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2024年11月24日
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【ツンデレと冬の朝】
2010年04月25日
冬は寒いので外に出るのが辛い。しかしそれでも行かねばならないのが学生の辛いところだ。
ポケットに手を突っ込みながら通学路を歩いてると、寒そうに背中を折り曲げて自分の体を抱いてる女生徒がいた。
「おはよ、リナ」
「あ、あら、タカシさんおはようございます。貴方にしては早いですわね」
声をかけた途端、リナは背中を伸ばし優雅に挨拶を返した。リナらしいというか、なんというか。
「こうも寒いといつまでも布団にいそうでな。事実昨日はそれでとんでもなく遅刻した」
「……そういえば、昼休みに来ましたわね。重役出勤もいいところですわ」
リナは呆れたように息を吐いた。
「だからこそ、今日は頑張って起きたのだ。褒めて褒めて」
「それくらい当然ですわ。できない方がおかしいです」
「ちぇ」
吐く息が白い。もう冬も半ばだから仕方ないにしても、こうも寒くては生きる気力が萎えてくる。
「リナ、俺はもうダメだ。後は頼む」
「いきなり何言ってるんですの? ほら、早く行かないと遅刻してしまいますわよ」
「寒いんだ。寒くて体温が上がらないと、俺は冬眠する性質があることに今気づいた」
「また訳の分からないことを……貴方は熊ですか」
「もうダメ、帰って寝る」
そうと決めれば今日は自主休校。きびすを返して家に戻ろうとしたら、服を引っ張られた。
「何を考えてるんですの? ほら、行きますわよ」
「いーやーだー。寒いから帰るー」
ずりずりとリナを引きずりながら自宅へゆっくり向かう。
「ダメですわ! あんまり休んでばかりいると留年してしまいますわよ! 私、先生に貴方がサボらないよう見張れと言われてますの」
「うー、じゃあリナが温めてくれ」
「え……えええええ!」
リナは朝からうるさい。
「温まれば学校に行く気力が湧く学説をここに唱える」
「え、でも、わた、私、そんな破廉恥なこと出来ませんわ!」
このお嬢様の頭にどんなエロスワールドが展開されてるのか気になるところではあるが、往来で破廉恥と叫ぶ口をどうにかする方が先だろう。
「別に裸になって抱き合えとか言ってないだろ。せいぜい、これくらいだ」
リナの手を取り、ぎゅっと握る。うむ、ポケットに入れるのに比べ、格段に温かい。なにより、柔らかくて気持ちいい。
「な、ななななな!?」
見てて不憫になるくらいリナは取り乱した。ああ、目がぐるぐるしてる。
「落ち着けって。おてて繋いで学校行くだけだ」
「こ、このままですの!?」
「このまま」
にーっと笑うと、リナは不満そうな、でもどこか嬉しそうに口を尖らせた。
「……本当、貴方はずるいですわね。そんな顔されたら、断れませんわ」
「なんだかんだ言って許してくれて、優しいな。リナ」
「や、優しくなんかありません! 貴方が無理やり手を繋ぐから、仕方なく繋いであげてるだけですの! か、勘違いしないでくださる!?」
顔を赤くしながら、全然信用できない言葉を叫ぶリナと一緒に俺は学校へ向かった。
ポケットに手を突っ込みながら通学路を歩いてると、寒そうに背中を折り曲げて自分の体を抱いてる女生徒がいた。
「おはよ、リナ」
「あ、あら、タカシさんおはようございます。貴方にしては早いですわね」
声をかけた途端、リナは背中を伸ばし優雅に挨拶を返した。リナらしいというか、なんというか。
「こうも寒いといつまでも布団にいそうでな。事実昨日はそれでとんでもなく遅刻した」
「……そういえば、昼休みに来ましたわね。重役出勤もいいところですわ」
リナは呆れたように息を吐いた。
「だからこそ、今日は頑張って起きたのだ。褒めて褒めて」
「それくらい当然ですわ。できない方がおかしいです」
「ちぇ」
吐く息が白い。もう冬も半ばだから仕方ないにしても、こうも寒くては生きる気力が萎えてくる。
「リナ、俺はもうダメだ。後は頼む」
「いきなり何言ってるんですの? ほら、早く行かないと遅刻してしまいますわよ」
「寒いんだ。寒くて体温が上がらないと、俺は冬眠する性質があることに今気づいた」
「また訳の分からないことを……貴方は熊ですか」
「もうダメ、帰って寝る」
そうと決めれば今日は自主休校。きびすを返して家に戻ろうとしたら、服を引っ張られた。
「何を考えてるんですの? ほら、行きますわよ」
「いーやーだー。寒いから帰るー」
ずりずりとリナを引きずりながら自宅へゆっくり向かう。
「ダメですわ! あんまり休んでばかりいると留年してしまいますわよ! 私、先生に貴方がサボらないよう見張れと言われてますの」
「うー、じゃあリナが温めてくれ」
「え……えええええ!」
リナは朝からうるさい。
「温まれば学校に行く気力が湧く学説をここに唱える」
「え、でも、わた、私、そんな破廉恥なこと出来ませんわ!」
このお嬢様の頭にどんなエロスワールドが展開されてるのか気になるところではあるが、往来で破廉恥と叫ぶ口をどうにかする方が先だろう。
「別に裸になって抱き合えとか言ってないだろ。せいぜい、これくらいだ」
リナの手を取り、ぎゅっと握る。うむ、ポケットに入れるのに比べ、格段に温かい。なにより、柔らかくて気持ちいい。
「な、ななななな!?」
見てて不憫になるくらいリナは取り乱した。ああ、目がぐるぐるしてる。
「落ち着けって。おてて繋いで学校行くだけだ」
「こ、このままですの!?」
「このまま」
にーっと笑うと、リナは不満そうな、でもどこか嬉しそうに口を尖らせた。
「……本当、貴方はずるいですわね。そんな顔されたら、断れませんわ」
「なんだかんだ言って許してくれて、優しいな。リナ」
「や、優しくなんかありません! 貴方が無理やり手を繋ぐから、仕方なく繋いであげてるだけですの! か、勘違いしないでくださる!?」
顔を赤くしながら、全然信用できない言葉を叫ぶリナと一緒に俺は学校へ向かった。
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Comment
No title
お嬢は可愛いなあ