忍者ブログ

[PR]

2024年11月24日
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【ゆら姉と七瀬 夕食の買い出し】

2012年02月05日
 学校も終わったので、部屋でゆっくりしてるとゆら姉が部屋にやってきた。
「アキくん、晩ご飯のお買い物行こ?」
「ん、いいけど、珍しいな。いつもは学校帰りに寄るのに」
「うーん。そうしたかったんだけど、どういうことか女狐が一緒にいたからねー♪」
 ゆら姉が笑顔なのに超怖い。
「しかも、あろうことか、その女狐が可愛い可愛い弟の“姉”になるとか言い出してねー?」
「ゆ、ゆら姉。あ、あの、その、手! 手をつないで一緒にでかけようか?」
 あまりの恐怖にとりあえずおもねる。
「え、えっ? ……も、もー。本当にアキくんはお姉ちゃん離れができなくて困っちゃうね♪」
 それが功を奏したのか、ゆら姉の周囲に渦巻いていたどす黒いオーラは消えた。大変怖かった。
「……そ、それとも、おうちで適当なの食べて、余った時間で、そ、その。……ちゅー、する?」
 違う意味で姉が怖い。
「いや、最近そればっかでもう食材が残ってなかったように思うのだけど」
 そして俺も怖い。
「あ、そ、そだったね。……えへ、毎日ちゅーだったね?」
 どうして俺の姉はこうも可愛いのか。
「ほっぺ! ほっぺだけどね!」
 なぜか分からないが、どこかの誰かに喧伝しなければならない気がしたので大きな声でそう言ってみる。
「え、えと。……そ、それは、お口にして欲しいってことなのカナ?」
 俺の理性が大変ピンチ。
「で、でも、姉弟だし……だ、だけど、弟が望むならそれも……そ、それに、姉弟ならノーカンだよね? ねっ?」
「は、早く買い物に行こう、ゆら姉! 冬は陽が沈むのが早いこと請け合い!」
「あっ、待ってよぉ」
 そんなわけで、姉弟仲良くおてて繋いで近所のスーパーへやってきたのだが。
「あ」
「あ」
 ついさっき見かけた顔と再開したわけで。
「……これはもう運命?」(なでなで&ぎゅっ)
「人の弟を勝手に可愛がらないでいただけますっ!?」
 偶然にも買い物に来ていた七瀬が俺を見るなりハグ&なでなでをしかけた結果、ゆら姉が半泣きになってます。
「ふーふー……あのね、七瀬ちゃん? この弟は“私”の弟なの。勝手に可愛がらないでもらえる?」
「でも、私も彰人の姉だからしょうがない?」
「それあなたが勝手に言ってるだけでしょっ! この女狐め! もー、アキくん! なんとか言ってやってよ!」
「あ、もやしが安い。よし、今日はもやし炒めにしよう」
「お姉ちゃんの話を聞きなさいっ!」
「わひぃっ」
 もやしが1個9円だったのでカゴにわっさわっさと入れてたら、なんか超怒られたので超驚いた超。
「あ、今の声、犬みたいでかわいい。録音しておくので、もう一度鳴いて?」
 そして七瀬は少し変だ。
「嫌です」
「七瀬、しょんぼり……」
 でもちょっと可愛い。
「アキくんっ!」
「いていていて」
 弟の思念を読み取るという姉の基本スキルが発動したため、ゆら姉が機嫌を悪くして俺の耳を引っ張ります。
「ぺろぺろ」
「なっ、七瀬っ!?」
「なっ、何してるんですかあなたはっ!?」
 そのやりとりをぼーっと見ていた七瀬が突如、俺の耳をなめだした。
「……痛そうだったから、治療?」
 姉ってのはどこの姉も舐めて治すのか。
「あ、あの、七瀬? べ、別に舐める必要は」
「お、お姉ちゃんも! お姉ちゃんも舐める!」
「え、いや、ゆら姉、あの」
 どういうことかゆら姉まで俺の耳を舐めだした。
「ゆら姉も七瀬も、その、弟的にはどうかと思うなー?」
「ぺろぺろ。……七瀬、お姉ちゃん?」
「え、えーと。……七瀬お姉ちゃんも、その、舐める必要は」
「ぺろぺろ……はぁはぁ……ちゅーちゅー……はぁはぁ」
「なんか発情してるよこの人ーっ!?」
 スーパーで女の子二人に耳を舐められてる変態がいたら、俺と思っていただいて結構です。

