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2024年11月21日
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【ツンデレと遅い初詣に行ったら】
2015年01月20日
「初詣に行こう」
「1月も半ばを過ぎて何言ってんのこの人!?」
冒頭からボクっ娘が人のことを馬鹿にした風なので大変不愉快です。ぷんぷん!
「まあ待て、俺の話を聞いてからでも遅くはないだろう」
「うわー……死ぬほど興味ないのに離してくれないパターンだー……」
ボクっ娘の野郎がうんざりした顔で俺を見やがる。ちくしょう。
「実は今年俺は初詣に行ってないんだ」
「そなんだ。ボクは行ったよ」エッヘン
「ヤだ、圧倒的普通なことなのに堂々と胸を張れるボクっ娘に思わず胸キュン」キュン
「馬鹿にすんなぁ! あと胸キュンとか古いよっ! 古すぎて逆に新鮮だよっ!」
「古すぎて逆に新鮮……? どういうことだ? 古いが新鮮な感覚……? 漬物か何かか?」
「だーっ! もう、いいから初詣の話しろよなぁ! どーせ最後まで話すまでボクを離さないつもりだろ!?」
「漬物の話題を出したら漬物の話がしたくなった」
「初詣の話をするのっ!」
「ボクっ娘はわがままだなあ」
「ボクが!? 明らかにタカシがわがままだろっ! あとボクっ娘ってゆーなっ!」
「まだその設定残ってたのかよ……」
「人の嗜好を設定とな!?」
「まあいいや。えーと、初詣行ってないので行きたいんだ。しかし今更行ったら初詣じゃなくただの詣でと勘違いされて『ヤだ、詣でよ詣で』とロリ巫女さんたちにひそひそと揶揄されないだろうか。しかしロリ巫女さんに蔑んだ目で見られるのは結構な確率で興奮すると思うので……あっ! いいじゃん!」
「いくないっ!」ガーッ
「わぁ」
「まず! 詣でってなんだよ! 変な言葉作んなよぉ! つぎ! なんで巫女さんがロリって決めつけてんだよ! あと、こんな時期に行っても巫女さんいないよ! あーゆーのは正月だけバイトで学生がやってるの!」
「最後の言葉で勇気がくじけた。もうこの世界に純正な巫女さんはいないのか」
「いるだろーけど、タカシが期待してるよーな巫女さんはいないと思うよ」
「いやいや、梓は勘違いしている。俺が期待している巫女さんなんて、ごくごく普通の巫女さんだぞ」
「……もー既にフラグ臭いけど、いちおー聞いとくよ。どんなの?」
「丈が非常に短くてチラチラおっぱいが見えそうな装束に身を包んだ小学生と見まごう如き肢体の巫女さん。具体例で言うと咲の薄墨初美。俺にだけお兄ちゃんとなつけば尚Good!」
「思ってた以上にタカシの頭がおかしい!」
「ええっ!? セーブしたのだが……」
「それで!?」
「むぅ……一般人と俺様との溝は深まるばかりだ」
「うう……タカシを侮ってたよ。想像以上に業が深かったよ……。あと何が俺様だよ、ばーか」グリグリ
「ちぃぃ、頭痛がする。偏頭痛に違いない」
「あははっ、ボクが頭ぐりぐりしてるからだよ」グリグリ
「ぐぬぬ。まあ残念ながらロリ巫女は諦めるとして、初詣ぐらいは行っておきたいんだよ。でもひとりで行ったらロリ巫女さんに『今更詣でとかありえないですよー。しかも賽銭が五円とか今時ないですー。ほらほら、いいから有り金置いてってくださいねー?』とカツアゲに遭う可能性も否めないので、一人より二人の方が安心できるんだ」
「無駄な危機回避能力だね……。しかも、ロリ巫女さんいないっていいながらまた登場してるし……」
「最悪の場合梓をロリ巫女に仕立てあげるから安心しろ」
「人を勝手に巫女にすんなっ! そもそも、ボクはロリじゃないからロリ巫女にはなんないもんっ!」
「…………。いや、大丈夫。なれる!」
「ボクの胸を見て言った!? タカシすっごくしつれーだよっ!」プンプン
「待て、落ち着け梓! 胸と背と顔と精神年齢を見て『いける!』と踏んだんだ!」
「もーっ! もーっ! もーっ!」ポカポカ
「悪化した。解せぬ」ブベラハベラ
「はーっ、はーっ……もー、ボクが相手だから許したげるけど、ふつーの人なら許してないよ? ぜっこーされててもおかしくないよ?」
「普通の人はそもそもロリくないから、ロリ巫女にさせられる恐れがないので大丈夫だ」
「やっと怒りが治まった人を即座に怒らせるかな、ふつー……?」プルプル
「ふむ。……ゴメンネ☆」キャハ
「わっ、世界一キモい!」
満面の笑みとアイドルを思わせるKawaii所作で謝罪を試みると、なかなかの言葉が返ってきた。だが、そんなものは想定内。
「よし。キモさで怒りの矛先を失わせる俺の優れた技が成功した。ふひゅー」
「なんで全部言っちゃうかなぁ……?」
「梓の怒りも鎮まったし、改めて。一緒に初詣行きませんか? ひとりじゃ寂しいんです」
「最初っからそーやって素直に誘ったらいーのに……ん、いーよ。ボクもついたったげる」ニコッ
「……ふっ。簡単なもんだ」ニヤッ
「悪い顔した!? また何かたくらんでるだろ!?」
「…………」スタスタスタ
「あっ、こらっ! 何も言わずに行くなよ、ばかっ!」
「……さて!」
「ひゃっ!」ビクッ
「やってきました近所の神社! 神の社とはうまいこと言うね! 近くの犬も俺たちを歓迎しているよ!」ワンワンワン!
「タカシが急におっきな声出したから威嚇してんだよっ! ここに来るまでずーっと黙ってスタスタしてたからボクもびっくりしたよ!」ドキドキ
「吊り橋効果!」ジャーン
「全然違うよっ!」
「難しいな。まあいいや。さて、手水舎で身を清めるか」
「タカシは身だけじゃなく心を清めたほうがいいよ。あっ、でも清めても全身これ邪悪だから消えちゃうね」キシシシ
「なめくじみたいだな。あ、でも全身から粘液出ないんだけど、なめくじとして今後立派にやれるかな?」
「なんでなめくじとしての今後を考えてんだよっ! ちょっとは言い返せっ!」
「なんか怒られた」
神聖な境内でしばらく探したのだが、それらしきものが見当たらない。代わりと言っては何だが、水道がひとつある。
「まさかとは思うけど……これ?」
怪訝な様子で梓が水道を指さす。正直別の神社に行きたいが、もうよそに行くの面倒だ。
「しないよりはマシ、かなぁ……。まあいいや。俺は一応やっとくよ」
「あっ、待って待って。ボクもいちおーやるよ」
両手と口をすすぎ、梓も俺に倣う。……あんま意味ないような気もするが、こういうのは気の持ちようだ。
「ふー……神様ぱわーが注入されたよ!」
「このように、思い込みが強い奴はただの水道でも得体のしれないエネルギーが注入されるので危ないと思われる」
「得体のしれないってなんだよ! 神様ぱわーだよ、神様ぱわー! は~っ!」
はーと言いながら梓がこちらに手を差し向けた。おそらく梓の脳内では、手からエネルギー波か何かが出て俺を粉砕していることだろう。
「さらに言うなら、手水舎は身を清めるためにあるもので、別に何かのご利益があるとかはないと思うのだが」
「うっ……タカシは細かいの! いーの、こーゆーのは気分なの、気分!」
「水道で気分を出せるのもひとつの才能だよな」
「また馬鹿にしたなあ!? もー! タカシなんて嫌い嫌い!」
「いやはや。んじゃそろそろ詣でるか」
「むーっ」
むーっと言いながらむーっとした顔をした梓が俺についてくる。怒りながらもちょこちょこついてくる梓はかわいいなあ。
「あっ!」
「ん?」
鳥居を潜る時、梓が急に声をあげた。何ごとかと梓の方を振り返る。
「んふーっ。あのね、タカシ知ってる? ボクは知ってるけどね!」エッヘン
「そうか。梓は全知全能だなあ」クルッ
「待って待って最後まで聞いて!」ギューッ
「めんどくせえなあ……なんだ?」
「あのね? 鳥居は真ん中通っちゃダメなんだよ? なぜなら! そこは神様の通り道だから!」ズビシーッ
「ああ。だから端を通ってる」
「あ……」
俺が立っている場所は鳥居の右端で、神様(と思われるもの)が歩く通り道は踏んでいない。
「しっ、知ってたんだ。ま、まあ、これくらいの知識、あってふつーだけどねっ!」フンッ
「最近知ったのか……」
「ぐーぐるで知った」
「そうか……」
「お菓子のレシピも教えてくれる。昨日はアップルパイの作り方知った。ぐーぐるはいだい」
「なんか金でももらってんのか。あと口調がおかしい。壊れたか」グニーッ
「あぅーっ! ほっへひっはふはーっ!」(訳:ほっぺひっぱるな)
「ん、大丈夫。よかったよかった」ナデナデ
「うー……タカシってすぐボクをなでるよね。……別にいーケド」
「冬場は寒くてよくくしゃみするからな」
「手についたツバをなすりつけられてる!? もーなでんなっ!」
「わはは。さて、着きましたよ梓さん」
梓とじゃれてる間に拝殿に着いた。奥行きは木々に邪魔されてよく分からんが、一階建ての極々普通の、いや少々みすぼらしい拝殿だ。年季が入っていると言えば聞こえはいいが、実際は何の手入れもされないまま長年放置され、全てが薄汚れて見える。少しくらい掃除したらいいと思うが……ま、それは他人だから言えることか。
「わー……ちょっと、その、アレだね」
「言葉を濁しつつ、梓の表情は明らかに『ドブみたいな臭いがする』と雄弁に語っていた」
「言ってないよっ! ちょっと汚いなーって思っただけだよっ! ……あっ」
「あーあ、言っちゃったー。神様に聞かれたー」
「あっ、あっ、今のナシ! ナシだかんね、神様!」
拝殿に向かって必死に訴えてる梓。なんというか、もし俺が神様なら許すどころか全身全霊で一生守護する程度には必死さが伝わってくる。
「……ふー。これくらい言えばだいじょぶかな?」
「神様ってくらいだから懐は広いだろ」
「あっ、そだね。あーよかった」ホッ
「ただ、古事記とか読むと良くも悪くも人間臭いから心が狭い神様がいてもおかしくはないな」
「ボクを安心させたいのか不安にさせたいのかどっちなんだよっ!?」
「わはは。大丈夫大丈夫。んーと……あれ? 梓、お前5円玉ある?」ゴソゴソ
財布を探ったが、残念ながら5円玉が見つからない。……というか、500円玉がひとつしかない。これは、使いたくない……使いたくないんだ!
