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2024年11月24日
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【ツンデレに噂話について詰問されたら】
2012年02月10日
もうすぐバレンタインという噂を聞きつけた俺は、根回しに躍起になっていた。だが、どうにもうまくいかない。
そんなある日の放課後。今日はどこから行こうか教室でプランを練っていると、かなみが何やら不機嫌そうな顔をしてこちらにやってきた。とても怖いのでそーっと逃げようとしたら回りこまれた。
「くそっ! やっぱり大魔王からは逃げられない!」
「誰が魔王よッ! くだらないことしてないで、ちょっと顔貸しなさいよ」
「嫌な予感しかしねぇので嫌です」
「早く!」
「はいすいません」
叱られたので、素直に自分の席に着く。かなみは近くの机の上に座った。お行儀が悪いですよ?
「あのさ、なんか最近『放課後に色んな教室を練り歩き、食物を必死な顔でねだる妖怪が出る』って噂が流れてるんだけど、アンタなんかしたでしょ?」
「あー。多分その妖怪のモデル俺です」
「やっぱか! あたしも聞きながらアンタを想像したわよ! 勝手に学校の七不思議を増やすな馬鹿っ!」
「別に好んで増やしたわけではない。ただチョコをもらおうと必死だっただけなんです。それがよもや学校の歴史に名を刻む羽目になろうとは……」
「なんかかっこよさげだけど、どう考えてもかっこ悪いわよ」
ですよねー。
「んで、なに? チョコ? あ、バレンタインの」
コクリとうなずくと、かなみはいかにも馬鹿にした様子で俺に話しかけた。
「その調子だと、当然のようにチョコレートはもらえそうにないみたいね。ま、トーゼンよね。誰がアンタみたいな変人にチョコを渡すってのよ♪」
「今日もかなみは楽しそうに俺を罵倒しますね」
「罵倒じゃないわ、ただ事実を述べているだけよ。それが、どういうことか、罵倒になっちゃうのよねー。不思議♪」
「俺の魅力がなせる技だな!」
「けなしてるんだからそろそろ怒れッ! 何を全部吸収してるのよ!」
「なんで俺が怒られてるの?」
頬をぐにーっと引っ張られた。痛い。
「うー……ちっとも堪えてないし」
「いや、痛いんですよ? ただ、人より表情に出にくいだけで」
「あ、引き千切ったら流石のアンタでも痛がるかな?」
「助けてぇ!」
「叫ぶなッ! 冗談よ、冗談」
「なんだ。かなみのことだ、頬を引き千切るだけに飽きたらず、太ももとかつまんで引き千切るに違いない! と強く思ったんだが……いや俺の勘違いでよかったよかった」
「どこの花山と勘違いしてんのよッ!」
「握撃!」
「ふにゃあ!?」
わっしと顔を掴んだら、やけに可愛いリアクションをされて、俺は一体どうしたら。
「…………」
「…………」
どうしたらいいか分からなくなって、そっと手をのけたら、あらかなみさん顔真っ赤。
「……えーと」
「うるさい喋るな死ねッ! そしてさっきの忘れなさい!」
「ネコミミつけて『なでなでしてくださいですにゃあ』と媚っび媚びに言ってくれるなら忘れる」
「なんで恥ずかしいのを隠すためにより恥ずかしいマネしなきゃいけないのよ! するわけないでしょ、この馬鹿!」
「むぅ。しょうがない、さっきの『ふにゃあ』を脳内リピートして楽しもう」
「忘れなさいって言ったでしょ! 忘れろ、この馬鹿!」
「脳内リピート開始。ふにゃあふにゃあふにゃあ」
「アンタを殺してあたしは死なないッ!」
「ふにゃげげげ」
首を締められたので忘れることにする。そしてさっきのかなみの台詞だと、ただ俺が殺されるだけなので納得いかない。
「はぁはぁ……あのさ、死ぬから」
「それがあたしの望みよ」
「なんて酷いやつだ。チョコはもらえず、よもや死をもらう羽目になろうとは」(ドヤッ)
「うわっ、超うっとうしい。……そ、それで、やっぱりチョコはもらえそうにないの?」
興味がないのだろう、かなみは髪の先をいじりながら素っ気なく聞いた。ただ、視線だけが毛先と俺の間をせわしなく行き来していた。
「あー。なんかね、誰もくれないんですよ。俺も知らないことなんだが、どうやら俺には既に相手がいるからって」
「相手っ!? どっ、どういうことよッ!?」
「痛い痛い苦しいやめて誰か助けてぇ!」
「うるさいっ!」
がっくんがっくん揺さぶられたので、得意の萌えボイスで悲鳴をあげたら怒られた。
