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2025年04月22日
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【帰宅するとツンデレに「ごはんにする?お風呂にする?それとも死ぬ?」と言われました】
2010年01月25日
学校から帰ると梓が三つ指ついて出迎えてた。
「今日もお疲れさま、あなた。ごはんにする? お風呂にする? それとも……ぼ、ボク?」
「状況が全く飲み込めないが、ここで貴様以外を選択する理由が見当たらんので梓で!」
「は、はぅぅ……や、優しくしないと嫌だよ?」
「完全了承! では、いざ!」
ルパンダイブで梓に飛びついたのに、目の前には床。棚の上で目覚まし時計がじりりんと。
「……つまり、夢オチという最悪の結果だったので、やり直しを求める」
「夢のボクの責任を現実のボクに求めるなっ!」
登校して朝の出来事を梓に話したら、どういうことか怒られた。
「まあそう言うなよ、朴さん」
「梓だよっ! どこの人だよ!」
「や、ボクボク言ってたから間違った。それで朴さん、どうだろうか」
「間違ったままだよ! 梓って呼べ!」
「ん、んん。……梓?」
「……そ、そだよ。それでいいんだよ」
低音の魅力を満載して名前を呼んだら、梓は顔を赤くしながらうんうんうなずいた。
「で、でもまた間違える可能性があるから、もっかい呼んで? ……べ、別にボクの名前呼んでほしいだけじゃないよ?」
「分かってるよ、朴さん」
「もう間違ってる!?」
「そういうわけで、朴さんを騙くらかして出迎えさせることに成功した」
「間違ったまま勝手なナレーションを流された!?」
「そんなわけで放課後なのですが、梓さん」
「ようやっと名前が戻ったよ……今日ずーっと朴さん朴さん言われてたから、半ば朴さんになりかけてたよ」
「相変わらずの頭の悪さに安心しました」
「朴さんぱんち!」
朴さんぱんちを片手で避け、空いた手で梓のほっぺを引っ張りながら説明を続ける。
「朝にも言ったように、今から俺を出迎えてもらう。拒否は許されない」
「うーっ! ううーっ!」
「日本語でお願いします」
「……ぷはっ。ほっぺ引っ張られてたから喋れなかっただけだよっ!」
「む、それはすまない。次は乳首を引っ張ります」
「謝罪でセクハラ宣言するなっ、ばかっ!」
「ごめんね。じゃ、まず梓には俺の家に入ってもらう。で、俺好みのコスチュームに着替え、そして俺を出迎えてもらいます」
「色々問題が山積みだけど……コスチュームってなに?」
「ふく」
「それは完っぺきに分かってるよ! なんでタカシのためにコスプレなんかしなくちゃならないって聞いてるんだよ!」
「俺が小躍りするから。もし不満なのであれば、大踊りしますが」
「踊りの規模が不満じゃないの! なんだよ、大踊りって!」
「おおおどり、と“お”が三つも並ぶ景気のよい言語です」
「説明が説明じゃない!?」
「衣装はセーラー服、ブルマ、スクール水着、魔法少女、と種々様々取り揃えております。アイテムもエプロン、おたま、ネコミミ、魔法少女の杖、縦笛、ランドセルと色々あります」
「病気の人だ!!!」
断言されると辛い。
「お勧めはスクール水着とランドセル、そしてネコミミです。にゃーとか言え」
「本気の目だよ!?」
「じゃ、よろしく。着替えてなかったら全裸調教な」
「悪魔がここに降臨してるよ!」
なんかわにゃわにゃ言ってる梓を家に押し込む。
「うわ、ホントにいっぱいある。ていうか、朝の内に準備してたんだ……」
「用意周到だろ? 策士と呼んでくれ」
「策士はネコミミとか魔法少女の服とか持ってないと思う」
ぐぅの音も出ないことを言われつつ、しばし待つ。
「梓ー、もういいかー?」
「ま、まだ! ……ね、ねぇタカシ。本当に着なきゃダメ?」
「んー、嫌なら別にいいよ。ただ、ちょっとだけ外を裸で歩いてもらうけど」
「全裸調教だろっ! 分かったよ、着るから待ってろ!」
「早くしないと俺が寒くて辛いです」
「知らないよっ!」
