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2024年11月21日
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【ツンデレに独り言を聞かれたら】
2014年04月27日
昼休み。飯も食ったので存分にげふーと呼気を大気に混ぜ合わせる作業をしつつ窓から外を眺める。いい心地だ。
「はー。そういや最近ジャッジメントお化け見ないなあ。成仏したのかなあ」
「……まさかとは思いますが、わたくしのことを言っているのですか?」
「む。なんとなくつぶやいた独り言に反応されると、どうにも恥ずかしいですよね。いやゆる面映いというやつですね。照れくさいというやつですね。もうすぐ春ですね」
くるりと振り向くと、そこに件のお化けがいた。
「わたくしはリナですわっ! ジャッジンメントお化けではないですわっ! 百歩譲ってジャッジメントまではいいとして、どうしてお化けなんですの!?」
「キーキー騒ぐない。あまりキーキー言うとオス猿の野郎がメス猿がいると勘違いして尻を赤く発光させてモテアピールを開始するぞ」
「どこからつっこめばいいんですのっ!?」
今日もリナはうるさいなあ。
「はぁはぁ……」
荒く肩とおっぱいを上下させて呼吸するリナ。おっぱい。
「あ、そういや忘れてた。こほん」
居住まいを正し、リナに向き直る。
「? なんですの?」
「ジャッジメントですのっ!」ズビシッ
「…………」
今日も例の超かっこいい黒子ポーズでリナのご機嫌をうかがう。
「どうだ」
「ばーか」
「ちくしょう」
「はぁ……口を開くと馬鹿な事ばかり。もう少しマシなことを言えないんですの?」
呆れた様子でリナは髪をかき上げた。今日もドリルもみあげの調子は抜群のようだ。
「言えないことはないが、それだとちっとも愉快じゃないじゃないか」
「わたくしはちっとも愉快じゃないですわっ!」
「では聞くが、どういう時が愉快だと言うのだ? 今後の参考にさせてもらおう」
「えっ? そ、それはもちろん、その……」
「?」
何やらこちらを意味ありげにチラチラ見ている。……まさかっ!
「俺の超かっこいいジャッジメントですのポーズを見ている時か! なんてセンスのいいおっぱいなんだ! 褒美をくれてやろう! 俺の一円玉貯金をくれてやる! たぶん400円分くらいはあるはず!」
「違いますわっ! 一円玉で貰っても使いづらいですわっ! おっぱいって言うなっ!」
「大きいじゃん。おっぱい」
「お、大きいとか言わないんですのっ!」ポカポカ
「あいたた。はい、すいません」
可愛い感じでポカポカされ、思わずご機嫌になったので素直に謝罪してしまう。
「まったく、どうしてそんなにアホなんですの……?」
「いやはや。余談だが、俺はこうやってリナと馬鹿やってる時が最高に愉快です」
「うぐ」
「?」
「……そ、そうなんですの。すっごくつまらない趣味ですのね、貴方」
「なんで俺から90度顔を逸らして喋っているのですか。そっちは壁ですよ」
「か、壁を見るのがトレンディーなんですの! 今はこっちの方角が吉なんですの!」
「ヤベェ、風水だ! 溶ける!」
「なんでですの!?」
「宗教アレルギーなんだ」
「アレルギーで溶けるって聞いたことないですの! ……あと、風水って宗教ですの?」
「違う」
「じゃあ二重で間違ってますの!」
「マイナスをマイナスでかけるとプラスになるし、つまりはそういうことだ」
「今日も適当ですの!」
「わはは。……んで、もう風水とやらは大丈夫なのか?」
「へ?」
「や、普通にこっち見て話してるし」
「あ……」
「そしてェ!」ガシッ
「ふにゃっ!?」
リナの頭を両手で抱え込み、固定する。
「これで俺から顔をそむけることはできまい。ふはははは! 存分に苦しむがいい!」
「ちちちちち近い近い近いですのっ!?」
「終末の日が? あれ、リナって預言者属性あったっけ」
「そんな属性はないですのっ! 顔ですのっ、顔が近いですのっ!?」
「そういやベヒモスは終末の日まで草を食い続けるらしいが、そんなに草ばっか食べてて飽きないのだろうか。マヨネーズでも差し入れてあげたいよ」
「超知りませんのっ! いっ、いいから顔を、顔が!?」
「む、俺の顔を食べたいと申すか。残念ながら俺の顔には餡が詰まっていないので、食べてもおいしくないうえに俺が死ぬという大きなリスクがあるのだが、それでも食べたいと言うなら考えないでもない。……いや、やっぱり嫌だ。なぜなら死ぬから」
「顔を、遠ざけるですのーっ!!」
いい加減限界なのか、リナは顔を真っ赤にさせて大きく叫んだ。
「はいはい。ごめんよ」
素直に手を離してリナを解放する。素早くあとずさると、リナは肩とおっぱいを上下させて大きく呼吸した。おっぱい。
「よ、よくもこんな辱めを……!」
「人聞きが悪い! もうちょっと言い様の工夫を!」
「あ、貴方なんかにこんなことされるなんて、華を散らされたも同義ですの!」
「ほう。その隠語の詳しい意味の解説を願いたいものだ」
「ふぇ?」
「いやなに、無学なものでよく分からないんだ。どういうことか詳しく教えてくれないか?」
「え、えと……そ、その。……お、おしべと、め、めしべが……」
「おしべとめしべが」
「~~~~~っ! む、無知なのが悪いんですのっ! 教えてなんてあげないんですのっ! べ、別に恥ずかしいとかそういうんじゃないんですのよっ!?」
「恥ずかしいことなのか」
「貴方わざとおっしゃってませんこと!?」
「このおっぱい察しがいいなあ」
「うー! うー!」ズビシズビシ
涙目でチョップを連打されたが、その度に目の前でおっぱいがぽよんぽよん弾むので、むしろご褒美ですよ、と声を大にして言いたい。
「本気で馬鹿なんですのっ!?」
ので言ったら、さらにチョップが増した。たんこぶできた。
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【ツンデレにジャジメントですのを言ったら】
2012年12月30日
ある程度の周期でジャッジメントですのと言いたくなるので、自然、リナをからかう羽目になる。
「だがこれも全てはリナの馬鹿みたいな口調と黒子の素敵で可愛い口調が一緒のせいであり、俺のせいではない。俺は悪くねぇっ!」
「口調が一緒なのに評価が全然違いますわっ! というか、馬鹿みたいとは何事ですの!」
「超振動!」ビビビビビ
「いーから謝りなさい!」
一人楽しく震えていたら怒られた。もっと震えたかった。
「ごめんなさい。リナの口調は馬鹿みたいではないです。むしろ好ましく思っています」
「こっ!? ……あ、貴方なんかに好まれても、嬉しくなんてないですわ。むしろ不愉快ですわ!」
リナは腕を組み、ぷいっと顔を逸らした。組んだ腕の上におっぱいが乗ってる。すごい。
「おー」
「? 聞いてるんですの?」
「あ、すいません。おっぱいにしか注意を払ってませんでした。貧乳好きの俺様をここまで魅了するとは……今後も引き続き注視せねば」
「その予定は今すぐ破棄なさいっ!」
「いいえ」
「……破・棄・な・さ・い」
「はい」
なんか笑顔で凄まれた結果、選択肢がひとつになってしまった。怖かった。
「まったく……というか、どうしてそんな馬鹿正直なんですの? 少しは誤魔化せばいいのに」
「うまくいけばおっぱいを揉みしだけると思ったんだ」
「そんな未来はありえませんわっ!」
「それはどうかな?」
「ありえませんのっ!」
俺の無敵誘導尋問が失敗した。成功した試しはないです。
「いやはや。まー、嘘つくの嫌いだからね」
「普段冗談ばかり言っておいて、何言ってるんですの」
「いやはや」
「……ま、まあ、人を傷つけるような冗談は絶対に言わないから、別にいいんですけど」ボソボソ
「善人だからね!」
「その耳の良さが大変に疎ましいですわっ!」
なんか顔の赤い人が俺の両の頬を全力で引っ張るので痛い。悪い気はしませんが。
「……ま、まったく。それにしても、本当に貴方も飽きませんわね。何度ジャッジメントと言えば気が済むんですの?」
「言葉の響きがいいんだろうね。気に入ってしまった以上、飽きるまで言い続けるさ。そして飽きたら冷却期間を置き、しばらくしたらまた言う。だから一生ものです」
「……ということは、わたくしは一生、貴方にからかわれ続けるんですの?」
「ジャッジメントですのっ!」(その通り、という感じで)
「嫌ですのーっ! ものすごく迷惑ですの! そうだ! 貴方、今すぐ死にません!?」
「おっ、いいねぇ」
「なんで受け入れてるんですの!? そんな『帰りに軽く一杯どう?』の返事みたいなテンションで答えることじゃないですわっ!」
「お前の提案だろうが。そもそも冗談だが」
