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2024年11月25日
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【ツンデレに夜食は太るぞって言ったら】
2010年01月30日
いきなりまつりが押しかけてきたので、塩をまいたら大変怒られた。仕方ないので部屋にあげて遊んでたら夜中になった。
「ぬー……やいタカシ、わらわはお腹が空いたのじゃ。何かあまーいものを食べたいのじゃ。今すぐ用意せい」
「面倒だけど、他ならぬまつりの頼みだし、道端に落ちてる犬のフンをかりんとうと偽って用意するよ」
「普通に甘いものを用意せぬかっ! どうしてお前は普通に『ははー、分かりました、まつり様』と言えぬのじゃ? もっとわらわを崇めい、たわけめ」
それは普通じゃないなあ、と思いながらまつりのほっぺをむにーっと引っ張る。
「ははへっ、ははふはっ! はははひほふはほほひへ、ははへふふほほほっへひふほはーっ!」
「用意するのは構わんが、まつりよ。こんな夜中に飯なんか食って、太らないか?」
むにむにするのに満足したので手を離し、今度はまつりの腹をつんつくしながら訊ねる。
「わ、わらわが太っておると言うのかっ! わらわのどこに肉があるというのかや!?」
「……まあ、肉はないよな」
自然、視線が腹から胸へと移動して行く。
「あーっ!? いま、胸のことを! わらわの胸のことを言ったな!?」
「胸のことも言った」
「も!?」
イチイチうるせえ。
「とにかく、夜食は不許可。今すぐ餓死するとかじゃない限り、甘いものは出しません」
「が、餓死するぞよ? わらわ、今すぐ餓死するぞよ? あー、お腹きゅるきゅる、目の前真っ暗。今にも死にそうじゃわい。……の?」
の? とか言いながら俺を上目遣いで見るずるいお嬢さん。
「……はぁ。何がいい?」
「めろんぱん! 外はサクサクで、中はふわふわのがいいのじゃ! ぬべーっとしとるのはダメじゃぞ? あれは邪道じゃからのぉ」
「分かったよ。どっかでメロンとパン買ってくるよ」
「ちがわいっ! 別にパンの中にメロンが入ってるんじゃないのじゃ! あれはメロンパンという名の、メロンを模したパンなのじゃ! そんなことも分からぬとは、暗愚よのぅ。にゃーっはっはっはっは!」
「お前はそこで乾いていけ」
大変むかついたので、浮かしかけた腰を再び下ろして徹底抗戦の構えにつく。
「あっ、うそ、うそじゃ。わらわの可愛い嘘じゃ。こんな可愛い嘘にへそを曲げるほどおぬしは狭量な男ではないじゃろ? の?」
メロンパン奪還に向け、背中を向けた俺に抱きつき媚を売りまくるまつり。分かってるけど、こうもすりすりされては口をへの字に維持するのも至難の業だ。
「……まぁいいや。コンビニのでいいな?」
「うむ♪ 一緒にヤクルトも買ってくるのじゃ」
「……今更乳製品摂っても変わらんと思うが」
「またわらわの胸のことを!?」
「いや、今回は背」
「背!?」
胸を押さえたり頭押さえたり、忙しいなあ。
「いーから買ってくるのじゃ! 買ってくるのじゃ!」
「わーったよ。んじゃ、金くれ」
「ぬ? おごりに決まっておろう」
差し出した手を、そのまままつりの顔に押し付ける。
「ぬ?」
そして、万力のような力を持って締め付ける。
「みぎゃーっ!? 痛い痛い痛いのじゃー! 顔がー、わらわの顔がーっ!?」
「お金ください」
「やるやる、いくらでもやるのじゃー! じゃから一刻も早く手をのけるのじゃーっ!!!」
正しい取引が行えたので、まつりの顔から手を離す。
「ううううう……なんという悪辣な輩じゃ。火事にでも遭えばいいのじゃ」
「もしそうなったら、まつりの家に転がり込むしかないな」
「火の始末は大事じゃぞ!?」
防災の危機管理を聞いた後、まつりから金を貰ってコンビニへ。適当にメロンパンとヤクルトを買って帰宅。
「遅いのじゃ! お腹が減って死ぬかと思ったのじゃ!」
「もしゃもしゃ、すまん」
「なんでわらわのメロンパンを食っとるのじゃーっ!?」