それからしばらく寒風に吹かれてたら、自信なさげな声がドアの奥から聞こえてきた。
「い、いちおー着たけど……変でも笑うなよ?」
「分かった、笑わない。欲情するだけにするよ」
「もータカシはそこで一生過ごせっ!」
それは大変辛そうな一生なので、なんとか謝ってご機嫌を取り戻す。
「んじゃ、今から帰るので、出迎えてくださいね」
「わ、分かったよ……」
軽く髪と服を整え、ドアを開ける。
「や、やあ。いま帰ったよ」
「え、えと……お帰りなさい、タカシ。あの、ごはんにする? お風呂にする? それとも死ぬ?」
「最後ので! ……おや?」
「やったー! えへへっ、ボクの作戦勝ちーっ♪ どーせタカシのことだから、最後に『ボクにする?』って言うと思っただろ? えっへっへー、ボクの勝ちー♪」
やたら嬉しそうにくるくる踊ってるボクっ娘を見るのは大変楽しいですが、してやられたのは悔しい。
「んじゃね、死んで?」
「自分の発言だ。仕方ない、死のう。でも、その前にひとつだけ」
「ん? なに?」
「大変可愛いですね」
「う……」
梓は俺が先ほど言ったスク水+ランドセル+ネコミミというフル装備をしていた。お釈迦さまでも一撃でダウンするほどの可愛さを誇っているので頭がおかしくなります。
「だ、だって、どんなの着たらいいか分かんなかったもん! なんかさ、こんなのがいーって言ってたし……」
「少々記号が多くて乱雑になるかと思ったが……なかなかどうして、素晴らしいじゃないか! にゃーとか言え」
「言うもんか! いーから早く死ぬの!」
「ふむ。じゃ、死ぬので可愛いポーズをとれ」
「へ? なんで?」
「梓の可愛さのあまり悶死する、という方法を採ったので。さ、お早く」
「よ、よく分かんないけど、分かった。えと……こう?」
梓は四つんばいになり、右手を顔の横に添え、くいくいと手招きした。
「え、ええと……にゃー?」
「ちょっと俺の部屋に行こうね」
「間違いなく何かされる!? ていうか、こら! 触るな!」
梓をお姫さま抱っこして連れ去ろうとしたら、ぺこぽこ叩かれた。
「いやぁははは可愛いなあチクショウ!」
「泣きながら笑ってる!?」
「……何やってんのアンタら」
突然振って沸いた声に後ろを振り向くと、見慣れた顔。
「やあ母さん。なんというタイミングのご帰還か」
「……まあね、梓ちゃんも色々あるかもしれないけど、これは選ばない方がいいよ」
「ふふ。実の親にこれ呼ばわりされる事実」
母さんにべこんぼこんにされ、さらに縄でぐるぐる巻きにされ、部屋の隅っこに転がされています。
「あ、あの、やりすぎじゃ……」
「あ、いーのいーの。これくらいじゃ死なない程度には鍛えてるから」
「虐待じゃないのか鬼婆」
「黙れ火星人」
「ぐはあっ!」
思わぬ反射ダメージを喰らい、致死ダメージを受ける。
「え、火星人……?」
梓には何のことか分かってないのがせめてもの救いか。
「あー……。あのね、梓ちゃん。火星人って言うのは」
「説明するな俺を産んだ人!」
俺の願いは届かなかった。
「あ、あの、タカシ? ぼ、ボクは気にしないよ?」
梓に慰められるということが俺のプライドを大層傷つけます。
「しくしくしくしく」
「あっはっは! あー楽しかった。そこで泣いてる馬鹿、後で玄関片付けて置くように。それから梓ちゃん、そろそろその頭おかしい服を着替えたほうがいいんじゃない?」
「頭おかしいとは何だ! スク水にネコミミにランドセルだぞ!? こんな可愛いのに、可愛いのに……!」
「親に自分の性癖を力説するな」
もっともなことを言って、母さんは部屋から出て行った。続けて梓も出て行こうとしたが、こちらに小走りでやってきた。
「あ、あのね。……ホントに可愛いって思った?」
「ん? そりゃ、もちろん」
「そ、そっか。……あ、あのさ。また着てあげよっか?」
「マジで!?」
「う、うん。……べ、別にタカシのためにじゃなくて、ボクがちこっと気に入ったからだよ? ……ほ、ホントに」
「理由はどうでもいい! またその格好を見れるのであれば、悪魔に梓の魂を売ることも厭わない!」
