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2024年11月25日
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【ツンデレは寂しがってるようです】

2010年01月30日
 パソコンが壊れた&中のエロデータバックアップ取ってないという素敵すぐるコンボが炸裂した結果、精神が崩壊したので数日学校を休んだ。
 部屋の隅っこで三角座りをして精神を修復する作業をしていると、ぴんぽーんという音が部屋に鳴り響いた。
 はてこんな昼日中にいったい誰だろう。親は仕事で出ているし……宅配便の人かな? しかし、今出迎えたら誰彼かまわず襲い掛かるであろう精神状態だから無視しよう。
 そんなわけで再び隅っこ座り大戦MXを行っていたら、ピンポーンという音は絶えたが今度はドアをガチャガチャと動かす音が。
 すわ強盗か、と心臓をびっくらさせていたが、鍵はしていたと一安心していたのにガチャッて音が! 開いたよ、ドア!
 見つかったら死ぬのかなあ、とか思いながらガクブルしてると、階段をトントンと軽快に上がってくる闖入者。いやいやいや! 普通居間とか探すだろ!
 ……こ、こうなったらやられる前に殺れ、だ! 手近な物で武器になるもの──き、キンチョールしかねえ!
 などと一人狼狽してたら部屋のドアがガチョリと! ええい頑張れ男の子、気合一閃殺虫剤を構え叫ぶ!
「動くな! 少しで動けばプシューだぞ!」
 闖入者の頭に噴射口を突きつけ、ニヒルに言い放つ。
「……それでどうして動かないと思うのか。やはりタカシの頭はおかしい」
 闖入者は見知らぬ人物ではなく、ちなみだった。
「なんだ……ちなみかよ。てっきり強盗かと思ったじゃねえか」
「……実は強盗。金を出せ」
「少しでも動くとプシューだ!」
 ちなみの顔に噴射口を再び向けると、迷惑そうな顔をされた。
「……そんなのは、いい。……それより、どうして学校に来ないのか」
「ああ、そのことか」
 事細かに登校できない理由を説明したら、どうしたことかちなみの顔が呆れたものに。
「……そんなことで学校に来ないとか。タカシの頭は私の想像以上に進行が進んでいたか」
「人を勝手に病人扱いするない。だいたい、そんなことと言うが、俺にとっては一大事なんだぞ? 数年分のデータが……嗚呼!」
 消えたデータに再び思いを馳せていると、トントンと肩を叩く感触。顔を上げると、ちなみの──
「…………」(にやにや)
 にやけ顔が! チクショウ、馬鹿にしてやがる!
「……とにかく、身体に異常がないのであれば学校に来ること。じゃないと、寂しがる人がいる」
「ほう! 例えば、誰?」
「…………。……?」
「そこで首を傾げられたら俺の心が折れること請け合い!」
「……待って。いま思い出す。うーんうーん」
 腕を組んで考え込まれた。泣きそう。
「……ええと。その、だいじょぶ。人間、一人でも案外へーき」
「チクショウ! 誰一人として検索に引っかからなかった!」
「……まあ、気にしない気にしない。ほら、学校行こ」
「嫌だ。俺はこの鉄の城に一生篭もって将来的にはあしゅら男爵と戦うの?」
「……どうして疑問系」
「恐らくだけど、最初に部屋を鉄の城などと呼称したせいでマジンガーZと勘違いしたため起こった現象だろう」
「……はぁ」
 呆れられた。よく呆れられます。
「……とにかく、一緒に学校行く。じゃないと、つまんない」
「む? それはつまり、俺がいないとちなみんは寂しいと?」
「……そんなことは言ってない。まったく、勝手極まること極まりない」
「極まるな。そんなことよりだな、ちなみさん。もしお前が寂しいと一言告げたなら、俺様学校に行くこと請け合い」
「…………」
「蔑みの視線じゃなくて! 優しくて甘い言葉を!」
「……はぁ。ええと、さみしー」
「そんな棒読みではなくて! もっと感情豊かに!」
「……さしみー」
「刺身!?」
「……ほら、満足したら学校行く」
 何一つとして満足してないのに、無理やり着替えさせられ学校へ。……まあ、いい機会だし、いっか。
 学校では昼休みの最中だった。昼飯など持ってきてないのでぐーぐー腹を鳴らして久々の学校を見物してると、ちなみがちょこちょこ俺の席までやってきた。
「……はい、これ」
 そう言って俺に渡したのは、小さなパンだった。
「ここは手作りの弁当を渡して俺の好感度を上げるチャンスではないのか?」
「…………」
「ちなみの厚意に感謝致します!」
 パンを奪われそうになったので素早く感謝の言葉を言って飯にかぶりつく。やれやれ。
 そうやってもしゃもしゃしてたら、女生徒が寄ってきた。
「あ、別府くん来たんだ。よかったね、ちなみ。アンタずーっと寂しがってたもん」
「ふぇ!?」
 ちなみ方面から変な声が出た。
「ち、ちが、そ、そんな、私ちっとも寂しくなんて!」
「いやー、どうしたものかと困ってたのよ、実際。ずーっと俯いててさ、時々別府くんの席見てはため息ついて。もう休んじゃダメだよ、別府くん?」
 言いたいことだけ言って、女生徒は自分の席へ戻っていった。
「……何」
 ぶすーっとした表情で、しかし顔は赤いままでちなみが不満そうに小さくうめく。
「や、マジで寂しがられていたとは。これからは何があっても毎日来るから安心しろ」
「……あ、安心とか意味分かんない。ずっと来なかったらいいのに。毎日平和だったのに」
「はっはっは。ちなみんは可愛いなあ」
 ぶすーっとしたちなみのほっぺをうにうにつつく。
「……迷惑」
 そう言いながらも、されるがままのちなみだった。

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