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2024年11月24日
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【何だか酷く眠いので、ツンデレに膝枕をねだってみたら】

2010年03月13日
「なんだか眠いので、ここは一つボクっ娘の膝枕で寝てみよう。それにはまずボクっ娘をいい気にさせる必要があるため、世辞の一つでも言わねばならない。膝枕のためとはいえ、ボクっ娘に世辞を言うのは非常に憂鬱だ」
「じゃあ言わなきゃいいじゃん! ていうかそーゆーことは本人の目の前で言うなっ! あと、何回も何回も言ってるけどボクっ娘ってゆーな!」
 梓の家に来た途端眠くなってこのザマです。さて、褒めよう。
「最近梓の爪って短いよな。いい爪切り持ってんだな。……よし、褒めた!」
「それ褒めてない! コンビニで買った普通の爪切り! ほら、褒める場所なんてもっとあるじゃん? ボーイッシュな所が可愛いとか、控えめな胸が好みだとか、人よりやや小さいところがたまらんとか……ね?」
「ふぅ……さてと。膝枕して」
「まだ世辞言われてないっ! やり切った男の顔すんなっ!」
「眠ぃんだよ……ふわあああ」
「口も隠さないでアクビしてぇ……それにしても、おっきな口だね。手、入るかな?」
 手を握って俺の口の中に入れようとするので、べろりと舐めてやる。
「うわわわわ! な、なめた! ボクの手舐めた!」
「うぐぐ、梓の手に生えてる毛が口の中に。まるで意思を持っているかのように、剛毛がのどちんこにからみつく」
「毛なんて生えてない! い、いや、そりゃ産毛は生えてるけど、剛毛じゃないよ! ほら見てほらほら!」
 梓が手をぐりぐり目に押し付けてくる。痛い。
「分かった分かった。梓はまだ生えてないと。パイパンと」
「なななっ、何の話だよっ! は、生えてるよっ! ……ちょっとだけど」
「ほう。確認のため見せて」
「みっ、見せるわけないだろ、ばかっ!」
「じゃあ膝枕。断ると下の毛検査になります」
「どんな選択肢なんだよっ! タカシ横暴だよ、横暴王だよ!」
「いいからひざまくらー。いやなら胸枕でも……あ、いや、なんでもない。ごめん」
「ボクの胸見て謝った!? タカシ失礼が過ぎるよ!」
「平らな所だと、熟睡できないんだ」
「つるぺたいと!? かちーんときたよ! もー絶対膝枕なんてしてやんない!」
「がーん」
「ふふ、ショック受けてるよ。やーいやーい、いい気味だよ」
「しょうがない。梓、ベッド借りるぞ」
 膝枕の方がよかったのだけど、無理なら仕方ない。ベッドに転がり、目をつむる。
「え……あれ、もう諦めるの? 諦めたらそこで試合しゅーりょーですよって、デブい人が言ってたよ?」
「デブい人の教えには何が何でも逆らえというのか別府家の家訓なんだ」
「また適当言ってぇ……ね、ホントにいいの? 膝枕、してほしかったんじゃないの?」
「眠気の勝利。もうダメ。ぱたり」
「……むー」
 不満そうな唸り声が聞こえたと思った瞬間、俺の顔に柔らかい何かが何度も叩きつけられた。
「いていて、いや本当は柔らか素材なので痛くないけど、なんか叩かれると痛いと言いがちな人間ですこんにちは」
 目を開けると、クッションを持った梓が俺の隣に座っていて、不満そうな顔をぶらさげていた。
「普通の人だったらさ、怒ってる人放って寝たりしないよ。ボク怒ってるんだから、ちゃんと謝るなりなんなりしてから寝てよ」
「んー、なんか分からんが、ごめん?」
「なんで疑問系なんだよ!」
「あーもー眠いんだよ。どうしろと言うのだ小童め」
「……え、えと、タカシは膝枕してほしいんだよね? だったらさ、ボクの出す交換条件に乗ったら、やってあげなくも」
「乗った」
「早ッ! まだ何の条件も出してないのに、いいの?」
「眠いので、早く膝枕をして欲しいです」
「わ、分かったよ。……で、でも、後で出すボクの条件に、ちゃんと応えないとダメだかんね! 絶対だかんね!」
 なんか言ってるけど、もう眠気がMAXを越しまくりなのでイモムシのように這いずって梓の膝に辿り着く。
「タカシ、瀕死のシャクトリムシみたい」
「ぐぅぐぅ」
「わ、膝枕した途端寝ちゃった。……へへ、ぷにぷに」
 頬を押されてるような、そんな。