「落ち着いてください」
 耳がよだれでべったべたになるまで舐められた後、比較的客の少ない一角までやってきて二人を落ち着かせる。
「お、お姉ちゃんは落ち着いてるもん。この女狐が私のアキくんを舐めるから、お姉ちゃんの聖なる唾液で消毒しただけだもん」
「聖なる唾液……聖なる液……略して聖水?」
「略すな」
「あぅ」
 七瀬の頭をぺこちんと軽く叩く。
「……彰人の耳は聖水まみれ?」
「そういう趣味はない」
「残念……」
「あるのっ、七瀬お姉ちゃんそっちの趣味あるの!?」
 さすがにふるえがとまりません。
「ないけど、弟のためなら頑張る所存?」
 七瀬お姉ちゃんは努力の方向性が間違ってる模様。
「ていうかアキくんっ! 何を普通に七瀬ちゃんのことをお姉ちゃんって呼んでるの! お姉ちゃんはゆら姉一人だけでしょっ!」
「そうなんだけど、呼ばないと無限ループに陥るからしょうがないんだ」
「弟の信頼を勝ち取った七瀬?」
「その勝ち誇った顔がムカツクーっ!」
「ああもう姉たち喧嘩しない」(なでなで)
 俺の手はふたつあるので、両方を用いて二人の姉の頭をなでて落ち着かせる。弟にはそんな技能もあるのです。
「むー。お姉ちゃんなのに、子供扱いするし……」
「…………」(ぽーっ)
「こらそこっ! ぽーっとしない! ていうか私の方が幸せだしっ! ねーっ、アキくん!?」
「分かりません」
「幸せなのっ!」
 などと侃々諤々言い合ってたら、七瀬お姉ちゃんが俺をつんつんとつっついてきた。
「ん、どした七瀬お姉ちゃん?」
「も、もっかい。もっかい」
 何この可愛い生物。
「七瀬を、もっかいなでて?」
 何この可愛い生物。大事なことなので2回言いました。
「お姉ちゃんえくすとりーむりーむーっ!!!」
 そして姉の読弟術により、ゆら姉の機嫌が悪くなって俺の頬が引っ張られる。痛い。
「ていうかそこの新参姉っ! 弟に篭絡されてどうするっ! 弟を篭絡してこそ、姉なのよっ!」
「!!!!!」
 ゆら姉が間違った知識を七瀬お姉ちゃんに伝授している。七瀬は七瀬で無駄に感銘を受けているし。ああもう。
「ちょっとでいいからゆら姉は黙っててください」(なでなで)
「うっ……こ、この程度でお姉ちゃんが黙る……黙るはずが……ふにゃ~」
 黙った。さてと。
「んで、七瀬お姉ちゃんも飯買いに来たのか? 親の手伝いなんて偉いな」
「? ……七瀬は一人暮らし。知らなかった?」
「え、あ、そ、そなのか」
 聞いても大丈夫な話なのだろうか。下手に踏み込んで傷つけてもなあ。かといって「ああそう大変だねじゃあ俺はゆら姉とイチャイチャするのでこれで」と見捨てるのも酷過ぎるし、ううむ。
「……だいじょぶ。親は健在。ちょお元気?」
「そ、そか。……べ、別に心配なんてしてないんだからねっ! 勘違いしないでよねっ!」
「くぎゅううううう?」
「七瀬お姉ちゃんのレスポンスは素晴らしいな」(なでなで)
「弟に褒められると大変に嬉しい。新発見?」
「はいはい、よかったな。あ、そだ。一人暮らしなんだろ? もしよかったらなんだが、俺んちで一緒に飯食うか? 二人も三人も料理の手間はそう変わら」
「お姉ちゃん、大反対っ!」
「……七瀬、大賛成?」
 軽い気持ちで誘ったら、姉たちの意見が真っ二つに割れた。
「お姉ちゃんが思うに思うにっ、二人から三人に変わったら料理の手間はとんでもないことになるよっ! 料理の時間が30分から5光年になっちゃうよっ!」
「光年は距離の単位だ。そして今日の飯の担当は俺だから大丈夫だ」
「アキくぅぅぅぅん……」
「はいはい」
 ゆら姉が非常に情けない声で泣きそうな顔になっていたので、頭をなでてあげた。
「七瀬を呼んでくれると、あーんしてあげる所存?」
「いや、あの。なんというかそれをされても嬉しいは嬉しいのだけど色々と問題があいててててて」
「がうがうがうっ!」
 自分に不利な雰囲気を感じ取ったのか、ゆら姉が俺の腕を噛みだした。
「じゃあ、夕食に呼んでもらった礼として、背中を流してあげる?」
「がうがうがうがうっ!」
「痛い痛い痛い痛い!」
 七瀬お姉ちゃんが何か言うたびに、俺の腕に歯がめり込みます。
「うーん。……いっそ添い寝?」
「お願いだから何も言わずに家に来てくださいお願いします!」
 このままでは腕が噛み千切られてしまうので、壊れたおもちゃみたいにぺこぺこ頭を下げて懇願する。誘わないって選択肢はナシだしね。
「……いいの?」
 七瀬お姉ちゃんが視線でゆら姉に伺いを立てている。早くも我が家のヒエラルキーを見通したか。やるな、七瀬お姉ちゃん!(誰でも分かることに気づいてない模様)
「はぁ……しょーがないよ、アキくんはこう見えて頑固なところがあるし。あと、非常に不本意だけど、七瀬ちゃんもアキくんの姉的存在になっちゃったみたいだし」
 ゆら姉のお許しが出た。これなら何の問題もない。
「よし。そんなわけで、今日は姉弟そろってもやしパーティーだ!」
「……ふつつか姉ですが、今日からよろしくお願いします?」
「嫁入りを認めたとかじゃないしっ! よろしくしないしっ! 今日だけ特別だしっ! ふしゃー!」
「ふしゃーじゃねえ。んじゃ一緒に行くか、七瀬お姉ちゃん?」
「…………」(こくこくこくこく)
 何やらやけに嬉しそうな七瀬お姉ちゃんと一緒に、レジへ向かうのだった。
「がぶがぶがぶがぶ」
 そして七瀬お姉ちゃんの頷く数と同じだけ、ゆら姉は俺の腕を噛むのだった。痛いです。

拍手[17回]

PR
Comment
No title
かなみーー♪♪同衾は嬉しいです(はぁと)キスはまだですか?えっちい事もして欲しいなー☆(他の子とはしたのに)でもでも可愛い♪かなみ大好き次を楽しみにしてますー。
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Trackback
トラックバックURL: