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2024年11月21日
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【ぬいぐるみ代わりに兄をぎゅっとする妹】
2010年04月07日
「とてもよいことを思いついたので言うみゆは偉いかにゃ?」
夜、眠いので寝ようと布団に入ったら、既に入っていた妹のみゆが顔を出すなりそんなことを言い出したので驚いた。
「偉いかもしれないが、その前に兄が吃驚のため心臓が今まさに停止しかかっているので助けてぶくぶく」
「お兄ちゃんの口から無数の泡が! お兄ちゃんはカニだったのかにゃ?」
「人です」
「なんでなのにゃー……」
何やら助けてくれる具合ではなかったので、自力で回復することにする。
「ふぅ。それで、何を思いついたのだ?」
「ふにゃー♪」
人が折角尋ねる姿勢を見せたというのに、妹と来たら兄に抱きつき嬉しそうに顔をこすりつけごろごろ言ってる始末。
「これ、みゆさん。兄は妹の思いついた事象について興味があるようですよ?」
「しかしですね、お兄ちゃん。みゆはお兄ちゃんの匂いにくらくらきた模様ですにゃ! はぐはぐ♪」
みゆは嬉しそうに兄の腕をあむあむ噛んだ。痛くはなく、むしろ心地よい感触だったが、やっぱり思いついたことが気になる。
「思いついた事を兄に教えてくれないと泣く」
「悠然とした口調で子供同然な事を!?」
「ほら、どうしたみゆ。早くしないと泣くぞ? いいのか?」
「うう……脅しだかなんだか分からないけど、分かったよ、言うよ。あのね、ぬいぐるみが欲しいの」
「そっか。じゃ、今度の休みに買いに行こうな」
「にゃー! そこは断るとこなの!」
「え、いやしかし、妹が望むことは、兄はできるだけ叶えてあげたいと思うのだが」
「にゃ……ふ、ふにゅ。こ、このお兄ちゃんめ。みゆをドキドキさせるとは生意気なのにゃ」
みゆは兄の腕をつんつんとつつきながら、俺を見上げた。うるうると揺れる瞳に、思わず引き込まれ──って。
「ふぅ、危ない危ない。思わずむちゅーとしそうになりました」
「みゆは構わないですだよ? いや、むしろ! そしてその先もがっつりやりたい所存ですにゃ!」
「その所存はとりあえず横に置きなさい」
「残念なことこの上ないのにゃー……」
「んで?」
「にゅ? あ、そうそう。あのね、ぬいぐるみが欲しいのですにゃ。しかしお兄ちゃんは買ってくれないのですだよ!」
「いや、そんな高くもないだろうし、別に問題」
「しゃーらっぷ! お兄ちゃんは買ってくれないのですだよ」
「……はい」
「そこでみゆは考えた! いっしょーけんめー考えた! おひるねも我慢して考えた! ……偉い?」
「あー偉い偉い」(なでなで)
「にゃーにゃー♪」(嬉しそう)
半ばなげやりに頭をなでてのだったけど、嬉しそうで何よりです。
「んとね、ぬいぐるみの代わりにお兄ちゃんをむぎゅーってしようと思ったの? めいあん?」
「そのむぎゅーにかかる力の程度によります。どのくらい?」
「にゅーっとね、5とん?」(小首をこてりと傾げながら)
死ぬよね。
「丁重にお断りさせていただきます」
「ががががーん! むぎゅーってしたいのに丁重にお断るだなんて許せないよ!」
「みゆと同年代の女性と同じくらいの筋力でむぎゅーっとするなら考えないでもないです」
「じゃあ、そのような感じでやるので、むぎゅーってしていーかにゃ?」
「そのような感じであるならば、兄としても断る理由はない。おいで」
こいこいと手招きすると、みゆは破顔して兄に抱きついた。
「ふにゅー♪ このぬいぐるみ代わりのお兄ちゃんは、とてもよいという噂ですにゃ。なぜなら、抱きついてると幸せが後から後から湧いて来るから!」
「とても嬉しそうで何よりです」
「お兄ちゃんにも何か沸いてるのかにゃ?」
「兄は適温に沸いております」
「お兄ちゃんが給湯器に!?」
漢字間違いによる悲劇と言えよう。
「あ、でも確かに暖かい。にゃ、ホコホコー♪」