「自分のを売れ! ……えへへっ、でも、そんな好きなの?」
「うん。とっても可愛いよね」
「へ、へへ、えへへ……そ、そう? ボク、可愛い?」
「超可愛い。結婚してえ」
「けっ、けっ!? そそそんなまだ早いよ! でっ、でもどーしてもって言うならボクは!?」
「メダパニ」
「う~……とっ、とにかくまたねっ!」
梓は顔を真っ赤にして部屋から出て行った。大変楽しかったので、今度は母さんがいない時間帯を狙ってまたしたいです。
「今日もお疲れさま、あなた。ごはんにする? お風呂にする? それとも……ぼ、ボク?」
「状況が全く飲み込めないが、ここで貴様以外を選択する理由が見当たらんので梓で!」
「は、はぅぅ……や、優しくしないと嫌だよ?」
「完全了承! では、いざ!」
ルパンダイブで梓に飛びついたのに、目の前には床。棚の上で目覚まし時計がじりりんと。
「……つまり、夢オチという最悪の結果だったので、やり直しを求める」
「夢のボクの責任を現実のボクに求めるなっ!」
登校して朝の出来事を梓に話したら、どういうことか怒られた。
「まあそう言うなよ、朴さん」
「梓だよっ! どこの人だよ!」
「や、ボクボク言ってたから間違った。それで朴さん、どうだろうか」
「間違ったままだよ! 梓って呼べ!」
「ん、んん。……梓?」
「……そ、そだよ。それでいいんだよ」
低音の魅力を満載して名前を呼んだら、梓は顔を赤くしながらうんうんうなずいた。
「で、でもまた間違える可能性があるから、もっかい呼んで? ……べ、別にボクの名前呼んでほしいだけじゃないよ?」
「分かってるよ、朴さん」
「もう間違ってる!?」
「そういうわけで、朴さんを騙くらかして出迎えさせることに成功した」
「間違ったまま勝手なナレーションを流された!?」
「そんなわけで放課後なのですが、梓さん」
「ようやっと名前が戻ったよ……今日ずーっと朴さん朴さん言われてたから、半ば朴さんになりかけてたよ」
「相変わらずの頭の悪さに安心しました」
「朴さんぱんち!」
朴さんぱんちを片手で避け、空いた手で梓のほっぺを引っ張りながら説明を続ける。
「朝にも言ったように、今から俺を出迎えてもらう。拒否は許されない」
「うーっ! ううーっ!」
「日本語でお願いします」
「……ぷはっ。ほっぺ引っ張られてたから喋れなかっただけだよっ!」
「む、それはすまない。次は乳首を引っ張ります」
「謝罪でセクハラ宣言するなっ、ばかっ!」
「ごめんね。じゃ、まず梓には俺の家に入ってもらう。で、俺好みのコスチュームに着替え、そして俺を出迎えてもらいます」
「色々問題が山積みだけど……コスチュームってなに?」
「ふく」
「それは完っぺきに分かってるよ! なんでタカシのためにコスプレなんかしなくちゃならないって聞いてるんだよ!」
「俺が小躍りするから。もし不満なのであれば、大踊りしますが」
「踊りの規模が不満じゃないの! なんだよ、大踊りって!」
「おおおどり、と“お”が三つも並ぶ景気のよい言語です」
「説明が説明じゃない!?」
「衣装はセーラー服、ブルマ、スクール水着、魔法少女、と種々様々取り揃えております。アイテムもエプロン、おたま、ネコミミ、魔法少女の杖、縦笛、ランドセルと色々あります」
「病気の人だ!!!」
断言されると辛い。
「お勧めはスクール水着とランドセル、そしてネコミミです。にゃーとか言え」
「本気の目だよ!?」
「じゃ、よろしく。着替えてなかったら全裸調教な」
「悪魔がここに降臨してるよ!」
なんかわにゃわにゃ言ってる梓を家に押し込む。
「うわ、ホントにいっぱいある。ていうか、朝の内に準備してたんだ……」
「用意周到だろ? 策士と呼んでくれ」
「策士はネコミミとか魔法少女の服とか持ってないと思う」
ぐぅの音も出ないことを言われつつ、しばし待つ。
「梓ー、もういいかー?」
「ま、まだ! ……ね、ねぇタカシ。本当に着なきゃダメ?」
「んー、嫌なら別にいいよ。ただ、ちょっとだけ外を裸で歩いてもらうけど」
「全裸調教だろっ! 分かったよ、着るから待ってろ!」
「早くしないと俺が寒くて辛いです」
