[PR]
2024年11月27日
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
【ツンデレと初詣に行ったら】
2010年02月04日
お正月なので家でぐだぐだしてたら、携帯が鳴った。担任の大谷先生からだ。
「あい」
『あ、別府くん。あけましておめでとおございます』
「ん、おめでと。悪いけど、大谷先生に代わってくれるかな、お嬢ちゃん?」
『? 代わるも何も、私が先生ですよ?』
「え、そうなのか? 電話口から舌っ足らずなロリ声が聞こえてきたもんだから、親戚の5歳くらいの子が間違えてかけてきたもんだと」
『正月から失礼ですよっ、別府くん!』
「大丈夫、俺はいついかなる時でも失礼だ」
『何が大丈夫なんですかっ!? ……こほん。まあいいです、先生、大人なので怒ったりしません。あのですね、今から一緒に初詣行きませんか?』
「いいけど、先生の晴れ着を七五三って馬鹿にするから覚悟しておいてくれよな」
『あらかじめ宣言するくらいなら馬鹿にしないでくだたいっ!』
「くだたい?」
『いーから準備して待っててくださいっ! 先生、すぐ行きますから!』
言うだけ言って、通話を切られた。よし、引き続きぐだぐだしよう。
ぐでぐでしてたら、また電話が鳴った。大谷先生だ。
『先生、家の前に着きました! 行きましょー』
「分かった、ひと眠りしたら準備する」
『寝ないでくださいっ! ていうか準備って……まだ準備してなかったんですか?』
「うん」
『もーっ! 準備しててくださいって言ったじゃないですかっ! 先生も手伝ってあげますから、玄関のドア開けてください!』
「鍵かけてないから勝手に入って来い」
『物騒ですねぇ……』
なんかぶちぶち言いながら、通話を切られた。ほどなく、ちっこい生き物が入ってきた。
「なーんにも準備してないです。ほらほら、早く準備して初詣行きましょう?」
「分かったよ。……あれ、先生晴れ着じゃないのか」
折角の正月だというのに、先生は晴れ着ではなく普段着だった。つまらん。
「だって、別府くんが七五三って馬鹿にするって宣言してましたし……」
「ちぇ。先生の晴れ着見たかったなー」
「え? ……あ、あの、馬鹿にするんですよね?」
「するけど、それはそれとして、見たい男心」
「うにゅ……あ、あの、先生、ひとっぱしり家戻って着替えてきましょうか? べっ、別に別府くんに見せるためじゃなくて、急に着たくなっただけですけど!」
「いや、わざわざいいよ。それより、さるルートで手に入れた魔法少女の服があるから、そっちを着ろ」
「絶対嫌ですっ! そんなの、お子様が着る服です! 先生、大人だから着ませんっ! ていうか着れません! ぼんきゅっぼんのせくしーぼでーに魔法少女なんて無理無理ですっ!」
つるーんぺたーんボディの持ち主が何を言ってるのやら。
「じゃあ、残るはスク水かブルマだな。どっちがいい? 今なら特別にオプションでランドセルつけてやる」
「お正月からそんなの着てたら頭おかしいと思われますっ!」
「じゃ、正月過ぎたら着てくれよな」
「それならいいです。……え?」
言質は取った。絶対着てもらう。スク水ランドセル……ふふ、想像するだけで俺の浪漫回路が高速回転を!