面白いなあコイツ。
「よこせっ! ……ああ、半分も食べておるではないか。おぬしは鬼かえ?」
「人です」
半泣きで俺の歯型がついたメロンパンを見つめるまつり。こんなことで泣くな。
「ううう……こんな奴しか召使いがおらぬとは、わらわも堕ちたものよのぉ……はぐはぐ」
「誰が召使いだと一応つっこみつつ、俺との間接キスを何ら気にしないまつりに覇王のオーラを見た」
「にゃぐわっ!?」
「にゃぐわ?」
「な、なんでもないのじゃ。……さ、さて、わらわは貴様のような小者など気にしないので、引き続きパンを食うのじゃ」
とは言いながらも、それ以上口をつけようとはしない。視線はメロンパンと俺を行ったり来たり、頬は紅潮してなんとも言いがたい雰囲気に包まれている。
「そんな食いにくいなら、俺が反対側から食べてお前はその反対から食べる恋人食いをしても構わんが」
「余計食べにくいわっ! も、もうよい、黙っておれ。……わ、わらわは覇王となる者。この程度の困難、ちょちょいのちょいで乗り越えてくれるわっ!」
そう言うと、まつりは目をつむって大きく口を開けた。そして、がぷりとメロンパンをほうばった。
「むしゃむしゃむしゃ! ……ど、どうじゃ、わらわの偉業!」
「すげー」
「心がこもってないのじゃ。もっと心の底からわらわを褒め称えぬかっ!」
「パンひとつでそこまで偉そうにできるまつりに脱帽」
「……何か、いまひとつ嬉しくないのじゃが」
「不思議だねもぐもぐ」
「ぬー……ぬ? あああああっ! 貴様っ、どうしてわらわのパンを食べておるのじゃ!?」
さっきまでまつりの手にあったパンが、気がつけば俺の手の内に収まっている不思議。
「や、俺も小腹が減ってて」
そう言いながら、最後の欠片を口の中に入れる。なかなかどうして、最近のパンはコンビニのでもうまいなあ。
「わ、わらわのめろんぱんが! ……どーしてくれるのじゃ!」
「まあ、全部食うより美容のためにはいいじゃん」
「そ、それはそうじゃが……もしかして、そのためにわざと食ったのかえ?」
「いや、さっきも言ったように小腹が空いたから」
「コイツ適当じゃーっ! ばかめーっ! うわーんっ!」
半泣きでぺこぽこ叩いてくるまつりをいなすのに忙しい夜だった。
「ぬー……やいタカシ、わらわはお腹が空いたのじゃ。何かあまーいものを食べたいのじゃ。今すぐ用意せい」
「面倒だけど、他ならぬまつりの頼みだし、道端に落ちてる犬のフンをかりんとうと偽って用意するよ」
「普通に甘いものを用意せぬかっ! どうしてお前は普通に『ははー、分かりました、まつり様』と言えぬのじゃ? もっとわらわを崇めい、たわけめ」
それは普通じゃないなあ、と思いながらまつりのほっぺをむにーっと引っ張る。
「ははへっ、ははふはっ! はははひほふはほほひへ、ははへふふほほほっへひふほはーっ!」
「用意するのは構わんが、まつりよ。こんな夜中に飯なんか食って、太らないか?」
むにむにするのに満足したので手を離し、今度はまつりの腹をつんつくしながら訊ねる。
「わ、わらわが太っておると言うのかっ! わらわのどこに肉があるというのかや!?」
「……まあ、肉はないよな」
自然、視線が腹から胸へと移動して行く。
「あーっ!? いま、胸のことを! わらわの胸のことを言ったな!?」
「胸のことも言った」
「も!?」
イチイチうるせえ。
「とにかく、夜食は不許可。今すぐ餓死するとかじゃない限り、甘いものは出しません」
「が、餓死するぞよ? わらわ、今すぐ餓死するぞよ? あー、お腹きゅるきゅる、目の前真っ暗。今にも死にそうじゃわい。……の?」
の? とか言いながら俺を上目遣いで見るずるいお嬢さん。
「……はぁ。何がいい?」
「めろんぱん! 外はサクサクで、中はふわふわのがいいのじゃ! ぬべーっとしとるのはダメじゃぞ? あれは邪道じゃからのぉ」
「分かったよ。どっかでメロンとパン買ってくるよ」
「ちがわいっ! 別にパンの中にメロンが入ってるんじゃないのじゃ! あれはメロンパンという名の、メロンを模したパンなのじゃ! そんなことも分からぬとは、暗愚よのぅ。にゃーっはっはっはっは!」