「ううう……隙あらば冗談を挟み込んでくるから、疲れますの」
「まあ今後ずっと側にいる予定なので、慣れてください」
「ずっと……?」
「はあ、まあ」
「…………。~~~~~!!!」
何を想像したんだか知らないが、リナの顔が急激に赤くなった。
「だっ、だっ、誰が貴方なんかとっ! そっ、そもそもそういうのは同意が必要なんでしてっ! わ、わたくしは貴方なんてだいっ嫌いなんですからねっ!?」
「何の話ですか」
「な、何って、その……うう。……わたくしに言わせるのも計算の内ですの?」
「そうだ!」
状況が理解できない時はとりあえず強く肯定しておけ、という恩師の言葉に則り、深く頷く。
「……本っ当に、趣味が悪いですの。……で、ですから、……あぅ、……わ、わたくしと結婚するって話ですのっ!」
「ええっ!」
「ええって!?」
「え、俺とリナ結婚するの?」
「そういう話ですの……よね?」
「そうなの?」
「どうして二人して聞いてるんですの!?」
「子供は何人くらい欲しい?」
「うぅ~~~~~!!」
リナはすぐに頬を引っ張るのでやめていただきたい。ただ、顔を赤くしたままなので可愛いから許す。
「うー……どうせ冗談ですのよね。えーえー、わたくし知ってますのよ。ふん」
リナはぷいっと顔を逸らし、何かぶちぶち言っていた。時折こちらを盗み見ては、俺の腕を軽くつねったりしている。かわいい。
「というか、そもそも結婚というのがどこから来た話なんだか俺には皆目見当が」
「で、ですから……ず、ずっと側にいるって、その……」
俺の太ももに指でくるくると輪を描きながら、リナは上目遣いでこちらを見た。
「うーわ可愛い。結婚してえ」
「な、なんでそういうことを口に出すんですのっ!? もー!」
また頬を引っ張られた。今回は(今回も?)俺が悪いので粛々と引っ張られたままになる。
「いやはや。たぶんだけど、それはリナが勘違いしているぞ」
「えっ?」
「“ジャッジメントですのを言うために”リナの側にずっといる、と言いたかったのではないだろうか、俺は」
「…………」
ややあって、リナの顔が朱で染まった。
「う……ううううう~!」ポカポカ
リナは半泣きで俺をポカポカ叩いた。ちっとも痛くないが、罪悪感だけは長靴いっぱいだ。
「えーと。俺が悪いのではないと思うのだけど」
「いーえっ! 全部貴方が悪いんですの! 決まってますの! わざとわたくしが勘違いしやすい言い方をしたに決まってるですのーっ!」
「そんなつもりはないのだけど、結果だけ見ればそう取れなくもないか。悪いことをしたな」(なでなで)
「……べ、別に悪くはないですけれども」
「ん?」
「な、なんでもないですの! ほら、手が止まってますわよ!」
「いや、謝罪のなでなではもう終わったのですが」
「止まってますの!」
「は、はい」
というわけで、しばらくリナの頭をなでてました。腕疲れた。
「……えへへー」
でも、なんか知らんがリナが嬉しそうだったので、まあいいや。
「だがこれも全てはリナの馬鹿みたいな口調と黒子の素敵で可愛い口調が一緒のせいであり、俺のせいではない。俺は悪くねぇっ!」
「口調が一緒なのに評価が全然違いますわっ! というか、馬鹿みたいとは何事ですの!」
「超振動!」ビビビビビ
「いーから謝りなさい!」
一人楽しく震えていたら怒られた。もっと震えたかった。
「ごめんなさい。リナの口調は馬鹿みたいではないです。むしろ好ましく思っています」
「こっ!? ……あ、貴方なんかに好まれても、嬉しくなんてないですわ。むしろ不愉快ですわ!」
リナは腕を組み、ぷいっと顔を逸らした。組んだ腕の上におっぱいが乗ってる。すごい。
「おー」
「? 聞いてるんですの?」
「あ、すいません。おっぱいにしか注意を払ってませんでした。貧乳好きの俺様をここまで魅了するとは……今後も引き続き注視せねば」
「その予定は今すぐ破棄なさいっ!」
「いいえ」
「……破・棄・な・さ・い」
「はい」
なんか笑顔で凄まれた結果、選択肢がひとつになってしまった。怖かった。
「まったく……というか、どうしてそんな馬鹿正直なんですの? 少しは誤魔化せばいいのに」
「うまくいけばおっぱいを揉みしだけると思ったんだ」
「そんな未来はありえませんわっ!」
「それはどうかな?」
「ありえませんのっ!」
俺の無敵誘導尋問が失敗した。成功した試しはないです。
「いやはや。まー、嘘つくの嫌いだからね」
「普段冗談ばかり言っておいて、何言ってるんですの」
「いやはや」
「……ま、まあ、人を傷つけるような冗談は絶対に言わないから、別にいいんですけど」ボソボソ
「善人だからね!」
「その耳の良さが大変に疎ましいですわっ!」
なんか顔の赤い人が俺の両の頬を全力で引っ張るので痛い。悪い気はしませんが。
「……ま、まったく。それにしても、本当に貴方も飽きませんわね。何度ジャッジメントと言えば気が済むんですの?」
「言葉の響きがいいんだろうね。気に入ってしまった以上、飽きるまで言い続けるさ。そして飽きたら冷却期間を置き、しばらくしたらまた言う。だから一生ものです」
「……ということは、わたくしは一生、貴方にからかわれ続けるんですの?」
「ジャッジメントですのっ!」(その通り、という感じで)
「嫌ですのーっ! ものすごく迷惑ですの! そうだ! 貴方、今すぐ死にません!?」
「おっ、いいねぇ」
「なんで受け入れてるんですの!? そんな『帰りに軽く一杯どう?』の返事みたいなテンションで答えることじゃないですわっ!」
「お前の提案だろうが。そもそも冗談だが」
「ううう……隙あらば冗談を挟み込んでくるから、疲れますの」
「まあ今後ずっと側にいる予定なので、慣れてください」
「ずっと……?」
「はあ、まあ」
「…………。~~~~~!!!」
何を想像したんだか知らないが、リナの顔が急激に赤くなった。
「だっ、だっ、誰が貴方なんかとっ! そっ、そもそもそういうのは同意が必要なんでしてっ! わ、わたくしは貴方なんてだいっ嫌いなんですからねっ!?」
「何の話ですか」
「な、何って、その……うう。……わたくしに言わせるのも計算の内ですの?」
「そうだ!」
状況が理解できない時はとりあえず強く肯定しておけ、という恩師の言葉に則り、深く頷く。
「……本っ当に、趣味が悪いですの。……で、ですから、……あぅ、……わ、わたくしと結婚するって話ですのっ!」
「ええっ!」
「ええって!?」
「え、俺とリナ結婚するの?」
「そういう話ですの……よね?」
「そうなの?」
「どうして二人して聞いてるんですの!?」
「子供は何人くらい欲しい?」
「うぅ~~~~~!!」
リナはすぐに頬を引っ張るのでやめていただきたい。ただ、顔を赤くしたままなので可愛いから許す。
「うー……どうせ冗談ですのよね。えーえー、わたくし知ってますのよ。ふん」
リナはぷいっと顔を逸らし、何かぶちぶち言っていた。時折こちらを盗み見ては、俺の腕を軽くつねったりしている。かわいい。
「というか、そもそも結婚というのがどこから来た話なんだか俺には皆目見当が」
「で、ですから……ず、ずっと側にいるって、その……」
俺の太ももに指でくるくると輪を描きながら、リナは上目遣いでこちらを見た。
「うーわ可愛い。結婚してえ」
「な、なんでそういうことを口に出すんですのっ!? もー!」
また頬を引っ張られた。今回は(今回も?)俺が悪いので粛々と引っ張られたままになる。
「いやはや。たぶんだけど、それはリナが勘違いしているぞ」
「えっ?」
「“ジャッジメントですのを言うために”リナの側にずっといる、と言いたかったのではないだろうか、俺は」
「…………」
ややあって、リナの顔が朱で染まった。
「う……ううううう~!」ポカポカ
リナは半泣きで俺をポカポカ叩いた。ちっとも痛くないが、罪悪感だけは長靴いっぱいだ。
「えーと。俺が悪いのではないと思うのだけど」
「いーえっ! 全部貴方が悪いんですの! 決まってますの! わざとわたくしが勘違いしやすい言い方をしたに決まってるですのーっ!」
「そんなつもりはないのだけど、結果だけ見ればそう取れなくもないか。悪いことをしたな」(なでなで)
「……べ、別に悪くはないですけれども」
「ん?」
「な、なんでもないですの! ほら、手が止まってますわよ!」
「いや、謝罪のなでなではもう終わったのですが」
「止まってますの!」
「は、はい」
というわけで、しばらくリナの頭をなでてました。腕疲れた。
「……えへへー」
でも、なんか知らんがリナが嬉しそうだったので、まあいいや。
【ツンデレにジャッジメント待ち伏せをしたら】
2012年03月10日
超電磁砲のSSを色々読んでたら面白かったので、リナをからかおう。
教室の隅に隠れて……来た! 今だ!
