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2025年04月20日
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【ツンデレに「(買い物に)付き合ってくれ」って言ったら】
2010年02月13日
総入れ歯、もとい、そういえば、今日は楽しみにしてたゲームの発売日だった。折角だし、みことでも誘うか。そうと決まれば電話電話。ぴぽぱぽぷるるるがちゃ。
『私だ。何用だ?』
「(買い物に)付き合ってくれ」
電話機越しに、ガタガタガタッ!と何か大きな物音がした。
『なっ、なななななっ、なァーッ!?』
「何を驚いている」
『おっ、驚くも轟くもない! きっ、貴様、貴様は何を何を言っているのら!?』
「そっちこそ何を言ってる。新しいキャラ付け?」
『何を……ええい、埒が明かん! 貴様の家へ行くからちょっと待ってろ!』
「え、おい、もしもーし」
呼びかけても、プープーという音が耳朶を叩くばかり。電源OFFしてため息一つ。
「何を驚いてるかなあ……」
「ぜーっ、ぜーっ……」
「うわあっ!?」
ついさっき電話で話してた人が俺の部屋にいたので驚いた。
「な、何を、驚いて……はぁはぁ」
「早い、早すぎる! 電話切ってから一分も経ってない! お前どれだけ急いで来たんだよ!」
「い、急いでなど全く……はぁはぁ、すー……はぁ」
大きく深呼吸して、みことは息を整えた。ただの一度でいつもの泰然とした状態に戻るみことは、やっぱりすごいと思う。
「そ、それで、だ。電話でのアレは、その、どういう意味だ?」
──とか思ってたのに、次の瞬間にはみことはまるで熟れたトマトのように顔を赤らめ、所在なさげに指をくるくると自分の髪に絡ませ、ちらちらと俺に視線を送っているではないか。泰然のたの字もない。
「いや、どういうもこういうも、そのままの意味だけど?」
「そ、そうか……ま、全く、困ったものだ」
俺の言葉に、みことの顔はますます赤くなった。何でここまで赤くなってるか皆目検討もつかんが、まるで年頃の娘のような反応にどうしたらいいか分からん!
「は、ははは、いや全く」
そんなわけで、意味もなく頭をがりがり引っかいたり。ええい、こそばゆい。
「き、貴様が困ってどうする。貴様が言い出したことだろう」
「や、そうなんだけどね。ははははは」
「むぅ……」
ちょっと不満げに、みことは口を尖らせた。なんか今日のみことさん、扱いが難しいですよ。
「あー、その、なんだ。んじゃ、そろそろ行くか」
「何ィッ!? ま、まだ返事もないのに、いきなりか!?」
「あ、都合悪かったか? じゃあ別に」
「悪いなど言っていないだろうッッッ!!!」
予想以上の反抗にとてもびっくりした。ちょっと涙出た。
「この程度で泣く奴があるか! ……そ、その、いきなり大きな声を出したりして悪いとは思うが」
みことは指先で俺の頭をこするようになでた。申し訳なさそうな顔に、こっちが申し訳なく思う。
「いや、ちょっとびっくりしただけ。お前が悪いわけじゃない」
こしこしと目元を擦ると、みことはほっとしたように息を吐いた。なんだかんだ言って、いい奴なんだよな、こいつ。
「やれやれ。……ま、まあ、貴様のような情けない奴は、私のようなしっかりした者が側にいた方がいいかもしれぬな」
そっぽを向き、みことは虚空を眺めながら言った。顔から湯気が上がらんばかりに赤いのは病気?
「はぁ」
「……なんだ、その気のない返事は。自分から言い出したくせに、私では不満と言うのか!?」
よく分からないけど、すごく怒ってる。なんで? ……ああ、早く買い物に出かけたいのか! 俺の買い物に付き合うだけにそこまで気合を入れるとは……こっちも気合を入れないと。
「いや、そんなことはない。よろしく頼む」
「……む、うむ。……その、……幸せにしないと許さないぞ、馬鹿野郎」
俺の腹を指でうにうにとつつきながら、みことは拗ねた猫のような顔で俺を見上げた。その表情は見ているだけで庇護欲をかき立て、思わず抱きしめそうになるが、その前に疑問が一つ。
「ええと……買い物と幸せにどのような因果関係が?」
「……買い物?」
みことの顔に疑問符が浮かぶ。
「いや、買い物に付き合ってくれって話……だよな?」
みことの顔が疑問→氷解→立腹→憤怒へと変化していく。
「ふ、ふふ……そうか、そういうことか……ふふふ」
底冷えのする笑みを浮かべるみことが怖い。死ぬの、俺?
「あ、あの、みことさんは何の話だと思っていたのでせうか?」
「そっ、そんなこと貴様なぞに言う必要などない、馬鹿者が! そもそも貴様が主語を抜かして喋ったりしたのがいけないのだ! そう、貴様が悪い! そこへ直れ、成敗してくれる!」
「とても嫌だ! 助けてえ!」
そう言ったのに成敗された。とても痛かった。
『私だ。何用だ?』
「(買い物に)付き合ってくれ」
電話機越しに、ガタガタガタッ!と何か大きな物音がした。
『なっ、なななななっ、なァーッ!?』
「何を驚いている」
『おっ、驚くも轟くもない! きっ、貴様、貴様は何を何を言っているのら!?』
「そっちこそ何を言ってる。新しいキャラ付け?」
『何を……ええい、埒が明かん! 貴様の家へ行くからちょっと待ってろ!』
「え、おい、もしもーし」
呼びかけても、プープーという音が耳朶を叩くばかり。電源OFFしてため息一つ。
「何を驚いてるかなあ……」
「ぜーっ、ぜーっ……」
「うわあっ!?」
ついさっき電話で話してた人が俺の部屋にいたので驚いた。
「な、何を、驚いて……はぁはぁ」
「早い、早すぎる! 電話切ってから一分も経ってない! お前どれだけ急いで来たんだよ!」
「い、急いでなど全く……はぁはぁ、すー……はぁ」
大きく深呼吸して、みことは息を整えた。ただの一度でいつもの泰然とした状態に戻るみことは、やっぱりすごいと思う。
「そ、それで、だ。電話でのアレは、その、どういう意味だ?」
──とか思ってたのに、次の瞬間にはみことはまるで熟れたトマトのように顔を赤らめ、所在なさげに指をくるくると自分の髪に絡ませ、ちらちらと俺に視線を送っているではないか。泰然のたの字もない。
「いや、どういうもこういうも、そのままの意味だけど?」
「そ、そうか……ま、全く、困ったものだ」
俺の言葉に、みことの顔はますます赤くなった。何でここまで赤くなってるか皆目検討もつかんが、まるで年頃の娘のような反応にどうしたらいいか分からん!