「いやね、なんか俺にはいつも側にいる奴がいるらしくて。仲が良さそうな悪そうな、一見するとよく分からない関係で、でもいっつも側にいるからチョコを渡すのもねぇ、という話なんです」
「だだだ誰よそれっ! 名前を言いなさいよ、名前!」
「俺も名前までは。ただ、容姿の特徴は聞いてきた」
「よしっ! 極々稀に役に立つわね!」
「でへへぇ」
「うわっ、気持ち悪ッ! 死ね!」
「…………」
折角のいい気分が台無しだ。
「はぁ……ええと、そいつの特徴なんだが、なんかいっつも俺をぽんぽん叩いてるらしい」
「ふーん。あたし以外にそんな殊勝な趣味を持った奴がいるのね。是非お友達になりたいわ」
「お前は一度殊勝という単語を調べなおしたほうがいいと思う」
「うっさい。ほらほら、早く次の特徴言いなさいよ」
「ん、ああ。でだな、身長はあまり高くないらしい。平均よりもやや低いとか」
「ふーん」
「これは俺様大喜びなんだが、胸はぺったんぺったんつるぺったんだとか。最高だよね!」
「…………」
「最高だよね!」(満面の笑み)
繰り返すと殴られます。要注意。
「まったく……ん? アンタをいっつも殴ってて、小柄で、胸がぺった……す、スレンダー? ……それって」
「あと、頭の両端から昆布が垂れてるらしい。ここまで変な奴は人間ではなく妖怪の一種だと思う」
「明らかにあたしのことじゃない! あと昆布じゃない! 髪! ツインテールだって何百回と言ってるでしょ! え、ていうか周りのみんなもこの髪形を昆布って認識してるの!?」
「いや、なんかツインテールとかなんとか訳の解らんことを言ってたから、きちんと意訳してあげた。こんな気の利く俺を褒めてはどうだろうか」
いや、殴るんじゃなくて。褒めるの。
「この馬鹿は……あれ? じゃあ、え? み、みんなあたしとアンタのこと……?」
何やらかなみの顔がゆっくりと赤くなっていきますよ?
「どうかしたか?」
「な、なんでもないわよ! うぅ……こ、こっち見るな馬鹿!」
「よく分からんが、大丈夫か? 保健室行くか?」
「そ、そういうんじゃないから、別に! 心配とかするな、ばか!」
「まあ、問題ないならいいんだけど。女の子なんだから、どこかおかしいと思ったら無理せず保健室へ行くんだぞ?」
「う、うるさいっ! 女の子とか言うな、ばかっ! ばかばかばかっ!」
「いやはや。ところでかなみ、俺にチョコをくれませんかね?」
「えっ?」
「いやね、この調子だと誰にももらえそうにないんですよ。俺の側にいる謎の人物は結局お前ってことで解決してしまったし、ここはやはりかなみに頼るしか」
「……ふ、ふーん。そなんだ。あたしのチョコが欲しいんだ」
「この際だ、多少なら異物が混入されていても文句言わない」
「込めないわよッ! 人をなんだと思ってるのよ!」
「隙あらば俺を殺そうとする暗殺者」
「違うわよっ! んなことしたことないわよっ!」
いやもう今日既に殺されかけたけど。
「ああもう、どっと疲れた……」
「まあそういう訳で、頼む。チョコくれ。いや、ください」
「……ふっふ~ん。どーしよっかな?」
ニヤニヤと底意地の悪そうな笑みを浮かべるかなみ。本領発揮といったところか。
「分かった。どこを舐めればいい?」
「なんでよっ! 寄るな変態ッ!」
負けじとこちらも本領を発揮させたら嫌がられた。
「いや、こういうシチュエーションなので、どっか舐めさせられるものかと。個人的にはおっぱいとかがいいです」
「はぁぁ……そうよね、こういう奴だったもんね。……あーあ、なんでこんな奴を……」
かなみは俺を見ながら何やらぶつくさ言っていた。
「うー……ちょっとこっち来なさいよ、ばか」
「馬鹿ではないが、了解」
てってこ近寄ると、何やら頬を引っ張られた。
「痛いのですが」
「ふん。冗談ばっか言ってるからよ、ばか。罰よ、罰」
「我々の業界ではご褒美ですよ」
「どこの業界よ! 全く……ばかなんだから。えいえいっ」
「ご褒美ではあるが、痛いのですよ?」
「チョコほしいんでしょ? だったら我慢することね。とーっ、やーっ♪」
かなみは小さく笑いながら俺の頬をむいむいと楽しげに引っ張るのだった。
そんなある日の放課後。今日はどこから行こうか教室でプランを練っていると、かなみが何やら不機嫌そうな顔をしてこちらにやってきた。とても怖いのでそーっと逃げようとしたら回りこまれた。
「くそっ! やっぱり大魔王からは逃げられない!」
「誰が魔王よッ! くだらないことしてないで、ちょっと顔貸しなさいよ」
「嫌な予感しかしねぇので嫌です」
「早く!」
「はいすいません」
叱られたので、素直に自分の席に着く。かなみは近くの机の上に座った。お行儀が悪いですよ?