「ジャッジメントですの!」
「…………」
最高のタイミングで姿を現してかっこいいポーズを決めたのに、ものすっごい冷たい目で見られた。
「じゃ、ジャッジメントですの!」
「…………」
「……じ、ジャッジメントですの?」
「なんで疑問形なんですの!? ……はっ、ついツッコんでしまいましたわ。わたくしとしたことが……!」
「俺の勝ち。ぷひぃー」
「うるさいですわっ! そのドヤ顔やめてくださいまし! そもそも何期前のアニメを引きずってるんですの!?」
「詳しいですね」
「興味がないというわたくしに、貴方が何度も何度も何度も何度も説明をするからでしょう!?」
「さて、ジャッジメントですのもやったし、そろそろ帰るか」
「帰ってどうするんですの! 今から授業ですわっ! ほらほら、早く席に着きなさいな!」
「任せろ、得意だ。こうして、こうだな!」
「どっ、どうしてわたくしを膝に乗せるんですの!?」
自分の席に着き、そしてどういうことかリナを俺の膝に乗せてしまった。
「ああしまった間違えた」(棒読み)
「明らかにうそ臭いですわっ! み、みんな見てますわ、見てますわっ!」
「こんな面白い見世物、そうそうないからな。俺だって他人事ならガン見する」
「見世物とか言わないでくださいましっ! 早く早く早くっ! 先生が来てしまいますわっ!」
「早く……? 挿入もしてないのに出せ、と? まあ、後ろから抱っこすることによってリナの感触は味わえているので、刺激は十分だから……まあ、いけるか。ただ、ちょっと尻をグラインドさせていただけると助かります」
「な、な、な、何を言ってるんですの!? え、えっちですの、えっちですの!」
「はい!!!!!」
「満開の笑顔ですの……」
なぜかぐったりしてるリナだった。
「うぅ……そうじゃなくて、早くわたくしを解放してくださいなと言っているんですの」
「精神的に? 別にリナは誰にも依存してない自立した立派な女性だと思いますよ? ただ、おんぶにだっこな関係も非常に憧れるので、どうでしょうか?」
「何の話ですの! そうじゃなくて、抱っこをやめてくださいましと言っているのです!」
「ああ、なんだ。だから立てなかったのか。そういや俺が後ろから抱っこして動きを制限してたなあ。俺としたことがこんなことに気付かないだなんて。あっはっは」
「い、いーから早く! 一刻も早く手を離してくださいまし!」
「ふむ。……それじゃ、ジャッジメントですのって言ったら解放する」
「……ほ、本当ですのね? 嘘はナシですわよ?」
「嘘なんて今まで一度も言ったことがない。これが証明にならないか?」
「なりませんわっ! 今まで何度となく嘘をついてますわっ! むしろ冗談と言う名の嘘は嬉々として使ってますわっ!」
「リナはちっこくて可愛いなあ」(すりすり)
「ちっとも人の話を聞いてないうえ、人の頭に勝手にすりすり!? 許しがたい事ですわっ!」
「じゃあ逆に聞くが、リナの許せるレベルってどんなの?」
「……ふむ、そうですわね。わたくしの半径1kmまでなら近寄ることを許可しますわ。貴方にはそれ以上の接近を禁止しますわ。すぐにわたくしにセクハラいたしますから!」
「でも今は接距離1mmですよね」(すりすり)
「すりすりしないでくださいましっ! ああもうっ、今日の洗髪は特別念入りにしないといけませんわっ!」
「わははは。リナかーわいーい」
「あっ、貴方なんかに可愛いと言われてもちっとも嬉しくないですわっ!」
「まあまあ。それより、ジャッジメなんとかを早く言ってくれ」
「そこまで言ったなら最後まで言えばいいのに……そ、それで、本当に言ったら解放してくれるんですのね?」
「嘘なんて今までい」
「無限ループはいいですから! じゃあ言いますから、貴方も約束は守って下さいましね?」
「任せろ。まもって守護月天が好きだった俺だ、守るに決まってるだろう。ただ、一言だけ言っておくなら、俺は嘘つきらしい」
「一切合切信じられませんわっ! ああもうっ、言うからちゃんと解放して下さいましね! ……じ」
「ジャッジメントですの!」
「なんで貴方が言うんですの!? あと少しでわたくしが言うところでしたのに! わたくしのジャッジメントを盗らないでくださいまし!」
「だって先生が既に教室に来ていて、ものすごい俺達を睨んでいるから、そのプレッシャーに耐えられなかったんだ」
「へ?」
「……気は済んだか、二人とも」
「どうしてわたくしまで一緒になって立たされるんですの!? 全く納得がいきませんわ!」
「そうだな、本来叱られるべきは素早くジャッジメントですのを言わなかったリナだけだ。俺まで巻き込まれるのはどうかと思うが、優しい俺様はリナに付き合ってあげるよ」
「何一つ分かってませんわこの方!? ああもうっ、腹立たしいですわっ!」(頬ぎゅー)
「わははは」
手馴れた感じで廊下に立つ俺達だった。
教室の隅に隠れて……来た! 今だ!
