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2024年11月22日
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【野性っ娘 試作】

2010年04月05日
 今日も遅刻。なので、全力で学校へ向かってます。
 なのに、どうして曲がり角でぶつかりますか。あれですか、フラグが立ちましたか。
「う……いたた、おまえ、なにするのだ!」
 うちの高校の制服に身を包んだ小さな娘さんが、座ったまま話しかけてきた。パンツ丸出しはサービス?
「パンツを見てる。朝からありがとう」
「パンツ……うきゃっ!」
 娘さんは猿のような声を出し、慌ててスカートでパンツを隠した。そして赤い顔で俺を睨む。
「おまえ、見たのだ! ナコのパンツ見たのだ!」
「うん、見た。目を閉じれば鮮明に思い出せる」
 目を閉じると、脳裏に純白の美しいパンツが蘇る。それだけでなく、火花まで現れた。ていうか痛い。
「……なぜ殴る?」
「当たり前なのだ! 朝から不愉快なのだ!」
 娘さんは俺を置いて、土煙を巻き上げとんでもない速さで行ってしまった。
 ……何者だ? とにかく、俺も行こう。
 頑張って走っていると予鈴が聞こえた。さらに走って学校へ。教室へ入ると同時にチャイムが。
「ぜはーぜはーぜはー……。セーフ?」
「アウト」
 担任の無慈悲な言葉に、がくりと膝をつく。
「もう帰ろう……」
「ああ待て待て、帰るな。折角生徒が増えたというのに」
 担任の言葉に、俺は今更ながら教師の隣に立つ生徒に気がついた。
「ナコだ、よろし……おまえ、さっきの!」
「はじめまして、別府タカシです」
「はじめまして違うのだ! さっき会ったのだ!」
「なんだ二人とも、知り合いだったのか?」
 担任の言葉に、娘さんは憤って言った。
「こんな奴、知り合い違うのだ!」
「好きな食べ物は玉子焼きです」
「聞いてないのだ! さっきからおまえ何言ってるのだ!?」
「のだのだうるさいなぁ。おまえはバカボンのパパか?」
「のだなんて言ってないのだ! バカボンてなんなのだ!?」
 すげえ言ってます。バカボンは愉快な漫画です。
「あー……まあいい。とにかく席に着け、別府」
 担任に言われるがまま、のたのたと窓際の席に着く。
「……うぉっほん。あー、アフリカっぽい所からの交換留学生、ナコさんだ。みんな、仲良くしろよ」
「えっと、ナコなのだ。そこの変な奴! 以外、よろしくなのだ。仲良くして欲しいのだ」
 変な奴、という所で俺付近を指した。可哀想に、いきなり誰か嫌われてるな。
「席はそこだ」
 担任の指した場所は、さきほどナコとかいう奴が指した場所と同じだった。ていうか俺の前の席が空いてる。
「あ、あいつの近くは嫌なのだ! 別の場所がいいのだ!」
「誰を嫌ってるのか知らないが、わがままはよくないぞ」
「おまえを嫌ってるのだ!」
 ナコをたしなめると、驚くべき言葉が返ってきた。
「それは知らなかった」
「ずっと言ってるのだ! どうにかしてほしいのだ、先生!」
「まぁ、別府のことは諦めろ。そのうち慣れる」
 担任の言葉に諦めたのか、ナコは肩を落として俺の方へやってきた。
「これからよろしくな、ナコたん」
「馴れ馴れしく呼ぶな! 話しかけるな! たんとかつけるな!」
 親愛の情を示したら、拒絶された。
「そんないっぱい覚えられん。どれか一つにしろ」
「話しかけるな!」
 まぁそういうわけで、どうなることでしょうね、ナコさん。
「頭をなでるな! 喋らなかったら何をしてもいいということじゃないのだ!」

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