「は、ははは、いや全く」
そんなわけで、意味もなく頭をがりがり引っかいたり。ええい、こそばゆい。
「き、貴様が困ってどうする。貴様が言い出したことだろう」
「や、そうなんだけどね。ははははは」
「むぅ……」
ちょっと不満げに、みことは口を尖らせた。なんか今日のみことさん、扱いが難しいですよ。
「あー、その、なんだ。んじゃ、そろそろ行くか」
「何ィッ!? ま、まだ返事もないのに、いきなりか!?」
「あ、都合悪かったか? じゃあ別に」
「悪いなど言っていないだろうッッッ!!!」
予想以上の反抗にとてもびっくりした。ちょっと涙出た。
「この程度で泣く奴があるか! ……そ、その、いきなり大きな声を出したりして悪いとは思うが」
みことは指先で俺の頭をこするようになでた。申し訳なさそうな顔に、こっちが申し訳なく思う。
「いや、ちょっとびっくりしただけ。お前が悪いわけじゃない」
こしこしと目元を擦ると、みことはほっとしたように息を吐いた。なんだかんだ言って、いい奴なんだよな、こいつ。
「やれやれ。……ま、まあ、貴様のような情けない奴は、私のようなしっかりした者が側にいた方がいいかもしれぬな」
そっぽを向き、みことは虚空を眺めながら言った。顔から湯気が上がらんばかりに赤いのは病気?
「はぁ」
「……なんだ、その気のない返事は。自分から言い出したくせに、私では不満と言うのか!?」
よく分からないけど、すごく怒ってる。なんで? ……ああ、早く買い物に出かけたいのか! 俺の買い物に付き合うだけにそこまで気合を入れるとは……こっちも気合を入れないと。
「いや、そんなことはない。よろしく頼む」
「……む、うむ。……その、……幸せにしないと許さないぞ、馬鹿野郎」
俺の腹を指でうにうにとつつきながら、みことは拗ねた猫のような顔で俺を見上げた。その表情は見ているだけで庇護欲をかき立て、思わず抱きしめそうになるが、その前に疑問が一つ。
「ええと……買い物と幸せにどのような因果関係が?」
「……買い物?」
みことの顔に疑問符が浮かぶ。
「いや、買い物に付き合ってくれって話……だよな?」
みことの顔が疑問→氷解→立腹→憤怒へと変化していく。
「ふ、ふふ……そうか、そういうことか……ふふふ」
底冷えのする笑みを浮かべるみことが怖い。死ぬの、俺?
「あ、あの、みことさんは何の話だと思っていたのでせうか?」
「そっ、そんなこと貴様なぞに言う必要などない、馬鹿者が! そもそも貴様が主語を抜かして喋ったりしたのがいけないのだ! そう、貴様が悪い! そこへ直れ、成敗してくれる!」
「とても嫌だ! 助けてえ!」
そう言ったのに成敗された。とても痛かった。
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【ツンデレとデレデレのむっちりした○○をプニプニしてみたら】
2010年02月12日
部屋でごろりと寝そべってたら友人のみことと隣家のちみっこ、夕美がやってきて僕を転がします。
「何をする。吐くぞ」
「この私が来てごろごろしたままとは許せん。少しは体を動かせ」
「いきなりだな……まあいい任せろ、得意だ」
全身を小刻みに震わせる。
「お兄ちゃん、病気?」
夕美が天真爛漫な笑みで俺を攻撃する。
「病人ではないです。んで、何か用か?」
「いや、特に用ということはないのだが、近くを通ったので寄ったまでだ。休日にまで私に会えた幸運に感謝しろ」
みことが倣岸な言葉と共に俺の頬をうりうりと押すので、負けじと夕美の頬をうりうりと押す。
「にゅー」
すると、変な音が出た。スイッチ?
「お兄ちゃん、夕美の頬うりうりするの、好き?」
「大嫌い」
「好きになりなさい!」
夕美が無茶を言う。まあ、嫌いじゃないんだけど。
「分かった、好きになる。大好き。結婚してください」
「プロポーズされにゃ!?」
驚きのあまり夕美の語尾が猫っぽくなった。
「どういうことだ、別府タカシ!」
そして俺をフルネームで呼びながらがっくんがっくん揺するみこと。
「どういうことなんだろう」
「自分の発言には責任を持て!」
「にゃー……お兄ちゃん、ハネムーンにはどこ行く? ハワイ? ハワイ行く?」
「熱海」
「昭和だよう……ハワイがいいな、ハワイ。あ、グァムでもいーよ?」
現実的な場所を持っていくことにより目を覚まさせる作戦、失敗。
「結婚など許さんぞ! 第一、夕美ちゃんはまだ小学生ではないか!」
「夕美はおっけーだよ?」
「俺も俺も! むしろそっちの方が!」
みことが僕の首を絞めます。
「お兄ちゃんの顔色が面白いことに! 写真撮らなきゃ、写真!」
いいから助けて。
「少し落ち着こう」
「貴様が適当なことばかり言わなければ済む話だ、別府タカシ!」
「全くだよ! 結婚が嘘だなんて、許されざる行為だよ! これはもう、結婚するしかないよ!」
「なるほどそうか! じゃあ結婚……いや、しませんよ?」
みことが小動物あたりなら悶死する程度の殺意を込めた視線を俺に送るので、汗を垂らしながら否定する。
「とても残念だよ……」
「そう落ち込むな。ほら、ぷにぷにー」
夕美のほっぺをぷにぷに押して慰める。
「にゃーにゃー♪」
簡単に機嫌が直った。スイッチ? やはりスイッチなのか? 機嫌修復スイッチ?
「…………」
しかし、同時にみことの機嫌を損ねるので危険なスイッチと言えよう。物凄い不機嫌オーラがみこと付近から噴出して怖い。
「み、みことにもぷにぷにー」
「む……」
みことの頬をぷにっと押す。怒るかと思ったが、意外にもみことは少し表情を緩めるだけに留めた。
「……ふ、ふん。幼稚なことだな、別府タカシ。まあ、寛大なる私はこんなことをされても怒りはしない。さ、もっとやるがいい」
「…………」
「な、なんだ、その目は」
「嬉しいの?」
「う、嬉しくなどない! やるのか、やらないのか、どっちだ!」
「やんない。夕美にする」
みことに背を向け、夕美のほっぺをぷにぷにする。
「どうだ、夕美?」
「にゅあーにゅあー♪」
ご機嫌率と共に猫率が上がってる。なんで?