「ジャッジメントですの!」
「…………」
最高のタイミングで姿を現してかっこいいポーズを決めたのに、ものすっごい冷たい目で見られた。
「じゃ、ジャッジメントですの!」
「…………」
「……じ、ジャッジメントですの?」
「なんで疑問形なんですの!? ……はっ、ついツッコんでしまいましたわ。わたくしとしたことが……!」
「俺の勝ち。ぷひぃー」
「うるさいですわっ! そのドヤ顔やめてくださいまし! そもそも何期前のアニメを引きずってるんですの!?」
「詳しいですね」
「興味がないというわたくしに、貴方が何度も何度も何度も何度も説明をするからでしょう!?」
「さて、ジャッジメントですのもやったし、そろそろ帰るか」
「帰ってどうするんですの! 今から授業ですわっ! ほらほら、早く席に着きなさいな!」
「任せろ、得意だ。こうして、こうだな!」
「どっ、どうしてわたくしを膝に乗せるんですの!?」
自分の席に着き、そしてどういうことかリナを俺の膝に乗せてしまった。
「ああしまった間違えた」(棒読み)
「明らかにうそ臭いですわっ! み、みんな見てますわ、見てますわっ!」
「こんな面白い見世物、そうそうないからな。俺だって他人事ならガン見する」
「見世物とか言わないでくださいましっ! 早く早く早くっ! 先生が来てしまいますわっ!」
「早く……? 挿入もしてないのに出せ、と? まあ、後ろから抱っこすることによってリナの感触は味わえているので、刺激は十分だから……まあ、いけるか。ただ、ちょっと尻をグラインドさせていただけると助かります」
「な、な、な、何を言ってるんですの!? え、えっちですの、えっちですの!」
「はい!!!!!」
「満開の笑顔ですの……」
なぜかぐったりしてるリナだった。
「うぅ……そうじゃなくて、早くわたくしを解放してくださいなと言っているんですの」
「精神的に? 別にリナは誰にも依存してない自立した立派な女性だと思いますよ? ただ、おんぶにだっこな関係も非常に憧れるので、どうでしょうか?」
「何の話ですの! そうじゃなくて、抱っこをやめてくださいましと言っているのです!」
「ああ、なんだ。だから立てなかったのか。そういや俺が後ろから抱っこして動きを制限してたなあ。俺としたことがこんなことに気付かないだなんて。あっはっは」
「い、いーから早く! 一刻も早く手を離してくださいまし!」
「ふむ。……それじゃ、ジャッジメントですのって言ったら解放する」
「……ほ、本当ですのね? 嘘はナシですわよ?」
「嘘なんて今まで一度も言ったことがない。これが証明にならないか?」
「なりませんわっ! 今まで何度となく嘘をついてますわっ! むしろ冗談と言う名の嘘は嬉々として使ってますわっ!」
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「ちっとも人の話を聞いてないうえ、人の頭に勝手にすりすり!? 許しがたい事ですわっ!」
「じゃあ逆に聞くが、リナの許せるレベルってどんなの?」
「……ふむ、そうですわね。わたくしの半径1kmまでなら近寄ることを許可しますわ。貴方にはそれ以上の接近を禁止しますわ。すぐにわたくしにセクハラいたしますから!」
「でも今は接距離1mmですよね」(すりすり)
「すりすりしないでくださいましっ! ああもうっ、今日の洗髪は特別念入りにしないといけませんわっ!」
「わははは。リナかーわいーい」
「あっ、貴方なんかに可愛いと言われてもちっとも嬉しくないですわっ!」
「まあまあ。それより、ジャッジメなんとかを早く言ってくれ」
「そこまで言ったなら最後まで言えばいいのに……そ、それで、本当に言ったら解放してくれるんですのね?」
「嘘なんて今までい」
「無限ループはいいですから! じゃあ言いますから、貴方も約束は守って下さいましね?」
「任せろ。まもって守護月天が好きだった俺だ、守るに決まってるだろう。ただ、一言だけ言っておくなら、俺は嘘つきらしい」
「一切合切信じられませんわっ! ああもうっ、言うからちゃんと解放して下さいましね! ……じ」
「ジャッジメントですの!」
「なんで貴方が言うんですの!? あと少しでわたくしが言うところでしたのに! わたくしのジャッジメントを盗らないでくださいまし!」
「だって先生が既に教室に来ていて、ものすごい俺達を睨んでいるから、そのプレッシャーに耐えられなかったんだ」
「へ?」
「……気は済んだか、二人とも」
「どうしてわたくしまで一緒になって立たされるんですの!? 全く納得がいきませんわ!」
「そうだな、本来叱られるべきは素早くジャッジメントですのを言わなかったリナだけだ。俺まで巻き込まれるのはどうかと思うが、優しい俺様はリナに付き合ってあげるよ」
「何一つ分かってませんわこの方!? ああもうっ、腹立たしいですわっ!」(頬ぎゅー)
「わははは」
手馴れた感じで廊下に立つ俺達だった。
【病み上がりの男】
2012年01月07日
風邪を引いてしまい、数日学校を休んだ。しかし、ようやっと体調が戻ってきたので、まだ少しだるいが頑張って登校してみた。
「あら? 貴方、放校処分になったんじゃなかったんですの?」
「登校するなり語尾と頭がおかしい奴にからまれた。なんてついてないんだ」
「いきなり酷すぎですのっ!」
「いや、この場合の頭がおかしいとは髪形のことを指してるから安心しろ」
「このお嬢様然とした髪形のどこがおかしいんですのっ!?」
「ドリル(笑)」
「今すぐ殺しますわッ!!!!!」
「ごめんなさい冗談です。お願いだから殺さないでください」
あまりの恐怖に震えながら土下座で許しを請う。プライド? そんなものとうの昔に犬にくれてやったわ!
「……貴方、哀れにもほどがありますわね」
効果は抜群なようで、リナの俺を見る目が虫か何かを見る目になったけど、死なずに済んだようだ。やれやれ。
「それはそうと、おはよう。リナ」
「土下座からの挨拶っ!?」
「それは挨拶じゃないぞ」
「わ、分かってますわ。おはようございますですわ」
「うーん、やっぱ語尾がおかしい」
「貴方失礼にも程がありますわよっ!?」
「や、悪い悪……げほっげほっげほっ」
「……大丈夫ですの? まだ顔が青いですわよ?」
いい加減土下座させるのも悪いと思ったのか、俺を起こしながらリナは心配そうな顔を覗かせた。
「そういうリナは顔が緑色だぞ。ナメック星人だったっけ? 口から卵産み系?」
「そんな系統ありませんわっ! 全力で人間ですっ! 頭と一緒に目までおかしくなったんですの!?」
「病み上がりだからか、視力もおかしくなっちゃったんですの」
「真似しないでくださいまし!」
「ジャッジメントですの!」
「ドやかましいですわっ!」
しんどいのに無理してかっこいいポーズを決めたのに、超怒られたんですの。
「全く……。それより、感染されては敵いませんわ。近寄らないでくださいまし」
「そうだな。俺もリナの奇病、頭ドリルが感染ったら嫌だから近寄らないよ」
「これは別に病気じゃありませんわっ! そういう素敵な髪形ですの! ていうか奇病って酷いですの!」
「俺みたいに短髪の奴が感染したら、頭蓋骨がねじられるの? ガン並に致死確率の高そうな病気ですね」
「だから、病気じゃないと言ってるんですのっ! どんだけ失礼なこと言えば気が済むんですの!?」
「分かった分かった、悪かった。とにかく、お前の言う通り二度とリナなんかには近寄らない」
「な、なんか言い方が酷いですわっ!」
「寄るな」
手でしっしってやったら、半泣きの人にいっぱい叩かれたので土下座して謝る。
「すいませんでした」
「うぅ~……」
「ただ、病み上がりということを加味していただけると何かと助かります。ほら、頭がうまく回らないんですよ」
「……ホントですの? わたくしのこと、嫌いになったとかじゃないんですの?」
「う」
「……っ!? べっ、別に貴方なんかに嫌われても蚊に食われたほども感じませんけど!? 感じませんけども、なんとなく聞いただけですわっ!」
「うーん。熱がぶりかえしたのか、なんかあちい」
「な、何を照れてるんですのっ!? そ、そういうのとは違うんですのっ! 勝手に勘違いしないでくださいましっ!」
「か、勘違いしないでよね、勘違いしただけなんだからねっ!」
「ややこしいですわっ!」
「自分で言っておいてなんだが、俺もよく分からない。しょうがないからサメの話でもしようか」
「なんでそうなるんですの!? しませんわ!」
「リナはお嬢様だけあってワガママだなあ」
「これでワガママって言われたら、世の中の人ほぼ全てがワガママですわ!」
「ところでワガママを英訳するとmy motherなのかな?」
「脈略がなさすぎですわっ! そろそろ殴りますわよ!?」
お嬢様が暴力を訴えてきたので黙ることにする。
「全く……いつも頭が悪いですが、今日はそれに輪をかけて頭が悪いですわね」
「まだスッキリ治ってなくてね。いつもなら検閲に引っかかるボケも繰り出しちゃってるんだ」
「ものすごい迷惑ですわ……あ、そうですわ!」
「それはどうかな?」
「何がですの!?」
「何か提案されそうだったから、とりあえず煙に巻いてみた」
「……いいからしばらく黙っててくださいまし」
お願いされたからには黙らざるを得ない。……べ、別に怒りに打ち震えているリナが怖いとかじゃなくてね!?