「知らないよっ!」
それからしばらく寒風に吹かれてたら、自信なさげな声がドアの奥から聞こえてきた。
「い、いちおー着たけど……変でも笑うなよ?」
「分かった、笑わない。欲情するだけにするよ」
「もータカシはそこで一生過ごせっ!」
それは大変辛そうな一生なので、なんとか謝ってご機嫌を取り戻す。
「んじゃ、今から帰るので、出迎えてくださいね」
「わ、分かったよ……」
軽く髪と服を整え、ドアを開ける。
「や、やあ。いま帰ったよ」
「え、えと……お帰りなさい、タカシ。あの、ごはんにする? お風呂にする? それとも死ぬ?」
「最後ので! ……おや?」
「やったー! えへへっ、ボクの作戦勝ちーっ♪ どーせタカシのことだから、最後に『ボクにする?』って言うと思っただろ? えっへっへー、ボクの勝ちー♪」
やたら嬉しそうにくるくる踊ってるボクっ娘を見るのは大変楽しいですが、してやられたのは悔しい。
「んじゃね、死んで?」
「自分の発言だ。仕方ない、死のう。でも、その前にひとつだけ」
「ん? なに?」
「大変可愛いですね」
「う……」
梓は俺が先ほど言ったスク水+ランドセル+ネコミミというフル装備をしていた。お釈迦さまでも一撃でダウンするほどの可愛さを誇っているので頭がおかしくなります。
「だ、だって、どんなの着たらいいか分かんなかったもん! なんかさ、こんなのがいーって言ってたし……」
「少々記号が多くて乱雑になるかと思ったが……なかなかどうして、素晴らしいじゃないか! にゃーとか言え」
「言うもんか! いーから早く死ぬの!」
「ふむ。じゃ、死ぬので可愛いポーズをとれ」
「へ? なんで?」
「梓の可愛さのあまり悶死する、という方法を採ったので。さ、お早く」
「よ、よく分かんないけど、分かった。えと……こう?」
梓は四つんばいになり、右手を顔の横に添え、くいくいと手招きした。
「え、ええと……にゃー?」
「ちょっと俺の部屋に行こうね」
「間違いなく何かされる!? ていうか、こら! 触るな!」
梓をお姫さま抱っこして連れ去ろうとしたら、ぺこぽこ叩かれた。
「いやぁははは可愛いなあチクショウ!」
「泣きながら笑ってる!?」
「……何やってんのアンタら」
突然振って沸いた声に後ろを振り向くと、見慣れた顔。
「やあ母さん。なんというタイミングのご帰還か」
「……まあね、梓ちゃんも色々あるかもしれないけど、これは選ばない方がいいよ」
「ふふ。実の親にこれ呼ばわりされる事実」
母さんにべこんぼこんにされ、さらに縄でぐるぐる巻きにされ、部屋の隅っこに転がされています。
「あ、あの、やりすぎじゃ……」
「あ、いーのいーの。これくらいじゃ死なない程度には鍛えてるから」
「虐待じゃないのか鬼婆」
「黙れ火星人」
「ぐはあっ!」
思わぬ反射ダメージを喰らい、致死ダメージを受ける。
「え、火星人……?」
梓には何のことか分かってないのがせめてもの救いか。
「あー……。あのね、梓ちゃん。火星人って言うのは」
「説明するな俺を産んだ人!」
俺の願いは届かなかった。
「あ、あの、タカシ? ぼ、ボクは気にしないよ?」
梓に慰められるということが俺のプライドを大層傷つけます。
「しくしくしくしく」
「あっはっは! あー楽しかった。そこで泣いてる馬鹿、後で玄関片付けて置くように。それから梓ちゃん、そろそろその頭おかしい服を着替えたほうがいいんじゃない?」
「頭おかしいとは何だ! スク水にネコミミにランドセルだぞ!? こんな可愛いのに、可愛いのに……!」
「親に自分の性癖を力説するな」
もっともなことを言って、母さんは部屋から出て行った。続けて梓も出て行こうとしたが、こちらに小走りでやってきた。
「あ、あのね。……ホントに可愛いって思った?」
「ん? そりゃ、もちろん」
「そ、そっか。……あ、あのさ。また着てあげよっか?」
「マジで!?」
「う、うん。……べ、別にタカシのためにじゃなくて、ボクがちこっと気に入ったからだよ? ……ほ、ホントに」
「理由はどうでもいい! またその格好を見れるのであれば、悪魔に梓の魂を売ることも厭わない!」