「あ、あの別府くん? 先生、そんなの無理……」
「楽しみだなあ! もし嘘だったら即死するくらいショックを受けるけど、そんなわけないから楽しみだ!」
「即死!? あ、あのあの、別府くん、あの……」
なんか先生が涙目で俺の服の裾を引っ張ってるが、気づかない体のまま準備を終える。
「さて! 準備も終わったし、行くか先生?」
「はい……」
来た時のテンションからは考えられないほど落ち込んだ先生と一緒に外へ出る。
先生と一緒に近所の神社へ向かう。小さな神社とはいえやはり正月、普段の静けさから考えられないほど人で溢れている。
「すごい人だな……先生、はぐれるなよ」
先生は小さいので見失いやすく見つけるのも困難なため、迷子対策にあらかじめ手を握っておく。
「ふわ!」
「わあ」
すると、大きい声を出されてびっくりした。
「あ、あの、ごめんなさい。ちょっとびっくりしただけです」
「いや、いいけど……何をびっくりすることが」
「あ、あの、いきなり手をぎゅってされて、びっくりしたんです」
「あ、悪い。これ以降は二度と先生の手なんて触らないから安心しろ」
「なんか感じ悪いです!」
「じゃあ、もうこの人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから」
「ふ、ふえ……!?」
まっすぐに先生の目を見つめて言い切ると、先生の顔が目に見えて赤くなっていって愉快痛快。
「あ、あの、あのあの、せ、先生、こ、困ります、困ります。で、でもそのあの、別に別府くんがどうとかって話じゃなくて、そのですね、生徒と先生がそういうのって、その」
「というキャッチコピーのゲームがありまして。俺はそのゲームが好きなんですよ」
「……げぇむ?」
「うぃ」
先生の目が点になったので、イタリアっぽく返してみる。
「……もーッ! 先生を混乱させるなんて、別府くんはとってもとってもダメな生徒ですっ! 先生怒りますよ、怒りましたよ? 別府くん、めっ!」
先生は背伸びして俺のおでこをぺしっと叩いた。
「さて、そろそろお参りするか」
「先生怒ってるんだから、ちょっとは反省してくださいっ!」
「ほらほら、行くぞ先生」
「ひ、引っ張らないでくださいっ!」
先生の手を握ったまま、人でごったがえしている拝殿へ向かう。
「す、すごい人です、すごい人です! 先生、人で埋まりそうです!」
「きちんと埋葬するから安心しろ」
「その前に助けてくださいっ!」
列に並び、順番を待つ。何を願掛けするか考えてたら、先生に軽く引っ張られた。
「あのですね、別府くん。何をお願いするんですか?」
「先生の身長が縮みますようにって」
「別府くん鬼です悪魔です酷すぎますっ!」
ものすごい嫌がられた。
「で、先生は何を願うんだ?」
「うー……えっとですね、生徒みんなが元気でいられますようにってお願いします。別府くんを除いて」
俺は先生に嫌われているようだ。ムカつくので先生の鼻をつまむ。
「ひゃう!? ひゃ、ひゃへへふははひ、ひゃへへふははひ!」
わたわたする先生を見ながら何をお願いするか考えてたら、俺たちの番になった。先生の鼻から手を離し、賽銭箱に小銭を入れる。
「うー……鼻がひりひりします。別府くんのばか」
隣から聞こえてくる悪口を聞きながら、何を願うか考える。……やっぱアレかな。
隣で目を瞑り、口の中で何かを一生懸命つぶやいてる先生を見て、願い事を固める。
「…………。よしっ、先生行くぞ」
「あっ、もうちょっと、もうちょっと待ってください。すぐですから」
先生は少しだけ何か口の中だけでつぶやくと、賽銭箱の前から離れた。
「それで、別府くんは何をお願いしたんですか?」
拝殿から離れ、境内を散歩してると、先生が尋ねてきた。
「ん? んーと。なんだっけっか。忘れちった。はっはっは」
「…………」
「ど、どした?」
「……ひょっとして、先生のこと、ですか?」
「え? え、いやその、いや、まさか。はっはっは」