「こほん。治ってないなら早退すればいいんですの。そのまま退学しちゃえばいいんですの。ついでに人生からも卒業すればいいんですの」
「なるほどそいつぁいいと頷きそうになったが、よく考えたら死ねって言われてるよね?」
「気のせいですわ♪」
「なんだそうか! じゃあ言われた通り人生を卒業しよう! リナ、縄ってどのくらいの値段なのかな?」
「死ぬ気満々ですわっ! ちゃんと否定なさいっ!」
自分で言っておいて、俺が受け入れると怒る。変な奴。
「あー……しかし、なんかやっぱだるいな。どうしよう、折角登校したけど、無理せず早退するかなあ」
「それがいいですわ。少しでも早く学校を出て、わたくしの視界から出て行ってくださいな」
「んー。そうする」
「ちょ、ちょっとお待ちなさいな! そこは少し言い返してもらわないとわたくしが酷い事を言っただけの悪人になってしまいますわ!」
「ええい、面倒な奴め。えーと、今日もリナは可愛いなあ。抱っことかしてえ」
「は、はいぃ!?」
「あ、いかん。それは今は関係なかった。うーむ、まるで頭が回らん。何の話だっけ? サメ?」
「……べ、別に、その。……も、もう、早く帰ったらいいんですの!」
なんか知らんが超顔の赤いリナに背を押され、教室から追い出されたんですの。
その勢いのまま素敵に早退。何しに来たんだか。そんなわけで帰宅。早々にベッドに入る。どうにも力が入らない。やっぱ無理すんじゃなかったと思っていると、急激な眠気が。あっという間に眠りに落ちた。
そんな感じでfade outした意識だったが、何やらガサゴソ物音がしたことで視界がfade inしてきた。
「そーっと、そーっと。……まだ寝てますわよ、ね?」
ぼやけた視界に映るは、何やら両手に土鍋を持った女性の姿。
「ヤベェ、知らぬ間に人食い部族が我が家に侵入し、俺を煮込んで食おうとしてる」
「食べませんし人食い部族じゃないし寝起きの台詞じゃありませんわっ!」
「む。聞き覚えのある声。知り合いに人食い趣味の奴はいなかったハズだが」
視界がはっきりするにつれ、人食い悪魔が侵入したと思っていたことは勘違いと判明した。
「なんだ、カニバリズムな人でなくてリナだったか。おはよう」
「おはようじゃないですわ。どうして人食い部族に間違われなくちゃいけないんですの?」
「だって、鍋持った奴が枕元にいたら誰だってそう思うだろ」
「思わないですわっ! どういう頭の構造してるんですの?」
「ところで、なんで鍋持ってるの?」
「うぐっ」
「うぐ? ……ああ! うぐぅ、な! いや懐かしいな、kanon。超好きだったよ」
「違いますわっ! 言葉に詰まっただけですわっ!」
「なるほど。じゃ、それも踏まえて、どうしてリナがここにいるのか詳しく聞かせてもらいましょうかね」
「べ、別に大したことじゃないですわ。学校も終わったし、暇つぶしに苦しんでる貴方を観察しに来ただけですわ」
「ふむ、看病に来てくれたのか。なんだかんだ優しいな、リナは。ありがとうな」
「か、看病じゃありませんわっ! 観察ですわっ! むしろ嫌がらせに来たんですわっ!」
「はいはい。んで、その鍋は?」
「こっ、これは、そのー……煮えたぎったおでんを貴方の口につっこむ『駝鳥倶楽部的拷問』をしようとしただけですわっ!」
「ほう」
「あっ、ふた取っちゃダメっ!」
鍋の中身は、ほこほこと小さく湯気を立ててるおかゆだった。上にかかってる玉子がおいしそう。
「……お、おでんがないレベルの貧民だと思わなかったんですの! 冷蔵庫におでんがなかったから、しょうがなくお米を炊いただけですのっ!」
「このおかゆを、食べさせてくれると」
「たっ、食べ!? ど、どうしてわたくしがそこまでしなくちゃいけないんですのっ!?」
「いや、ダチョウ倶楽部のアレをやるんだったら、食べさせなくちゃいけないだろ」
「あ……そ、そっか。……じゃ、じゃあ、食べさせてもいいんですよ……ね?」
「なんで俺に聞いてんだ」
「べ、別に聞いてませんわ! ほ、ほら、口をお開けなさい! 熱々のおかゆで、火傷させますわよ!」
「あー」
「ちょ、ちょっとは抵抗なさいな……もう」
リナは少し困った顔をすると、おかゆをレンゲで一掬いし、ふーふーと息を吹いて冷ました。
「はい。あーん、ですわ」
「火傷はどこいった」
「あ。……ち、ちょっと間違っただけですわ」
素だったのか、リナは顔を赤くして照れた。
「と、とにかくこれは食べちゃいなさいな!」
「はいはい。あーんもぐもぐ」
「……ど、どうですの?」
「もぐもぐ。ん、うまいな。リナはお嬢様のくせに料理上手なのな」
「高貴なる者はなんでもできるんですの。料理なんてわたくし専用の厨房があるレベルなんですから、出来て当然ですのよ?」
「ブルジョアは凄いなあ。死ね」
「怖いですわっ!!!」
「や、悪い悪い。俺の妬み根性が出た」
「うぅー……食べさせてもらってる者に言う台詞じゃないですの。酷いですの」
「無意識レベルで金持ちを恨んでるからなあ。諦めろ」
「より一層怖いですわっ!」
「分かった分かった。今回世話になったし、リナは除外しとくよ」
「せ、世話なんてしてませんわ! 拷問してるんですわ!」
「へいへい。それより、もっとくれ。ちょっと食べたら余計に腹減った」
「わ、分かりましたわ。ふーっ、ふーっ。はい、あーん、ですわ」
「あー、もぐもぐ。……いや、俺はありがたいんだが、冷ましていいのか」
「あ。も、もーっ! ごちゃごちゃ言うからすぐ忘れちゃうですの!」
「俺にとっては幸いだな。次もずっと忘れてくれると、とても嬉しい」
「そ、そうはいきませんわ! 次こそ熱々おかゆでアチチ火傷地獄ですわ!」
「そいつぁ怖いな」
「そうですのよ? もー舌が熱い熱いってなって、何も食べられなくなっちゃうんですのよ? それで……お腹空いちゃって……でも舌が痛いから食べられなくて……」
何やら想像しちゃったのか、リナの目がうるみだした。
「お前が泣いてどーする」
「っ!? なっ、泣いてなんていませんわっ! それとこれはちっとも関係ないですが、諸事情により火傷作戦は中止ですのっ!」
「どんだけ優しいんだ、お前」(なでなで)
「やっ、優しいとか意味分かりませんわっ! 頭なでないでいただけますことっ!?」
「あ、悪い悪い。ついね、つい」
「……べ、別に、どーしてもと言うなら続けても構いませんが……」
「…………」
「しっ、してほしいわけじゃないですわよっ!? ……ほ、ホントに。……ホントですわよ?」
「あー。何やら無性にリナの頭部をこする嫌がらせをしたくなったが、どうだろうか?」
「……あ、貴方はすっごく性格が悪いから、わたくしが嫌がってもするでしょう?」
「いや、俺ほど性格がねじ曲がってると、一周回って逆にしないんだ」
「……本当に、いじわるですの」(半泣き)
「ああ嘘ですごめんなさい俺が悪かったですどうか泣かないで」(なでなで)
「……でも、とっても優しいですわよね?」
「ははーん。嘘泣きだな?」
「何のことか分かりませんわ♪」
「女性ってのは怖いなあ」(なでなで)
そのような感じで、ニコニコしてるドリル頭の変な奴をしばらくなでてました。
「あら? 貴方、放校処分になったんじゃなかったんですの?」
「登校するなり語尾と頭がおかしい奴にからまれた。なんてついてないんだ」
「いきなり酷すぎですのっ!」
「いや、この場合の頭がおかしいとは髪形のことを指してるから安心しろ」
「このお嬢様然とした髪形のどこがおかしいんですのっ!?」
「ドリル(笑)」
「今すぐ殺しますわッ!!!!!」
「ごめんなさい冗談です。お願いだから殺さないでください」
あまりの恐怖に震えながら土下座で許しを請う。プライド? そんなものとうの昔に犬にくれてやったわ!