「自分のを売れ! ……えへへっ、でも、そんな好きなの?」
「うん。とっても可愛いよね」
「へ、へへ、えへへ……そ、そう? ボク、可愛い?」
「超可愛い。結婚してえ」
「けっ、けっ!? そそそんなまだ早いよ! でっ、でもどーしてもって言うならボクは!?」
「メダパニ」
「う~……とっ、とにかくまたねっ!」
梓は顔を真っ赤にして部屋から出て行った。大変楽しかったので、今度は母さんがいない時間帯を狙ってまたしたいです。
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【もこもこツンデレ】
2010年01月24日
近頃冷え込んできたせいか、登校途中に発見したボクっ娘が俺の知らない領域に踏み出していた。
「うー……最近寒いね、タカシ」
「俺は知らなかったのですが、ボクっ娘って進化したら羊になるのですね」
「違うよ!? これは別に羊に進化じゃなくて、もこもこした服を着込んでるだけだよ!?」
「そりゃそうだ。……いや、普通に納得してもつまらん。よし、いいがかりをつけよう!」
「宣言!?」
「まだ秋だというのに、そんなモコモコした服を着込むはずがない。故に、そのモコモコは進化によって出来た梓の体毛……つまりそれこそが、羊に進化した証拠なのだ!」
「いいがかりってあらかじめ言ってる人に言うのはすっごくすっごく面倒くさいけど、一応言うね。そんなわけないよ」
「もっと乗れ」
「じゃあもっと騙す努力しろっ!」
「されはさておき、暖かそうですね」
「適当に流すしぃ……まぁいいや。あのね、これね、暖かいんだよ。着てみる?」
「でも、着た途端呪いのSEが流れそうだしいいや」
「呪われてないよ!? ……仮に呪われてたとして、どんな呪いなの?」
「俺を好きになる呪い」
「なーんだ。そんなの意味ないよ」
「ほう?」
「だってもう好……な、なななんでもない、なんでもないよ!?」
「なんだと!? じゃあこの話の続きを話すか今すぐ俺の肉奴隷になるか好きな方を選べ!」
「タカシ無茶苦茶だよぅ!?」
「もしくは俺にそのもこもこ服を少し着させてください」
「……寒いの?」
こっくりうなずく。話してる最中に風が吹いて寒いのなんの。
「もー、しょうがないなあ……はい、ボクも寒いからちょっとの間だけだよ?」
もこもこ服を脱ごうとする梓だったが、その間だけでも寒いのは可哀想だな。どうしよう。……そうだ!
「超名案が浮かんだので可決!」
俺内部の内閣がなんやかんや言いあった結果を実行する。
「たっ、たたたっ、タカシ!?」
「うむ。やはりボクっ娘という生き物は子供だけあって体温が高く、大変暖かい」
ボクっ娘の背中からむぎぅっと抱っこするという法案は、俺も梓も暖かくて誰も悲しまなくてすむのでいいなあ。
「こっ、子供じゃないよ、同級生だよっ!」
「同級生なら胸に膨らみを作ってはどうか」
「……将来に期待だよっ!」
「なるほど、俺が乳を揉みまくり、その結果分泌される女性ホルモンにより乳を巨大化させる目論見か! でも俺は小さい方が好きなので困った」
「み、道端で変なこと叫ぶな、ばかぁ!」
「ぬ、それなら次からは夜にこっそり囁く。主にお前の部屋のクローゼットの中で」
「妖怪クローゼット潜み!?」
なんだその妖怪。
「それはそうと、大分温まりました。ありがとうございました」
礼を言って梓から離れる。
「あ……」
一瞬顔を曇らせたが、次の瞬間梓は偉そうに腰に手をあててふんぞり返った。
「ま、まったくだよ。ボクが相手だからいーけど、これが他の人なら通報されてるよ」
「お前にしかこんなことしねーよ。俺にだって選ぶ権利くらいある」
「う……た、たりゃー!」
突然梓がチョップしてきた。
「た、タカシになんか選ばれたって嬉しくないよーだ! べろべろばー!」
「べろべろばー怖い! 助けて神様!」
「……いや、脅したわけじゃないんだけど」
「……ふぅ。これで今日の夜にべろべろばーの神が降臨し、お前を惨さ……いや、なんでもない」
「殺される!? ていうかべろべろばーが怖いのに、べろべろばーの神様にお願いするってどういうこと!?」