「まあいいや。夕美は可愛いなあ」
「有名な話なのですだよ! そして、もっとぷにぷにするべきだと判断する夕美なのですだよ!」
「素人判断は危険だ、もう止めた方がいい」
「ま、全くだ。これ以上すれば夕美ちゃんのほっぺは崩壊するだろう。だから、代わりに私のほっぺをぷにぷにすればいいんじゃないか、別府タカシ?」
これ幸いとばかりに俺の尻馬に乗り、みことはぷにぷにをせがんだ。
「「…………」」
俺と夕美、二人分の視線がみことに注がれる。
「……ふ、ふん。いいさ、二人で楽しくぷにぷにしてろ。私は隅っこで膝を抱えているから気にするな」
そう言って、みことは部屋の隅に座り込んで膝を抱えた。恨めしそうにじっと俺を見つめている。
「みことの許可が出たので、ぷにぷにしまくろう」
「やっにゃー! お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんー♪」
ごろごろすりすりしてくる夕美を抱っこして、思う存分夕美をぷにぷにする。
「ちょっとは気を使え! 普通、こういう時は私にも勧めるだろう! どうして二人だけで楽しく過ごす! ええい!」
俺と夕美の間に滑り込み、みことが怒った。
「ぷにぷにしてほしい?」
「無論! ……い、いや、違う! 今のは言葉のあやだ! 別にしてほしくなど……その、ええい、貴様分かって言ってるだろう!」
これ以上いじめるのは可哀想なので、みことのほっぺをぷにぷにする。
「ぷにぷにー」
「ぬ……ぬう」
「みことって、ぷにぷにされてる時嬉しそうだな。ブラッシングされてる猫みたい」
「だ、誰が猫だ、誰が……ぬ、ぬう」
ぷにーと押すと、みことの目が細まった。
「うららましい……うららましいよ、お兄ちゃん! 夕美にも夕美にも!」
「はい。ぷにー」
「にゅー♪」
「何をしている。私にもしないか」
「はい。ぷにー」
「うむ」
両手に花状態でぷにぷにしまくる休日の午後は、割合幸せ。
「何をする。吐くぞ」
「この私が来てごろごろしたままとは許せん。少しは体を動かせ」
「いきなりだな……まあいい任せろ、得意だ」
全身を小刻みに震わせる。
「お兄ちゃん、病気?」
夕美が天真爛漫な笑みで俺を攻撃する。
「病人ではないです。んで、何か用か?」
「いや、特に用ということはないのだが、近くを通ったので寄ったまでだ。休日にまで私に会えた幸運に感謝しろ」
みことが倣岸な言葉と共に俺の頬をうりうりと押すので、負けじと夕美の頬をうりうりと押す。
「にゅー」
すると、変な音が出た。スイッチ?
「お兄ちゃん、夕美の頬うりうりするの、好き?」
「大嫌い」
「好きになりなさい!」
夕美が無茶を言う。まあ、嫌いじゃないんだけど。
「分かった、好きになる。大好き。結婚してください」
「プロポーズされにゃ!?」
驚きのあまり夕美の語尾が猫っぽくなった。
「どういうことだ、別府タカシ!」
そして俺をフルネームで呼びながらがっくんがっくん揺するみこと。
「どういうことなんだろう」
「自分の発言には責任を持て!」
「にゃー……お兄ちゃん、ハネムーンにはどこ行く? ハワイ? ハワイ行く?」
「熱海」
「昭和だよう……ハワイがいいな、ハワイ。あ、グァムでもいーよ?」
現実的な場所を持っていくことにより目を覚まさせる作戦、失敗。
「結婚など許さんぞ! 第一、夕美ちゃんはまだ小学生ではないか!」
「夕美はおっけーだよ?」
「俺も俺も! むしろそっちの方が!」
みことが僕の首を絞めます。
「お兄ちゃんの顔色が面白いことに! 写真撮らなきゃ、写真!」
いいから助けて。
「少し落ち着こう」
「貴様が適当なことばかり言わなければ済む話だ、別府タカシ!」
「全くだよ! 結婚が嘘だなんて、許されざる行為だよ! これはもう、結婚するしかないよ!」
「なるほどそうか! じゃあ結婚……いや、しませんよ?」
みことが小動物あたりなら悶死する程度の殺意を込めた視線を俺に送るので、汗を垂らしながら否定する。
「とても残念だよ……」
「そう落ち込むな。ほら、ぷにぷにー」
夕美のほっぺをぷにぷに押して慰める。
「にゃーにゃー♪」
簡単に機嫌が直った。スイッチ? やはりスイッチなのか? 機嫌修復スイッチ?
「…………」
しかし、同時にみことの機嫌を損ねるので危険なスイッチと言えよう。物凄い不機嫌オーラがみこと付近から噴出して怖い。
「み、みことにもぷにぷにー」
「む……」
みことの頬をぷにっと押す。怒るかと思ったが、意外にもみことは少し表情を緩めるだけに留めた。
「……ふ、ふん。幼稚なことだな、別府タカシ。まあ、寛大なる私はこんなことをされても怒りはしない。さ、もっとやるがいい」
「…………」
「な、なんだ、その目は」
「嬉しいの?」
「う、嬉しくなどない! やるのか、やらないのか、どっちだ!」
「やんない。夕美にする」
みことに背を向け、夕美のほっぺをぷにぷにする。
「どうだ、夕美?」
「にゅあーにゅあー♪」
ご機嫌率と共に猫率が上がってる。なんで?
「まあいいや。夕美は可愛いなあ」
「有名な話なのですだよ! そして、もっとぷにぷにするべきだと判断する夕美なのですだよ!」
「素人判断は危険だ、もう止めた方がいい」
「ま、全くだ。これ以上すれば夕美ちゃんのほっぺは崩壊するだろう。だから、代わりに私のほっぺをぷにぷにすればいいんじゃないか、別府タカシ?」
これ幸いとばかりに俺の尻馬に乗り、みことはぷにぷにをせがんだ。
「「…………」」
俺と夕美、二人分の視線がみことに注がれる。
「……ふ、ふん。いいさ、二人で楽しくぷにぷにしてろ。私は隅っこで膝を抱えているから気にするな」
そう言って、みことは部屋の隅に座り込んで膝を抱えた。恨めしそうにじっと俺を見つめている。
「みことの許可が出たので、ぷにぷにしまくろう」
「やっにゃー! お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんー♪」
ごろごろすりすりしてくる夕美を抱っこして、思う存分夕美をぷにぷにする。
「ちょっとは気を使え! 普通、こういう時は私にも勧めるだろう! どうして二人だけで楽しく過ごす! ええい!」
俺と夕美の間に滑り込み、みことが怒った。
「ぷにぷにしてほしい?」
「無論! ……い、いや、違う! 今のは言葉のあやだ! 別にしてほしくなど……その、ええい、貴様分かって言ってるだろう!」
