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2024年11月24日
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【ボクっ娘は辛いものが苦手のようです】
2010年02月04日
寒いのでラーメンが食いたいラーメン。
「というわけで、ラーメン屋に来ました」
「うわわっ、知らない間に連れてこられてる!?」
俺に腕を掴まれびっくりしてるボクっ娘は愉快だなあ。
「さて、ボクっ娘よ。何食う?」
「ボクっ娘ってゆーな! 梓って呼べ! あと、ボクは食べないよ。タカシが無理やり連れてきたから、お金持ってくる暇なかったもん」
「あ、店員さん。チャーシュー麺とギョーザ、それと四川坦々麺をお願いします」
「聞いてないよこの人!?」
なんか知らんがびっくりしてる梓の横で、淡々と注文を聞く店員さん。
店員さんの後姿を見送り、梓のほっぺをなんとなく引っ張りながらラーメンが来るのを待つ。
「むにー……あのさ、さっきも言ったけど、ボク、お金ないんだけど……」
「あらかじめ警察呼んでおこうか?」
「普通おごるだろ! こーゆー展開だと!」
変なことを言う梓のほっぺをむにむにしてたら、注文した品々が来た。
「よし、食うぞ。梓、お前どれ食いたい?」
「えっとねえ……って選んでるのにチャーシュー麺取られた!?」
「ずぞぞぞぞーっ。んむ、うまい」
「うー……ボクもチャーシュー麺がよかったのに……タカシのばか」
「まあそう言うな、坦々麺もうまいぞ?」
「汁が真っ赤じゃん! 辛いよコレ絶対! それでなくても熱いの苦手なのに!」
「知ってます」
「タカシから悪意を感じるよ!」
「知ってます」
「うー……ね、ね、交換しない? ほら、タカシ辛いの好きじゃん」
「好きだけど、それ以上に辛いのを食って苦しそうな梓の顔を見る方が好き」
「最悪だようっ!」
「ほれ、いーから早く食え。のびるぞ」
「うー……分かった、分かったよ。食べればいいんだろ?」
梓は意を決し、箸をラーメンの中に入れた。掬い上げたそれに、麺が絡まっている。心なしか、箸を持つ手が震えている。
「……か、辛そう」
「大丈夫、俺のは辛くない」
「知ってるよッ!」
ずるずる麺をすする俺の横で、梓は思い切って麺を口に含んだ。
「ひゃー! 辛い! 辛いよコレ! 水、みずー!」
「待て、落ち着け。すぐに俺が水を口に含み、それを吐き戻したものを用意するから」
水を取ろうとする俺を殴り飛ばし、梓は水をがぶ飲みした。
「……ふーっ。もーっ! 余計なことばっかすんな!」
「ばか、俺が本気で余計なことをしようと思ったらこの程度では済まないぞ」
「なんでいばってるのこの人!?」
「まあそれはともかく、早く食っちまえ。のびちまうぞ」
「……でも」
よほど辛かったのだろう、梓の手は動かなかった。
「……はぁ。ほら、貸せ」
「え?」
「俺が食べる。元々俺が嫌がらせで注文しただけだし」
「タカシ……うわっ、危ない危ない。危うく感動しそうになっちゃったよ。ていうか、先にこんなの注文したこと謝れー!」
ムカつくのでチャーシュー麺に俺のツバ混入。
「ひゃああああ!? そ、そんなことしたらボク食べられないじゃんか!」
「大丈夫、俺はお前のツバが混入した坦々麺を平気な顔で食べれる」
言葉通り、坦々麺の汁をごくごく。うわ、辛え。
「つ、つばなんて入ってないよ! そもそも女の子はつばなんて出ないの! バニラエッセンスが出るの!」
「歯にも体にも悪そうだな。改造人間?」
「らいだーぱんち!」
改造に失敗したようで、攻撃力が全くないぱんちが俺に当たった。
「はぁあ……ボクも普通のラーメン食べたかったよ」
「食えよ、チャーシュー麺」