「ぬう。いかん、また冷えてきた」
「ちっとも聞いてない!? ……そ、そんなダメな奴は、こうだっ!」
梓は俺の手を掴むと、そのままもこもこ服のポケットに突っ込んだ。
「……あ、暖かいだろ?」
顔の赤さを誤魔化すためか、ポケットの中で俺の手がきゅっと握られる。
「あ、ああ、その、なんだ、結婚してください」
「なんでプロポーズだよっ!」
残念ながら断られたが、そのまま学校まで手を繋いで登校した。
「うー……最近寒いね、タカシ」
「俺は知らなかったのですが、ボクっ娘って進化したら羊になるのですね」
「違うよ!? これは別に羊に進化じゃなくて、もこもこした服を着込んでるだけだよ!?」
「そりゃそうだ。……いや、普通に納得してもつまらん。よし、いいがかりをつけよう!」
「宣言!?」
「まだ秋だというのに、そんなモコモコした服を着込むはずがない。故に、そのモコモコは進化によって出来た梓の体毛……つまりそれこそが、羊に進化した証拠なのだ!」
「いいがかりってあらかじめ言ってる人に言うのはすっごくすっごく面倒くさいけど、一応言うね。そんなわけないよ」
「もっと乗れ」
「じゃあもっと騙す努力しろっ!」
「されはさておき、暖かそうですね」
「適当に流すしぃ……まぁいいや。あのね、これね、暖かいんだよ。着てみる?」
「でも、着た途端呪いのSEが流れそうだしいいや」
「呪われてないよ!? ……仮に呪われてたとして、どんな呪いなの?」
「俺を好きになる呪い」
「なーんだ。そんなの意味ないよ」
「ほう?」
「だってもう好……な、なななんでもない、なんでもないよ!?」
「なんだと!? じゃあこの話の続きを話すか今すぐ俺の肉奴隷になるか好きな方を選べ!」
「タカシ無茶苦茶だよぅ!?」
「もしくは俺にそのもこもこ服を少し着させてください」
「……寒いの?」
こっくりうなずく。話してる最中に風が吹いて寒いのなんの。
「もー、しょうがないなあ……はい、ボクも寒いからちょっとの間だけだよ?」
もこもこ服を脱ごうとする梓だったが、その間だけでも寒いのは可哀想だな。どうしよう。……そうだ!
「超名案が浮かんだので可決!」
俺内部の内閣がなんやかんや言いあった結果を実行する。
「たっ、たたたっ、タカシ!?」
「うむ。やはりボクっ娘という生き物は子供だけあって体温が高く、大変暖かい」
ボクっ娘の背中からむぎぅっと抱っこするという法案は、俺も梓も暖かくて誰も悲しまなくてすむのでいいなあ。
「こっ、子供じゃないよ、同級生だよっ!」
「同級生なら胸に膨らみを作ってはどうか」
「……将来に期待だよっ!」
「なるほど、俺が乳を揉みまくり、その結果分泌される女性ホルモンにより乳を巨大化させる目論見か! でも俺は小さい方が好きなので困った」
「み、道端で変なこと叫ぶな、ばかぁ!」
「ぬ、それなら次からは夜にこっそり囁く。主にお前の部屋のクローゼットの中で」
「妖怪クローゼット潜み!?」
なんだその妖怪。
「それはそうと、大分温まりました。ありがとうございました」
礼を言って梓から離れる。
「あ……」
一瞬顔を曇らせたが、次の瞬間梓は偉そうに腰に手をあててふんぞり返った。
「ま、まったくだよ。ボクが相手だからいーけど、これが他の人なら通報されてるよ」
「お前にしかこんなことしねーよ。俺にだって選ぶ権利くらいある」
「う……た、たりゃー!」
突然梓がチョップしてきた。
「た、タカシになんか選ばれたって嬉しくないよーだ! べろべろばー!」
「べろべろばー怖い! 助けて神様!」
「……いや、脅したわけじゃないんだけど」
「……ふぅ。これで今日の夜にべろべろばーの神が降臨し、お前を惨さ……いや、なんでもない」
「殺される!? ていうかべろべろばーが怖いのに、べろべろばーの神様にお願いするってどういうこと!?」
「ぬう。いかん、また冷えてきた」
「ちっとも聞いてない!? ……そ、そんなダメな奴は、こうだっ!」
梓は俺の手を掴むと、そのままもこもこ服のポケットに突っ込んだ。
「……あ、暖かいだろ?」