これ以上いじめるのは可哀想なので、みことのほっぺをぷにぷにする。
「ぷにぷにー」
「ぬ……ぬう」
「みことって、ぷにぷにされてる時嬉しそうだな。ブラッシングされてる猫みたい」
「だ、誰が猫だ、誰が……ぬ、ぬう」
ぷにーと押すと、みことの目が細まった。
「うららましい……うららましいよ、お兄ちゃん! 夕美にも夕美にも!」
「はい。ぷにー」
「にゅー♪」
「何をしている。私にもしないか」
「はい。ぷにー」
「うむ」
両手に花状態でぷにぷにしまくる休日の午後は、割合幸せ。
【ツンデレに太った?って言ったら】
2010年02月12日
知らない間に俺がみことの鞄持ちになってる件。
「遅いぞ、愚図。この私を待たせるとは何事だ。貴様の一秒と私の一秒、比べるのもおこがましいほどの価値の差があるか理解しているか、低脳め……うああっ、ぐりぐりするなっ!」
折角迎えに来たのに朝から不愉快な事を言う娘のこめかみをぐりぐりする。
「謝ったらぐりぐりしない」
「だっ、誰が貴様のような下等生物に謝罪など……ああ痛い痛いごめんなさい私が悪かったです!」
簡単に折れたので、手を離してやる。
「い、いたた……貴様! このみこと様の可憐なる脳細胞が死滅したらどうする! 世界にとってどれほどの痛手になるか分かっているのか!」
「ぐりぐり程度で滅する細胞なら、俺が手を出さなくても死んでると思わるる」
「うるさい馬鹿!」
騒いでるのは目の前のちっこいのだけだよなあ、と思いながらみことを眺める。
「……な、何を見ている。ま、まあ、この私の美麗なる姿、肢体に見とれるのも無理はない話だ。よ、よし、特別だ。今だけ見つめる事を許可しよう」
不愉快なので鼻をつまんでやる。
「ひゃ、ひゃなをつまむなあ!」
「乳首をつまめというのか! とてもいい案だ! 流石は天才、着目点が常人と違う!」
物凄い勢いで手を噛んできたので、違うみたい。
「歯型がつきましたが」
「うるさいっ、このド低脳が! 貴様の脳は赤褐色に変色しているに違いない!」
「いやあ」
「何を照れている!? ああもうっ、貴様といたら調子が狂う! いいから早く学校へ行くぞ! ほら、鞄を持て!」
ぶっきらぼうに差し出された鞄を受け取る。重い。
「太ったか?」
「太ってない!!!!!」
なんかものすげー怒られた。
「いや、鞄の話。重いんだけど」
「な、なんだ……今日は辞書を入れているからな。まあ、私には必要ないものだが」
信じられないことだが、みことは七ヶ国語以上を話せる何リンガルやねんという才女だ。流石は同級生でありながら幾つもの博士号を持つ女。……ん?
「必要ないなら、なんで辞書なんか持ってるんだ?」
そう言うと、みことは目に見えてうろたえた。
「い、いや、その……貴様がいつもいつも忘れて教師如きに怒られて、その……」
何かゴニョゴニョ言っているようだが、声が小さすぎて聞き取れない。
「聞こえん。性感帯を言う時はもっと大きな声で」
「貴様のような低脳に言う必要などないッ!」
耳キーンってなった。あまりの音量にクラクラする。するあまり足がもつれ、体がよろけてみことにもつれて。
「「あ」」
こう、手がね。手の野郎がいい感じにみことの胸部をね、こう、もにゅっと。いや、そんなボリューム感はないな。
「どちらかと言えばむにむに? いや、ぺたぺただな。はっはっは」(もみもみ)
「揉むなッ!」
目にも止まらぬ速度の掌底が人中に叩き込まれる。とても痛い。
「この私の……誰にも触らせたことのない私の胸を、よくも!」
いかん、死ぬ。
「貴様は私の下僕、いや奴隷として一生を送れ! 命令だ、拒否は許さん!」
死ぬより大変っぽい事態が舞い起こっている。
「いやらしいことしていいならやる」
「だっ、ダメに決まっているだろう、この変態めが! 貴様は私に命じられたまま動けばいいのだ!」
「命令了解。直ちにみことの乳を揉む」
「そんな命令などしてないッ!」
「しまった、揉むほどボリュームがない!」
「あるわっ! さっき揉んだろうが!」
「いや、それは別府家に古来から伝わる秘術の賜物であり、一般人には実行不可能なレベルの乳だぞ?」
「ふん。どうせ貴様しか触らんのだ、問題ない」
「…………」
「ん? どうした、変な顔がいつも以上に変……なっ、なんでもない! さっきのは嘘だ、間違いだ、幻聴だ! 忘れろ! いいな、今すぐさっきの記憶を消せ! 命令だ!」
真っ赤な顔でがなりたてるみことから逃げるように、鞄を担いで学校へ向かう俺だった。
「遅いぞ、愚図。この私を待たせるとは何事だ。貴様の一秒と私の一秒、比べるのもおこがましいほどの価値の差があるか理解しているか、低脳め……うああっ、ぐりぐりするなっ!」
折角迎えに来たのに朝から不愉快な事を言う娘のこめかみをぐりぐりする。
「謝ったらぐりぐりしない」
「だっ、誰が貴様のような下等生物に謝罪など……ああ痛い痛いごめんなさい私が悪かったです!」
簡単に折れたので、手を離してやる。
「い、いたた……貴様! このみこと様の可憐なる脳細胞が死滅したらどうする! 世界にとってどれほどの痛手になるか分かっているのか!」
「ぐりぐり程度で滅する細胞なら、俺が手を出さなくても死んでると思わるる」
「うるさい馬鹿!」
騒いでるのは目の前のちっこいのだけだよなあ、と思いながらみことを眺める。
「……な、何を見ている。ま、まあ、この私の美麗なる姿、肢体に見とれるのも無理はない話だ。よ、よし、特別だ。今だけ見つめる事を許可しよう」
不愉快なので鼻をつまんでやる。
「ひゃ、ひゃなをつまむなあ!」
「乳首をつまめというのか! とてもいい案だ! 流石は天才、着目点が常人と違う!」
物凄い勢いで手を噛んできたので、違うみたい。
「歯型がつきましたが」
「うるさいっ、このド低脳が! 貴様の脳は赤褐色に変色しているに違いない!」
「いやあ」
「何を照れている!? ああもうっ、貴様といたら調子が狂う! いいから早く学校へ行くぞ! ほら、鞄を持て!」
ぶっきらぼうに差し出された鞄を受け取る。重い。
「太ったか?」
「太ってない!!!!!」
なんかものすげー怒られた。
「いや、鞄の話。重いんだけど」
「な、なんだ……今日は辞書を入れているからな。まあ、私には必要ないものだが」
信じられないことだが、みことは七ヶ国語以上を話せる何リンガルやねんという才女だ。流石は同級生でありながら幾つもの博士号を持つ女。……ん?