「タカシの毒唾が混入した毒汁なんて食べれないよっ!」
「元々毒チャーシュー麺だから、中和されて普通のチャーシュー麺になってるから大丈夫」
偶然聞いてた店の親父さんが悲しそうな顔をした。
「そんなわけないじゃん! もー、食べ物を粗末にして……神様に祟られるよ?」
「じゃあ、神に祟られて死んだら、俺が梓を祟るよ」
「なっ、なんでボクの目をじーっと見つめて、あまつさえ手を握りながら言うんだよっ!」
「いや、なんか素敵っぽい台詞だし」
「っぽいだけで、内容が酷すぎだよ! これが死んだ後もずっと見守ってるとかならかっくいーのに……」
「じゃあ……こほん。もし俺が死んだら、ずっとずっと梓を見守るよ。ずっと傍にいる」
梓の手を握り、真摯に見つめる。
「た、タカシ……」
梓の頬が朱に色づく。俺を見つめ返す瞳も、心なしか潤んでいた。
「永遠に貴様につきまとってやる」
「感激度がMAXから0へ急落下だようっ!」
「内容は一緒だよ?」
「言葉を選べ、言葉を!」
「選んだ末の結果だ」
「ロマンスの神様が裸足で逃げ出すよぉ……」
しょんぼりしながら、梓はチャーシュー麺をすすった。
「いいのか? それ、俺の毒唾が混入した毒チャーシュー麺なんじゃ?」
「へ? ……あああああっ! すっかり忘れてたじゃんか! もーっ、タカシが変なことばっか言うからだぞっ!」
「いやいや、普通のことも言うぞ? 稀に」
「ずっと言えっ! ……はぁ、もういーよ。一回食べたら後はもう一緒だもん、食べるよ、毒チャーシュー麺」
またしても偶然聞いてた店の親父さんが悲しそうな顔をしてた。
「ずるずるずる。……まあ、タカシのつばが入ってるけど、おいしいはおいしいよね」
「俺の唾が梓の体内へ。これって間接キスだよな」
「ロマンの欠片もない間接キスだよぅ……」
やや落ち込みながら、梓はギョーザを食べた。
「あ、おいひい♪」
「この店の毒ギョーザは絶品なんだ」
「これも毒!? 毒まみれだよ……」
半泣きの店の親父さんが店員さんに慰められているのが見えた。
「というわけで、ラーメン屋に来ました」
「うわわっ、知らない間に連れてこられてる!?」
俺に腕を掴まれびっくりしてるボクっ娘は愉快だなあ。
「さて、ボクっ娘よ。何食う?」
「ボクっ娘ってゆーな! 梓って呼べ! あと、ボクは食べないよ。タカシが無理やり連れてきたから、お金持ってくる暇なかったもん」
「あ、店員さん。チャーシュー麺とギョーザ、それと四川坦々麺をお願いします」
「聞いてないよこの人!?」
なんか知らんがびっくりしてる梓の横で、淡々と注文を聞く店員さん。
店員さんの後姿を見送り、梓のほっぺをなんとなく引っ張りながらラーメンが来るのを待つ。
「むにー……あのさ、さっきも言ったけど、ボク、お金ないんだけど……」
「あらかじめ警察呼んでおこうか?」
「普通おごるだろ! こーゆー展開だと!」
変なことを言う梓のほっぺをむにむにしてたら、注文した品々が来た。
「よし、食うぞ。梓、お前どれ食いたい?」
「えっとねえ……って選んでるのにチャーシュー麺取られた!?」
「ずぞぞぞぞーっ。んむ、うまい」
「うー……ボクもチャーシュー麺がよかったのに……タカシのばか」
「まあそう言うな、坦々麺もうまいぞ?」
「汁が真っ赤じゃん! 辛いよコレ絶対! それでなくても熱いの苦手なのに!」
「知ってます」
「タカシから悪意を感じるよ!」
「知ってます」
「うー……ね、ね、交換しない? ほら、タカシ辛いの好きじゃん」
「好きだけど、それ以上に辛いのを食って苦しそうな梓の顔を見る方が好き」
「最悪だようっ!」
「ほれ、いーから早く食え。のびるぞ」
「うー……分かった、分かったよ。食べればいいんだろ?」
梓は意を決し、箸をラーメンの中に入れた。掬い上げたそれに、麺が絡まっている。心なしか、箸を持つ手が震えている。
