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2024年11月22日
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【ツンデレにお前の為だったら何だって出来るって言ったら】
2010年01月27日
学校帰り、ふらふらしてる奴がいたので近寄ったら顔見知りだった。
「どした、ふみ。ふらふらして」
絶賛ふらふら中の奴は知り合いの中学生、ふみだった。よく見ると顔が青ざめている。貧血、もしくは熱中症か。……こいつ身体弱いからなあ。
「……あ、おにーさん。なんでもないです。ちょっと頭がくらくらするだけです。これにはおにーさんに声をかけられ不愉快になったせいも多分にあります」
色々思ったが、一応年上なので近くの喫茶店にふみを招きいれて休ませる。
「……ふー。落ち着きました。表面上だけでも感謝の言葉を言っておいた方が後々よさそうなので言います。ありがとうございました、おにーさん」
「最後の言葉だけなら素直に受け取れるのになあ」
店内の涼しさに息を吹き返したのか、ふみの顔色は若干マシになっていた。口の悪さもよくなったらいいのに。
「じゃあ、ついでだし色々食べます」
「あー、そだな。何か軽く腹に入れておいた方がいいかも。少しならおごってやるよ」
「少しと言わず全部おごってもらいます。当然です」
鼻をつまんでやる。
「きゅふー」
困り顔が可愛かったのでおごることにする。
「簡単ですね、おにーさん」
それすらもふみの考えの内だったことに気づき、大変に後悔する。
「まあ、言質はとったので今更無駄です。すいません、パフェとアイスケーキとアイスコーヒーと」
「やめてお願いやめてマジでやめてください!」
必死の懇願もむなしく、しばらくすると小さなテーブルの上に続々とスイーツが並べられていった。
「おいしそーです」
「あーそりゃよかったな」
自分で注文したコーヒーをずぞぞぞすする。
「……あの。怒ってます?」
「そりゃな。注文したものは仕方ないけど、あんま無理すんなよ。ただでさえ食が細いんだから、無理して食ってまた体調悪くしても知らねーぞ」
ふみは目をぱちくりさせた。何か変なことでも言っただろうか。
「……あの。勝手にたくさん注文したことを怒ってるんです……よね?」
「そりゃもちろん俺の財布に大ダメージで怒り心頭だが、それとは別で冷たいもん食いすぎたら身体によくないからな。あまりこういう無茶な食い方はしてほしくない」
「……おにーさん」
ふみはスプーンを咥え、上目遣いで俺を見た。
「あー?」
「……やさしーです。ずるいです。卑怯です」
「大人は優しくてずるいものさ」
「……なんで、そんな私に優しいんですか?」
「……お前のためなら、何だってしてあげたいのさ」
「え……ええっ!? あ、あの、あのあの、そ、その、……こ、困ります。あ、あの、悪い意味じゃないです、悪い意味ではないです。悪い意味ではないですが……あの、困ります」
ふみの顔が真っ赤になった。湯気が出そうな勢いだな、しかし。
「──と言ったら、ふみは嬉しいか?」
「えい」
「危なっ、危あっ!?」
普通にフォークで刺してきた。どうにか避けたが、怖すぎる。
「おまっ、おまえなあ! 無茶すんなっ! 怖えよっ!」
「乙女心をもて遊んだ罰です。おにーさんのばか」
そう言うと、ふみはパフェを片手にがつがつ食いだした。
「あーあー、そんながつがつ食うな。まったく、どこが乙女だ」
「知りません。おにーさんのばか。……あぅっ」
一気に食いすぎて頭がキーンとなったのだろう、ふみの手が止まった。
「ほら、無理すっから」
「うるさいです。無理なんてしてません。……うー」
「ったく、強情っぱりが。もらうぞ」
「あっ」
残ってるパフェを奪い、がじがじ食う。うむ、おいしい。
「お、おにーさん。……そ、それ、私のスプーンです」
「あ、悪い。つい」
「嫌です。許しません。絶対にわざと使ったに違いありません。中学生のつばを体内に摂取したかったに違いありません」
「妖怪か、俺」
「妖怪、つば飲み。可愛い女子中学生のつばを飲まずにはいられない妖怪。別に飲まなくても生存には何ら問題ないことから、妖怪ではなくただの変質者である可能性が非常に高い」