「必要ないなら、なんで辞書なんか持ってるんだ?」
そう言うと、みことは目に見えてうろたえた。
「い、いや、その……貴様がいつもいつも忘れて教師如きに怒られて、その……」
何かゴニョゴニョ言っているようだが、声が小さすぎて聞き取れない。
「聞こえん。性感帯を言う時はもっと大きな声で」
「貴様のような低脳に言う必要などないッ!」
耳キーンってなった。あまりの音量にクラクラする。するあまり足がもつれ、体がよろけてみことにもつれて。
「「あ」」
こう、手がね。手の野郎がいい感じにみことの胸部をね、こう、もにゅっと。いや、そんなボリューム感はないな。
「どちらかと言えばむにむに? いや、ぺたぺただな。はっはっは」(もみもみ)
「揉むなッ!」
目にも止まらぬ速度の掌底が人中に叩き込まれる。とても痛い。
「この私の……誰にも触らせたことのない私の胸を、よくも!」
いかん、死ぬ。
「貴様は私の下僕、いや奴隷として一生を送れ! 命令だ、拒否は許さん!」
死ぬより大変っぽい事態が舞い起こっている。
「いやらしいことしていいならやる」
「だっ、ダメに決まっているだろう、この変態めが! 貴様は私に命じられたまま動けばいいのだ!」
「命令了解。直ちにみことの乳を揉む」
「そんな命令などしてないッ!」
「しまった、揉むほどボリュームがない!」
「あるわっ! さっき揉んだろうが!」
「いや、それは別府家に古来から伝わる秘術の賜物であり、一般人には実行不可能なレベルの乳だぞ?」
「ふん。どうせ貴様しか触らんのだ、問題ない」
「…………」
「ん? どうした、変な顔がいつも以上に変……なっ、なんでもない! さっきのは嘘だ、間違いだ、幻聴だ! 忘れろ! いいな、今すぐさっきの記憶を消せ! 命令だ!」
真っ赤な顔でがなりたてるみことから逃げるように、鞄を担いで学校へ向かう俺だった。
【寒いので何とか男にくっつきたいツンデレと、ごく普通にくっつくデレデレ】
2010年02月06日
急に冷え込んだ日と暖房器具が壊れた日が同時なのはどんな冗談だ。
「ふふ、外気温と部屋の温度が同じだ」
布団に入ってぶるぶる震えてたら、ぴんぽーんがちゃどたどたばたん! という擬音がした。
「お兄ちゃん遊べ!」
果たして、隣に住んでるちみっこ、夕美が水平気味に飛んできて俺の腹部に着地するので大変痛い!
「腸が出た!」
「……出てないよ?」
布団と服を捲り上げられ、確認された。
「夕美さんえっちです」
「嫁なのでへーきだよ!」
「嫁じゃないです。ただの……ただの、なんだろ? お隣さん?」
「のー! 嫁だよ! あと、ねこ! にゃー!」
そう言って、夕美は以前俺が冗談でやったネコミミを手でヒクヒクさせた。暇さえあれば付けてるので、困るやら嬉しいやら嬉しすぎるぞコンチクショウ。
「それはともかく、嫁ではないと言っとろーが」
「むぬー」
手の平を夕美の顔に押し付けると、変な声が出た。スイッチ?
「夕美は顔にスイッチがあるのか?」
「それはどうかにゃ? 確かめてみるべきだよ、お兄ちゃん! 舌とかで!」
「それは楽しそうだ! では早速」
何か間違っているような気がしないでもないが、楽しそうなのでいそいそと夕美を布団に招き入れていたら、ドアが勢いよく開いて見覚えのある顔が見えました。
「そこまでだ別府タカシ! 私の目が黒いうちは性的虐待なんて許さん……なっ、遅かったか!」
ニコニコしながら俺の膝に乗ってる夕美を見て何を勘違いしたのか、みことが俺の元まで走り寄り、俺の肩をがっくんがっくん揺する。
「貴様、なんということを……両親は泣いているぞ!」
「ふにゃにゃにゃにゃ、ゆ~れ~る~」
「夕美の尻が! 尻が俺の素敵秘密棒を刺激し、大変なことになりそうな予感!」
誰もが混乱していたという。
「少し落ち着こう」
「わっ、私は悪くないぞ! そもそも、貴様が夕美ちゃんを乗せたりなぞしなければ勘違いしなかったものを……」
そう言って視線を夕美に向けるが、依然として目をぐるぐる回している。
「ふにゅ~……おめめぐるぐるするる~」
「媚び所を分かっている娘め! 褒美に愛でてやろう!」
「媚びとか言わないで」
「はい、すいません」
時々夕美はおしっこちびりそうなくらい怖い。
「で、二人とも何か用か? 何か妖怪? なんちて。うひゃひゃ」
「お兄ちゃんって、時々嫌になるくらいつまんないよね!」
天真爛漫な笑みに深く落ち込む。
「まあ、否定はできないな。もっと励め、別府タカシ」
「分かった。頑張る。俺、頑張るよ! 別府タカシ先生の次回作にご期待ください! 完」
「お兄ちゃんが打ち切られた!?」
「人生も打ち切られはしないものか」
みことのつっこみが冷たい。あと、気温も冷たい。
「寒い」
もそもそと布団を被る。やっぱり寒い。そろそろ冬布団出さないとな。
「お兄ちゃんが冷えている! これは嫁として張り切る場面だよ!」
「駄目だ。そもそも嫁ではないだろう。それに、男女七歳にして同衾せず、と言うだろう。いかに子供とはいえ、看過できはしない」
いそいそと夕美が布団に入ろうとするのを、みことが首根っこ掴んで阻んだ。
「にゃー! 止めないでよ、みことお姉ちゃん!」
「そうだ止めるな、みことお姉ちゃん」
「貴様がお姉ちゃん言うなッ!」
俺だけが怒られる。
「じゃ、お姉ちゃん言わないからお前が暖めてくれ。寒いんだ。あと、なんだかとても眠いんだ」
「んなっ!? わ、私がか!?」
「お兄ちゃんがパトラッシュってる!」
驚くみことの横で、夕美が変な動詞を作っていた。
「一緒に寝てくれないか、パトラッシュ」
「誰がパトラッシュだ!」
夕美のせいで間違えた。この野郎、という思いを込めて夕美を睨む。
「熱視線を感じるよ! 愛され視線だよ! きゃっきゃうふふ視線だよ!」
「なんだと!? きゃっきゃうふふ視線など許さんぞ、別府タカシ!」
そんな恥ずかし光線を出した覚えはない。
「俺の目から出るものなど、涙程度だ」
「……! それはつまり、かなしーことがあったと判断していいのかにゃ? 判断するよ? そんな状態に陥ったということは、夕美が慰めるターンなんだね?」
勝手な理論を構築し、夕美は俺の布団に入り込んだ。