「はぁ……お参り行くならそれくらい用意しとけよなー。はい、どーせ用意してないと思ってたから、こっちで用意しといたよ」
「おおっ、サンキュ梓。気が利くなあ」
「付き合い長いからねー」
梓から賽銭を受け取り、賽銭箱に入れる。鈴を鳴らし、……しまった、作法を知らない!
えーとえーとえーと……そうだ、梓を真似よう! ちらりと横を見る。ばっつり目が合った。
「てめえ! 人の真似をしようだなんていい度胸だ! すなわちグッド度胸!」
「完全完璧にこっちの台詞だよっ! 明らかにボクのマネしよーとしてたろっ! いーからちゃんとした作法教えろっ!」
「ふふん。俺をアカシックレコードか何かと勘違いしているようだが、こちとらただの高校生! 知らないことだって山とあるわ、たわけっ!」
「はぁ……しょーがない。適当にお願いしよ。きちんと心を込めたらちょっとくらいやり方を間違えても神様は聞いてくれるよ。ね?」
「心か。任せろ、得意だ」
「……いちおー言っとくけど、えっちな心を込めたらダメだかんね」
「人間の三大欲求の一つを封印されただと!? くそぅ、もうこうなっては寝ながら大根をかじる夢を願うしか!」
「どんな夢だよっ!」
「三大欲求とか大上段に構えたために、他の欲求に気をとられた結果です。うーん……よく考えたら願い事考えて来なかった」
「ほらほら、もーお賽銭入れたんだから今更うにゃうにゃ考えても仕方ないよ。目つぶったら何か浮かぶよ。それがタカシのお願いごとだよ」
「そういうもんか……?」
「そーゆーものだよっ。ほらほらっ、早くするのっ」
梓に促され、手を叩いて目をつむる。俺の願い……?
うーんうーんうーん。浮かばん。
仕方ないので薄く目を開けて隣を見る。ちっこいのが一生懸命口元で何かつぶやいてた。ずいぶん一生懸命だな。なんだろ。
……うん。特に浮かばないし、これでいいか。
しばらく願い事をして、目を開ける。ほぼ同じタイミングで梓も目を開けた。
「……ふぅ。お願いごと、できた?」
「たぶん」
「たぶん、って……まあいいや。んじゃ帰ろ?」
「あー、そだな」
踵を返し、拝殿を後にする。……と思ったが、梓が何か拾っていた。
「あっ、えへへ。せっかく来たんだし、あんまり汚れてるからちょこっとだけお掃除ってね。簡単にね」
「はぁ……お前は、なんつーか」
「え、えへへ」
困ったように笑う梓の元まで戻り、近くの木切れやお菓子のビニールなんかを拾う。
「わっ、いいよいいよ! ボクが勝手にしてることだからタカシまでやんなくても!」
「俺もお前に触発されて勝手にやってるだけだ。両手で持てる程度しかやらんから気にするな」
「……もー」
小さく笑う梓と一緒に、数分だけゴミ拾いをする。
「……ん、これくらいでいっかな。じゃ、これ捨てよ?」
「そだな」
近くのゴミ箱にゴミを捨てる。数分のことだが、結構な量になった。
「はー……いいことすると気持ちいいね!」
「ご利益たんまりだな!」
「うわ、そういう気持ちでしたら逆にご利益なさそうだけどね」
「しまった! 今のはごりやく、ゴリ薬、すなわちゴリラ薬がたんまりという危険ドラッグをしてると間違われても仕方ない酩酊した俺の精神が発した謎台詞なのでなかったことに!」
「あははっ。ほらほら、手洗って帰ろ?」
ゴリ薬ってなんだろうと思いながら手水舎モドキで手を洗う。ちべたい。
「そーいえばさ、タカシは何をお願いしたの?」
梓から借りたハンカチで手を拭いてると、不意にそんなことを聞かれた。
「梓のおっぱいが成長しますようにって」
「ちょー失礼拳!」パンチパンチパンチ
なぞの拳法が炸裂した。ただ、謎の拳法伝承者はちびっこだったので全く痛くない。
「むー……そりゃ成長してないけどさ。むー」
「冗談だよ。これがちっとも浮かばなかったんで、なんとなく横見たら必死そうな顔した奴がいたんでな。そいつの願い事が叶うような願い事をしたような、してないような」
「えっ? ……ええっ!?」
「そんな嘘をついたような」
「嘘!? えっ、ホントはどーなの? ねー、ねー!」グイグイ
「まあまあ、俺のはどうでもいいじゃあないですか。梓は何をお願いしたんだ?」
「えっ、ボク!? ……えっ、えっと……」チラチラ
「?」
「……ぼ、ボクのことはどーでもいいじゃん。ねー?」
「なんか顔が赤いが、どうかしましたか」
「どっ、どうかしません。……あっ」
「ん?」
「……さっき、タカシはボクのお願いごとが叶うように願ったって言ったよね? え、じゃあ……?」
「加速度的に顔の赤みが増してますが、本当に大丈夫ですか」ナデナデ
「はぅ」
「梓?」ナデナデ
「……はっ! えっ、えへへ、えへへへ。……あっ、あのねっ!」
何やら意を決した様子で、梓が声を上げた。
「こ、これからさ。……ぼ、ボクの家に来ない? あのね、アップルパイの作り方知ったから、その。……た、食べてほしいんだ。タカシに」
「ほう、なんたる奉仕精神。将来はナイチンゲールに違いない!」
「そ、そゆんじゃないんだけどね? ……えへへ、でも今はそれでいーや。それで、その。来てくれ……る?」クリッ
梓は軽く首をかしげた。俺は心を撃ち抜かれた。
「女性の誘いをどうして断れようか!」
「わっ、紳士!」
──というのをおどけて誤魔化す。なんたる破壊力だコンチクショウ。
「つーかお菓子大好きだし大喜びで行きます」
「あははっ、そだったね」
「梓の作る菓子はなんでもんまいからな。毎日でも食いたいよ」
「っ!? ……い、いーよ。毎日でも」
「マジかっ!? これは俺が肥え太り将来的に魔女と化した梓に食われるフラグが今立ったか?」
「また適当なこと言ってぇ……」
「ていうかいうかていうかですね、そこまでされるのは気を使うからいいよ。たまに気が向いた時に作ってくれたらそれで十分嬉しいよ」
「別にいいのにぃ……」ムー
「いくねぇ」ナデナデ
「がんこ」ムー
「こっちの台詞だ」ナデナデ
「絶対にタカシががんこだもん。ボクはがんこじゃないもん」ムー
その後、むーむー鳴る変なのと一緒に帰ってアップルパイをごちそうしてもらいました。
「ねータカシ、おいしー?」
「超おいしい」モグモグ
「えへへ、よかったー♪」ニコニコ
その頃はもうむーむー鳴らずにニコニコ鳴る生物になってました。たぶん俺は俺でニヤニヤ鳴る奇怪な生物になってたと思う。
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【男が自分で料理を作っているという話に、そんなのマズいに決まってると言って譲らないツンデレ】
2013年04月11日
最近は親が忙しいのか、夕食時に一人ということが結構あり、そのため一人で適当に飯を作って食ったりしている。
「聞いたよ!」
そんなある日、教室へやってくるなりボクっ娘が突然詰め寄ってきたのでびっくりした。
「いや、そんなことはない」
とりあえずそれを否定して教室の中に入ろうとしたら前を遮られた。
「勝手に嘘にするなっ! そじゃなくて、そじゃなくて! 最近料理作ってるらしーじゃんか」
「ああ、はい。男の料理をつくる俺はかっこいいだろう。なので股を開け」
「朝から今日も下品っ!」
「すいません」
ぺけぺけ叩かれたので、素直に頭を下げる。
「もー……。とりあえず席にいこ?」
「ああ、はい」
入り口でドタバタしても他の人の邪魔になるので、そそくさと移動して席に着席。
「そこボクの席だよっ!」
「ああ本当だ。言われてみれば席がおしっこで濡れててびしょびしょだもんな」
「勝手に人をおもらしにするなっ!」ポカポカ
「わはは」
軽いボケで満足したので、今度こそ自分の席に着席。
「で、なんだっけ。俺の家政婦になるって話だっけ」
「そんな話は存在しないよっ! ボクじゃなくて、タカシの話だよっ!」
「俺に家政婦になれと言うのか」
「た、タカシが執事に……?」
「いや、執事でなく家政婦」
「し、執事……タカシが、執事……」