「……貴方、哀れにもほどがありますわね」
効果は抜群なようで、リナの俺を見る目が虫か何かを見る目になったけど、死なずに済んだようだ。やれやれ。
「それはそうと、おはよう。リナ」
「土下座からの挨拶っ!?」
「それは挨拶じゃないぞ」
「わ、分かってますわ。おはようございますですわ」
「うーん、やっぱ語尾がおかしい」
「貴方失礼にも程がありますわよっ!?」
「や、悪い悪……げほっげほっげほっ」
「……大丈夫ですの? まだ顔が青いですわよ?」
いい加減土下座させるのも悪いと思ったのか、俺を起こしながらリナは心配そうな顔を覗かせた。
「そういうリナは顔が緑色だぞ。ナメック星人だったっけ? 口から卵産み系?」
「そんな系統ありませんわっ! 全力で人間ですっ! 頭と一緒に目までおかしくなったんですの!?」
「病み上がりだからか、視力もおかしくなっちゃったんですの」
「真似しないでくださいまし!」
「ジャッジメントですの!」
「ドやかましいですわっ!」
しんどいのに無理してかっこいいポーズを決めたのに、超怒られたんですの。
「全く……。それより、感染されては敵いませんわ。近寄らないでくださいまし」
「そうだな。俺もリナの奇病、頭ドリルが感染ったら嫌だから近寄らないよ」
「これは別に病気じゃありませんわっ! そういう素敵な髪形ですの! ていうか奇病って酷いですの!」
「俺みたいに短髪の奴が感染したら、頭蓋骨がねじられるの? ガン並に致死確率の高そうな病気ですね」
「だから、病気じゃないと言ってるんですのっ! どんだけ失礼なこと言えば気が済むんですの!?」
「分かった分かった、悪かった。とにかく、お前の言う通り二度とリナなんかには近寄らない」
「な、なんか言い方が酷いですわっ!」
「寄るな」
手でしっしってやったら、半泣きの人にいっぱい叩かれたので土下座して謝る。
「すいませんでした」
「うぅ~……」
「ただ、病み上がりということを加味していただけると何かと助かります。ほら、頭がうまく回らないんですよ」
「……ホントですの? わたくしのこと、嫌いになったとかじゃないんですの?」
「う」
「……っ!? べっ、別に貴方なんかに嫌われても蚊に食われたほども感じませんけど!? 感じませんけども、なんとなく聞いただけですわっ!」
「うーん。熱がぶりかえしたのか、なんかあちい」
「な、何を照れてるんですのっ!? そ、そういうのとは違うんですのっ! 勝手に勘違いしないでくださいましっ!」
「か、勘違いしないでよね、勘違いしただけなんだからねっ!」
「ややこしいですわっ!」
「自分で言っておいてなんだが、俺もよく分からない。しょうがないからサメの話でもしようか」
「なんでそうなるんですの!? しませんわ!」
「リナはお嬢様だけあってワガママだなあ」
「これでワガママって言われたら、世の中の人ほぼ全てがワガママですわ!」
「ところでワガママを英訳するとmy motherなのかな?」
「脈略がなさすぎですわっ! そろそろ殴りますわよ!?」
お嬢様が暴力を訴えてきたので黙ることにする。
「全く……いつも頭が悪いですが、今日はそれに輪をかけて頭が悪いですわね」
「まだスッキリ治ってなくてね。いつもなら検閲に引っかかるボケも繰り出しちゃってるんだ」
「ものすごい迷惑ですわ……あ、そうですわ!」
「それはどうかな?」
「何がですの!?」
「何か提案されそうだったから、とりあえず煙に巻いてみた」
「……いいからしばらく黙っててくださいまし」
お願いされたからには黙らざるを得ない。……べ、別に怒りに打ち震えているリナが怖いとかじゃなくてね!?
「こほん。治ってないなら早退すればいいんですの。そのまま退学しちゃえばいいんですの。ついでに人生からも卒業すればいいんですの」
「なるほどそいつぁいいと頷きそうになったが、よく考えたら死ねって言われてるよね?」
「気のせいですわ♪」
「なんだそうか! じゃあ言われた通り人生を卒業しよう! リナ、縄ってどのくらいの値段なのかな?」
「死ぬ気満々ですわっ! ちゃんと否定なさいっ!」
自分で言っておいて、俺が受け入れると怒る。変な奴。
「あー……しかし、なんかやっぱだるいな。どうしよう、折角登校したけど、無理せず早退するかなあ」
「それがいいですわ。少しでも早く学校を出て、わたくしの視界から出て行ってくださいな」
「んー。そうする」
「ちょ、ちょっとお待ちなさいな! そこは少し言い返してもらわないとわたくしが酷い事を言っただけの悪人になってしまいますわ!」
「ええい、面倒な奴め。えーと、今日もリナは可愛いなあ。抱っことかしてえ」
「は、はいぃ!?」
「あ、いかん。それは今は関係なかった。うーむ、まるで頭が回らん。何の話だっけ? サメ?」
「……べ、別に、その。……も、もう、早く帰ったらいいんですの!」
なんか知らんが超顔の赤いリナに背を押され、教室から追い出されたんですの。
その勢いのまま素敵に早退。何しに来たんだか。そんなわけで帰宅。早々にベッドに入る。どうにも力が入らない。やっぱ無理すんじゃなかったと思っていると、急激な眠気が。あっという間に眠りに落ちた。
そんな感じでfade outした意識だったが、何やらガサゴソ物音がしたことで視界がfade inしてきた。
「そーっと、そーっと。……まだ寝てますわよ、ね?」
ぼやけた視界に映るは、何やら両手に土鍋を持った女性の姿。
「ヤベェ、知らぬ間に人食い部族が我が家に侵入し、俺を煮込んで食おうとしてる」
「食べませんし人食い部族じゃないし寝起きの台詞じゃありませんわっ!」
「む。聞き覚えのある声。知り合いに人食い趣味の奴はいなかったハズだが」
視界がはっきりするにつれ、人食い悪魔が侵入したと思っていたことは勘違いと判明した。
「なんだ、カニバリズムな人でなくてリナだったか。おはよう」
「おはようじゃないですわ。どうして人食い部族に間違われなくちゃいけないんですの?」
「だって、鍋持った奴が枕元にいたら誰だってそう思うだろ」
「思わないですわっ! どういう頭の構造してるんですの?」
「ところで、なんで鍋持ってるの?」
「うぐっ」
「うぐ? ……ああ! うぐぅ、な! いや懐かしいな、kanon。超好きだったよ」
「違いますわっ! 言葉に詰まっただけですわっ!」
「なるほど。じゃ、それも踏まえて、どうしてリナがここにいるのか詳しく聞かせてもらいましょうかね」
「べ、別に大したことじゃないですわ。学校も終わったし、暇つぶしに苦しんでる貴方を観察しに来ただけですわ」
「ふむ、看病に来てくれたのか。なんだかんだ優しいな、リナは。ありがとうな」
「か、看病じゃありませんわっ! 観察ですわっ! むしろ嫌がらせに来たんですわっ!」
「はいはい。んで、その鍋は?」
「こっ、これは、そのー……煮えたぎったおでんを貴方の口につっこむ『駝鳥倶楽部的拷問』をしようとしただけですわっ!」
「ほう」
「あっ、ふた取っちゃダメっ!」
鍋の中身は、ほこほこと小さく湯気を立ててるおかゆだった。上にかかってる玉子がおいしそう。