しかし、嬉しそうに兄に抱きついてすりすりしている妹を見るに、あながち悲劇でもないかなあと思ったりもした。
夜、眠いので寝ようと布団に入ったら、既に入っていた妹のみゆが顔を出すなりそんなことを言い出したので驚いた。
「偉いかもしれないが、その前に兄が吃驚のため心臓が今まさに停止しかかっているので助けてぶくぶく」
「お兄ちゃんの口から無数の泡が! お兄ちゃんはカニだったのかにゃ?」
「人です」
「なんでなのにゃー……」
何やら助けてくれる具合ではなかったので、自力で回復することにする。
「ふぅ。それで、何を思いついたのだ?」
「ふにゃー♪」
人が折角尋ねる姿勢を見せたというのに、妹と来たら兄に抱きつき嬉しそうに顔をこすりつけごろごろ言ってる始末。
「これ、みゆさん。兄は妹の思いついた事象について興味があるようですよ?」
「しかしですね、お兄ちゃん。みゆはお兄ちゃんの匂いにくらくらきた模様ですにゃ! はぐはぐ♪」
みゆは嬉しそうに兄の腕をあむあむ噛んだ。痛くはなく、むしろ心地よい感触だったが、やっぱり思いついたことが気になる。
「思いついた事を兄に教えてくれないと泣く」
「悠然とした口調で子供同然な事を!?」
「ほら、どうしたみゆ。早くしないと泣くぞ? いいのか?」
「うう……脅しだかなんだか分からないけど、分かったよ、言うよ。あのね、ぬいぐるみが欲しいの」
「そっか。じゃ、今度の休みに買いに行こうな」
「にゃー! そこは断るとこなの!」
「え、いやしかし、妹が望むことは、兄はできるだけ叶えてあげたいと思うのだが」
「にゃ……ふ、ふにゅ。こ、このお兄ちゃんめ。みゆをドキドキさせるとは生意気なのにゃ」
みゆは兄の腕をつんつんとつつきながら、俺を見上げた。うるうると揺れる瞳に、思わず引き込まれ──って。
「ふぅ、危ない危ない。思わずむちゅーとしそうになりました」
「みゆは構わないですだよ? いや、むしろ! そしてその先もがっつりやりたい所存ですにゃ!」
「その所存はとりあえず横に置きなさい」
「残念なことこの上ないのにゃー……」
「んで?」
「にゅ? あ、そうそう。あのね、ぬいぐるみが欲しいのですにゃ。しかしお兄ちゃんは買ってくれないのですだよ!」
「いや、そんな高くもないだろうし、別に問題」
「しゃーらっぷ! お兄ちゃんは買ってくれないのですだよ」
「……はい」
「そこでみゆは考えた! いっしょーけんめー考えた! おひるねも我慢して考えた! ……偉い?」
「あー偉い偉い」(なでなで)
「にゃーにゃー♪」(嬉しそう)
半ばなげやりに頭をなでてのだったけど、嬉しそうで何よりです。
「んとね、ぬいぐるみの代わりにお兄ちゃんをむぎゅーってしようと思ったの? めいあん?」
「そのむぎゅーにかかる力の程度によります。どのくらい?」
「にゅーっとね、5とん?」(小首をこてりと傾げながら)
死ぬよね。
「丁重にお断りさせていただきます」
「ががががーん! むぎゅーってしたいのに丁重にお断るだなんて許せないよ!」
「みゆと同年代の女性と同じくらいの筋力でむぎゅーっとするなら考えないでもないです」
「じゃあ、そのような感じでやるので、むぎゅーってしていーかにゃ?」
「そのような感じであるならば、兄としても断る理由はない。おいで」
こいこいと手招きすると、みゆは破顔して兄に抱きついた。
「ふにゅー♪ このぬいぐるみ代わりのお兄ちゃんは、とてもよいという噂ですにゃ。なぜなら、抱きついてると幸せが後から後から湧いて来るから!」
「とても嬉しそうで何よりです」
「お兄ちゃんにも何か沸いてるのかにゃ?」
「兄は適温に沸いております」
「お兄ちゃんが給湯器に!?」
漢字間違いによる悲劇と言えよう。
「あ、でも確かに暖かい。にゃ、ホコホコー♪」
しかし、嬉しそうに兄に抱きついてすりすりしている妹を見るに、あながち悲劇でもないかなあと思ったりもした。
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