何やらボクっ娘がアヘ顔ダブルピースで夢見心地になってるので、怖いと思いました。
「……はっ! ぶるぶるぶる。そ、そうじゃないよ!」
「アヘ顔ダブルピースはもういいのですか」
「そんなのしてないよっ! ちょこっとだけぼーっとしてただけだよっ!」
「『ちんぽには勝てなかったよ…』とか言え」
「今日もえっちえっちえっち!」ポカスカ
「わはは」
「うぅー……。あのさ、そじゃなくてさ。料理、作ってるんだよね?」
「ああ、はい。食いたいのか?」
「いいのっ!?」キラキラ
「ものすごい食いつき方だな。そんなに食うに困ってるなら、今日から毎日俺の家に来い。大したものはないが、少なくとも飢えることはないぞ」ナデナデ
「あ、あぅ……ち、違うよ。別にそんなんじゃないよ。……うー、時々優しいから困るよ」
「ただ、お前が食材になる可能性があるので、それだけ気をつけてください」
「と思ったら悪魔だった!」
この娘はリアクションが素晴らしいので話してて飽きないなあ。
「で、いつ来るんだ?」
「ふぇ?」
「や、飯食いに来るんだろ。いつがいい? 今日か? 明日か?」
「わっ、わわっ、話がなんだか進んでる! そ、そじゃないよ!」
「んぅ?」
「え、えと……こほん。えーと、タカシなんかが作る料理なんて、へたっぴに決まってるよ」
「ボクっ娘が突然棒読みに過ぎる声で語り出した」
「ぼ、棒読みなんかじゃないよっ! あと、ボクっ娘ってゆーなっ!」
「はいはい。んで、俺の料理が下手だとしたら、どうなのだ?」
「あ、えっと……ま、まずいだろーけど、タカシは上手と言ってはばからないから、ボクが実際に食べて評価してあげるよ!」
「や、別に自分で上手なんて言ってはいないのだが」
「あ……」
「自分が食うだけだから、適当に作ってるのでお世辞にも美味いとは言い難いし。や、まずくはないとは思うのだけどね」
「う、うぅー!」ポカスカ
「なんか突然殴りかかって来た。とてもびっくりしたが、梓はヘナチョコで力がないのが幸いして、俺へのダメージは0だ!」
「へなちょこじゃない! あと、なんで普段は無駄にえらそーなのに、自分の料理の評価だけまともなんだよっ!」
「無駄に偉そうとか言うない。偉いんだよ、俺様は」
「ほら! そーゆー感じを自分の料理にも出せよなっ!」
「む。では、俺の料理も偉い」
「そーじゃなくてっ! 料理が上手って感じのほう!」
「いやいや、そんなそんな」テレテレ
「謙遜じゃなくて、これは確実に意地悪でやってるよっ!」
「見事な慧眼です」ナデナデ
「け、けーがん?」
「あー……観察力が高い、って感じかな」
「あ、そ、そなんだ。……し、知ってたけど!」
「…………」ナデナデ
「優しい目でなでんなっ!」
「わはは。で? どうする、食いに来るか?」
「え? ……い、いーの?」
「なんか食べたいみたいだからな。それに、一人で飯食うのも正直寂しかったし、お前が来てくれると嬉しい」
「…………」
「どしました」
「……タカシってさ、そーゆーコト、ふつーに言うよね」
「なんだ、そーゆーコトって」
「いーケドさ。……でも、そーゆーコトを誰にでも言うのは、しょーじきどーかと思うケドね、ボクは」
「だから、なんだ。そーゆーコトって」
「……うー」グニー
「人の頬を引っ張るない」
「……はぁっ。まあいいよ。んじゃ、寂しがり屋さんのタカシのために、明日行ってあげるよ♪」
「そか、分かった。じゃあゴム買っておく」
「そーゆーことはやんないっ!」
「学生の内は避妊した方が良いと思うのだけど」
「やんないって言ってるだろっ!」
赤い顔でぺこぽこ叩いてくる梓は可愛いなあと思った。
「聞いたよ!」
そんなある日、教室へやってくるなりボクっ娘が突然詰め寄ってきたのでびっくりした。
「いや、そんなことはない」
とりあえずそれを否定して教室の中に入ろうとしたら前を遮られた。
「勝手に嘘にするなっ! そじゃなくて、そじゃなくて! 最近料理作ってるらしーじゃんか」
「ああ、はい。男の料理をつくる俺はかっこいいだろう。なので股を開け」
「朝から今日も下品っ!」
「すいません」
ぺけぺけ叩かれたので、素直に頭を下げる。
「もー……。とりあえず席にいこ?」
「ああ、はい」
入り口でドタバタしても他の人の邪魔になるので、そそくさと移動して席に着席。
「そこボクの席だよっ!」
「ああ本当だ。言われてみれば席がおしっこで濡れててびしょびしょだもんな」
「勝手に人をおもらしにするなっ!」ポカポカ
「わはは」
軽いボケで満足したので、今度こそ自分の席に着席。
「で、なんだっけ。俺の家政婦になるって話だっけ」
「そんな話は存在しないよっ! ボクじゃなくて、タカシの話だよっ!」
「俺に家政婦になれと言うのか」
「た、タカシが執事に……?」
「いや、執事でなく家政婦」
「し、執事……タカシが、執事……」
何やらボクっ娘がアヘ顔ダブルピースで夢見心地になってるので、怖いと思いました。
「……はっ! ぶるぶるぶる。そ、そうじゃないよ!」
「アヘ顔ダブルピースはもういいのですか」
「そんなのしてないよっ! ちょこっとだけぼーっとしてただけだよっ!」
「『ちんぽには勝てなかったよ…』とか言え」
「今日もえっちえっちえっち!」ポカスカ
「わはは」
「うぅー……。あのさ、そじゃなくてさ。料理、作ってるんだよね?」
「ああ、はい。食いたいのか?」
「いいのっ!?」キラキラ
「ものすごい食いつき方だな。そんなに食うに困ってるなら、今日から毎日俺の家に来い。大したものはないが、少なくとも飢えることはないぞ」ナデナデ
「あ、あぅ……ち、違うよ。別にそんなんじゃないよ。……うー、時々優しいから困るよ」
「ただ、お前が食材になる可能性があるので、それだけ気をつけてください」
「と思ったら悪魔だった!」
この娘はリアクションが素晴らしいので話してて飽きないなあ。
「で、いつ来るんだ?」
「ふぇ?」
「や、飯食いに来るんだろ。いつがいい? 今日か? 明日か?」
「わっ、わわっ、話がなんだか進んでる! そ、そじゃないよ!」
「んぅ?」
「え、えと……こほん。えーと、タカシなんかが作る料理なんて、へたっぴに決まってるよ」
「ボクっ娘が突然棒読みに過ぎる声で語り出した」
「ぼ、棒読みなんかじゃないよっ! あと、ボクっ娘ってゆーなっ!」
「はいはい。んで、俺の料理が下手だとしたら、どうなのだ?」
「あ、えっと……ま、まずいだろーけど、タカシは上手と言ってはばからないから、ボクが実際に食べて評価してあげるよ!」
「や、別に自分で上手なんて言ってはいないのだが」
「あ……」
「自分が食うだけだから、適当に作ってるのでお世辞にも美味いとは言い難いし。や、まずくはないとは思うのだけどね」
「う、うぅー!」ポカスカ
「なんか突然殴りかかって来た。とてもびっくりしたが、梓はヘナチョコで力がないのが幸いして、俺へのダメージは0だ!」
「へなちょこじゃない! あと、なんで普段は無駄にえらそーなのに、自分の料理の評価だけまともなんだよっ!」
「無駄に偉そうとか言うない。偉いんだよ、俺様は」
「ほら! そーゆー感じを自分の料理にも出せよなっ!」
「む。では、俺の料理も偉い」
「そーじゃなくてっ! 料理が上手って感じのほう!」
「いやいや、そんなそんな」テレテレ
「謙遜じゃなくて、これは確実に意地悪でやってるよっ!」
「見事な慧眼です」ナデナデ
「け、けーがん?」
「あー……観察力が高い、って感じかな」
「あ、そ、そなんだ。……し、知ってたけど!」
「…………」ナデナデ
「優しい目でなでんなっ!」
「わはは。で? どうする、食いに来るか?」
「え? ……い、いーの?」
「なんか食べたいみたいだからな。それに、一人で飯食うのも正直寂しかったし、お前が来てくれると嬉しい」
「…………」
「どしました」
「……タカシってさ、そーゆーコト、ふつーに言うよね」
「なんだ、そーゆーコトって」