顔の赤さを誤魔化すためか、ポケットの中で俺の手がきゅっと握られる。
「あ、ああ、その、なんだ、結婚してください」
「なんでプロポーズだよっ!」
残念ながら断られたが、そのまま学校まで手を繋いで登校した。
【喫茶店で朝食をとっているとツンデレがやってきました】
2010年01月24日
休日の朝は喫茶店でモーニングを。……かっこいい、かっこよすぎる。もし俺が乙女であれば、今すぐ全裸で飛びついているところだろう。
「あっ、タカシだ。……なんで来たの?」
そんなことを夢想しながらコーヒーを傾けていると、エプロン姿のボクっ娘が店の奥からやってきた。
「貴様、俺の朝の素晴らしい妄想をボクっ娘特有の甘ったるい声で汚すなっ!」
「朝から酷い! 何もかもが!」
困ったことに何も反論できない。
「まあいいや。お座りなさいな」
「もー……なんで朝から怒鳴られなくちゃなんないんだよ」
文句を言いながらも対面のソファに腰を沈めるボクっ娘。
「朝から不愉快だよ。だからご飯おごりね」
「すいません、味噌トーストを目の前のばかっぽい娘に一つ与えてください」
「そんなのないし、ばかっぽいってなんだよ!」
髭顔のマスターにめぬーを伝えると、梓が怒った。
「訂正。おばかな娘にひとつ作ってやってはくれませんか」
「うー!」
「痛いです」
涙目で人の頬を全力で引っ張るボクっ娘な人。
「もー! いじわるばっか言って! おとーさん、ボクトースト。あとホットミルクちょーだい」
「おとーさん? 果て面妖な、お前は髭面の人物をお父さんと呼ぶ習慣があるのですか?」
「ここボクの家! で、あっこでせまそーにちょこまかしてるのボクのおとーさん! 何度も来てるんだから知ってるだろ!」
ちらりとマスターに視線を向けると、会釈された。……お父さん?
「ええと、マジで?」(ひそひそ)
「あれ、知らなかった? ボク、てっきり知ってるもんだと思ってたけど」
いったいどこの遺伝子が目の前のぽややんとした生き物に伝達されたのか検討もつかないが、カウンターの向こうでミルク入れてる熊みたいな生物はこやつの親らしい。
「ひ、髭サイコー。俺も将来は髭生やすんだー」
「別に怒ってないと思うよ。ていうか、おとーさんが怒ってるところ見たことないし」
「ほう。では、俺がお前を嫁に貰うと言っても怒らないのだな?」
「よっ、よよよよよ嫁っ!?」
ぐしゃり、と何かが潰れる音がした。見ると、マスターの持っていたケトルの柄が砕けていた。なんつー力だ。
「見ろ、梓。あれが俺の未来予想図だ」
「潰れるの!?」
「それも已む無し、かなあ」
上半身は平常を保ちつつ下半身ガクガク震わせていると、マスターがやってきた。潰れるの?
「お、おとーさん、ダメだよ、こんなのでもいちおー友達なんだよ! 全然、恋人とかじゃないから!」
「確かに。だが、友達以上恋人未満の状態にあると自負している」
「なななんでこんな時にそんな自殺わーどを口にするんだよっ!?」
親父さんの手がこちらに向かってくる。死んだに違いない、と思ってたら、目の前にアイスが置かれた。
「これ、サービス。今後もよろしく」
そう言って小さく地響きを立てながらカウンターの向こう(棲家)に戻っていく熊、もとい梓の親父さん。
「……ふー。いやはや、死んだと思った」
「じゃーあーゆーことわざわざ言うなっ、ばかっ!」
「いやあ、将来の親に嘘を言うのもなんだし」
「まったくもー。……へ?」
「もしゃもしゃ。む、このアイスうまい」
「え、あの、それ自家製なの。じゃなくて、今の……え?」
「お前も食うか? ほい、あーん」
「じゃなくてじゃなくて! さっき! なんか! すっごいワードが飛び出したよーな!」
「あーん」
「だから! そじゃなくて!」
「あーん」
「……も、もう。あ、あーん」
ためらいがちに開いた口に、アイスを入れる。
「もにゅもにゅ。……うー、おいしい。おいしーけど、おとーさんの前でこーゆーことするの、……ちょっと恥ずかしーよ」
「お前は恥ずかしいで済むが、俺は死の危険と隣り合わせと言うことをお忘れなく」
さっきから熊(梓の親父)が俺を超睨んでるし!
