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2024年11月21日
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【瑠璃葉 コンビニ】

2012年09月29日
 なんか妹が超好きなんですが、妹はそうでもないようなので、基本的に悲しい。
「昔は『にぃさまにぃさま♪』とニコニコしながらついて来てくれたものを……時の流れというのは寂しいものだ」
「か、勝手なことを言わないでください、にぃさま。瑠璃葉はもう大人なので、そんなどこでも付いて行ったりなんてしないのです」
「悲しい話だ。それはそうと瑠璃葉、兄はコンビニで何かあむぁ~いものを買おうと思うのだが、何か買ってきてほしいものがあるか?」
「あ、瑠璃葉も行きます」
「えー。さっきどこでもついて来ないと言ったのに。えー」
「た、ただの偶然です。偶然コンビニに用事があっただけなのです。用事があるのにわざわざにぃさまと別々に行く方が子供っぽいと思ったのです。別に一緒に行きたいわけではないのです」
「なるほどそうか!」
「簡単に納得しすぎです……」
 自分で説得しておいて何か不満そうだったが、それでも二人で仲良く近所のコンビニへやって来た。
「なぜ近所のコンビニなのかと言うと、遠くだと遠くて行くのが大変だから」
「聞いてないです、にぃさま……」
 瑠璃葉は困った顔をした。
「で、瑠璃葉は何を買いに来たんだ?」
「えっ? えー……っと」
 瑠璃葉は店内をきょろきょろと見回した。明らかに視線が泳いでる。
「まあいいや。俺はうろうろしてるから、用事が終わったら来てくれな」
「えっ、あっ、は、はい、にぃさま」
 そんなわけで、ぼやーっとしつつ、瑠璃葉を眺める。
 本のコーナーへ行ったので立ち読みでもするのかと思ったが、読んでるサラリーマン風の男性に気後れして近寄れないようだ。
 次に瑠璃葉は、ソフトドリンクのコーナーへ向かった。しかし、選んでいる最中に数人の学生たちがそこへやって来たのに気づき、そそくさとその場を後にした。
「頑張ってください」(ぽふぽふ)
「に、にぃさま!」
 あんまりにもダメダメな妹を慰めるべく、後ろから瑠璃葉に近寄り、頭をぽふぽふする。
「……頑張ってます。これでも瑠璃葉は頑張ってます!」
「もうちょっとがんばりましょう」
「うぅー」(涙目)
「分かった、今すぐこの店内の人間をMINAGOROSHIするから、そのあとに瑠璃葉はゆっくり買い物を楽しんでくれ」(なでなで)
「頑張りすぎです、にぃさま!」
「や、失敬。妹のこととなると、兄は見境がなくなるのです」(なでなで)
「……べ、別に、そんなの、瑠璃葉には関係ありません」
 ぷいってされた。ぷいって。
「……あ、あぅ」
 でも、その後に申し訳なさそうにこっちをちらちら見てくるので、総合点で100点をoverしました。
「今日も可愛い」(なでなで)
「失礼なことを言ったのだから怒ってください、にぃさま!」
「うーん。怒るの嫌いなんだよね。でも、お天道様に顔向け出来ないようなことをした時は怒る予定なので、大丈夫だよ」
「むー。ちゃんと怒ってください」
「ごめんね」
 どういうわけか俺が怒られた。
「……はぁ。しょうがないにぃさまですね?」
「ああ、異性がいるところは怖くて近寄れない妹よりもしょうがないよ」
「……にぃさまは意地悪です」
 瑠璃葉の頬が小さく膨れた。
「でも、にぃさまがいれば別に怖くないです。へっちゃらです」
 そう言いながら、瑠璃葉は俺の手をきゅっと握った。小さな指が、俺の指に絡まる。
「……に、にぃさま。あ、あの、店には男の人がいっぱいいて怖いので、そ、その、商品を選ぶまで、こうして手を握っていてもいいですか?」
 どうしてそこで赤くなる。赤くなる!
「あ、ああ」
「そ、それと、頑張って男の人の近くまで行けたら、頭をなでてくれますか?」
「え、あ、まあ」
「……えへ。やたっ♪」
 なんかちっこい声でやたって言われた。ちっちゃくガッツポーズなんかもしてるし。
「……あ。な、何もしてませんよ?」
「いや、別になんでもいいんですけど。それで瑠璃葉、お前は何を買いに来たんだ?」
「へ?」
「へ、じゃねえ。何か買うものがあるから一緒に来たんだろ?」
「え……え、ええ! そうですそうです!」
 何か壊れた機械人形みたいにコクコクうなずかれたので、負けじとこちらもコクコクうなずいたら、怪訝な顔をされた。
「別にそういう遊びではないです、にぃさま……」
「ぼのぼのでこういうシーンがあったような」
「どうでもいいです!」
「ちぇ。それで、結局何を買いに来たのだ?」
「え? えー……っと」
 瑠璃葉はぐるーっと店内を見回し、最後に俺を見た。なんだか困った顔をしてたので、笑いかけてみる。
「えへー♪」
 すると、満面の笑みを返された。
「……い、いえ、違います。今のは違います」
 何が違うのか分からないが、瑠璃葉は顔を赤くして何かぶつぶつ言っていた。
「……うぅー。にぃさま、あまり瑠璃葉に笑いかけてはいけません」
「無理です」
「ううぅー」
 瑠璃葉は困った顔をした。可愛いのでなでなでする。
「うううううー」
「どしました?」
「……なんでもないです。にぃさまには困りものです」
「何が」
「いいのです。もー今日は頑張ったのでここまでです」
「はぁ。よく分からんが、買うものはいいのか?」
「よいのです。にぃさまと一緒におでかけしたかっただけなんです」
「なんと! これは兄さん大喜びな事実ですよ?」
「今日だけの秘密です。明日からまたがんばりますので、今日はいいのです」
「はい?」
「よいのです! それじゃにぃさま、お菓子を買いましょう。何か甘いのを食べたいです」
「うむ、異論はない。ポッキーでも買うか。そしてポッキーゲームでもしようか」
「…………」
「無言で頬を染めないで。ちらちらとこっちを見ないで。買い物カゴにポッキーを大量に入れないで。冗談です」
「……る、瑠璃葉も冗談です!」
 真っ赤な顔で怒る瑠璃葉は可愛いなあ。

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Comment
無題
こんなぁ!
妹がぁ!
欲しい~~~~!!
無題
瑠璃葉デレすぎだろ!wwwwww
俺は呼吸っすね
一度「あれ?いつも鼻でしてんだっけ?口でやってんだっけ?」って思ったら最後
もうどっちでやっても気まずい気まずい
呼吸の野郎てめぇ!

妹可愛いです。
無題
舌の位置とか気にし出すと止まりません

むむむ、こういう幼い頃に兄ちゃんにべったりだった娘は、一度箍が外れるとふにゃふにゃになりますよね...大好物です
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