「いーケドさ。……でも、そーゆーコトを誰にでも言うのは、しょーじきどーかと思うケドね、ボクは」
「だから、なんだ。そーゆーコトって」
「……うー」グニー
「人の頬を引っ張るない」
「……はぁっ。まあいいよ。んじゃ、寂しがり屋さんのタカシのために、明日行ってあげるよ♪」
「そか、分かった。じゃあゴム買っておく」
「そーゆーことはやんないっ!」
「学生の内は避妊した方が良いと思うのだけど」
「やんないって言ってるだろっ!」
赤い顔でぺこぽこ叩いてくる梓は可愛いなあと思った。
【ツンデレに中二病をアピールしたら】
2013年01月04日
アニメ見たら女の子が可愛かったので、俺も女の子とイチャイチャしたくなった。
「そのためには中二病だ!」
「……えーと。いや、意味分かんないんだけど」
この俺様が懇切丁寧に説明してやったというのに、目の前のボクっ娘は呆れたような顔で俺を見つめるばかり。
「だからだな、さらに分かりやすく説明すると、俺が中二病になる→中二病の女の子が仲間と思い近寄ってくる→イチャイチャチュッチュ→全世界恒久的平和確立、となる」
「ならないよっ!」
断言されてしまった。超泣きそう。
「……それもそうだな。俺も焦りすぎた」
「そだよ。いくらタカシとはいえ、まだ考える頭が残っててボクも嬉しいよ」
「恒久的とは流石に話がうますぎたか。皆が平和のために努力を続けて初めて平和は平和と成る、か。流石はボクっ娘、教えられたよ」
「なんかいー話だけど、違う! そこはどーでもいいの! あとボクっ娘ってゆーな!」
「あ、梓が世界の混乱を願う悪魔に成り果てた」ガクガク
「今日も酷い!」
「か、金ならいくらでもある! だからどうか命だけは!」
「小悪党のフリもいーの! じゃなくて、そ、その、イチャイチャの話だよ」
「ああ、イチャイチャチュッチュね。したいな。したいなあ」
梓の俺を見る目が虫か何かを見るそれと酷似しているような気がするが、気のせいだ。
「……はぁ。んとさ、そういう無駄な努力をするより、彼女を作る努力をした方が早いと思うよ? ……まあ、タカシみたいな変人を恋人にする子なんていないだろうけどさ」
「それがネックなんだよね。洗脳で人格を強制的に変える以外の手段が思いつかないよ」
「ちょー禁止っ!」(半泣き)
「それは助かった。これは秘密なんだが、実は俺も嫌だったんだ」
「はぁ~……。まったく、タカシってば」
魂が抜けていくような息を吐いた後、梓は軽く声を整え、何か気合を入れたような気がした。
「……ま、まあ。ボクは優しいから、そ、その。……たっ、タカシと一緒にいたげるけどね?」
軽く頬を染め、梓はこちらをチラチラ見ている。何かを期待している風だったので、とりあえず頭をなでてみた。
「違うよっ! ……ち、違うけど、もちょっとなでてもいい」
ということなので、もちょっとなでる。
「えへ、えへへぇ♪」
すると、なんか嬉しそうになった。変な奴。かわいい。でも変な奴。
「しかし、どうしようもないと最初から諦めていても仕方がないな。……よし、彼女を作る努力をしよう」
「ええっ!?」
「何がええっ、か。そもそもお前が言ったんだろーが」
梓の鼻をつんつんしながら言う。ふにふにして柔らかい。どこもかしこも柔らかいな、コイツ。
「ひゃっ、ふにゃっ。……そ、そだけど、そだけどさ。……ちなみに、どんなことするの?」
「中二病になり、中二病の女の子が仲間と思い近寄ってくるのを待つ」
「最初から何も変わってない!?」
「これよりCODE:MATIBOUKEを発動する!」
「MATI……あ、まちぼうけ! あ、あーあー。待ちぼうけか。あははっ、うさぎを待つんだね?」
「他の手段が何も浮かばないのです」
「あははっ。……ほーんと、タカシってばダメダメだよねー♪」
何やら急にご機嫌体質になった梓が、さっきとは逆に俺の鼻をつんつんしながら笑った。何がそんな嬉しいのだろうか。
「あと、中二病を患ったことがないのでどうしたらいいのか分からないのも難点だな」
「えっ、いがーい! タカシってそういうの率先して感染してると思ったのに」
「中学時代は友人なんて一人もいなかったからなあ。昼休みなんかはいつも一人で本読んでたから、それで満足してたというか……梓?」
何やらあわあわしている。なんだというのか……あ。気を使わせたか。
「自ら古傷を抉らせるような真似をさせるだなんて、お前はなんて酷いやつなんだ。地獄の魔法でお前を殺す」
「怖いよ、怖すぎるよっ!」
そこで、気を使わせない様に振舞ったら怯えられた。バランスが難しい。
「……まー、わざと言ってるみたいだけどさ」
気づかれたか。アホの子のくせに時折聡いから、ボクっ娘は困る。
「まあ、なんだ。今はお前みたいなアホだが奇特で優しい友人がいるから大丈夫だぞ?」ナデナデ
「あ、アホってなんだよぉ。……あ、あと、ボクは別に優しくも奇特でもないもん。普通だもん」
「そっか。じゃ、なんとなくなでられろ」ナデナデ
「……うー」
梓は小さくうなりながら、不満げな顔で俺になでられてた。かわいい。
「む。なんか梓の頭をなでてたら満足してしまった。どうしてくれる」
「言いがかりもはなはだしーよっ! 満足したならそれでーいじゃんか」
「ただ、イチャイチャはしたい。やっぱりしたい。どうやったら彼女ってできるんですか? やっぱ剣とか背負わないとダメですかね。どこに売ってるの? コンビニとかでは見たことないんですが」
「まだ中二病の呪縛から逃れられてないよ……」
「あと、実はまだ一話しか見てないからよく分からないんだ」
「何の話?」
「いつになったら梓に第二次性徴が表れるのかって話」
「もー表れてるの! これでも! どーせ胸も背もちっちゃいよ、ばかっ!」
「いや、嬉しいので今後もそのままのつるぺたな君でいてくださいって話ですよ?」ナデナデ
「このロリコンめーっ!」
ベア様っぽく怒りながら俺をぺこぽこしてくる梓だった。
「そのためには中二病だ!」
「……えーと。いや、意味分かんないんだけど」
この俺様が懇切丁寧に説明してやったというのに、目の前のボクっ娘は呆れたような顔で俺を見つめるばかり。
「だからだな、さらに分かりやすく説明すると、俺が中二病になる→中二病の女の子が仲間と思い近寄ってくる→イチャイチャチュッチュ→全世界恒久的平和確立、となる」
「ならないよっ!」
断言されてしまった。超泣きそう。
「……それもそうだな。俺も焦りすぎた」
「そだよ。いくらタカシとはいえ、まだ考える頭が残っててボクも嬉しいよ」
「恒久的とは流石に話がうますぎたか。皆が平和のために努力を続けて初めて平和は平和と成る、か。流石はボクっ娘、教えられたよ」
「なんかいー話だけど、違う! そこはどーでもいいの! あとボクっ娘ってゆーな!」
「あ、梓が世界の混乱を願う悪魔に成り果てた」ガクガク
「今日も酷い!」
「か、金ならいくらでもある! だからどうか命だけは!」
「小悪党のフリもいーの! じゃなくて、そ、その、イチャイチャの話だよ」
「ああ、イチャイチャチュッチュね。したいな。したいなあ」
梓の俺を見る目が虫か何かを見るそれと酷似しているような気がするが、気のせいだ。
「……はぁ。んとさ、そういう無駄な努力をするより、彼女を作る努力をした方が早いと思うよ? ……まあ、タカシみたいな変人を恋人にする子なんていないだろうけどさ」
「それがネックなんだよね。洗脳で人格を強制的に変える以外の手段が思いつかないよ」
「ちょー禁止っ!」(半泣き)
「それは助かった。これは秘密なんだが、実は俺も嫌だったんだ」
「はぁ~……。まったく、タカシってば」
魂が抜けていくような息を吐いた後、梓は軽く声を整え、何か気合を入れたような気がした。
「……ま、まあ。ボクは優しいから、そ、その。……たっ、タカシと一緒にいたげるけどね?」
軽く頬を染め、梓はこちらをチラチラ見ている。何かを期待している風だったので、とりあえず頭をなでてみた。