「……お、おでんがないレベルの貧民だと思わなかったんですの! 冷蔵庫におでんがなかったから、しょうがなくお米を炊いただけですのっ!」
「このおかゆを、食べさせてくれると」
「たっ、食べ!? ど、どうしてわたくしがそこまでしなくちゃいけないんですのっ!?」
「いや、ダチョウ倶楽部のアレをやるんだったら、食べさせなくちゃいけないだろ」
「あ……そ、そっか。……じゃ、じゃあ、食べさせてもいいんですよ……ね?」
「なんで俺に聞いてんだ」
「べ、別に聞いてませんわ! ほ、ほら、口をお開けなさい! 熱々のおかゆで、火傷させますわよ!」
「あー」
「ちょ、ちょっとは抵抗なさいな……もう」
リナは少し困った顔をすると、おかゆをレンゲで一掬いし、ふーふーと息を吹いて冷ました。
「はい。あーん、ですわ」
「火傷はどこいった」
「あ。……ち、ちょっと間違っただけですわ」
素だったのか、リナは顔を赤くして照れた。
「と、とにかくこれは食べちゃいなさいな!」
「はいはい。あーんもぐもぐ」
「……ど、どうですの?」
「もぐもぐ。ん、うまいな。リナはお嬢様のくせに料理上手なのな」
「高貴なる者はなんでもできるんですの。料理なんてわたくし専用の厨房があるレベルなんですから、出来て当然ですのよ?」
「ブルジョアは凄いなあ。死ね」
「怖いですわっ!!!」
「や、悪い悪い。俺の妬み根性が出た」
「うぅー……食べさせてもらってる者に言う台詞じゃないですの。酷いですの」
「無意識レベルで金持ちを恨んでるからなあ。諦めろ」
「より一層怖いですわっ!」
「分かった分かった。今回世話になったし、リナは除外しとくよ」
「せ、世話なんてしてませんわ! 拷問してるんですわ!」
「へいへい。それより、もっとくれ。ちょっと食べたら余計に腹減った」
「わ、分かりましたわ。ふーっ、ふーっ。はい、あーん、ですわ」
「あー、もぐもぐ。……いや、俺はありがたいんだが、冷ましていいのか」
「あ。も、もーっ! ごちゃごちゃ言うからすぐ忘れちゃうですの!」
「俺にとっては幸いだな。次もずっと忘れてくれると、とても嬉しい」
「そ、そうはいきませんわ! 次こそ熱々おかゆでアチチ火傷地獄ですわ!」
「そいつぁ怖いな」
「そうですのよ? もー舌が熱い熱いってなって、何も食べられなくなっちゃうんですのよ? それで……お腹空いちゃって……でも舌が痛いから食べられなくて……」
何やら想像しちゃったのか、リナの目がうるみだした。
「お前が泣いてどーする」
「っ!? なっ、泣いてなんていませんわっ! それとこれはちっとも関係ないですが、諸事情により火傷作戦は中止ですのっ!」
「どんだけ優しいんだ、お前」(なでなで)
「やっ、優しいとか意味分かりませんわっ! 頭なでないでいただけますことっ!?」
「あ、悪い悪い。ついね、つい」
「……べ、別に、どーしてもと言うなら続けても構いませんが……」
「…………」
「しっ、してほしいわけじゃないですわよっ!? ……ほ、ホントに。……ホントですわよ?」
「あー。何やら無性にリナの頭部をこする嫌がらせをしたくなったが、どうだろうか?」
「……あ、貴方はすっごく性格が悪いから、わたくしが嫌がってもするでしょう?」
「いや、俺ほど性格がねじ曲がってると、一周回って逆にしないんだ」
「……本当に、いじわるですの」(半泣き)
「ああ嘘ですごめんなさい俺が悪かったですどうか泣かないで」(なでなで)
「……でも、とっても優しいですわよね?」
「ははーん。嘘泣きだな?」
「何のことか分かりませんわ♪」
「女性ってのは怖いなあ」(なでなで)
そのような感じで、ニコニコしてるドリル頭の変な奴をしばらくなでてました。
【ツンデレと衝突したら】
2011年08月27日
俺には尿を保持する内臓があるので、しばらくは尿を体内に維持したまま生活できる。だが、その慢心が全ての始まりだった。そう、俺は膀胱を過信していたのだ。
簡単に言うと超おしっこ出そう。そんなわけで急いで学校の廊下を走ってたら、曲がり角で誰かにぶつかった。
「きゃっ! いたたたた……」
紳士たる俺は助け起こしたいところだったが、尿保持内臓が限界を訴えていたのでそのまま放置、滑るようにトイレIN、尿、排出!
ふひゅーと便所から出ると、リナが怖い顔で待ち構えていました。
「ああ、今なら誰もいないから便器を舐めてもばれないぞ。ただ、以後俺に近寄るな」
「そんなことしませんわっ! そうじゃなくて、貴方! さっきのアレ、どういうことですの!?」
「なんのことですの?」
「マネしないでくださいまし!」
「ジャッジメントですの!」
「真面目に聞きなさいっ!」
かっこよくポーズを決めたら怒られたので真面目に聞く。
「えーと。何の話ですか」
「何の話ですって!? このわたくしを突き飛ばしておいて、ありえないですわっ!」
「あー。あーあーあー。今理解した。さっきぶつかったのお前だったのな。よし分かった、謝ろう。てへ、ごめりんこ」
「絶対に許しませんわ!!!!!」
謝罪したら余計に頑なになった。どういうことだ。
「もー許しません、えー許しませんわ! 然るべき処置をとらせていただきますわ!」
「いかん、黒服に俺を襲わせ、俺の内蔵を全部売る気だ!」
「そんなことしませんわっ! 人をマフィアか何かと勘違いしてません!?」
「メキシコあたりのマフィアは超怖いよね」
「知りませんわっ! ……ただ、わたくしも鬼ではありません」
「いやいや、謙遜するな。人の内臓を売り捌くんだ、リナは立派な鬼だ」
「余計な茶々は入れないでいただけますことっ!?」
「任せろ、得意だ」
「…………」
全く信用してない視線をこちらに送りつつ、リナは話を続けた。
「え、えーと。そう、そうですわ。女性にぶつかっておいて、しかもその女性を放置するだなんて、人のすることではありませんわ。その汚名をそそぐのですから、それなりのことは覚悟してもらう必要がありますわね?」
「あれ、カツアゲ? お嬢様なのに? どうしよう、昼飯代の200円しかないよ」
「違いますわっ! ていうかお金なさすぎですわ! パンとジュースを買ったら終わりですわよ、それ!?」
「いや、それじゃ足りないからパンを二つ買って、飲み物はいつも水にしてるんだ」
「まあ……」
リナは両手で口を覆い、いたわしげな視線を俺に送った。まっすぐに同情されたら、俺はもうどうすれば。
「い、いや、違いますわ。今はそんなのどうでもいいんですの」
「そうだな、カツアゲの真っ最中だもんな。はい、どうぞ」
「だから、違いますわっ!」
「あぁん」
俺の200円が払いのけられた。わたわたしながら硬貨を拾う。
「わたわたしないでいただけますことっ!?」
「待て、あと10円足りないんだ。……ああ、あったあった。よかったよかった」
「全く……情けないですわね」
「お前と違って、俺は貧乏なんだよ。じゃあそういうことで」
「だから、まだ話は全く終わってませんわっ!」
「ぐえぇえ」
「きゃっ、汚っ!」
首を掴んで止められた。そのやり方は運が悪いと死ぬのでやめてほしいです。あと、あんまりだ。
