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2024年11月23日
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【瑠璃 家の前でぼんにゃり】

2011年03月30日
 春だってのにまだまだ寒い。雪まで降ってやがる。そしてそんな中で空を見上げ、ぼやーっと突っ立ってる変な奴までいる。……ていうか知り合いだ。
「あのな、瑠璃。雪降ってんだから外でぼさーっとするな」
 肩や頭に乗ってる雪を払ってやりながら説教する。何時間ここにいたんだ。
「……ん、やあ、彰人。久しいね」
「昨日ぶりだ」
「うん。久しいね」
 何が楽しいんだか知らないが、瑠璃はニコニコと薄く笑ったまま繰り返した。
 この知り合いは現実感がどうにも希薄で、本当に現実に存在しているのか不安になることがある。そんな不安をかき消すように、瑠璃に積もってる雪を払いのける。
「久しくねえ。ていうかだな、何でまた俺んちの前でぼさーっと突っ立ってるか。普通に電話しろ」
「うーん……散歩してたらね、ここに足が向いたんだ。なんとなくだけどね、彰人が出てくるような気がしたんだよ」
「俺がふとコンビニへ行こうと思い立たなかったら、お前は一日中ここで突っ立ってる羽目になってたんだぞ?」
「でも、実際は出てきたじゃないか。これはもう運命だね?」
「そういうのは信じてません」
「彰人はリアリストだね?」
「いやいや。親方、空から女の子が! というシチュエーションを切望する程度は理想主義者だ」
「私が飛ぼうか?」
「やめてください。本当に。お前は本当にしそうだから怖い」
「あはは」
 ぽんぽんぽんと雪を払い、最後にその名の通り瑠璃色の長い髪をぐしぐしーっとなでて終了。
「はい、綺麗になりました」
「うん、ありがとうね、彰人。……うん、私は彰人に頭をなでられるの好きだな?」
「なんだその目は」
「彰人になでられるの好きだな?」
「…………」
「うーん……ネコミミとかをつけたらいいのかな?」
「つけないでいいです!」
「わ、わ、わ」
 わっしわっしと瑠璃の頭をなでる。まったく、変な奴だ。
「あはは。オタク趣味を公言しているくせに、私がそういう発言をすると彰人は照れるね?」
「客観的に己を見てるようで恥ずかしいんだよ……」
「あはは……はくちゅっ」
「なんだそれ。くしゃみか?」
「あはは。可愛らしいだろ?」
「ちょお可愛い。つか、薄着すぎだろ」
「うん、そうかい?」
 瑠璃は秋の装いといわれれば納得しそうな厚着っぷりを見せていた。見てるこっちが寒い。
「うーん。私はね、暑いとか寒いとか、そういうのはよく分からないんだよ」
「はぁ……分からなくてもいいから、この季節は厚着をしてろ」
 とりあえず、俺の着ているジャンパーを着せてやる。……うぉっ、超寒ぃ!
「うーん……気持ちは嬉しいけど、この服は私の趣味じゃないよ」
「やったんじゃねぇよっ! とりあえずそれで寒さを凌げっての!」
「やっぱりそうなんだね。彰人は優しいね?」
「俺の優しさに惚れろ」
「無理だよ」
「即答は辛いなあ」
「だって、私はもうすでに君に惚れているからね?」
 ニコニコと、嬉しそうな笑顔と一緒に瑠璃の手が俺の手に触れ、そして握られる。
「……まったく。ふらふらしているようで、お前はいつだって真っ直ぐだな」
「その分、彰人の性根が捻じ曲がりまくってるからバランスが取れてるね?」
「お前は本当に俺に惚れているのか」
「証明が欲しいのかい? 私ならいつでもいいよ? ……あ、ただ、一応これでも女子なのでね、それなりの場所を用意して欲しいというか。その、一応、初めてなもので。いや、知識はあるんだよ?」
「黙れ。いいから黙れ」
「ふぎゅっ」
 瑠璃の口唇を指で挟んで黙らせる。
「……ぷはっ。まったく、彰人は酷いね?」
「こんな悪人に惚れたことを後悔しろ」
「それだけは絶対に後悔しない自信があるけどね?」
「変な奴」
「彰人にだけは言われたくないけどね?」
「繰り返すが、お前は本当に俺が好きなのか」
「うーん……どうしてもと言うなら、ここで始めてもいいけど……初めてが屋外、というのはあまりよい記憶になりそうにないね?」
「そろそろ殴るぞ」
「彰人は酷いね?」
 まったくそう思ってない口調で、瑠璃はニコニコしながら俺の手を握るのだった。

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Comment
無題

薄着が厚着になってる。
見過ごすこともできたんだけどね…?

それじゃ君の為に
ならないと思ってしまったんだ。

すまないね…

無題
なんだあえてなのか
ちゃんといってくれないと
ぼくはバカだからわからないよ

なんて言い訳してみる(;_;)

ごめーんねm(_ _)m

更新楽しみにしてるよ。


無題
安心と実績の素直クール
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