「……か、辛そう」
「大丈夫、俺のは辛くない」
「知ってるよッ!」
ずるずる麺をすする俺の横で、梓は思い切って麺を口に含んだ。
「ひゃー! 辛い! 辛いよコレ! 水、みずー!」
「待て、落ち着け。すぐに俺が水を口に含み、それを吐き戻したものを用意するから」
水を取ろうとする俺を殴り飛ばし、梓は水をがぶ飲みした。
「……ふーっ。もーっ! 余計なことばっかすんな!」
「ばか、俺が本気で余計なことをしようと思ったらこの程度では済まないぞ」
「なんでいばってるのこの人!?」
「まあそれはともかく、早く食っちまえ。のびちまうぞ」
「……でも」
よほど辛かったのだろう、梓の手は動かなかった。
「……はぁ。ほら、貸せ」
「え?」
「俺が食べる。元々俺が嫌がらせで注文しただけだし」
「タカシ……うわっ、危ない危ない。危うく感動しそうになっちゃったよ。ていうか、先にこんなの注文したこと謝れー!」
ムカつくのでチャーシュー麺に俺のツバ混入。
「ひゃああああ!? そ、そんなことしたらボク食べられないじゃんか!」
「大丈夫、俺はお前のツバが混入した坦々麺を平気な顔で食べれる」
言葉通り、坦々麺の汁をごくごく。うわ、辛え。
「つ、つばなんて入ってないよ! そもそも女の子はつばなんて出ないの! バニラエッセンスが出るの!」
「歯にも体にも悪そうだな。改造人間?」
「らいだーぱんち!」
改造に失敗したようで、攻撃力が全くないぱんちが俺に当たった。
「はぁあ……ボクも普通のラーメン食べたかったよ」
「食えよ、チャーシュー麺」
「タカシの毒唾が混入した毒汁なんて食べれないよっ!」
「元々毒チャーシュー麺だから、中和されて普通のチャーシュー麺になってるから大丈夫」
偶然聞いてた店の親父さんが悲しそうな顔をした。
「そんなわけないじゃん! もー、食べ物を粗末にして……神様に祟られるよ?」
「じゃあ、神に祟られて死んだら、俺が梓を祟るよ」
「なっ、なんでボクの目をじーっと見つめて、あまつさえ手を握りながら言うんだよっ!」
「いや、なんか素敵っぽい台詞だし」
「っぽいだけで、内容が酷すぎだよ! これが死んだ後もずっと見守ってるとかならかっくいーのに……」
「じゃあ……こほん。もし俺が死んだら、ずっとずっと梓を見守るよ。ずっと傍にいる」
梓の手を握り、真摯に見つめる。
「た、タカシ……」
梓の頬が朱に色づく。俺を見つめ返す瞳も、心なしか潤んでいた。
「永遠に貴様につきまとってやる」
「感激度がMAXから0へ急落下だようっ!」
「内容は一緒だよ?」
「言葉を選べ、言葉を!」
「選んだ末の結果だ」
「ロマンスの神様が裸足で逃げ出すよぉ……」
しょんぼりしながら、梓はチャーシュー麺をすすった。
「いいのか? それ、俺の毒唾が混入した毒チャーシュー麺なんじゃ?」
「へ? ……あああああっ! すっかり忘れてたじゃんか! もーっ、タカシが変なことばっか言うからだぞっ!」
「いやいや、普通のことも言うぞ? 稀に」
「ずっと言えっ! ……はぁ、もういーよ。一回食べたら後はもう一緒だもん、食べるよ、毒チャーシュー麺」
またしても偶然聞いてた店の親父さんが悲しそうな顔をしてた。
「ずるずるずる。……まあ、タカシのつばが入ってるけど、おいしいはおいしいよね」
「俺の唾が梓の体内へ。これって間接キスだよな」
「ロマンの欠片もない間接キスだよぅ……」
やや落ち込みながら、梓はギョーザを食べた。
「あ、おいひい♪」
「この店の毒ギョーザは絶品なんだ」
「これも毒!? 毒まみれだよ……」
半泣きの店の親父さんが店員さんに慰められているのが見えた。
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