忍者ブログ

[PR]

2024年11月21日
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【ツンデレと練習をしたら】

2012年10月03日
 どうやら最近の俺はセクハラが過ぎるようなので、少し自制したほうがいいやもしれない。ということで、しばらくはスキンシップを禁止しよう。
「…………」
 と決意した時に限って、かなみが遊びに来たりしますか。
「ねー。なんでそんな部屋の隅っこにいるのよ」
「隅っこに追いやられがちなんだ」
「うっさい。で、どしたの?」
「や、べ、別に?」(視線をあらぬ方向へ向けつつ)
「……ふーん」
 何やら面白くなさそうな顔で、かなみはこちらに寄ってきた。同じだけ俺も部屋を移動する。
「なんでアンタも動くのよ」
「そうは言うが、自分の意志で心臓を止める技術は持ってないんだ」
「心臓の話じゃないっ! ていうか止めたら死ぬから止めるなっ!」
「だから、止められないんだっての」
「わ、わかってるわよ……」
 そう言いながらもこっちに寄ってきてるので、部屋の壁を背にして、ずりずりと移動して回避する。
「……なんで逃げるのよ」
「や、逃げてなんていないよ? 背中がかゆいから壁でかいてるだけだよ?」
「私がかいてあげるから動くな」
 また寄ってきたので、回避。
「…………」
「…………」
「…………」(涙じわーっ)
「泣くなッ!」
「な、泣いてないわよっ! アンタに嫌われたところでなんともないわよっ!」
 とか言いながら目をゴシゴシされたりされたりなんてしたら、良心がうずくじゃあないですか。
「や、嫌ってなんていないよ? そうじゃなくて、その、色々とね?」
「……ホントに?」
「ホントに、ホント」
「…………」(無言でこっちに)
「…………」(回避)
「…………」(涙じわーっ)
「だから、泣くなッ!」
「嫌ってるもん……絶対私のこと嫌ってるもん……」
「ああもう。ああもう」
 なんかあと数秒で泣きそうな雰囲気だったので、仕方なく事情を説明する。
「……なるほどね。ばーか」
 すると、なじられる不思議。
「正直に言ったのに」
「アンタがセクハラしないなんて不可能なのよ、不可能。分かった?」
「人が必死で自制しているというのに、なんたる言い草か」
「分かったら諦めることね。……ということで、もー逃げない? 近づいてもだいじょぶ?」
 くりって小首を傾げられた。くりって。
「い、いいけど、その、ほどほどの距離感って大事だよね」
「そうね。じゃ、ちょっとあぐらかいて」
「嫌な予感が止まらないよ」
「早く」
「はい」
 殴られそうな雰囲気を感じ取ったので、大人しくあぐらをかく。すると、そこにかなみがぽふりと座るじゃないですか!
「なんで!?」
「れ、練習。アンタが過剰なセクハラしないように。今からアンタは私を抱っこするの」
「はぁ!?」
「おっきな声出すな! れ、練習だから。アンタに過剰なセクハラをさせない練習だから。手つきがえっちだったら指摘するから。だから抱っこはいいの。それ以外の理由なんてないの。おーけー?」
「nope」
「yesって言え!」
 とても怖かったのでyepになった。
「ん。……じゃ、じゃあ、ぎゅってしろ」
「いや、でも」
「…………」
「おや、突然無言に。妙に怖いですね」
「……やっぱ私のこと嫌いなんだ」(涙じわーっ)
「その武器は禁止の方向でお願いします!」
 相も変わらず俺は涙に弱い様子。後ろからかなみのちっこい背中を抱きしめる。
「ぐしゅ……な、泣いてなんてないわよっ!」
「はいはい、分かったから。泣かない泣かない」(なでなで)
「子供扱いすんな、ばか……」
 そう言いながらも、かなみは大人しく俺になでられていた。黙ってりゃ可愛いんだけどなあ。
「んー」(ぐりぐり)
 しばらくそうやってなでてると、今度はかなみの方からぐりぐりと頭を俺の頬にすりつけてきた。
「それはどういう練習なのだ」
「……え、えと。すりすりすることにより、アンタが私にえっちなことをしたくなる気分を増加させ、そのうえでセクハラを我慢するっていう訓練よ!」
「なるほど。抱っこだけで手一杯で、そこまでされると流石に我慢できなくなるのでやめてください」
「……わ、分かったわよ」
 なわけで、しばらく抱っこしてなでていると。
「んー」(ぐりぐり)
 またしてもかなみがぐりぐり攻撃をしてきた。
「なにをしている」
「れ、練習だもん。練習だからいいんだもん」
「だから、我慢できなくなるのでやめてください」
「うー……」
 そしてまたしばらくなでなでしていると、三度ぐりぐりしてくるという。
「やめれ」
「うっさい! アンタのことだから、ホントは我慢できるけど意地悪のためにやめろって言ってるんでしょ! すりすりさせろっ!」
「大変に破廉恥ですね!」
 殴られたので、すりすりさせる。
「……別にすりすりしたいんじゃないもん。練習だもん」(すりすり)
 そして殴られ騒動の際にかなみが前後回転しており、つまり抱き合った形ですりすりされていて困る。色々と。困る。
「あ、あの、もう練習は十分じゃあないでしょうか」
「まだ。全然まだ。ちっとも足りてない」(すりすり)
「いや、しかしだな……ていうか、すりすりしすぎではなかろうか」
「大丈夫だもん。これは練習だもん。練習だからいいもん」(すりすりすり)
「ふぅむ。納得がいかない」
「あ、なでなでもしろ。あと、アンタからもすりすりしろ」
「俺のセクハラを抑制する練習って話だったような」
 でもまあ、否定する材料が全く無いのでなでなですりすりしました。

拍手[38回]

PR
Comment
無題
えろいなぁ!
かなみさんはえろいなぁ!
無題
隅っこにおいやられがちって単語に笑ってしまった
No title
やった…かなみだ♪半年ぶり位のかなみ分補給~…かなみ可愛い♪生きる活力がわきました。明日は病院に行こう
No title
主人公かヒロインがタイトルを口にしたら最終回ってフラグじゃないですかー!
無題
かなみんがくんかくんかする系SSが見たいです!
無題
かなみが酔っぱらったらツンデレからデレデレになりそうだなぁ~。妄想しちゃうなぁ~。
No title
そういえば、このサイトの名前って何か理由があったりするの?
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字