「お兄ちゃん、夕美がいるからヘッチャラだよ。涙さんなんてどっかへ行っちゃったよ」
悲しい事態なんて起こっていないというのに、慰められた。なんとなく過去に悲しいことがあったかも、という気がしてくる。
「うっうっ……ありがとな、夕美。お前がいてくれてよかった」
「にゃ、うにゃ……夕美、照れ照れだよぉ」
夕美の手を取って感謝を伝えると、夕美は照れくさそうにはにかんだ。
「いかん、盛大に転んだ!」
とてつもない棒読みで、みことが俺と夕美の間に体を割り込ませてきた。
「下手が過ぎるぞ、みこと」
「な、なんのことか皆目検討もつかん! そ、それより、貴様は夕美ちゃんに甘えすぎだ! 相手の迷惑を考えろ!」
「夕美はお兄ちゃんに甘えられて、とっても嬉しいよ? お兄ちゃんがダメダメな大人でらっきーだよ!」
なんか色々思った。
「いいや、こんなダメな人間教育上よくない! だ、だから、私が責任を持って叩き直すから、夕美ちゃんは放っておいたらいいぞ?」
「今世紀最大のお断りを行うよ! 夕美がお兄ちゃんを永遠不滅にお世話するから、みことお姉ちゃんは何もしなくていーよ?」
俺の世話方針で対立が始まった。世話て。一応それなりに大人ですよ、俺。
「あの、おふたがた、俺は別に世話とか不要な完全自立型生命体ですので」
二つの双眸がこちらに向いた。
「貴様は放っておいたら朽ちるだろうがッ!」
「お兄ちゃんは放っておいたら一瞬で餓死するでしょッ!」
「はい、すいません」
言葉は違うが、とにかくダメ人間認定されてるのはよく分かった。
「とにかく! 私がこいつの面倒を見る!」
「夕美が見るの!」
「じゃあ俺が見よう」
ダチョウ倶楽部理論により俺が俺の世話を見る、即ち通常業務で話は片付いたかと思われたが、二人に睨まれ、あまりの恐怖にちょっと涙が出るだけで終わった。二人に隠れてこっそり涙を拭く。
「! お兄ちゃんが泣いている!」
即ばれた。
「だいじょぶだよ、夕美がついてるよ? 悲しいことなんて、にゃーんもないんだよ?」
「そ、そうだぞ、別府タカシ。私がついている、どんな艱難辛苦も私が背負ってやる。貴様はそこで、いつものように馬鹿を言っていろ」
二人がかりで頭をなでられた。怖くて泣いてしまっただけなのに、どうしたものかとちょっぴりうつむいて考える。
「お兄ちゃんが、お兄ちゃんがさらに悲しみの底へと!」
「大丈夫、大丈夫だ! 私がいる!」
「いや、あの」
「こうなっては二人がかりで慰めるしかないよ、みことお姉ちゃん!」
「一時休戦か……まあ、致し方あるまい。ほら別府タカシ、お姉ちゃんに甘えろ」
みことが俺の頭を持ち、自分の胸元にぎゅっと押し付けた。控えめながらも、柔らかな感触が顔に当たる。
「にゃーッ!? ずるいずるいずるい! 夕美も、夕美もそれするーっ!」
「ふふん、夕美ちゃんにはそうするほどの胸囲がないだろう? 残念だったなあ」
ぽよぽよと自分のおっぱいを俺の顔に押し付けまくるみこと。なんかもうこのまま死んでもいい。
「そんなことないもん! あるもん!」
夕美は俺の頭を持ち、ぐいーっと自分の胸に押し付けた。控えめに過ぎる……というか、全然ねー。
「あるよね、お兄ちゃん? ね?」
ちょっと調べてみよう。顔をむにむにふにふに動かして確認。
「あっ……あ、あのね、お兄ちゃん。……さ、さすがの夕美も、ちょっぴり恥ずかしいかにゃー、なんて。……ふにゅ」
「そこになおれッ、別府タカシ!」
夕美の頬が染まると、みことの顔が真っ赤になり、俺も諸事情により赤くなる。(ヒント:血)
「ふふ、外気温と部屋の温度が同じだ」
布団に入ってぶるぶる震えてたら、ぴんぽーんがちゃどたどたばたん! という擬音がした。
「お兄ちゃん遊べ!」
果たして、隣に住んでるちみっこ、夕美が水平気味に飛んできて俺の腹部に着地するので大変痛い!
「腸が出た!」
「……出てないよ?」
布団と服を捲り上げられ、確認された。
「夕美さんえっちです」
「嫁なのでへーきだよ!」
「嫁じゃないです。ただの……ただの、なんだろ? お隣さん?」
「のー! 嫁だよ! あと、ねこ! にゃー!」
そう言って、夕美は以前俺が冗談でやったネコミミを手でヒクヒクさせた。暇さえあれば付けてるので、困るやら嬉しいやら嬉しすぎるぞコンチクショウ。
「それはともかく、嫁ではないと言っとろーが」
「むぬー」
手の平を夕美の顔に押し付けると、変な声が出た。スイッチ?
「夕美は顔にスイッチがあるのか?」
「それはどうかにゃ? 確かめてみるべきだよ、お兄ちゃん! 舌とかで!」
「それは楽しそうだ! では早速」
何か間違っているような気がしないでもないが、楽しそうなのでいそいそと夕美を布団に招き入れていたら、ドアが勢いよく開いて見覚えのある顔が見えました。
「そこまでだ別府タカシ! 私の目が黒いうちは性的虐待なんて許さん……なっ、遅かったか!」
ニコニコしながら俺の膝に乗ってる夕美を見て何を勘違いしたのか、みことが俺の元まで走り寄り、俺の肩をがっくんがっくん揺する。
「貴様、なんということを……両親は泣いているぞ!」
「ふにゃにゃにゃにゃ、ゆ~れ~る~」
「夕美の尻が! 尻が俺の素敵秘密棒を刺激し、大変なことになりそうな予感!」
誰もが混乱していたという。
「少し落ち着こう」
「わっ、私は悪くないぞ! そもそも、貴様が夕美ちゃんを乗せたりなぞしなければ勘違いしなかったものを……」
そう言って視線を夕美に向けるが、依然として目をぐるぐる回している。
「ふにゅ~……おめめぐるぐるするる~」
「媚び所を分かっている娘め! 褒美に愛でてやろう!」
「媚びとか言わないで」
「はい、すいません」
時々夕美はおしっこちびりそうなくらい怖い。
「で、二人とも何か用か? 何か妖怪? なんちて。うひゃひゃ」
「お兄ちゃんって、時々嫌になるくらいつまんないよね!」
天真爛漫な笑みに深く落ち込む。
「まあ、否定はできないな。もっと励め、別府タカシ」
「分かった。頑張る。俺、頑張るよ! 別府タカシ先生の次回作にご期待ください! 完」
「お兄ちゃんが打ち切られた!?」
「人生も打ち切られはしないものか」
みことのつっこみが冷たい。あと、気温も冷たい。
「寒い」