「俺の嘘解説が取られた!」
「おにーさんはそんな妖怪なのですから、可愛い私のつばをぺろぺろしたくて私のスプーンを使ったんです。絶対です」
「人聞きの悪いことを……。あと、自分で可愛いとか言うな」
「……誰も言ってくれないなら、自分で言うしかないじゃないですか」
「ええっ!?」
「ええっ……って?」
「いや、お前のクラスの男子の目が節穴なのか、それとも恥ずかしくて言えないのか……いやはや、お兄さんびっくりだ」
「何がですか? ……おにーさんはよく分からないことばかり言います。嫌です」
「えーと……なるほど、確かに直接言うのは恥ずかしいな。だがしかし俺も男なので言うます!」
「語尾がおかしいです。おにーさんに普通の箇所はあるんですか?」
「ふみはとても可愛い。まる」
「えっ……えええっ!?」
「大丈夫。お前は体つきこそアレだが、ものすげー可愛いぞ」
「だ、騙してます。おにーさんは私を騙してるに決まってます。男子は私をからかってばかりで、そんなこと言われたこと一度もないです」
あー……ちょっかいかけて気を引くってアレな。中学生ってまだガキなのなー。
「……でも、嘘だとしても、ちょこっと嬉しいです」
「だから、嘘じゃなくて……」
「ありがとうございます、おにーさん」
そう言って、ふみはにっこり笑った。
「あー……うん。どういたまして」
まあ、もう少しこいつが大人になるまでは、俺だけがこの笑顔を占有していよう。
「……で、体つきがアレってどういうことですか」
ふみの目がすーっと細まる。忘れてたらよかったのに。
「なななんのことだか俺にはまるで見当が」
「……そりゃ、私の胸は平均的な胸囲にすら達してませんが、貧しくはありません。いわゆる微乳──いえ、“美”乳です!」
「なんでもいいからいかがわしいことを店内で叫ぶな!」
「ところでおにーさんは大きいのと小さいの、どっちが好きですか?」
「小さいの! 大好き!」
一瞬にして本能の野郎が理性を駆逐した。
「なるほど、いいこと聞きました。今日から乳製品摂りまくりです」
「いやあああああ! 俺のふみがああ!」
「だ、誰が俺のふみですか。いかがわしいことを店内で叫ばないでください。えいえい」
俺もふみもいかがわしいことを叫んだのに、俺だけが頬を引っ張られた。
「どした、ふみ。ふらふらして」
絶賛ふらふら中の奴は知り合いの中学生、ふみだった。よく見ると顔が青ざめている。貧血、もしくは熱中症か。……こいつ身体弱いからなあ。
「……あ、おにーさん。なんでもないです。ちょっと頭がくらくらするだけです。これにはおにーさんに声をかけられ不愉快になったせいも多分にあります」
色々思ったが、一応年上なので近くの喫茶店にふみを招きいれて休ませる。
「……ふー。落ち着きました。表面上だけでも感謝の言葉を言っておいた方が後々よさそうなので言います。ありがとうございました、おにーさん」
「最後の言葉だけなら素直に受け取れるのになあ」
店内の涼しさに息を吹き返したのか、ふみの顔色は若干マシになっていた。口の悪さもよくなったらいいのに。
「じゃあ、ついでだし色々食べます」
「あー、そだな。何か軽く腹に入れておいた方がいいかも。少しならおごってやるよ」
「少しと言わず全部おごってもらいます。当然です」
鼻をつまんでやる。
「きゅふー」
困り顔が可愛かったのでおごることにする。
「簡単ですね、おにーさん」
それすらもふみの考えの内だったことに気づき、大変に後悔する。
「まあ、言質はとったので今更無駄です。すいません、パフェとアイスケーキとアイスコーヒーと」
「やめてお願いやめてマジでやめてください!」
必死の懇願もむなしく、しばらくすると小さなテーブルの上に続々とスイーツが並べられていった。
「おいしそーです」
「あーそりゃよかったな」
自分で注文したコーヒーをずぞぞぞすする。
「……あの。怒ってます?」
「そりゃな。注文したものは仕方ないけど、あんま無理すんなよ。ただでさえ食が細いんだから、無理して食ってまた体調悪くしても知らねーぞ」
ふみは目をぱちくりさせた。何か変なことでも言っただろうか。
「……あの。勝手にたくさん注文したことを怒ってるんです……よね?」
