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2024年11月21日
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【狐ねえ3】

2010年02月27日
弟「お姉ちゃん」
姉「なんですか弟」
弟「どうして服を着ないで布を羽織ってるだけなのですか」
姉「……服、嫌いなんです。わさわさして気持ち悪いです。……狐なので」
弟「最初は着てたじゃないか」
姉「久しぶりに弟と会うのだから、頑張ったんです。もう頑張る必要ないので、楽な格好をしてるんです」
弟「なんでもいいから、服は着ないとダメだよ。捕まるよ」
姉「猟師さんに?」
弟「いや、猟師さんは関係ない。捕まえるのは警察官だよ」
姉「猟師さんは怖いです。猟師さんが出す鉛の玉に当たると、とても痛いらしいです。ぶるぶるぶる」
弟「話を聞いて、お姉ちゃん」
姉「さらに、漁師さんは犬をけしかけます。奴らは敵です。わんわん吠えます。わんわんわん。……怖いです」
弟「犬苦手なの、お姉ちゃん」
姉「はっ。……お、お姉ちゃんは犬なんて怖くありません」
弟「さっき怖いって言ってたよ」
姉「言葉のあやです」
弟「…………。あー、なんかペット飼いたいなあ。犬とか」
姉「猛反対します。家にはもう狐がいるので、それでよしとしましょう」
弟「お姉ちゃん、ペットなの?」
姉「弟が姉をペット扱いする」
弟「なんだか鬼畜系エロゲを思い出すね。調教していい?」
姉「弟が姉を調教しようとする! たすけて!」
弟「冗談だよ、お姉ちゃん」
姉「その手の首輪はなんですか!」
弟「浣腸の方がよかった?」
姉「ふわーん!」

姉「どうして服の話題からお姉ちゃんを調教する話題に変わったんですか! お姉ちゃんは憤慨してます! ふんがい!」
弟「お姉ちゃんが服を着ないで俺を悩殺するからだよ。ちらちら布の隙間からピンクいのが……ええい、服を着ろ!」
姉「服はごわごわするので嫌いです。お姉ちゃんに無理矢理服を着せようとする弟も嫌いです」
弟「晩ご飯においなりさん作るから」
姉「……たくさん?」
弟「たくさん」
姉「……それなら、まあ、着てあげてもいいです。ばさー」
弟「いきなり布を取るな、馬鹿!」
姉「服はどこですか」
弟「えーとえーとえーと、これ!」
姉「……えぷろん?」
弟「しまった!」
姉「ごそごそごそ……じゃーん」
弟「裸エプロンだ!」
姉「のうさつ?」
弟「ええい、脱げ脱げ!」
姉「着ろと言ったり脱げと言ったり……お姉ちゃんは弟のわがままに困ってしまいます」
弟「いいから!」
姉「まったく。ばさー」
弟「ちょっとは隠せ!」
姉「ふぁっしょんしょーみたいですね。しゃなりしゃなり」
弟「真っ裸で歩くな!」
姉「姉弟で恥ずかしがるなんて、変な弟……くしょん。……うー、人の体は毛がないのでちょっと寒いですね」
弟「? 元々人間だろ?」
姉「あ、そ、そうです。お姉ちゃん、ちょっと勘違いしてました。ははははは」
弟「……? まあいいや。とにかく、なんでもいいから服を着てくれ。目の毒だ」
姉「んー……じゃあ、これ」
弟「え? べ、別のにしない?」
姉「これ」
弟「……わ、分かったよ」

姉「……どうです?」
弟「あー、まあ似合うが……なんで俺のカッターシャツを?」
姉「なんとなくです」
弟「そっか」
姉「くんくんくん」
弟「なんで服の匂いを嗅いでるの?」
姉「嗅いでません」
弟「いや、ものすっごく嗅いでたし」
姉「嗅いでません」
弟「……はぁ、まあいいや。じゃ、俺は夕食作るんで」
姉「ん。頑張れ弟。おいなりさんね。たくさんね」
弟「はいはいはい」
姉「……行ったね。くんくんくん。……はふー」
弟「嗅いでる!」
姉「ひゃ!」
弟「やっぱ嗅いでるじゃん」
姉「き、急に戻ってくるなんてずるいです。卑怯です。弟が卑怯者になってしまいました」
弟「いい匂いでもするのか?」
姉「はい」
弟「…………」
姉「はっ。い、いえ、しません。弟のくっさい匂いがします。おえーおえー」
弟「失敬な。そんな臭いなら、脱いだらいいじゃん」
姉「……お、お姉ちゃんは我慢強いので我慢します」
弟「ファブリーズあるけど、使う?」
姉「なんです、それ?」
弟「匂い消すの」
姉「ダメです!」
弟「俺のくっさい匂い消えるよ?」
姉「ダメです!」
弟「理由は?」
姉「……こ、こんこーん。お姉ちゃん、急に狐の言葉しか分からなくなりました。なので、理由とか言えません」
弟「ファブリーズ、どこだっけな……」
姉「探さないで!」
弟「お、あったあった」
姉「見つけないで!」
弟「しゅっしゅ」
姉「いーやー! とうっ」
弟「こら、逃げるな。かからないだろ」
姉「狐はふぁぶりーずがかかると溶けるんです」
弟「そんな話聞いたことないぞ。ほら、押入れから出てきなさい」
姉「いーやー」
弟「ええい、出てこないか!」
姉「やー! しっぽ掴まないで、しっぽー! や、やああああ、だめ、らめぇ!」
弟「らめぇ!? ……あ」

姉「……ぐしゅ、ぐしゅ……」
弟「あー……ごめんね、お姉ちゃん」
姉「……ぐしゅ。しっぽ、掴まないでって言ったのに。ぐしゅ」
弟「や、その、ごめん。まさか、お漏らしするとは」
姉「わーわーわー! 言ってはいけません!」
弟「ごめんね。お詫びに、いっぱいおいなりさん作ったから、食べて」
姉「……ぐしゅ。もぐもぐ。おいしい」
弟「おかわりたくさんあるからね」
姉「もぐもぐ。もぐもぐもぐ。もぐもぐもぐもぐ」
弟「お姉ちゃん、そんな口の中いっぱいにつめこまなくても取らないよ」
姉「もがもがもが」
弟「何言ってるか分からないよ」
姉「もぐもぐもぐ、ごっくん。……狐の時のクセが出ました」
弟「お姉ちゃんって、ご飯食べてる時必死だね」
姉「ぐぐぐ。また弟に馬鹿にされた。くやしい」
弟「そんなつもりはないのに」

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