「先生が縮むよう、お願いしたんでしょう?」
「いやいや、先生がいつまでも元気でいられますようにってお願いしただけで──」
いかん。先生の顔がにんまりしたものへと変化していく。謀られた。
「別府くんって、素直じゃないですねー♪」
先生はニコニコしたまま俺の手をぎゅっと握った。ええい、ニコニコしおって。
「あのですねっ、あのですねっ。先生、ちょっとだけひいきしました。他の生徒より、別府くんのこと、神様にいっぱいいっぱいお願いしました。……ナイショですよ?」
先生は得意げな顔で指を一本立て、口元に当てた。わざとかどうか知らないが、破壊力がでかすぎる。
「別府くん? どしました、鼻なんてつまんで」
「いや……深い意味はない」
「ぬ? まーいいです、それじゃ帰りましょ? 帰ったら一緒にお勉強です」
「正月から何を言ってるのだろう、この小学生は」
「しょ、小学生じゃないですっ! 立派な大人ですっ! ほらほら、めんきょしょー!」
人の顔に免許証をべしべし当ててくるちっこいのと一緒に家に帰りました。
「あい」
『あ、別府くん。あけましておめでとおございます』
「ん、おめでと。悪いけど、大谷先生に代わってくれるかな、お嬢ちゃん?」
『? 代わるも何も、私が先生ですよ?』
「え、そうなのか? 電話口から舌っ足らずなロリ声が聞こえてきたもんだから、親戚の5歳くらいの子が間違えてかけてきたもんだと」
『正月から失礼ですよっ、別府くん!』
「大丈夫、俺はいついかなる時でも失礼だ」
『何が大丈夫なんですかっ!? ……こほん。まあいいです、先生、大人なので怒ったりしません。あのですね、今から一緒に初詣行きませんか?』
「いいけど、先生の晴れ着を七五三って馬鹿にするから覚悟しておいてくれよな」
『あらかじめ宣言するくらいなら馬鹿にしないでくだたいっ!』
「くだたい?」
『いーから準備して待っててくださいっ! 先生、すぐ行きますから!』
言うだけ言って、通話を切られた。よし、引き続きぐだぐだしよう。
ぐでぐでしてたら、また電話が鳴った。大谷先生だ。
『先生、家の前に着きました! 行きましょー』
「分かった、ひと眠りしたら準備する」
『寝ないでくださいっ! ていうか準備って……まだ準備してなかったんですか?』
「うん」
『もーっ! 準備しててくださいって言ったじゃないですかっ! 先生も手伝ってあげますから、玄関のドア開けてください!』
「鍵かけてないから勝手に入って来い」
『物騒ですねぇ……』
なんかぶちぶち言いながら、通話を切られた。ほどなく、ちっこい生き物が入ってきた。
「なーんにも準備してないです。ほらほら、早く準備して初詣行きましょう?」
「分かったよ。……あれ、先生晴れ着じゃないのか」
折角の正月だというのに、先生は晴れ着ではなく普段着だった。つまらん。
「だって、別府くんが七五三って馬鹿にするって宣言してましたし……」
「ちぇ。先生の晴れ着見たかったなー」
「え? ……あ、あの、馬鹿にするんですよね?」
「するけど、それはそれとして、見たい男心」
「うにゅ……あ、あの、先生、ひとっぱしり家戻って着替えてきましょうか? べっ、別に別府くんに見せるためじゃなくて、急に着たくなっただけですけど!」
「いや、わざわざいいよ。それより、さるルートで手に入れた魔法少女の服があるから、そっちを着ろ」
「絶対嫌ですっ! そんなの、お子様が着る服です! 先生、大人だから着ませんっ! ていうか着れません! ぼんきゅっぼんのせくしーぼでーに魔法少女なんて無理無理ですっ!」
つるーんぺたーんボディの持ち主が何を言ってるのやら。
「じゃあ、残るはスク水かブルマだな。どっちがいい? 今なら特別にオプションでランドセルつけてやる」
「お正月からそんなの着てたら頭おかしいと思われますっ!」
「じゃ、正月過ぎたら着てくれよな」
「それならいいです。……え?」
言質は取った。絶対着てもらう。スク水ランドセル……ふふ、想像するだけで俺の浪漫回路が高速回転を!