「そりゃもちろん俺の財布に大ダメージで怒り心頭だが、それとは別で冷たいもん食いすぎたら身体によくないからな。あまりこういう無茶な食い方はしてほしくない」
「……おにーさん」
ふみはスプーンを咥え、上目遣いで俺を見た。
「あー?」
「……やさしーです。ずるいです。卑怯です」
「大人は優しくてずるいものさ」
「……なんで、そんな私に優しいんですか?」
「……お前のためなら、何だってしてあげたいのさ」
「え……ええっ!? あ、あの、あのあの、そ、その、……こ、困ります。あ、あの、悪い意味じゃないです、悪い意味ではないです。悪い意味ではないですが……あの、困ります」
ふみの顔が真っ赤になった。湯気が出そうな勢いだな、しかし。
「──と言ったら、ふみは嬉しいか?」
「えい」
「危なっ、危あっ!?」
普通にフォークで刺してきた。どうにか避けたが、怖すぎる。
「おまっ、おまえなあ! 無茶すんなっ! 怖えよっ!」
「乙女心をもて遊んだ罰です。おにーさんのばか」
そう言うと、ふみはパフェを片手にがつがつ食いだした。
「あーあー、そんながつがつ食うな。まったく、どこが乙女だ」
「知りません。おにーさんのばか。……あぅっ」
一気に食いすぎて頭がキーンとなったのだろう、ふみの手が止まった。
「ほら、無理すっから」
「うるさいです。無理なんてしてません。……うー」
「ったく、強情っぱりが。もらうぞ」
「あっ」
残ってるパフェを奪い、がじがじ食う。うむ、おいしい。
「お、おにーさん。……そ、それ、私のスプーンです」
「あ、悪い。つい」
「嫌です。許しません。絶対にわざと使ったに違いありません。中学生のつばを体内に摂取したかったに違いありません」
「妖怪か、俺」
「妖怪、つば飲み。可愛い女子中学生のつばを飲まずにはいられない妖怪。別に飲まなくても生存には何ら問題ないことから、妖怪ではなくただの変質者である可能性が非常に高い」
「俺の嘘解説が取られた!」
「おにーさんはそんな妖怪なのですから、可愛い私のつばをぺろぺろしたくて私のスプーンを使ったんです。絶対です」
「人聞きの悪いことを……。あと、自分で可愛いとか言うな」
「……誰も言ってくれないなら、自分で言うしかないじゃないですか」
「ええっ!?」
「ええっ……って?」
「いや、お前のクラスの男子の目が節穴なのか、それとも恥ずかしくて言えないのか……いやはや、お兄さんびっくりだ」
「何がですか? ……おにーさんはよく分からないことばかり言います。嫌です」
「えーと……なるほど、確かに直接言うのは恥ずかしいな。だがしかし俺も男なので言うます!」
「語尾がおかしいです。おにーさんに普通の箇所はあるんですか?」
「ふみはとても可愛い。まる」
「えっ……えええっ!?」
「大丈夫。お前は体つきこそアレだが、ものすげー可愛いぞ」
「だ、騙してます。おにーさんは私を騙してるに決まってます。男子は私をからかってばかりで、そんなこと言われたこと一度もないです」
あー……ちょっかいかけて気を引くってアレな。中学生ってまだガキなのなー。
「……でも、嘘だとしても、ちょこっと嬉しいです」
「だから、嘘じゃなくて……」
「ありがとうございます、おにーさん」
そう言って、ふみはにっこり笑った。
「あー……うん。どういたまして」
まあ、もう少しこいつが大人になるまでは、俺だけがこの笑顔を占有していよう。
「……で、体つきがアレってどういうことですか」
ふみの目がすーっと細まる。忘れてたらよかったのに。
「なななんのことだか俺にはまるで見当が」
「……そりゃ、私の胸は平均的な胸囲にすら達してませんが、貧しくはありません。いわゆる微乳──いえ、“美”乳です!」
「なんでもいいからいかがわしいことを店内で叫ぶな!」
「ところでおにーさんは大きいのと小さいの、どっちが好きですか?」
「小さいの! 大好き!」
一瞬にして本能の野郎が理性を駆逐した。
「なるほど、いいこと聞きました。今日から乳製品摂りまくりです」
「いやあああああ! 俺のふみがああ!」
「だ、誰が俺のふみですか。いかがわしいことを店内で叫ばないでください。えいえい」
俺もふみもいかがわしいことを叫んだのに、俺だけが頬を引っ張られた。
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