「あのさ、なんか最近『放課後に色んな教室を練り歩き、食物を必死な顔でねだる妖怪が出る』って噂が流れてるんだけど、アンタなんかしたでしょ?」
「あー。多分その妖怪のモデル俺です」
「やっぱか! あたしも聞きながらアンタを想像したわよ! 勝手に学校の七不思議を増やすな馬鹿っ!」
「別に好んで増やしたわけではない。ただチョコをもらおうと必死だっただけなんです。それがよもや学校の歴史に名を刻む羽目になろうとは……」
「なんかかっこよさげだけど、どう考えてもかっこ悪いわよ」
ですよねー。
「んで、なに? チョコ? あ、バレンタインの」
コクリとうなずくと、かなみはいかにも馬鹿にした様子で俺に話しかけた。
「その調子だと、当然のようにチョコレートはもらえそうにないみたいね。ま、トーゼンよね。誰がアンタみたいな変人にチョコを渡すってのよ♪」
「今日もかなみは楽しそうに俺を罵倒しますね」
「罵倒じゃないわ、ただ事実を述べているだけよ。それが、どういうことか、罵倒になっちゃうのよねー。不思議♪」
「俺の魅力がなせる技だな!」
「けなしてるんだからそろそろ怒れッ! 何を全部吸収してるのよ!」
「なんで俺が怒られてるの?」
頬をぐにーっと引っ張られた。痛い。
「うー……ちっとも堪えてないし」
「いや、痛いんですよ? ただ、人より表情に出にくいだけで」
「あ、引き千切ったら流石のアンタでも痛がるかな?」
「助けてぇ!」
「叫ぶなッ! 冗談よ、冗談」
「なんだ。かなみのことだ、頬を引き千切るだけに飽きたらず、太ももとかつまんで引き千切るに違いない! と強く思ったんだが……いや俺の勘違いでよかったよかった」
「どこの花山と勘違いしてんのよッ!」
「握撃!」
「ふにゃあ!?」
わっしと顔を掴んだら、やけに可愛いリアクションをされて、俺は一体どうしたら。
「…………」
「…………」
どうしたらいいか分からなくなって、そっと手をのけたら、あらかなみさん顔真っ赤。
「……えーと」
「うるさい喋るな死ねッ! そしてさっきの忘れなさい!」
「ネコミミつけて『なでなでしてくださいですにゃあ』と媚っび媚びに言ってくれるなら忘れる」
「なんで恥ずかしいのを隠すためにより恥ずかしいマネしなきゃいけないのよ! するわけないでしょ、この馬鹿!」
「むぅ。しょうがない、さっきの『ふにゃあ』を脳内リピートして楽しもう」
「忘れなさいって言ったでしょ! 忘れろ、この馬鹿!」
「脳内リピート開始。ふにゃあふにゃあふにゃあ」
「アンタを殺してあたしは死なないッ!」
「ふにゃげげげ」
首を締められたので忘れることにする。そしてさっきのかなみの台詞だと、ただ俺が殺されるだけなので納得いかない。
「はぁはぁ……あのさ、死ぬから」
「それがあたしの望みよ」
「なんて酷いやつだ。チョコはもらえず、よもや死をもらう羽目になろうとは」(ドヤッ)
「うわっ、超うっとうしい。……そ、それで、やっぱりチョコはもらえそうにないの?」
興味がないのだろう、かなみは髪の先をいじりながら素っ気なく聞いた。ただ、視線だけが毛先と俺の間をせわしなく行き来していた。
「あー。なんかね、誰もくれないんですよ。俺も知らないことなんだが、どうやら俺には既に相手がいるからって」
「相手っ!? どっ、どういうことよッ!?」
「痛い痛い苦しいやめて誰か助けてぇ!」
「うるさいっ!」
がっくんがっくん揺さぶられたので、得意の萌えボイスで悲鳴をあげたら怒られた。
「いやね、なんか俺にはいつも側にいる奴がいるらしくて。仲が良さそうな悪そうな、一見するとよく分からない関係で、でもいっつも側にいるからチョコを渡すのもねぇ、という話なんです」
「だだだ誰よそれっ! 名前を言いなさいよ、名前!」
「俺も名前までは。ただ、容姿の特徴は聞いてきた」
「よしっ! 極々稀に役に立つわね!」
「でへへぇ」
「うわっ、気持ち悪ッ! 死ね!」
「…………」