「誰しも首を絞められるとあんな感じになるんです。嫌ならやらないでくれ」
「う、うるさいですわね……偶然手が首に引っかかっただけですわ!」
「めちゃくちゃだな……まあいい、話ってのは?」
「貴方と話してたら脱線しすぎますから、やってほしいことだけ言いますわ」
「失礼な話だ。んで、何だ?」
「え、えーと……ふ、深い意味はありませんわよ?」
「分かった、深読みする」
「ぶん殴りますわよっ!?」
このお嬢様超怖え。
「き、今日のお昼、特別にわたくしと席を共にすることを許しますわ」
「はい。……はい?」
「だ、だから! ……え、えっと、さっきお昼がパンだけって言ってたから、わたくしの豪勢なお弁当を見せびらかすんですの!」
「ああ、なるほど。それで出た俺の涎を飲み水にするんだな。でも、そんなのしなくても水道から水が出るぞ? リナって変な奴だな」
「貴方だけには言われたくありませんわっ! そんなことするつもりありませんっ!」
「分かってるって。羨まがらせたいだけだろ」
「え? ……そ、そうですわ。そ、それ以外何があると言うんですの!?」
「そうだな。俺に昼飯が貧相で可哀想に思ったから、自分の弁当を分け与えるためにあえて悪ぶったわけないよな」
「ううううう~~~~~~~~っ!!!!!」
何やら全力で頬をつねられた。
「嫌いですわ! 大っ嫌いですわ! もー今日のお昼の約束もナシですわっ!」
「困ったね」
「ちっとも思ってないですわ!!! もー貴方なんてお金なくって餓死して孤独死しちゃえばいいんですわっ!!!」
「いや、餓死した後に孤独死はできないと思う。なぜなら餓死の時点で死んでるから」
「冷静に訂正しないでいただけますことっ!?」
で、昼の時間。
「とかなんとか言いながら、俺に弁当わけてくれるリナ超天使」
「うっ、うるさいですわっ! 多すぎて食べられないから残飯を押し付けてるだけですわ!」
真っ赤な顔でもきゃもきゃ言い訳してるリナだった。
簡単に言うと超おしっこ出そう。そんなわけで急いで学校の廊下を走ってたら、曲がり角で誰かにぶつかった。
「きゃっ! いたたたた……」
紳士たる俺は助け起こしたいところだったが、尿保持内臓が限界を訴えていたのでそのまま放置、滑るようにトイレIN、尿、排出!
ふひゅーと便所から出ると、リナが怖い顔で待ち構えていました。
「ああ、今なら誰もいないから便器を舐めてもばれないぞ。ただ、以後俺に近寄るな」
「そんなことしませんわっ! そうじゃなくて、貴方! さっきのアレ、どういうことですの!?」
「なんのことですの?」
「マネしないでくださいまし!」
「ジャッジメントですの!」
「真面目に聞きなさいっ!」
かっこよくポーズを決めたら怒られたので真面目に聞く。
「えーと。何の話ですか」
「何の話ですって!? このわたくしを突き飛ばしておいて、ありえないですわっ!」
「あー。あーあーあー。今理解した。さっきぶつかったのお前だったのな。よし分かった、謝ろう。てへ、ごめりんこ」
「絶対に許しませんわ!!!!!」
謝罪したら余計に頑なになった。どういうことだ。
「もー許しません、えー許しませんわ! 然るべき処置をとらせていただきますわ!」
「いかん、黒服に俺を襲わせ、俺の内蔵を全部売る気だ!」
「そんなことしませんわっ! 人をマフィアか何かと勘違いしてません!?」
「メキシコあたりのマフィアは超怖いよね」
「知りませんわっ! ……ただ、わたくしも鬼ではありません」
「いやいや、謙遜するな。人の内臓を売り捌くんだ、リナは立派な鬼だ」
「余計な茶々は入れないでいただけますことっ!?」
「任せろ、得意だ」
「…………」
全く信用してない視線をこちらに送りつつ、リナは話を続けた。
「え、えーと。そう、そうですわ。女性にぶつかっておいて、しかもその女性を放置するだなんて、人のすることではありませんわ。その汚名をそそぐのですから、それなりのことは覚悟してもらう必要がありますわね?」
「あれ、カツアゲ? お嬢様なのに? どうしよう、昼飯代の200円しかないよ」
「違いますわっ! ていうかお金なさすぎですわ! パンとジュースを買ったら終わりですわよ、それ!?」
「いや、それじゃ足りないからパンを二つ買って、飲み物はいつも水にしてるんだ」
「まあ……」
リナは両手で口を覆い、いたわしげな視線を俺に送った。まっすぐに同情されたら、俺はもうどうすれば。
「い、いや、違いますわ。今はそんなのどうでもいいんですの」
「そうだな、カツアゲの真っ最中だもんな。はい、どうぞ」
「だから、違いますわっ!」
「あぁん」
俺の200円が払いのけられた。わたわたしながら硬貨を拾う。
「わたわたしないでいただけますことっ!?」
「待て、あと10円足りないんだ。……ああ、あったあった。よかったよかった」
「全く……情けないですわね」
「お前と違って、俺は貧乏なんだよ。じゃあそういうことで」
「だから、まだ話は全く終わってませんわっ!」
「ぐえぇえ」
「きゃっ、汚っ!」
首を掴んで止められた。そのやり方は運が悪いと死ぬのでやめてほしいです。あと、あんまりだ。
「誰しも首を絞められるとあんな感じになるんです。嫌ならやらないでくれ」
「う、うるさいですわね……偶然手が首に引っかかっただけですわ!」
「めちゃくちゃだな……まあいい、話ってのは?」
「貴方と話してたら脱線しすぎますから、やってほしいことだけ言いますわ」
「失礼な話だ。んで、何だ?」
「え、えーと……ふ、深い意味はありませんわよ?」
「分かった、深読みする」
「ぶん殴りますわよっ!?」
このお嬢様超怖え。
「き、今日のお昼、特別にわたくしと席を共にすることを許しますわ」
「はい。……はい?」
「だ、だから! ……え、えっと、さっきお昼がパンだけって言ってたから、わたくしの豪勢なお弁当を見せびらかすんですの!」
「ああ、なるほど。それで出た俺の涎を飲み水にするんだな。でも、そんなのしなくても水道から水が出るぞ? リナって変な奴だな」
「貴方だけには言われたくありませんわっ! そんなことするつもりありませんっ!」
「分かってるって。羨まがらせたいだけだろ」
「え? ……そ、そうですわ。そ、それ以外何があると言うんですの!?」
「そうだな。俺に昼飯が貧相で可哀想に思ったから、自分の弁当を分け与えるためにあえて悪ぶったわけないよな」
「ううううう~~~~~~~~っ!!!!!」
何やら全力で頬をつねられた。
「嫌いですわ! 大っ嫌いですわ! もー今日のお昼の約束もナシですわっ!」
「困ったね」
「ちっとも思ってないですわ!!! もー貴方なんてお金なくって餓死して孤独死しちゃえばいいんですわっ!!!」
「いや、餓死した後に孤独死はできないと思う。なぜなら餓死の時点で死んでるから」
「冷静に訂正しないでいただけますことっ!?」
で、昼の時間。
「とかなんとか言いながら、俺に弁当わけてくれるリナ超天使」
「うっ、うるさいですわっ! 多すぎて食べられないから残飯を押し付けてるだけですわ!」
真っ赤な顔でもきゃもきゃ言い訳してるリナだった。