「違うよっ! ……ち、違うけど、もちょっとなでてもいい」
ということなので、もちょっとなでる。
「えへ、えへへぇ♪」
すると、なんか嬉しそうになった。変な奴。かわいい。でも変な奴。
「しかし、どうしようもないと最初から諦めていても仕方がないな。……よし、彼女を作る努力をしよう」
「ええっ!?」
「何がええっ、か。そもそもお前が言ったんだろーが」
梓の鼻をつんつんしながら言う。ふにふにして柔らかい。どこもかしこも柔らかいな、コイツ。
「ひゃっ、ふにゃっ。……そ、そだけど、そだけどさ。……ちなみに、どんなことするの?」
「中二病になり、中二病の女の子が仲間と思い近寄ってくるのを待つ」
「最初から何も変わってない!?」
「これよりCODE:MATIBOUKEを発動する!」
「MATI……あ、まちぼうけ! あ、あーあー。待ちぼうけか。あははっ、うさぎを待つんだね?」
「他の手段が何も浮かばないのです」
「あははっ。……ほーんと、タカシってばダメダメだよねー♪」
何やら急にご機嫌体質になった梓が、さっきとは逆に俺の鼻をつんつんしながら笑った。何がそんな嬉しいのだろうか。
「あと、中二病を患ったことがないのでどうしたらいいのか分からないのも難点だな」
「えっ、いがーい! タカシってそういうの率先して感染してると思ったのに」
「中学時代は友人なんて一人もいなかったからなあ。昼休みなんかはいつも一人で本読んでたから、それで満足してたというか……梓?」
何やらあわあわしている。なんだというのか……あ。気を使わせたか。
「自ら古傷を抉らせるような真似をさせるだなんて、お前はなんて酷いやつなんだ。地獄の魔法でお前を殺す」
「怖いよ、怖すぎるよっ!」
そこで、気を使わせない様に振舞ったら怯えられた。バランスが難しい。
「……まー、わざと言ってるみたいだけどさ」
気づかれたか。アホの子のくせに時折聡いから、ボクっ娘は困る。
「まあ、なんだ。今はお前みたいなアホだが奇特で優しい友人がいるから大丈夫だぞ?」ナデナデ
「あ、アホってなんだよぉ。……あ、あと、ボクは別に優しくも奇特でもないもん。普通だもん」
「そっか。じゃ、なんとなくなでられろ」ナデナデ
「……うー」
梓は小さくうなりながら、不満げな顔で俺になでられてた。かわいい。
「む。なんか梓の頭をなでてたら満足してしまった。どうしてくれる」
「言いがかりもはなはだしーよっ! 満足したならそれでーいじゃんか」
「ただ、イチャイチャはしたい。やっぱりしたい。どうやったら彼女ってできるんですか? やっぱ剣とか背負わないとダメですかね。どこに売ってるの? コンビニとかでは見たことないんですが」
「まだ中二病の呪縛から逃れられてないよ……」
「あと、実はまだ一話しか見てないからよく分からないんだ」
「何の話?」
「いつになったら梓に第二次性徴が表れるのかって話」
「もー表れてるの! これでも! どーせ胸も背もちっちゃいよ、ばかっ!」
「いや、嬉しいので今後もそのままのつるぺたな君でいてくださいって話ですよ?」ナデナデ
「このロリコンめーっ!」
ベア様っぽく怒りながら俺をぺこぽこしてくる梓だった。
【ツンデレに性癖を暴露したら】
2012年09月18日
「今の俺は太ももフェチなんだ」
「よく分かんないけど、こっち来ないで」
どういうワケか、冒頭からボクっ娘が嫌悪に顔を歪ませている。
「人を見かけだけで嫌うのはよくないぞ?」
「タカシに関しては内面で嫌ってるんだよ」
「腐ってるからしょうがないよね」
「否定しろっ!」
なんか怒られた。
「でだな、最初に言った通り太ももなんですが」
「う……」
「そのミニスカから伸びる太ももをすりすりさせろ、なんて言わないから安心しろ」
その言葉に、ボクっ娘はほっと息を漏らした。
「ただ、ふやけるくらい舐めさせろ」
「妖怪が可愛く見えるくらい怖いよっ!」
「あれ? ボクっ娘のことだ、『うんうんっ、妊娠するくらいぺろぺろしてねっ♪』って言うと思ったのに。……つまり、貴様は偽物だな。生きたまま皮を剥いて正体を暴くからそこを動くな」
「超本物だよぅっ!? こ、こっち来んなよぅ! は、はぅぅ……」
手をワキワキさせて近づいたらガタガタ震えだしたので、ほっぺを引っ張る。
「うーむ、取れない」
「あぅ、あぅぅーっ!」
「しかし、モチみてえだな。わはは」
「あぅぅーっ! 人のほっぺたで遊ぶなーっ!」
「わはは。あー楽し」
「ボクはちっともだよぅっ!」
ひと通りムニムニして満足したので、ボクっ娘のほっぺから手を離す。
「はぁー……。うー、ほっぺが痛いよ。タカシのばか」
俺を睨みながら、ボクっ娘は自分のほっぺをさすさすとさすった。小動物みたいでなんか可愛い。
「この程度で痛がっていたら、俺との初体験で気絶してしまうぞ?」
「な、なんでボクとタカシがするって決まってるんだよっ!? し、しないもんっ!」
「いや、筋弛緩剤等を使って自由を奪ってる間に行うので、お前の意思は関係ない」
「悪質な犯罪者!?」
何やらボクっ娘方面から人を犯罪者扱いする失礼な気配を感じたので、頭をなでてイメージを回復させる。
「うー……」
「いや、あの。勿論冗談ですよ?」
「ふん。タカシってそーゆー冗談ばっか言ってるから、信じらんないよ」
「じゃあ本気でやる」
「冗談! 冗談だよね!?」
さっきまでのぶすーっとした雰囲気が一転、何やら必死な様子でボクっ娘は俺に訴えかけた。
「いや、やる」
「冗談なの!」
勢いに押され、冗談にされてしまった。くそぅ。
「まあそんなのはいい。では、最初の提案通り、太ももを触らせろ」
「その台詞、ただの痴漢だよ?」
「はい」
「はい!?」
「ただ、どうしても嫌と言うのであれば、その薄ぺたい乳でもいい」
「あのさ、タカシ。通報していい?」
「訂正。その巨乳でもいい」
「別に大きさに注文つけたんじゃないよっ!」
「よかった。その絶壁を巨乳なんて言ったもんだから、あまりの嘘の大きさに吐き気をもよおしていたところだったんだ」
「……どーせ小さいもん」
「いかん、胸を気にするボクっ娘が大変に可愛らしい! ちょっとお兄さんと結婚しませんか!?」
「しません! ボクっ娘ってゆーなっ! まったく、タカシってば未だにボクのことボクっ娘って呼ぶよね。まったくもー……」
「梓、梓」
「なんだよ? ボクはいま怒ってるんだよ?」
「顔が真っ赤ですが、気づいてますか?」
「いっ、イチイチ言うなっ、ばかっ! 可愛いとか結婚とか言われて恥ずかしいんだよっ! うぅー……」
梓は小さくうつむくと、俺をじろーっと睨んだ。ただ、顔が赤いままなので何の迫力もなく、ていうか結婚してえ。
「……はっ! いかんいかん、脳内で梓との結婚生活に突入していた。それは将来のお楽しみなので後にとっておくとして、今は膝枕をしてもらおう」
「か、勝手に人を結婚相手にするなっ! ……で、えと、膝枕してほしいの?」
「嫌なら下半身だけ切断して貸してくれてもいいから」
「それだとボクが死んじゃうよ!」
「数日なら死臭もしないだろ」
「さっきボクにプロポーズした人が何言ってるの!?」
「で、どうでしょうか。個人的には普通に膝枕をしてもらうのが嬉しいのですが」
「うー……えっちなこと、しない?」
「する」
「絶対やんないっ!」
「しまった。しょうがない、ここは嘘をついてやりすごそう。えっちなことはしないから安心しろ」
「前者っ! 台詞のぜんしゃーっ!」
「ままならないなあ」
「超こっちの台詞だようっ!」
このままではしてくれそうになかったので、しないと約束する。
「ホントだね? 嘘ついたら絶交だからね?」
「任せろ。ただ、無意識に身体が動いてしまうのは許してくれ」
「うー……分かったよ。繰り返すけど、えっちなことはダメだからね。絶対だからね?」
「任せろ。おっぱいという台詞だけで顔が真っ赤になっちゃうくらいシャイな俺だから、そんなことしないよ」