「あ、あの別府くん? 先生、そんなの無理……」
「楽しみだなあ! もし嘘だったら即死するくらいショックを受けるけど、そんなわけないから楽しみだ!」
「即死!? あ、あのあの、別府くん、あの……」
なんか先生が涙目で俺の服の裾を引っ張ってるが、気づかない体のまま準備を終える。
「さて! 準備も終わったし、行くか先生?」
「はい……」
来た時のテンションからは考えられないほど落ち込んだ先生と一緒に外へ出る。
先生と一緒に近所の神社へ向かう。小さな神社とはいえやはり正月、普段の静けさから考えられないほど人で溢れている。
「すごい人だな……先生、はぐれるなよ」
先生は小さいので見失いやすく見つけるのも困難なため、迷子対策にあらかじめ手を握っておく。
「ふわ!」
「わあ」
すると、大きい声を出されてびっくりした。
「あ、あの、ごめんなさい。ちょっとびっくりしただけです」
「いや、いいけど……何をびっくりすることが」
「あ、あの、いきなり手をぎゅってされて、びっくりしたんです」
「あ、悪い。これ以降は二度と先生の手なんて触らないから安心しろ」
「なんか感じ悪いです!」
「じゃあ、もうこの人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから」
「ふ、ふえ……!?」
まっすぐに先生の目を見つめて言い切ると、先生の顔が目に見えて赤くなっていって愉快痛快。
「あ、あの、あのあの、せ、先生、こ、困ります、困ります。で、でもそのあの、別に別府くんがどうとかって話じゃなくて、そのですね、生徒と先生がそういうのって、その」
「というキャッチコピーのゲームがありまして。俺はそのゲームが好きなんですよ」
「……げぇむ?」
「うぃ」
先生の目が点になったので、イタリアっぽく返してみる。
「……もーッ! 先生を混乱させるなんて、別府くんはとってもとってもダメな生徒ですっ! 先生怒りますよ、怒りましたよ? 別府くん、めっ!」
先生は背伸びして俺のおでこをぺしっと叩いた。
「さて、そろそろお参りするか」
「先生怒ってるんだから、ちょっとは反省してくださいっ!」
「ほらほら、行くぞ先生」
「ひ、引っ張らないでくださいっ!」
先生の手を握ったまま、人でごったがえしている拝殿へ向かう。
「す、すごい人です、すごい人です! 先生、人で埋まりそうです!」
「きちんと埋葬するから安心しろ」
「その前に助けてくださいっ!」
列に並び、順番を待つ。何を願掛けするか考えてたら、先生に軽く引っ張られた。
「あのですね、別府くん。何をお願いするんですか?」
「先生の身長が縮みますようにって」
「別府くん鬼です悪魔です酷すぎますっ!」
ものすごい嫌がられた。
「で、先生は何を願うんだ?」
「うー……えっとですね、生徒みんなが元気でいられますようにってお願いします。別府くんを除いて」
俺は先生に嫌われているようだ。ムカつくので先生の鼻をつまむ。
「ひゃう!? ひゃ、ひゃへへふははひ、ひゃへへふははひ!」
わたわたする先生を見ながら何をお願いするか考えてたら、俺たちの番になった。先生の鼻から手を離し、賽銭箱に小銭を入れる。
「うー……鼻がひりひりします。別府くんのばか」
隣から聞こえてくる悪口を聞きながら、何を願うか考える。……やっぱアレかな。
隣で目を瞑り、口の中で何かを一生懸命つぶやいてる先生を見て、願い事を固める。
「…………。よしっ、先生行くぞ」
「あっ、もうちょっと、もうちょっと待ってください。すぐですから」
先生は少しだけ何か口の中だけでつぶやくと、賽銭箱の前から離れた。
「それで、別府くんは何をお願いしたんですか?」
拝殿から離れ、境内を散歩してると、先生が尋ねてきた。
「ん? んーと。なんだっけっか。忘れちった。はっはっは」
「…………」
「ど、どした?」
「……ひょっとして、先生のこと、ですか?」
「え? え、いやその、いや、まさか。はっはっは」
「先生が縮むよう、お願いしたんでしょう?」
「いやいや、先生がいつまでも元気でいられますようにってお願いしただけで──」
いかん。先生の顔がにんまりしたものへと変化していく。謀られた。
「別府くんって、素直じゃないですねー♪」
先生はニコニコしたまま俺の手をぎゅっと握った。ええい、ニコニコしおって。
「あのですねっ、あのですねっ。先生、ちょっとだけひいきしました。他の生徒より、別府くんのこと、神様にいっぱいいっぱいお願いしました。……ナイショですよ?」
先生は得意げな顔で指を一本立て、口元に当てた。わざとかどうか知らないが、破壊力がでかすぎる。
「別府くん? どしました、鼻なんてつまんで」
「いや……深い意味はない」
「ぬ? まーいいです、それじゃ帰りましょ? 帰ったら一緒にお勉強です」
「正月から何を言ってるのだろう、この小学生は」
「しょ、小学生じゃないですっ! 立派な大人ですっ! ほらほら、めんきょしょー!」
人の顔に免許証をべしべし当ててくるちっこいのと一緒に家に帰りました。
PR
Comment