を言うか! これは構うとかではなく、お手伝いだからいいのだ! そして、彰人がお姉ちゃんにくっつくことにより外部エネルギーが補給され、お姉ちゃん力が5倍に膨れ上がるんだぞ!」
「全体的に頭悪いね、雪ねえ」
頬をつねられたので、雪ねえを後ろから抱っこする。
「ん~♪」スリスリ
つもりだったのだが、どういうことか雪ねえが180度回転しており、姉弟で抱き合う不思議な謎展開が披露されております。
「雪ねえ、それでは料理ができないと思うのだが」
「もう料理とかどうでもいい。このまま一生過ごしてたい」スリスリ
「いかん、このままでは雪ねえがダメ人間に! 俺の専売特許を奪われてなるものか!」
という固い決意の元、頑張って雪ねえから離れる。
「ああっ、彰人、彰人が! 彰人の体温がぁーっ!」
「いいから。いいから朝飯食って学校行くぞ。遅刻しますよ旦那」
「お姉ちゃんは彰人と抱っこしてたいのに……酷いぞ、彰人!」プンプン
「はいはい。いいから準備する」(なでなで)
「うぅー」
不満がる雪ねえをどうにかなだめすかし、朝飯の準備にかかる。
「玉子焼きでいいか、彰人?」
「うん」
雪ねえが玉子焼きを作るなら、俺は味噌汁でも作るか。
「さて、何か具あったかなァ……」
「おい彰人、何をしている」
「冷蔵庫に頭を突っ込んで味噌汁の具を探している最中ですが、何か逆鱗に触れましたか」ビクビク
「お姉ちゃんの背中を守らないとは何事だ!」ドカーン
「え、それまだ続いてたの?」
「やらないなら今日学校に行った際、休憩時間の度に彰人の教室へ行って彰人に抱きつく」
「雪ねえは俺が守る!!!」
本気の目だったので、雪ねえの背中に抱きつく。この姉は以前宣言通りの事件を起こしたことがあり、それ以前でも結構なシスコンと周知されていたのだが、今では病的なシスコンと認知される始末。
「違うんだ……シスコンなのは否定しないが、病的なそれはむしろ雪ねえの方なんだ……」ブツブツ
「後ろから彰人の念仏が聞こえるなんて、なんて素敵な朝なんだ!」キラキラ
この姉ちょお強い。勝てる気がしない。
雪ねえを抱っこしたりされたりなでなでしたりされたりほっぺにちゅーしたりされたりご飯を食べたり食べさせられたりしたら、今日も遅刻寸前。
「毎日早起きしてるのになァ……」
「何をぶつぶつ言っている。ほら、そろそろ家を出るぞ」ペロペロ
「あ、うん」
一見まともなことを言ってるが、実は俺の頬をぺろぺろ舐めながらの発言なので、俺の姉はもうダメかもしれない。
「ほら、シャツが出てるぞ。もう、お姉ちゃんがいないと本当に彰人はダメだなあ」
言葉とは裏腹に、雪ねえはニコニコしながら俺の服装を整えた。
「ほら、できたぞ。整えてやったから、お姉ちゃんの頭をなでろ」ワクワク
「偉いぞっっっ!」ナデナデ
「それは枕だっ! どこから持ってきた!?」
「こんなこともあろうかと、秘密の隠し場所に枕を置いておいたんだ。天丼が大好きなんだ」
「その労力を他に回せばいいものを……それより、そんな天丼が好きなら、今日の晩御飯は天丼にするか。彰人のことは全部知ってるつもりだったが、まだまだ知らないことがあるな」
繰り返しの意味での天丼ではなく、パクパク食べる方の天丼と採られてしまった。でも、そっちの天丼も好きだし、いっか。
「それより、お姉ちゃんへのなでなでがまだだぞ。早くしろ」ワクワク
「もうしました」
「枕をなでただけだろうっ! お姉ちゃんをなでろっ!」
「そういえば今日体育があったなー。運動苦手だなー」
「なでないと彰人の体育の時間に乱入してちゅーする」
「雪ねえは俺の服を整えるので偉いなあ」(なでなで)
この姉はすぐに脅迫するので怖い。
「えへ、えへへ……彰人の世話はお姉ちゃんの仕事だから、当然のことなんだぞ?」
ただ、まあ、やたら嬉しそうなので、俺も満更でもない。
PR
Comment
No title
久々に表に新作きた!かわいい!
無題
裏ってどこやねん