「明らかに嘘だよ。……んじゃ、はい。いーよ?」
梓はちょこんと正座すると、ぽむぽむと自分の太ももを叩いた。
「じゃあ寝かせてもらうが、その前にちょっと舐めていい?」
「えっちなことは禁止なのっ!」
「しまった、そうだった! ええいっ、これではなんのために膝枕するのか!」
「そんなこと言うんだったら、もーしてやんないぞっ!?」
「あ、嘘です嘘。お願いします」
ペコペコと土下座する。梓の太ももの前に全ての生命は無力です。
「べ、別にそこまでやんなくてもいいけど……じゃ、じゃあ、ほら。いーよ?」
「はい」
ぽふりと頭を梓の太ももに乗せる。
「向きが逆だよ!!!!!」
「しまったしまった、間違えた」
そしてそのまま深く深呼吸。
「~~~~~っ!!!」
「痛い痛い」
すると、後頭部にチョップの連打があるので俺様の脳細胞が大変危険。とりあえず頭を太ももからどける。
「えっちなことはやんないって言ったのに! のにーっ!」
顔を真っ赤に染め上げて、梓は俺をぽかぽか叩いた。
「あいたた。いやその、間違えた。間違えたんです」
「絶対嘘だよ! 今日もえっちだよ!」
「ばか、普段の俺ならこれに加えてべろべろ舐めまくってたぞ? ただ、今日は約束があったので理性を総動員して我慢したんだ。そんな偉い俺を褒めずに怒るとは……どうかと思うね!」
「どっちがだようっ!? もー! 今日もえっち! もー!」ポカポカ
「あいたた。ごめんごめん。分かった、もうやんないから膝枕をお願いします」
「ここまでしといてまだお願いするの!? どれだけ厚かましいんだよっ!」
「嫌ですか」
「嫌ですよっ! どーせ次はボクの太ももをぺろぺろするつもりだろっ!」
「いいの? やったあ!」
「やってない! 許可してないっ! ……あのさ、どーしてもしてほしいの? 膝枕」
「そだね。ムチムチした太ももを枕に寝てえ。ただ、本音を言えば挟んで欲しい」
「……よく分かんないけど、えっちなこと?」
「はい!」
「満面の笑みだよ……」
「ちなみに具体的に言うとだな、梓の太ももの間に俺の」
「具体的に言ったら膝枕してやんないっ!」
俺のセクハラ攻撃が止められた。くそぅ。だがそれと引き換えに、膝枕の権利を得た。上々の戦果と言えよう。
「分かった。では膝枕を頼む」
「うー……なんかすることになっちゃった。で、でも、えっちなこと禁止だからねっ!? 絶対だからね! 次はないからね!」
「分かった分かった、早く頼む」
「なんでそんな偉そうなんだよぉ……よいしょっと。はい、いーよ?」
ぽむぽむされたので、そこに頭を乗せる。今度は向きを間違えない。
「……ど、どう? 変じゃない?」
「確かに一人称がボクというのは女性としては一般的ではないが、俺は嫌いではないぞ」
「そんな話してないっ! 膝枕の話っ! ……て、ていうか、嫌いじゃないんだ」
「まぁね。かーいーよね」
「……そ、そんなこと言われても、嬉しくないもん」
とか言いながら、梓はにへにへ笑いながら俺の頬をつんつんとつついた。
「うむ。枕もその笑顔も共に素晴らしいぞ」
「わっ、笑ってないんてないもんっ!」ポカポカ
「ぶべらはべら」
「わ、汚い」
「失礼だな、キミは……。まあ、ともかく。大変素晴らしい枕だな、この膝枕は。残念なことに、いやらしい気持ちが吹き飛んでしまったよ」
「そのくらいの方がタカシにはちょうどいいよ。普段がいやらしすぎるもん」
「思春期の男なんてみんなこんなだぞ?」
「普通は口に出したり行動したりしないのっ! タカシが異常なのっ!」
「いやはや……ふわああ」
「……眠くなっちゃった?」
「ちょっとね。大分ね」
「いーよ、寝ちゃっても」
「いや、しかしだな……」
「んー?」ナデナデ
「……そだな。じゃあ、少し寝かせてもらうか。悪いな、梓」
「えへへー。いーよいーよ。んじゃお休み、タカシ」
「ん。お休み、梓」
優しく頭をなでられながら、俺は眠りに落ちるのだった。
「よく分かんないけど、こっち来ないで」
どういうワケか、冒頭からボクっ娘が嫌悪に顔を歪ませている。
「人を見かけだけで嫌うのはよくないぞ?」
「タカシに関しては内面で嫌ってるんだよ」
「腐ってるからしょうがないよね」
「否定しろっ!」
なんか怒られた。
「でだな、最初に言った通り太ももなんですが」
「う……」
「そのミニスカから伸びる太ももをすりすりさせろ、なんて言わないから安心しろ」
その言葉に、ボクっ娘はほっと息を漏らした。
「ただ、ふやけるくらい舐めさせろ」
「妖怪が可愛く見えるくらい怖いよっ!」
「あれ? ボクっ娘のことだ、『うんうんっ、妊娠するくらいぺろぺろしてねっ♪』って言うと思ったのに。……つまり、貴様は偽物だな。生きたまま皮を剥いて正体を暴くからそこを動くな」
「超本物だよぅっ!? こ、こっち来んなよぅ! は、はぅぅ……」
手をワキワキさせて近づいたらガタガタ震えだしたので、ほっぺを引っ張る。
「うーむ、取れない」
「あぅ、あぅぅーっ!」
「しかし、モチみてえだな。わはは」
「あぅぅーっ! 人のほっぺたで遊ぶなーっ!」
「わはは。あー楽し」
「ボクはちっともだよぅっ!」
ひと通りムニムニして満足したので、ボクっ娘のほっぺから手を離す。
「はぁー……。うー、ほっぺが痛いよ。タカシのばか」
俺を睨みながら、ボクっ娘は自分のほっぺをさすさすとさすった。小動物みたいでなんか可愛い。
「この程度で痛がっていたら、俺との初体験で気絶してしまうぞ?」
「な、なんでボクとタカシがするって決まってるんだよっ!? し、しないもんっ!」
「いや、筋弛緩剤等を使って自由を奪ってる間に行うので、お前の意思は関係ない」
「悪質な犯罪者!?」
何やらボクっ娘方面から人を犯罪者扱いする失礼な気配を感じたので、頭をなでてイメージを回復させる。
「うー……」
「いや、あの。勿論冗談ですよ?」
「ふん。タカシってそーゆー冗談ばっか言ってるから、信じらんないよ」
「じゃあ本気でやる」
「冗談! 冗談だよね!?」
さっきまでのぶすーっとした雰囲気が一転、何やら必死な様子でボクっ娘は俺に訴えかけた。
「いや、やる」
「冗談なの!」
勢いに押され、冗談にされてしまった。くそぅ。
「まあそんなのはいい。では、最初の提案通り、太ももを触らせろ」
「その台詞、ただの痴漢だよ?」
「はい」
「はい!?」
「ただ、どうしても嫌と言うのであれば、その薄ぺたい乳でもいい」
「あのさ、タカシ。通報していい?」
「訂正。その巨乳でもいい」
「別に大きさに注文つけたんじゃないよっ!」
「よかった。その絶壁を巨乳なんて言ったもんだから、あまりの嘘の大きさに吐き気をもよおしていたところだったんだ」
「……どーせ小さいもん」
「いかん、胸を気にするボクっ娘が大変に可愛らしい! ちょっとお兄さんと結婚しませんか!?」
「しません! ボクっ娘ってゆーなっ! まったく、タカシってば未だにボクのことボクっ娘って呼ぶよね。まったくもー……」
「梓、梓」
「なんだよ? ボクはいま怒ってるんだよ?」
「顔が真っ赤ですが、気づいてますか?」
「いっ、イチイチ言うなっ、ばかっ! 可愛いとか結婚とか言われて恥ずかしいんだよっ! うぅー……」
梓は小さくうつむくと、俺をじろーっと睨んだ。ただ、顔が赤いままなので何の迫力もなく、ていうか結婚してえ。
「……はっ! いかんいかん、脳内で梓との結婚生活に突入していた。それは将来のお楽しみなので後にとっておくとして、今は膝枕をしてもらおう」
「か、勝手に人を結婚相手にするなっ! ……で、えと、膝枕してほしいの?」
「嫌なら下半身だけ切断して貸してくれてもいいから」
「それだとボクが死んじゃうよ!」
「数日なら死臭もしないだろ」
「さっきボクにプロポーズした人が何言ってるの!?」
「で、どうでしょうか。個人的には普通に膝枕をしてもらうのが嬉しいのですが」
「うー……えっちなこと、しない?」