「じゃあなんですんだよ!」
「本当はするつもりなんてなかったんだけど、梓を目の前にすると我慢できなくなった」
「う!? ……う、うー!」
「鼻を摘まむな」
「そ、そっちこそ恥ずかしーこと真顔でゆーな、ばかっ!」
「一発芸、ヘリウムを吸い込んだ声」
「鼻つまんでたら誰でもそーなるの!」
朝からやかましい俺たちだった。
「あっ、タカシだ。……なんで来たの?」
そんなことを夢想しながらコーヒーを傾けていると、エプロン姿のボクっ娘が店の奥からやってきた。
「貴様、俺の朝の素晴らしい妄想をボクっ娘特有の甘ったるい声で汚すなっ!」
「朝から酷い! 何もかもが!」
困ったことに何も反論できない。
「まあいいや。お座りなさいな」
「もー……なんで朝から怒鳴られなくちゃなんないんだよ」
文句を言いながらも対面のソファに腰を沈めるボクっ娘。
「朝から不愉快だよ。だからご飯おごりね」
「すいません、味噌トーストを目の前のばかっぽい娘に一つ与えてください」
「そんなのないし、ばかっぽいってなんだよ!」
髭顔のマスターにめぬーを伝えると、梓が怒った。
「訂正。おばかな娘にひとつ作ってやってはくれませんか」
「うー!」
「痛いです」
涙目で人の頬を全力で引っ張るボクっ娘な人。
「もー! いじわるばっか言って! おとーさん、ボクトースト。あとホットミルクちょーだい」
「おとーさん? 果て面妖な、お前は髭面の人物をお父さんと呼ぶ習慣があるのですか?」
「ここボクの家! で、あっこでせまそーにちょこまかしてるのボクのおとーさん! 何度も来てるんだから知ってるだろ!」
ちらりとマスターに視線を向けると、会釈された。……お父さん?
「ええと、マジで?」(ひそひそ)
「あれ、知らなかった? ボク、てっきり知ってるもんだと思ってたけど」
いったいどこの遺伝子が目の前のぽややんとした生き物に伝達されたのか検討もつかないが、カウンターの向こうでミルク入れてる熊みたいな生物はこやつの親らしい。
「ひ、髭サイコー。俺も将来は髭生やすんだー」
「別に怒ってないと思うよ。ていうか、おとーさんが怒ってるところ見たことないし」
「ほう。では、俺がお前を嫁に貰うと言っても怒らないのだな?」
「よっ、よよよよよ嫁っ!?」
ぐしゃり、と何かが潰れる音がした。見ると、マスターの持っていたケトルの柄が砕けていた。なんつー力だ。
「見ろ、梓。あれが俺の未来予想図だ」
「潰れるの!?」
「それも已む無し、かなあ」
上半身は平常を保ちつつ下半身ガクガク震わせていると、マスターがやってきた。潰れるの?
「お、おとーさん、ダメだよ、こんなのでもいちおー友達なんだよ! 全然、恋人とかじゃないから!」
「確かに。だが、友達以上恋人未満の状態にあると自負している」
「なななんでこんな時にそんな自殺わーどを口にするんだよっ!?」
親父さんの手がこちらに向かってくる。死んだに違いない、と思ってたら、目の前にアイスが置かれた。
「これ、サービス。今後もよろしく」
そう言って小さく地響きを立てながらカウンターの向こう(棲家)に戻っていく熊、もとい梓の親父さん。
「……ふー。いやはや、死んだと思った」
「じゃーあーゆーことわざわざ言うなっ、ばかっ!」
「いやあ、将来の親に嘘を言うのもなんだし」
「まったくもー。……へ?」
「もしゃもしゃ。む、このアイスうまい」
「え、あの、それ自家製なの。じゃなくて、今の……え?」
「お前も食うか? ほい、あーん」
「じゃなくてじゃなくて! さっき! なんか! すっごいワードが飛び出したよーな!」
「あーん」
「だから! そじゃなくて!」
「あーん」
「……も、もう。あ、あーん」
ためらいがちに開いた口に、アイスを入れる。
「もにゅもにゅ。……うー、おいしい。おいしーけど、おとーさんの前でこーゆーことするの、……ちょっと恥ずかしーよ」
「お前は恥ずかしいで済むが、俺は死の危険と隣り合わせと言うことをお忘れなく」
さっきから熊(梓の親父)が俺を超睨んでるし!
「じゃあなんですんだよ!」
「本当はするつもりなんてなかったんだけど、梓を目の前にすると我慢できなくなった」
「う!? ……う、うー!」
「鼻を摘まむな」
「そ、そっちこそ恥ずかしーこと真顔でゆーな、ばかっ!」
「一発芸、ヘリウムを吸い込んだ声」
「鼻つまんでたら誰でもそーなるの!」
朝からやかましい俺たちだった。