もそもそと布団を被る。やっぱり寒い。そろそろ冬布団出さないとな。
「お兄ちゃんが冷えている! これは嫁として張り切る場面だよ!」
「駄目だ。そもそも嫁ではないだろう。それに、男女七歳にして同衾せず、と言うだろう。いかに子供とはいえ、看過できはしない」
いそいそと夕美が布団に入ろうとするのを、みことが首根っこ掴んで阻んだ。
「にゃー! 止めないでよ、みことお姉ちゃん!」
「そうだ止めるな、みことお姉ちゃん」
「貴様がお姉ちゃん言うなッ!」
俺だけが怒られる。
「じゃ、お姉ちゃん言わないからお前が暖めてくれ。寒いんだ。あと、なんだかとても眠いんだ」
「んなっ!? わ、私がか!?」
「お兄ちゃんがパトラッシュってる!」
驚くみことの横で、夕美が変な動詞を作っていた。
「一緒に寝てくれないか、パトラッシュ」
「誰がパトラッシュだ!」
夕美のせいで間違えた。この野郎、という思いを込めて夕美を睨む。
「熱視線を感じるよ! 愛され視線だよ! きゃっきゃうふふ視線だよ!」
「なんだと!? きゃっきゃうふふ視線など許さんぞ、別府タカシ!」
そんな恥ずかし光線を出した覚えはない。
「俺の目から出るものなど、涙程度だ」
「……! それはつまり、かなしーことがあったと判断していいのかにゃ? 判断するよ? そんな状態に陥ったということは、夕美が慰めるターンなんだね?」
勝手な理論を構築し、夕美は俺の布団に入り込んだ。
「お兄ちゃん、夕美がいるからヘッチャラだよ。涙さんなんてどっかへ行っちゃったよ」
悲しい事態なんて起こっていないというのに、慰められた。なんとなく過去に悲しいことがあったかも、という気がしてくる。
「うっうっ……ありがとな、夕美。お前がいてくれてよかった」
「にゃ、うにゃ……夕美、照れ照れだよぉ」
夕美の手を取って感謝を伝えると、夕美は照れくさそうにはにかんだ。
「いかん、盛大に転んだ!」
とてつもない棒読みで、みことが俺と夕美の間に体を割り込ませてきた。
「下手が過ぎるぞ、みこと」
「な、なんのことか皆目検討もつかん! そ、それより、貴様は夕美ちゃんに甘えすぎだ! 相手の迷惑を考えろ!」
「夕美はお兄ちゃんに甘えられて、とっても嬉しいよ? お兄ちゃんがダメダメな大人でらっきーだよ!」
なんか色々思った。
「いいや、こんなダメな人間教育上よくない! だ、だから、私が責任を持って叩き直すから、夕美ちゃんは放っておいたらいいぞ?」
「今世紀最大のお断りを行うよ! 夕美がお兄ちゃんを永遠不滅にお世話するから、みことお姉ちゃんは何もしなくていーよ?」
俺の世話方針で対立が始まった。世話て。一応それなりに大人ですよ、俺。
「あの、おふたがた、俺は別に世話とか不要な完全自立型生命体ですので」
二つの双眸がこちらに向いた。
「貴様は放っておいたら朽ちるだろうがッ!」
「お兄ちゃんは放っておいたら一瞬で餓死するでしょッ!」
「はい、すいません」
言葉は違うが、とにかくダメ人間認定されてるのはよく分かった。
「とにかく! 私がこいつの面倒を見る!」
「夕美が見るの!」
「じゃあ俺が見よう」
ダチョウ倶楽部理論により俺が俺の世話を見る、即ち通常業務で話は片付いたかと思われたが、二人に睨まれ、あまりの恐怖にちょっと涙が出るだけで終わった。二人に隠れてこっそり涙を拭く。
「! お兄ちゃんが泣いている!」
即ばれた。
「だいじょぶだよ、夕美がついてるよ? 悲しいことなんて、にゃーんもないんだよ?」
「そ、そうだぞ、別府タカシ。私がついている、どんな艱難辛苦も私が背負ってやる。貴様はそこで、いつものように馬鹿を言っていろ」
二人がかりで頭をなでられた。怖くて泣いてしまっただけなのに、どうしたものかとちょっぴりうつむいて考える。
「お兄ちゃんが、お兄ちゃんがさらに悲しみの底へと!」
「大丈夫、大丈夫だ! 私がいる!」
「いや、あの」
「こうなっては二人がかりで慰めるしかないよ、みことお姉ちゃん!」
「一時休戦か……まあ、致し方あるまい。ほら別府タカシ、お姉ちゃんに甘えろ」
みことが俺の頭を持ち、自分の胸元にぎゅっと押し付けた。控えめながらも、柔らかな感触が顔に当たる。
「にゃーッ!? ずるいずるいずるい! 夕美も、夕美もそれするーっ!」
「ふふん、夕美ちゃんにはそうするほどの胸囲がないだろう? 残念だったなあ」
ぽよぽよと自分のおっぱいを俺の顔に押し付けまくるみこと。なんかもうこのまま死んでもいい。
「そんなことないもん! あるもん!」
夕美は俺の頭を持ち、ぐいーっと自分の胸に押し付けた。控えめに過ぎる……というか、全然ねー。
「あるよね、お兄ちゃん? ね?」
ちょっと調べてみよう。顔をむにむにふにふに動かして確認。
「あっ……あ、あのね、お兄ちゃん。……さ、さすがの夕美も、ちょっぴり恥ずかしいかにゃー、なんて。……ふにゅ」
「そこになおれッ、別府タカシ!」
夕美の頬が染まると、みことの顔が真っ赤になり、俺も諸事情により赤くなる。(ヒント:血)
【ツンデレと二人のとき、たまたま通り過ぎた赤ちゃん連れを見て「子供かわいいな」って言ったら】
2010年01月27日
みことと一緒に帰宅してると、前からベビーカーを押した夫婦がゆっくり歩いてきた。誰もが笑っていて、見ているだけで幸せになりそうな光景に思わず頬が緩む。
「ほう、珍しいな」
夫婦が通り過ぎるのを待っていたのか、みことがそんなことを言った。
「どういうことですか」
「いや、貴様は基本的に無表情だし、何か感情を表す時は妙に芝居がかっているというか……そう、胡散臭いからな。そういう自然な微笑みは稀少だという話だ」
客観的に見ると、俺は結構アレかもしれない。気をつけよう。ていうか胡散臭いて。
「いくら俺がアレとはいえ、子供を見れば可愛さのあまり笑ったりしますよ。子供って可愛いよね」
「……貴様の場合、違った意味だろう」
「もちろんそっちの意味も含みます」
「コイツ最悪だっ!」
しゅばっと後ずさって距離を取り、みことは携帯を取り出した。
「待ってノー警察! 大丈夫、YESロリコン、NOタッチですから!」
「そんなLOな奴信じられるか!」
なぜ知っている。……さては、この間俺の家に来た時に勝手に読んだな。隠してたのに!