「する」
「絶対やんないっ!」
「しまった。しょうがない、ここは嘘をついてやりすごそう。えっちなことはしないから安心しろ」
「前者っ! 台詞のぜんしゃーっ!」
「ままならないなあ」
「超こっちの台詞だようっ!」
このままではしてくれそうになかったので、しないと約束する。
「ホントだね? 嘘ついたら絶交だからね?」
「任せろ。ただ、無意識に身体が動いてしまうのは許してくれ」
「うー……分かったよ。繰り返すけど、えっちなことはダメだからね。絶対だからね?」
「任せろ。おっぱいという台詞だけで顔が真っ赤になっちゃうくらいシャイな俺だから、そんなことしないよ」
「明らかに嘘だよ。……んじゃ、はい。いーよ?」
梓はちょこんと正座すると、ぽむぽむと自分の太ももを叩いた。
「じゃあ寝かせてもらうが、その前にちょっと舐めていい?」
「えっちなことは禁止なのっ!」
「しまった、そうだった! ええいっ、これではなんのために膝枕するのか!」
「そんなこと言うんだったら、もーしてやんないぞっ!?」
「あ、嘘です嘘。お願いします」
ペコペコと土下座する。梓の太ももの前に全ての生命は無力です。
「べ、別にそこまでやんなくてもいいけど……じゃ、じゃあ、ほら。いーよ?」
「はい」
ぽふりと頭を梓の太ももに乗せる。
「向きが逆だよ!!!!!」
「しまったしまった、間違えた」
そしてそのまま深く深呼吸。
「~~~~~っ!!!」
「痛い痛い」
すると、後頭部にチョップの連打があるので俺様の脳細胞が大変危険。とりあえず頭を太ももからどける。
「えっちなことはやんないって言ったのに! のにーっ!」
顔を真っ赤に染め上げて、梓は俺をぽかぽか叩いた。
「あいたた。いやその、間違えた。間違えたんです」
「絶対嘘だよ! 今日もえっちだよ!」
「ばか、普段の俺ならこれに加えてべろべろ舐めまくってたぞ? ただ、今日は約束があったので理性を総動員して我慢したんだ。そんな偉い俺を褒めずに怒るとは……どうかと思うね!」
「どっちがだようっ!? もー! 今日もえっち! もー!」ポカポカ
「あいたた。ごめんごめん。分かった、もうやんないから膝枕をお願いします」
「ここまでしといてまだお願いするの!? どれだけ厚かましいんだよっ!」
「嫌ですか」
「嫌ですよっ! どーせ次はボクの太ももをぺろぺろするつもりだろっ!」
「いいの? やったあ!」
「やってない! 許可してないっ! ……あのさ、どーしてもしてほしいの? 膝枕」
「そだね。ムチムチした太ももを枕に寝てえ。ただ、本音を言えば挟んで欲しい」
「……よく分かんないけど、えっちなこと?」
「はい!」
「満面の笑みだよ……」
「ちなみに具体的に言うとだな、梓の太ももの間に俺の」
「具体的に言ったら膝枕してやんないっ!」
俺のセクハラ攻撃が止められた。くそぅ。だがそれと引き換えに、膝枕の権利を得た。上々の戦果と言えよう。
「分かった。では膝枕を頼む」
「うー……なんかすることになっちゃった。で、でも、えっちなこと禁止だからねっ!? 絶対だからね! 次はないからね!」
「分かった分かった、早く頼む」
「なんでそんな偉そうなんだよぉ……よいしょっと。はい、いーよ?」
ぽむぽむされたので、そこに頭を乗せる。今度は向きを間違えない。
「……ど、どう? 変じゃない?」
「確かに一人称がボクというのは女性としては一般的ではないが、俺は嫌いではないぞ」
「そんな話してないっ! 膝枕の話っ! ……て、ていうか、嫌いじゃないんだ」
「まぁね。かーいーよね」
「……そ、そんなこと言われても、嬉しくないもん」
とか言いながら、梓はにへにへ笑いながら俺の頬をつんつんとつついた。
「うむ。枕もその笑顔も共に素晴らしいぞ」
「わっ、笑ってないんてないもんっ!」ポカポカ
「ぶべらはべら」
「わ、汚い」
「失礼だな、キミは……。まあ、ともかく。大変素晴らしい枕だな、この膝枕は。残念なことに、いやらしい気持ちが吹き飛んでしまったよ」
「そのくらいの方がタカシにはちょうどいいよ。普段がいやらしすぎるもん」
「思春期の男なんてみんなこんなだぞ?」
「普通は口に出したり行動したりしないのっ! タカシが異常なのっ!」
「いやはや……ふわああ」
「……眠くなっちゃった?」
「ちょっとね。大分ね」
「いーよ、寝ちゃっても」
「いや、しかしだな……」
「んー?」ナデナデ
「……そだな。じゃあ、少し寝かせてもらうか。悪いな、梓」
「えへへー。いーよいーよ。んじゃお休み、タカシ」
「ん。お休み、梓」
優しく頭をなでられながら、俺は眠りに落ちるのだった。
【ツンデレをしばらく放置してたら】
2012年04月29日
しばらくボクっ娘を放置していたら、何やら拗ねてる様子。
「…………」
ふくれっ面をしつつも、微妙に俺の視界に入る位置をキープしている。その程度の冷静さはあるようだ。
「はぁ……仕方ない、目を潰してボクっ娘を見ないようにし、このストレスから解法されよう」
「もうちょっとマシな解決方法あるだろっ! ていうかとっととボクに話しかけろっ!」
ものすごい勢い込んでこっちに寄ってきた。びっくりした。
「こんにちは」
「こんにちは! 挨拶は大事だけど、でもそうじゃない!」
「先手を打たれた。もうダメだ」
「いちいちくじけるなっ! とにかく、ずーっとボクを無視してた理由をお尋ね申すよ!」
「や、無視じゃなくて。何かと忙しくて放置してただけです」
「……ホントに? ボクに飽きたとかじゃないの?」
「不安げな表情がそそりますね!」
「ふ、不安なんてこれっぽっちもないよ! でも飽きたかどうかだけ一応聞いておくよ!」
「つーか、飽きるほどお前の身体を貪ってないぞ」
「かかかっ、身体って! 身体って! ま、まだそーゆー関係じゃないよっ!」
「まだ?」
「い、いーからいちいち食い付くなっ!」
「ふむ。まあいい、ともあれ、ようやっと暇になったのでまたお前と遊べるぞ。よかったな、梓?」
「うんっ!」(満面の笑み)
「…………」
「…………」(気がついた)
「……あー、その。さしもの俺も照れますよ?」
「ちっ、ちちちっ、違う違うよっ! タカシと一緒で嬉しいとかじゃないもん! ま、またタカシに嫌がらせできて嬉しいなーの方の嬉しいだもんっ!」
「あー、うん。そだな」ナデナデ
「そ、そだもん。それ以外ありえないもん」
「でも、今日は忙しいからまた明日な」
「え……」
「そんな地獄に落ちたみたいな顔するない」ナデナデ
「そ、そこまで絶望的な顔してないよっ! ……で、でも、本当に今日も忙しいの? どしても?」
梓は俺の手を握り、必死な顔で聞いてきた。心がぐにゃりとなる。
「……あー、や、どうしても、ではない」
「やたっ! じゃ、じゃあさっ、じゃあさっ、今日は一緒に遊んでも大丈夫だよね? ね?」クイクイ
「ま、まあ」
「じゃあ、じゃあ、うち来て、家!」
「はぁ」
というわけで、梓宅。
「えへへ、えへへへー。久しぶりだなー、タカシがこの部屋に来るの久しぶりだなー♪」
もう超ご機嫌な感じで梓が俺の隣でニコニコしているわけで。
「そんな久しぶりか?」
「一ヶ月ぶりくらいだよ! ちょー久しぶりだよ、ちょー!」
「言う程でもないだろうに」
そう言いながら、梓が用意してくれた茶菓子を手に取る。
「あっ、それね、それね、前にタカシが食べておいしいって言ってたお菓子だよ。ど、どかな? おいし?」
「もぐもぐ。まずい」
「ご、ごめんね……」(涙じわーっ)
「泣くなッ! 冗談に決まっとろーが!」
慌てて梓の頭をなでる。なんか今日のコイツおかしい。いや普段も結構な割合でおかしいが、今日はそれに輪をかけておかしい。
「うぅ……今日もタカシはいじわるだよ。いじわるサンバだよ」
「ヒッヒッヒ。さあ今度は誰の子を取り上げるかな?」
「産婆違いだよ! ……えへへ、こういうやりとりも久しぶりだよ♪」
「いちいち嬉しそうにするない」