「お前はそこで乾いていけ」
大変むかついたので、浮かしかけた腰を再び下ろして徹底抗戦の構えにつく。
「あっ、うそ、うそじゃ。わらわの可愛い嘘じゃ。こんな可愛い嘘にへそを曲げるほどおぬしは狭量な男ではないじゃろ? の?」
メロンパン奪還に向け、背中を向けた俺に抱きつき媚を売りまくるまつり。分かってるけど、こうもすりすりされては口をへの字に維持するのも至難の業だ。
「……まぁいいや。コンビニのでいいな?」
「うむ♪ 一緒にヤクルトも買ってくるのじゃ」
「……今更乳製品摂っても変わらんと思うが」
「またわらわの胸のことを!?」
「いや、今回は背」
「背!?」
胸を押さえたり頭押さえたり、忙しいなあ。
「いーから買ってくるのじゃ! 買ってくるのじゃ!」
「わーったよ。んじゃ、金くれ」
「ぬ? おごりに決まっておろう」
差し出した手を、そのまままつりの顔に押し付ける。
「ぬ?」
そして、万力のような力を持って締め付ける。
「みぎゃーっ!? 痛い痛い痛いのじゃー! 顔がー、わらわの顔がーっ!?」
「お金ください」
「やるやる、いくらでもやるのじゃー! じゃから一刻も早く手をのけるのじゃーっ!!!」
正しい取引が行えたので、まつりの顔から手を離す。
「ううううう……なんという悪辣な輩じゃ。火事にでも遭えばいいのじゃ」
「もしそうなったら、まつりの家に転がり込むしかないな」
「火の始末は大事じゃぞ!?」
防災の危機管理を聞いた後、まつりから金を貰ってコンビニへ。適当にメロンパンとヤクルトを買って帰宅。
「遅いのじゃ! お腹が減って死ぬかと思ったのじゃ!」
「もしゃもしゃ、すまん」
「なんでわらわのメロンパンを食っとるのじゃーっ!?」
面白いなあコイツ。
「よこせっ! ……ああ、半分も食べておるではないか。おぬしは鬼かえ?」
「人です」
半泣きで俺の歯型がついたメロンパンを見つめるまつり。こんなことで泣くな。
「ううう……こんな奴しか召使いがおらぬとは、わらわも堕ちたものよのぉ……はぐはぐ」
「誰が召使いだと一応つっこみつつ、俺との間接キスを何ら気にしないまつりに覇王のオーラを見た」
「にゃぐわっ!?」
「にゃぐわ?」
「な、なんでもないのじゃ。……さ、さて、わらわは貴様のような小者など気にしないので、引き続きパンを食うのじゃ」
とは言いながらも、それ以上口をつけようとはしない。視線はメロンパンと俺を行ったり来たり、頬は紅潮してなんとも言いがたい雰囲気に包まれている。
「そんな食いにくいなら、俺が反対側から食べてお前はその反対から食べる恋人食いをしても構わんが」
「余計食べにくいわっ! も、もうよい、黙っておれ。……わ、わらわは覇王となる者。この程度の困難、ちょちょいのちょいで乗り越えてくれるわっ!」
そう言うと、まつりは目をつむって大きく口を開けた。そして、がぷりとメロンパンをほうばった。
「むしゃむしゃむしゃ! ……ど、どうじゃ、わらわの偉業!」
「すげー」
「心がこもってないのじゃ。もっと心の底からわらわを褒め称えぬかっ!」
「パンひとつでそこまで偉そうにできるまつりに脱帽」
「……何か、いまひとつ嬉しくないのじゃが」
「不思議だねもぐもぐ」
「ぬー……ぬ? あああああっ! 貴様っ、どうしてわらわのパンを食べておるのじゃ!?」
さっきまでまつりの手にあったパンが、気がつけば俺の手の内に収まっている不思議。
「や、俺も小腹が減ってて」
そう言いながら、最後の欠片を口の中に入れる。なかなかどうして、最近のパンはコンビニのでもうまいなあ。
「わ、わらわのめろんぱんが! ……どーしてくれるのじゃ!」
「まあ、全部食うより美容のためにはいいじゃん」
「そ、それはそうじゃが……もしかして、そのためにわざと食ったのかえ?」
「いや、さっきも言ったように小腹が空いたから」
「コイツ適当じゃーっ! ばかめーっ! うわーんっ!」
半泣きでぺこぽこ叩いてくるまつりをいなすのに忙しい夜だった。
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