「と、とにかく、落ち着け。落ち着いて携帯を元のポケットに戻すんだ」
「嫌だ。もし戻したりしたら、次の瞬間には私に襲い掛かるだろう? ……私は貴様の大好きな幼児体型だからなっ! 胸がなくて何が悪い!?」
「んなこと一言も申してませんが、幼児体型は俺の心の琴線に触れまくるので大好きです。こう、ぺたーんって最高だよね!」
「ほらみろ、襲う気だ!」
「しまった、誘導尋問か! ずるいぞ!」
「ひとつも誘導していないっ!」
なんだか分からないうちにみことを襲うことが決定付けられてしまった。困ったなあ。
「いいか、少しでも私に触れたら即通報するからな!」
「分かったよ……二度とお前みたいな貧相な体つきの奴なんかには触らないよ」
「気分悪いわっ! 言い直せ!」
文句が多いです。
「ええと……本当はみことを触りたいけど、みことが嫌だって言うなら我慢するよ。こんな苦しいなら死んだほうがマシかもしれない。いや、マシに違いない。俺を殺せ!」
「落ち着けっ!」
思わず車道に飛び出そうとしたところをみことに後ろから抱きしめられ、九死に一生を得る。
「はーっ……はーっ……どういうことだっ!?」
「言ってるうちに自分の言葉に洗脳された。ままならぬ」
心底呆れたようにみことはため息をついた。
「お前は……本当にアレだな」
代名詞にこれほど心をえぐられるとは思わなかった。
「ところで、これはいいのでせうか」
さっき車道に飛び出そうとした俺を押し留めるため、みことの腕が俺のお腹に巻きついています。
「ん? ……こっ、これは、ええとっ、そ、その……ど、どうしよ?」
「俺に聞くな。だがしかし、妙案が思いついたので言う。みことから俺に触るのはおーけーということにしてはいかがかな?」
「そっ、そうっ、それっ! それだからおーけーだ!」
「でも結局は俺も触ってるからダメだと思う」
「一気に言い切れっ!」
怒りながらも、みことは俺から離れようとはしなかった。
「ところでだな、みことさん。この体勢はみことのちっぱいを背中に感じ取れて大変喜ばしいのですが、何しろ動きにくいので手を繋ぐ方向に変換してはどうだろう」
「……こっ、この、イチイチ失礼な奴だな……」
「こう、このように」
みことの腕を離させ、その手をきゅっと握る。
「こうすれば、自由な上に二人とも幸せかと」
「あ、うん。……じゃないっ! なっ、なんで私が貴様と手を繋いで幸せなのだっ!?」
「みことはどうか知らんが、俺は幸せ」
「え、あ、う……え、ええいっ、笑うな、そういう優しい笑顔見せるなーっ!」
「そう言われても」
「う、うぐ……わ、分かった。特別に手を握るのは許可してやろう。だが、これ以上はナシだぞ! いいな!?」
「押すなよ、絶対押すなよ!」
「ダチョウ倶楽部じゃないっ! 別にフリでもなんでもないんだぞっ!?」
「まあ、続きはおうちに帰ってから」
「待て引っ張るな、貴様また私を部屋に連れ込んでずっと抱っこするつもりだろ!? そんなの許さんからな!」
なんかぎゃーぎゃー言ってるみことと一緒に帰りました。
「ほう、珍しいな」
夫婦が通り過ぎるのを待っていたのか、みことがそんなことを言った。
「どういうことですか」
「いや、貴様は基本的に無表情だし、何か感情を表す時は妙に芝居がかっているというか……そう、胡散臭いからな。そういう自然な微笑みは稀少だという話だ」
客観的に見ると、俺は結構アレかもしれない。気をつけよう。ていうか胡散臭いて。
「いくら俺がアレとはいえ、子供を見れば可愛さのあまり笑ったりしますよ。子供って可愛いよね」
「……貴様の場合、違った意味だろう」
「もちろんそっちの意味も含みます」
「コイツ最悪だっ!」
しゅばっと後ずさって距離を取り、みことは携帯を取り出した。
「待ってノー警察! 大丈夫、YESロリコン、NOタッチですから!」
「そんなLOな奴信じられるか!」
なぜ知っている。……さては、この間俺の家に来た時に勝手に読んだな。隠してたのに!
「と、とにかく、落ち着け。落ち着いて携帯を元のポケットに戻すんだ」
「嫌だ。もし戻したりしたら、次の瞬間には私に襲い掛かるだろう? ……私は貴様の大好きな幼児体型だからなっ! 胸がなくて何が悪い!?」
「んなこと一言も申してませんが、幼児体型は俺の心の琴線に触れまくるので大好きです。こう、ぺたーんって最高だよね!」
「ほらみろ、襲う気だ!」
「しまった、誘導尋問か! ずるいぞ!」
「ひとつも誘導していないっ!」
なんだか分からないうちにみことを襲うことが決定付けられてしまった。困ったなあ。
「いいか、少しでも私に触れたら即通報するからな!」
「分かったよ……二度とお前みたいな貧相な体つきの奴なんかには触らないよ」
「気分悪いわっ! 言い直せ!」
文句が多いです。
「ええと……本当はみことを触りたいけど、みことが嫌だって言うなら我慢するよ。こんな苦しいなら死んだほうがマシかもしれない。いや、マシに違いない。俺を殺せ!」
「落ち着けっ!」
思わず車道に飛び出そうとしたところをみことに後ろから抱きしめられ、九死に一生を得る。
「はーっ……はーっ……どういうことだっ!?」
「言ってるうちに自分の言葉に洗脳された。ままならぬ」
心底呆れたようにみことはため息をついた。
「お前は……本当にアレだな」
代名詞にこれほど心をえぐられるとは思わなかった。
「ところで、これはいいのでせうか」
さっき車道に飛び出そうとした俺を押し留めるため、みことの腕が俺のお腹に巻きついています。
「ん? ……こっ、これは、ええとっ、そ、その……ど、どうしよ?」
「俺に聞くな。だがしかし、妙案が思いついたので言う。みことから俺に触るのはおーけーということにしてはいかがかな?」
「そっ、そうっ、それっ! それだからおーけーだ!」
「でも結局は俺も触ってるからダメだと思う」
「一気に言い切れっ!」
怒りながらも、みことは俺から離れようとはしなかった。
「ところでだな、みことさん。この体勢はみことのちっぱいを背中に感じ取れて大変喜ばしいのですが、何しろ動きにくいので手を繋ぐ方向に変換してはどうだろう」
「……こっ、この、イチイチ失礼な奴だな……」
「こう、このように」
みことの腕を離させ、その手をきゅっと握る。
「こうすれば、自由な上に二人とも幸せかと」
「あ、うん。……じゃないっ! なっ、なんで私が貴様と手を繋いで幸せなのだっ!?」
「みことはどうか知らんが、俺は幸せ」
「え、あ、う……え、ええいっ、笑うな、そういう優しい笑顔見せるなーっ!」
「そう言われても」
「う、うぐ……わ、分かった。特別に手を握るのは許可してやろう。だが、これ以上はナシだぞ! いいな!?」
「押すなよ、絶対押すなよ!」
「ダチョウ倶楽部じゃないっ! 別にフリでもなんでもないんだぞっ!?」
「まあ、続きはおうちに帰ってから」
「待て引っ張るな、貴様また私を部屋に連れ込んでずっと抱っこするつもりだろ!? そんなの許さんからな!」
なんかぎゃーぎゃー言ってるみことと一緒に帰りました。