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2024年11月21日
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【ツンデレに捧げる殺し文句】
2010年04月05日
なんでも、この世界には殺し文句というものがあるらしい。それを使うと、メロメロになるとか。
「何にやにやしてんのよ。笑うのは勝手だけど、こっち見ないでくれる?」
なれば、隣の席で不機嫌そうに俺を睨むレミットも俺にメロメロになるという訳だな。よし、いくぞ!
「レミット。……キミの瞳に乾杯」
死ねって言われた。
「なんで!? 殺し文句ですよ!? なんでメロメロにならない!?」
殺すぞって言われた。
「……照れ隠し?」
5回くらい殴られた。
「すいません、調子に乗りました」
もう殴られるのは嫌なので素直に土下座する。
「……ったく。殺し文句言うなら、もうちょっとマシなの言いなさいよ」
「分かった、ちょっと待て。いま調べるから」
携帯を取り出し、殺し文句検索開始。……終了。
「よし、完璧だ。惚れる準備はOKか?」
「惚れないから大丈夫」
「…………。い、言うぞっ! ”僕に会いたい”っていう願いは叶ったよ。さぁ、あと二つの願いは何だい?」
「うわ、サイテー。自意識過剰すぎ」
「あれぇ!? 殺し文句ですよ!? 一位ですよ!?」
「どんなとこで調べたのよ、ちょっと見せなさい」
見せなさい、と言いながら俺の携帯を奪うレミット。
「……アンタこれ、殺し文句ワースト30じゃない!」
投げつけてきた携帯をどうにか受け止める。
「や、でも一位だし、その」
「意味ないじゃない!」
「……それもそうな。レミット、貴方は何て言われたらメロメロになりますか?」
「別にそういうのないし、あってもアンタには教えない」
「じゃあ適当に考えるる。……お嬢ちゃん、チョコレートあげるからお兄ちゃんと結婚しよう」
「すごい台詞ね……」
おやつ用チョコレートを差し出すと、レミットは呆れたように口を開いた。
「惚れた? 惚れた? 結婚しよう」
「しない。……それを殺し文句と考えるアンタが少し哀れだけど、なんでそんな子供相手の台詞を?」
「や、胸が子供っぽいし」
馬乗りされて殴られた。
「褒め言葉なのに殴るとはどういうことか!」
「褒めてないッ!」
そんなつもりはないのだが、どうにも火に油を注いでいるように思えて仕方がない。
「……もしかして、貧乳を気にしているのですか? 今の世は貧乳の方が人気高いですよ? 俺とかに」
「それは嬉しいわねッ!」
嬉しいと言いながら俺の頭を鷲づかみにして潰しにかかるのはどういうことか。
「……ったく、ホントに馬鹿ね。殺し文句の一つも言えないなんて」
泣いて謝り解放された後、頭が取れてない事を確認している俺にレミットは馬鹿にしたように言った。
「むぅ……やっぱこういうのは苦手だな。思ったことしか言えねーや」
「馬鹿ねー。それなら人の言葉なんか使わないで、思ったこと言えばいいじゃないの」
「……と言ってもなぁ。レミットが好きで好きで仕方ないっていう想いに足る言葉が、俺の語彙の中にゃ見当たらないんだ」
「なっ……!」
どうしたらいいかな、と思いながらレミットを見ると、なんだか顔が赤い。
「どしたレミット? 顔が赤いようだが……」
「う、うるさいっ! なんでもないっ!」
なんでもないはずがないのだが、しつこく言うと殴られるので追求を止める。
「ふむ……言葉じゃとても伝えきれないな。どうだろう、言葉ではなく態度で示してはダメかな?」
「た、態度?」
「キスとかどうだろう? きっと俺の熱い想いが伝わるかと」
「き、き、き、キス!? ふざけるにゃ、誰がアンタなんかと! ばーかばーかばーか!」
両手の指で口の端を引っ張って舌を出すと、レミットは駆け足で教室を出て行った。
「……んー、ままならんなぁ」
「あはは、別府くんて鋭いんだか鈍いんだか分からないね」
そばで見ていた女生徒のよく分からない言葉に、俺は変な顔で応戦した。すごい笑われた。
「何にやにやしてんのよ。笑うのは勝手だけど、こっち見ないでくれる?」
なれば、隣の席で不機嫌そうに俺を睨むレミットも俺にメロメロになるという訳だな。よし、いくぞ!