「……ん、むぅ……」
「あ、起きた? タカシってば、どれだけ寝てるんだよ。ボク、足しびれちゃったよ」
「……んー、む」
「まだ寝てるね。ほら、起きて起きて。次はボクのお願い聞いてもらう番だからね」
「あー……分かった。ギャルのパンティをおまえに贈ろう」
「そんなお願いしてないっ! ほら、起っき起っき」
 座らされたが、まだ眠いので体ぐにゃぐにゃ頭まわらない梓犬っぽい。
「ええとね、ボクのお願いは」
「ぐー」
「また寝てる! もうっ、起ーきーろっ!」
 体を揺らされたので目を開けると、目の前に梓の顔がどアップでした。
「ぶちゅー」
「ふひゃっ!?」
 なので、鼻にキスしてみる。理由? 眠い人にそんなことを聞くのは野暮ってもんだろうが!(逆切れ)
「はっ、はな! ボクの鼻にちゅーした!」
「俺が、梓の鼻にキスを? はは、馬鹿な」
「しただろ! 嘘つくなよ! ちゅーってしたじゃん!」
「前世の記憶が蘇ったので、つい」
「ぜんせ? 鼻にキスする人……なに?」
「鼻にキスするマン」
「…………」
「寝起きだとこんなもんですよ?」
「うるさいっ! あーもーいいからボクのお願い聞くの! いい? いいね!」
「あい」
「じゃ、じゃあ……えっと、えっと、……えっとね、深い意味はないよ? ないけど、その……」
「鼻にキスか。ずいぶん気に入ったんだな」
「違うっ! ぎゅーってしてほしいの!」
「…………」
「……な、なんだよ。いいだろ別にっ! ぎゅーくらい、いいじゃん!」
「や、まあいいけど」
「“けど”なんだよっ! 思ったこと全部言えよっ!」
「梓は俺のことが大好きなんだなあと思った」
「ぜっ、ぜぜぜ、全然! まったく! ちっともだよ! な、なーにを言ってるのかな、この人は。勘違いも甚だしいよ」
「梓の顔は見てるこっちが気の毒になるほど真っ赤になっていたが、俺は優しいキャラで売ってるので黙っておくことに決めた」
「メチャ言ってるよぉ!? タカシ優しいフリして、すっごくいじわるだよ!」
「で、どうします? 俺としてはぎゅーとしても構いませんが。というか、したいですが。さらに、ぎゅーからすりすりへ移行し、頭なでなでへのコンボになるやもしれませんが」
「な、なにその致死コンボ! ……い、いいの?」
「もちろん。梓のためなら、なんだってしてあげたいからさ」
 一瞬間を置いてから、梓の顔がボンという音を立てて赤くなった。
「な、ななななな、なにを言ってんだよお!? そ、そんな……ば、ばかじゃないの? ぼ、ボクのためならって……は、はぅぅ」
「や、膝枕してもらったから、その分はなんだってしてあげないと」
「……あ、そ、そうだよね。そういう意味だよね。……もっ、勿論分かってたよ! 他の意味で捉えたりなんてしてないし!」
「はぁ」
「ほ、ほら、そんなのいいから早くぎゅーしてよ! ……ちょ、ちょっと誰かにぎゅーってされたいからお願いしただけだからね! 別に誰でもよかったんだけど、近くにいたのタカシだけだったから!」
「じゃあ、今から友達に連絡してみよ」
 携帯を取り出しボタンを押すフリをしたら、素早くもぎ取られ、窓から捨てられた。
「携帯なくなっちゃったから無理! ほら、早く!」
「……軽い冗談に、すごい対応をしますね、梓たん」
「いいから早くしろっ!」
「あー、はいはい。むぎゅー」
 梓の小さな体を、すっぽり包み込むようにぎゅっと抱きしめる。
「は、はぅぅ……」
「はうう」
「……な、なんだよ。ちょっと声が漏れただけだよ」
 目を逸らしながら、少し恥ずかしそうに梓は言った。
「むぎゅー」
「は、はぅぅ……」
「はうう」
「…………」
「はうう」
「タカシのいじわるいじわるいじわる! タカシって超いじわるだよ!」
「むぎゅー」
「は、はぅぅ……」
「……あー、もう! 可愛いなあコンチクショウ!」
 辛抱たまらなくなって、梓にほおずりする。ぷにぷにだ。
「うぅぅぅぅ……タカシなんて嫌いだよぉ!」
 割とかなりすごく楽しい一日でした。

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