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2024年11月24日
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【ツンデレな妹VSデレデレな姉6】
2010年03月24日
友達と話してると、お姉ちゃんと妹の話題になった。
「しかし、別府の姉さん綺麗だよなー。妹さんも可愛いし、羨ましすぎるぞ」
「そういうもんか? 俺にゃよく分からんが……」
「にしても、二人とも別府と似てないよな。似てたら悲惨だが」
「そりゃどういう意味だコンニャロウ」
一瞬ドキリとしながら、俺は冗談で流した。
昼休み。なんだか疲れてしまい、屋上に出た。
「……はぁ」
「兄貴」
声に振り返ると、妹のカナが腰に手を当てて立っていた。
「よっ、カナ。飯食わないのか?」
「……んー、今日はいいや」
「ダイエットか? 胸から痩せるというし、あまりお勧めしないぞ。それ以上なくなると、兄さん哀れみのあまり号泣してしまうぞ」
「うっさい! ……別に、ダイエットとかじゃなくて」
そう言って、カナは隣に並んで俺を見た。いつもの強気な瞳が、なんだか今日は俺を労わっているような、そんな優しい印象を受けた。
「……ええと、ひょっとして聞いてた?」
カナは小さく頷いた。
「似てなくて当然だよ。……兄貴、養子だもん」
「そのものずばり言うな、お前。ちったぁ兄を労わろうとか思わんのか」
「なんで兄貴なんかを労わらないといけないのよ」
あんまりな言い様に、思わず笑みがこぼれる。
「やっと笑った」
「ん?」
「兄貴、あれからずっとむすーっとしてたもん。十人並みの顔なんだから、笑ってないと誰も寄ってこないわよ?」
「ほっとけ。……これでも、結構怖いんだよ。みんなに、俺がお前達と血繋がってないかバレないかって」
「そんなの、どうでもいいじゃない。そんなこと怖がってるの?」
「……それがみんなにバレて、お前らが悪し様に言われたら嫌だからな。血の繋がらない奴と一つ屋根の下。下世話な奴らが喜びそうなネタだろ?」
「……だいじょーぶだって。もしバレても、あたしも姉ちゃんも気にしないよ」
「いや、けど」
「信じなさい! 兄貴は家族を信じられないって言うの?」
……ここで『家族』って単語使うの、ずるいよなぁ。
「……わーったよ。気にしない」
「よしよし、よくできました」
「これからは、あることないこと吹聴しまくる」
「やめろッ! ……ったく、馬鹿なんだから」
馬鹿と言いながらも、カナは笑顔を見せた。
「……最初から普通の兄妹で生まれてりゃ、こんなことで悩む必要もなかったんだけどな」
「……あたしは、兄貴が養子でよかったと思うよ」
「なんで?」
「な、なんでって……その、色々よ、色々!」
なんだか知らないが、カナは顔を赤くして俺の背中をバンバン叩いた。
「痛い痛い」
「ほらほら、そんなのどうでもいいから教室戻ろ! お姉ちゃん、あたしらがいないって半べそかいてるよ、きっと」
容易に想像できる景色に、思わず笑みがこぼれる。
「確かにな。んじゃ戻るか、カナ」
俺はカナの手を取り、共に教室に戻った。
教室では、お姉ちゃんは半泣きでうろついていた。
「タカくんが迷子になっちゃったと思って、お姉ちゃん心配した~」
「幼児か、俺は」
お姉ちゃんの頭をなでながら、俺はこれからもよい家族でいようと思った。
「しかし、別府の姉さん綺麗だよなー。妹さんも可愛いし、羨ましすぎるぞ」
「そういうもんか? 俺にゃよく分からんが……」
「にしても、二人とも別府と似てないよな。似てたら悲惨だが」
「そりゃどういう意味だコンニャロウ」
一瞬ドキリとしながら、俺は冗談で流した。
昼休み。なんだか疲れてしまい、屋上に出た。
「……はぁ」
「兄貴」
声に振り返ると、妹のカナが腰に手を当てて立っていた。
「よっ、カナ。飯食わないのか?」
「……んー、今日はいいや」
「ダイエットか? 胸から痩せるというし、あまりお勧めしないぞ。それ以上なくなると、兄さん哀れみのあまり号泣してしまうぞ」
「うっさい! ……別に、ダイエットとかじゃなくて」
そう言って、カナは隣に並んで俺を見た。いつもの強気な瞳が、なんだか今日は俺を労わっているような、そんな優しい印象を受けた。
「……ええと、ひょっとして聞いてた?」
カナは小さく頷いた。
「似てなくて当然だよ。……兄貴、養子だもん」
「そのものずばり言うな、お前。ちったぁ兄を労わろうとか思わんのか」
「なんで兄貴なんかを労わらないといけないのよ」
あんまりな言い様に、思わず笑みがこぼれる。
「やっと笑った」
「ん?」
「兄貴、あれからずっとむすーっとしてたもん。十人並みの顔なんだから、笑ってないと誰も寄ってこないわよ?」
「ほっとけ。……これでも、結構怖いんだよ。みんなに、俺がお前達と血繋がってないかバレないかって」
「そんなの、どうでもいいじゃない。そんなこと怖がってるの?」
「……それがみんなにバレて、お前らが悪し様に言われたら嫌だからな。血の繋がらない奴と一つ屋根の下。下世話な奴らが喜びそうなネタだろ?」
「……だいじょーぶだって。もしバレても、あたしも姉ちゃんも気にしないよ」
「いや、けど」
「信じなさい! 兄貴は家族を信じられないって言うの?」
……ここで『家族』って単語使うの、ずるいよなぁ。
「……わーったよ。気にしない」
「よしよし、よくできました」
「これからは、あることないこと吹聴しまくる」
「やめろッ! ……ったく、馬鹿なんだから」
馬鹿と言いながらも、カナは笑顔を見せた。
「……最初から普通の兄妹で生まれてりゃ、こんなことで悩む必要もなかったんだけどな」
「……あたしは、兄貴が養子でよかったと思うよ」
「なんで?」
「な、なんでって……その、色々よ、色々!」
なんだか知らないが、カナは顔を赤くして俺の背中をバンバン叩いた。
「痛い痛い」
「ほらほら、そんなのどうでもいいから教室戻ろ! お姉ちゃん、あたしらがいないって半べそかいてるよ、きっと」
容易に想像できる景色に、思わず笑みがこぼれる。
「確かにな。んじゃ戻るか、カナ」
俺はカナの手を取り、共に教室に戻った。
教室では、お姉ちゃんは半泣きでうろついていた。
「タカくんが迷子になっちゃったと思って、お姉ちゃん心配した~」
「幼児か、俺は」
お姉ちゃんの頭をなでながら、俺はこれからもよい家族でいようと思った。
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