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2024年11月21日
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【犬子 クリスマス小ネタ】

2010年02月06日
「クリスマスだよ、彰人くん!」
「まだ早いと思うますが。それで犬子、何故にサンタの格好を?」
「えへへ。あのね、ちょっと早いクリスマスプレゼントだよ?」
「ほう、それは楽しみだ。ただ、『私がプレゼントー♪』とかだと殺す」
 犬子が震えだした。
「あ、あ、あのね。ちょ、ちょーっとだけ待っててくれる?」
「断る。さあ、早くプレゼントを渡せ」
「え、ええと、ええとね、その、あのね?」
 犬子の目がぐるぐるしだした。
「何だろうなあ。きっと犬子のことだ、俺が想像もつかない、かつ、もらって嬉しくて嬉しくて仕方がないものに違いない!」
「……彰人くん、分かってて言ってるでしょ?」
「うん」
「……彰人くんのいぢわる」
「犬子が拗ねた。その名に恥じぬ犬耳もしっぽもやる気なさげだ」
「しっぽも犬耳もないよっ!」
「や、しっぽはないけど、犬耳はあるじゃん」
「こ、これはそーゆー髪型だよう! 本物じゃないの!」
 怪しいものだ。
「うー……そーゆーいぢわるなこと言う人には、プレゼントあげないよ?」
「ほう、くれるのか。それは楽しみだ。ただ、『私がプレゼントー♪』とかだと殺す」
「話がぐるぐるしてるよっ!」
「話だけでなく、お腹もぐるぐるしてる。先ほどお前に盛られた毒が効いてきたようだ」
「盛ってないよ、盛ってないよ!? 彰人くんのためにクッキー焼いただけだよ!」
「プレゼントが毒とは……気が、利いて、やがる……」
 ばったり地面に倒れてみる。泡も吹いてみよう。
「彰人くん、彰人くん!? さっきの話だとお腹ぐるぐるだから、毒って下剤!? お薬屋さんで何買ってきたらいいの!? 正露丸!?」
「いりません」
 人が死んでるのにがくがく揺すってくる犬がいるので、諦めて生き返る。クリスマスプレゼントが正露丸って何の罰ゲームだ。
「だよね。……あのね、改めてクリスマスプレゼント。……受け取ってくれる?」
 犬子は自分の髪にリボンを縛り、恥ずかしげにはにかんだ。
「よし分かった、殺す」
「その話はもういいのっ! ……は、恥ずかしいんだから、とっとと受け取ってよ」
 とててててーっと俺の元へ駆け寄ると、犬子は自分から俺の胸に抱きついてきた。
「えへへへへっ♪」
「サインは印鑑? 拇印でもいいか?」
「ムードぶち壊しだよっ! 彰人くん、ムードクラッシャーだよ……」
「まあそう悲しむな。その内いいことあるさ」
「ものすっごく適当だよう……」
 ちょっぴりしょげてる犬子の頭をなでなでなで。
「……えへ。あのね、早速いいことあったよ。彰人くんになでられちった」
「安い良いことだなあ。一山100円程度のなでなででよければ、いくらでもしてやろう」
 1000円ぶんくらいなでなでする。
「わふわふ、きゅーきゅー♪」
 すると、犬子が実に犬っぽくなったので犬属性の俺としては大変喜ばしい。
「えへ、あのね、あのね、……私ね、幸せだよう♪」
「俺は腕がだるくなった。もういい?」
「ダメー。ふぁいとだよう♪」
 勝手なことを言いながら俺に抱きつき、すりすりしまくる犬子だった。

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