「し、してないよ! ちっとも嬉しくなんてないよ! ……で、でもホントはちょっぴり嬉しいから、さっきみたいなのもっと言って」
何やら恥ずかしげに俺の服の袖をちょっと引っ張る梓。変なところで照れる奴だ。
「分かった。じゃあ何かボケろ」
「と、突然言われても……ど、どしたらいいかな?」
「じゃあ、思いつくまで適当に遊びましょう」
「そ、そだね、そだね! 何する? 何する?」
「うーん、そうだな……」
ぐでーっと横になって考えるフリをしてると、梓がすすすーっと寄ってきた。
「ん?」
「べ、別に?」
「ふむ。……梓、おいで」
「お、あ、う……ぼ、ボクは別にその、あの……えと。……い、いいの?」
何やら葛藤があったようだが、欲求の方が勝ったようだ。
「知らん。少なくともお前がいいなら俺は問題ない」
「じゃ、じゃあ、その、行くけど……べ、別にタカシのことを好きとかじゃないからね! 久しぶりで寂しかっただけだからね!?」
「それは言い訳になってるのか?」
「うっ、うるさい! で、いいのっ!?」
「ダメ」
「あぅぅ……」(涙目)
「すぐ折れるな。冗談に決まっとろーが」
「あっ……」
ぐいっと梓を引き寄せる。すっぽりと、梓の身体は俺の胸に収まった。こういう時、小さいと便利。
「……あ、あぅ」
「何を赤くなってるか」
「あ、赤くなんてなってないよ! ちょっとなんか泣きそうなだけだよっ!」
「なんでやねん」
「だ、だって、久しぶりに抱っこされたし……あ、あのさ、他意はないんだけどさ、ちょこっとだけしがみついていい?」
「他意しかねーだろ」
「い、いーじゃんよーっ! 久しぶりなんだしっ! ここまでしたら後は似たようなもんだよ!」
「あー、まあいいよ」
「うぎゅむーっ♪」
「言う前にしがみついてるし……」
「くんくんくん……はふぅ。タカシの匂いだぁ♪」
「嗅いでいいとは言ってないぞ、変態娘」
「へ、変態じゃないよっ! その勲章はタカシにこそ似合うんだよっ!」
「へーへー」ナデナデ
「あっ、なでられながら抱きつくのいいっ! もっとなでて、ボクがクンクンしてる間なでてて?」
「……まあ、放置してたのは俺だし、いいか。分かった、俺も気合を入れよう。フオオオオ!」ナデナデ
「ふおおおお!」クンクンクン
「何の集団だ、これ」
「手が止まってるよ!」クンクン
よく分からない休日だったという噂。
「…………」
ふくれっ面をしつつも、微妙に俺の視界に入る位置をキープしている。その程度の冷静さはあるようだ。
「はぁ……仕方ない、目を潰してボクっ娘を見ないようにし、このストレスから解法されよう」
「もうちょっとマシな解決方法あるだろっ! ていうかとっととボクに話しかけろっ!」
ものすごい勢い込んでこっちに寄ってきた。びっくりした。
「こんにちは」
「こんにちは! 挨拶は大事だけど、でもそうじゃない!」
「先手を打たれた。もうダメだ」
「いちいちくじけるなっ! とにかく、ずーっとボクを無視してた理由をお尋ね申すよ!」
「や、無視じゃなくて。何かと忙しくて放置してただけです」
「……ホントに? ボクに飽きたとかじゃないの?」
「不安げな表情がそそりますね!」
「ふ、不安なんてこれっぽっちもないよ! でも飽きたかどうかだけ一応聞いておくよ!」
「つーか、飽きるほどお前の身体を貪ってないぞ」
「かかかっ、身体って! 身体って! ま、まだそーゆー関係じゃないよっ!」
「まだ?」
「い、いーからいちいち食い付くなっ!」
「ふむ。まあいい、ともあれ、ようやっと暇になったのでまたお前と遊べるぞ。よかったな、梓?」
「うんっ!」(満面の笑み)
「…………」
「…………」(気がついた)
「……あー、その。さしもの俺も照れますよ?」
「ちっ、ちちちっ、違う違うよっ! タカシと一緒で嬉しいとかじゃないもん! ま、またタカシに嫌がらせできて嬉しいなーの方の嬉しいだもんっ!」
「あー、うん。そだな」ナデナデ
「そ、そだもん。それ以外ありえないもん」
「でも、今日は忙しいからまた明日な」
「え……」
「そんな地獄に落ちたみたいな顔するない」ナデナデ
「そ、そこまで絶望的な顔してないよっ! ……で、でも、本当に今日も忙しいの? どしても?」
梓は俺の手を握り、必死な顔で聞いてきた。心がぐにゃりとなる。
「……あー、や、どうしても、ではない」
「やたっ! じゃ、じゃあさっ、じゃあさっ、今日は一緒に遊んでも大丈夫だよね? ね?」クイクイ
「ま、まあ」
「じゃあ、じゃあ、うち来て、家!」
「はぁ」
というわけで、梓宅。
「えへへ、えへへへー。久しぶりだなー、タカシがこの部屋に来るの久しぶりだなー♪」
もう超ご機嫌な感じで梓が俺の隣でニコニコしているわけで。
「そんな久しぶりか?」
「一ヶ月ぶりくらいだよ! ちょー久しぶりだよ、ちょー!」
「言う程でもないだろうに」
そう言いながら、梓が用意してくれた茶菓子を手に取る。
「あっ、それね、それね、前にタカシが食べておいしいって言ってたお菓子だよ。ど、どかな? おいし?」
「もぐもぐ。まずい」
「ご、ごめんね……」(涙じわーっ)
「泣くなッ! 冗談に決まっとろーが!」
慌てて梓の頭をなでる。なんか今日のコイツおかしい。いや普段も結構な割合でおかしいが、今日はそれに輪をかけておかしい。
「うぅ……今日もタカシはいじわるだよ。いじわるサンバだよ」
「ヒッヒッヒ。さあ今度は誰の子を取り上げるかな?」
「産婆違いだよ! ……えへへ、こういうやりとりも久しぶりだよ♪」
「いちいち嬉しそうにするない」
「し、してないよ! ちっとも嬉しくなんてないよ! ……で、でもホントはちょっぴり嬉しいから、さっきみたいなのもっと言って」
何やら恥ずかしげに俺の服の袖をちょっと引っ張る梓。変なところで照れる奴だ。
「分かった。じゃあ何かボケろ」
「と、突然言われても……ど、どしたらいいかな?」
「じゃあ、思いつくまで適当に遊びましょう」
「そ、そだね、そだね! 何する? 何する?」
「うーん、そうだな……」
ぐでーっと横になって考えるフリをしてると、梓がすすすーっと寄ってきた。
「ん?」
「べ、別に?」
「ふむ。……梓、おいで」
「お、あ、う……ぼ、ボクは別にその、あの……えと。……い、いいの?」
何やら葛藤があったようだが、欲求の方が勝ったようだ。
「知らん。少なくともお前がいいなら俺は問題ない」
「じゃ、じゃあ、その、行くけど……べ、別にタカシのことを好きとかじゃないからね! 久しぶりで寂しかっただけだからね!?」
「それは言い訳になってるのか?」
「うっ、うるさい! で、いいのっ!?」
「ダメ」
「あぅぅ……」(涙目)
「すぐ折れるな。冗談に決まっとろーが」
「あっ……」
ぐいっと梓を引き寄せる。すっぽりと、梓の身体は俺の胸に収まった。こういう時、小さいと便利。
「……あ、あぅ」
「何を赤くなってるか」
「あ、赤くなんてなってないよ! ちょっとなんか泣きそうなだけだよっ!」
「なんでやねん」
「だ、だって、久しぶりに抱っこされたし……あ、あのさ、他意はないんだけどさ、ちょこっとだけしがみついていい?」
「他意しかねーだろ」
「い、いーじゃんよーっ! 久しぶりなんだしっ! ここまでしたら後は似たようなもんだよ!」
「あー、まあいいよ」
「うぎゅむーっ♪」
「言う前にしがみついてるし……」
「くんくんくん……はふぅ。タカシの匂いだぁ♪」
「嗅いでいいとは言ってないぞ、変態娘」
「へ、変態じゃないよっ! その勲章はタカシにこそ似合うんだよっ!」
「へーへー」ナデナデ
「あっ、なでられながら抱きつくのいいっ! もっとなでて、ボクがクンクンしてる間なでてて?」
「……まあ、放置してたのは俺だし、いいか。分かった、俺も気合を入れよう。フオオオオ!」ナデナデ
「ふおおおお!」クンクンクン
「何の集団だ、これ」
「手が止まってるよ!」クンクン
よく分からない休日だったという噂。