折角のいい気分が台無しだ。
「はぁ……ええと、そいつの特徴なんだが、なんかいっつも俺をぽんぽん叩いてるらしい」
「ふーん。あたし以外にそんな殊勝な趣味を持った奴がいるのね。是非お友達になりたいわ」
「お前は一度殊勝という単語を調べなおしたほうがいいと思う」
「うっさい。ほらほら、早く次の特徴言いなさいよ」
「ん、ああ。でだな、身長はあまり高くないらしい。平均よりもやや低いとか」
「ふーん」
「これは俺様大喜びなんだが、胸はぺったんぺったんつるぺったんだとか。最高だよね!」
「…………」
「最高だよね!」(満面の笑み)
繰り返すと殴られます。要注意。
「まったく……ん? アンタをいっつも殴ってて、小柄で、胸がぺった……す、スレンダー? ……それって」
「あと、頭の両端から昆布が垂れてるらしい。ここまで変な奴は人間ではなく妖怪の一種だと思う」
「明らかにあたしのことじゃない! あと昆布じゃない! 髪! ツインテールだって何百回と言ってるでしょ! え、ていうか周りのみんなもこの髪形を昆布って認識してるの!?」
「いや、なんかツインテールとかなんとか訳の解らんことを言ってたから、きちんと意訳してあげた。こんな気の利く俺を褒めてはどうだろうか」
いや、殴るんじゃなくて。褒めるの。
「この馬鹿は……あれ? じゃあ、え? み、みんなあたしとアンタのこと……?」
何やらかなみの顔がゆっくりと赤くなっていきますよ?
「どうかしたか?」
「な、なんでもないわよ! うぅ……こ、こっち見るな馬鹿!」
「よく分からんが、大丈夫か? 保健室行くか?」
「そ、そういうんじゃないから、別に! 心配とかするな、ばか!」
「まあ、問題ないならいいんだけど。女の子なんだから、どこかおかしいと思ったら無理せず保健室へ行くんだぞ?」
「う、うるさいっ! 女の子とか言うな、ばかっ! ばかばかばかっ!」
「いやはや。ところでかなみ、俺にチョコをくれませんかね?」
「えっ?」
「いやね、この調子だと誰にももらえそうにないんですよ。俺の側にいる謎の人物は結局お前ってことで解決してしまったし、ここはやはりかなみに頼るしか」
「……ふ、ふーん。そなんだ。あたしのチョコが欲しいんだ」
「この際だ、多少なら異物が混入されていても文句言わない」
「込めないわよッ! 人をなんだと思ってるのよ!」
「隙あらば俺を殺そうとする暗殺者」
「違うわよっ! んなことしたことないわよっ!」
いやもう今日既に殺されかけたけど。
「ああもう、どっと疲れた……」
「まあそういう訳で、頼む。チョコくれ。いや、ください」
「……ふっふ~ん。どーしよっかな?」
ニヤニヤと底意地の悪そうな笑みを浮かべるかなみ。本領発揮といったところか。
「分かった。どこを舐めればいい?」
「なんでよっ! 寄るな変態ッ!」
負けじとこちらも本領を発揮させたら嫌がられた。
「いや、こういうシチュエーションなので、どっか舐めさせられるものかと。個人的にはおっぱいとかがいいです」
「はぁぁ……そうよね、こういう奴だったもんね。……あーあ、なんでこんな奴を……」
かなみは俺を見ながら何やらぶつくさ言っていた。
「うー……ちょっとこっち来なさいよ、ばか」
「馬鹿ではないが、了解」
てってこ近寄ると、何やら頬を引っ張られた。
「痛いのですが」
「ふん。冗談ばっか言ってるからよ、ばか。罰よ、罰」
「我々の業界ではご褒美ですよ」
「どこの業界よ! 全く……ばかなんだから。えいえいっ」
「ご褒美ではあるが、痛いのですよ?」
「チョコほしいんでしょ? だったら我慢することね。とーっ、やーっ♪」
かなみは小さく笑いながら俺の頬をむいむいと楽しげに引っ張るのだった。
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微笑ましくていいてづね~捻じ切れそうです。
俺の嫁シリーズもかなみん以外でも見たいです!