「レミット。……キミの瞳に乾杯」
死ねって言われた。
「なんで!? 殺し文句ですよ!? なんでメロメロにならない!?」
殺すぞって言われた。
「……照れ隠し?」
5回くらい殴られた。
「すいません、調子に乗りました」
もう殴られるのは嫌なので素直に土下座する。
「……ったく。殺し文句言うなら、もうちょっとマシなの言いなさいよ」
「分かった、ちょっと待て。いま調べるから」
携帯を取り出し、殺し文句検索開始。……終了。
「よし、完璧だ。惚れる準備はOKか?」
「惚れないから大丈夫」
「…………。い、言うぞっ! ”僕に会いたい”っていう願いは叶ったよ。さぁ、あと二つの願いは何だい?」
「うわ、サイテー。自意識過剰すぎ」
「あれぇ!? 殺し文句ですよ!? 一位ですよ!?」
「どんなとこで調べたのよ、ちょっと見せなさい」
見せなさい、と言いながら俺の携帯を奪うレミット。
「……アンタこれ、殺し文句ワースト30じゃない!」
投げつけてきた携帯をどうにか受け止める。
「や、でも一位だし、その」
「意味ないじゃない!」
「……それもそうな。レミット、貴方は何て言われたらメロメロになりますか?」
「別にそういうのないし、あってもアンタには教えない」
「じゃあ適当に考えるる。……お嬢ちゃん、チョコレートあげるからお兄ちゃんと結婚しよう」
「すごい台詞ね……」
おやつ用チョコレートを差し出すと、レミットは呆れたように口を開いた。
「惚れた? 惚れた? 結婚しよう」
「しない。……それを殺し文句と考えるアンタが少し哀れだけど、なんでそんな子供相手の台詞を?」
「や、胸が子供っぽいし」
馬乗りされて殴られた。
「褒め言葉なのに殴るとはどういうことか!」
「褒めてないッ!」
そんなつもりはないのだが、どうにも火に油を注いでいるように思えて仕方がない。
「……もしかして、貧乳を気にしているのですか? 今の世は貧乳の方が人気高いですよ? 俺とかに」
「それは嬉しいわねッ!」
嬉しいと言いながら俺の頭を鷲づかみにして潰しにかかるのはどういうことか。
「……ったく、ホントに馬鹿ね。殺し文句の一つも言えないなんて」
泣いて謝り解放された後、頭が取れてない事を確認している俺にレミットは馬鹿にしたように言った。
「むぅ……やっぱこういうのは苦手だな。思ったことしか言えねーや」
「馬鹿ねー。それなら人の言葉なんか使わないで、思ったこと言えばいいじゃないの」
「……と言ってもなぁ。レミットが好きで好きで仕方ないっていう想いに足る言葉が、俺の語彙の中にゃ見当たらないんだ」
「なっ……!」
どうしたらいいかな、と思いながらレミットを見ると、なんだか顔が赤い。
「どしたレミット? 顔が赤いようだが……」
「う、うるさいっ! なんでもないっ!」
なんでもないはずがないのだが、しつこく言うと殴られるので追求を止める。
「ふむ……言葉じゃとても伝えきれないな。どうだろう、言葉ではなく態度で示してはダメかな?」
「た、態度?」
「キスとかどうだろう? きっと俺の熱い想いが伝わるかと」
「き、き、き、キス!? ふざけるにゃ、誰がアンタなんかと! ばーかばーかばーか!」
両手の指で口の端を引っ張って舌を出すと、レミットは駆け足で教室を出て行った。
「……んー、ままならんなぁ」
「あはは、別府くんて鋭いんだか鈍いんだか分からないね」
そばで見ていた女生徒のよく分からない言葉に、俺は変な顔で応戦した。すごい笑われた。
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