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2024年11月22日
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【ツンデレと一緒にいるところを目撃されたら】
2010年04月10日
先日、ちなみと恋仲になった。その記念に、二人きりで映画に行きたいと言う。
断る理由はないので行こうとするのだが、休日前になるとちなみが泊まりに来て、翌日もイチャイチャするというループを繰り返し、とうとう映画最終日になってしまった。
「今日こそ映画に行くぞ!」
「……むー、眠い。……そんなことより、イチャイチャしよ?」
「む、ぐ……の、NO! 今日こそ映画!」
最大限の理性を駆使し、甘い誘惑を振り切る。
「……うう、イチャイチャしたいのに」
「我慢! 映画今日までなんだから、今日逃すともう見れないぞ?」
「……ビデオになるの待つ、とか」
「記念に観に行きたい、って言ったろーが! はいはい、準備準備!」
「……うー」
不満げにうなりながらも、ちなみはもたもたとパジャマを脱ぎ始めた。
「男の前で着替えないッ!」
「……タカシの前だし、別にいい」
下着姿のまま、こともなげにちなみは言った。
「よくないの! 恥じらいは忘れずに!」
「……ちゅーする仲だと言うのに、タカシはまだまだ照れ屋さんだ」
「廊下で待ってるから、着替え終わったら言うように!」
「……顔、真っ赤」
聞こえないフリして、廊下に飛び出す。全く、なんというか、その……困る。
「……着替え、終わった」
程なく、ちなみがドアを半分だけ開けて顔を見せた。
「よし、じゃ行くか」
「……タカシ、パジャマだけど、いいの?」
「……少しだけ待っててください」
急いで着替え、ドアの前で待ってるちなみに声をかける。
「じゃ、行くか」
「……ご飯は?」
「まだ映画始まるまで時間あるし、どっかで食っていこう」
ちなみと一緒に家を出る。寒いものの、雲一つない気持ちのいい天気だった。
「いい天気だ。ちっと寒いけど」
「……うう、ちっとじゃない。……すごい寒い」
ちなみはぶるりと震え、俺の上着ポケットに手を入れた。
「……ほら、タカシもポケットに手入れる」
言われた通り手を入れると、ポケットの中でちなみが手を握ってきた。
「……ん、これで心も体もポカポカ」
ちなみはとても嬉しそうに顔を綻ばせた。思わずこっちまでにやけてしまう。
「……変な顔」
「失礼な、稀代の美男子を捕まえて」
「……おかしい、タカシの家に鏡あったと思うんだけど」
さりげなく傷つきながら歩いてると、偶然かなみに会った。気づいた瞬間、ちなみは素早くポケットから手を抜いてしまった。
「ありゃ、タカシにちなみじゃない。こんな朝っぱらから、何やってんの?」
「ああ、ちょっとちなみと映がぁッ!」
突然、ちなみが俺の尻を捻りあげた。
「ど、どしたの? いきなり叫んだりして」
「い、いや、ちょっと……」
「……タカシがいきなり叫んだりするのは、いつものこと。……いつも通り、変」
ちなみは冷淡に俺を見た。学校で俺を見る時の、いつもの目だ。
「へ、変じゃない! そうだよな、かなみ?」
「はいはい。で、ちなみ。二人でどこ行くの?」
「……そこで偶然会っただけ。……タカシと一緒なんて、考えられない」
「ええっ!?」
聞き返さずにはいられないような台詞がちなみの口から飛び出した。
「なんでアンタが驚いてんのよ……。ま、学校でタカシの相手するだけでも疲れるのに、休日まで相手するわけないか」
「……その通り。……たぶん、タカシはこの後、一人でえっちな本を買いに行くと見た」
「行かない! 俺は映ぐぁッ!」
また尻をつねられた。
「……何か?」
「な、なんでもないです」
ちなみの冷たい視線に貫かれ、何も言えない。うぅ……怖い。
「……あのさ、気のせいかもしれないんだけど、なんか二人して隠してない?」
「……気のせい。だいたい、タカシと私の間に秘密なんてあるはずもない」
「それもそっか。ごめんね、ちなみ」
「……気にしてない」
色々言いたいけど、また尻の痛みを味わうのは嫌なので我慢。
「んじゃね、二人とも。あたし、コンビニ行く途中だから」
「……ん。……ばいばい、また明日」
かなみは手を振って俺たちと別れた。姿が見えなくなった瞬間、ちなみの手が俺のポケットの中に入ってきた。
「……ちょっと、びっくりした。……まさか、かなみちんと会うなんて」
「近所に住んでるみたいだからな。けど、俺はちなみの豹変ぶりの方が驚いた。……ひょっとして、本当は俺のこと嫌いか?」
「そ、そんなわけない! そ、その、一緒に映画行くとか言ったら、付き合ってるかなって思われるかもしれないし……」
「別にいいじゃん、事実なんだし」
「……そうだけど、なんか、恥ずかしい」
「んー……まぁ、確かに俺は自慢できるような彼氏じゃないからな」
「ち、違う! そうじゃなくて、その、ええとええと……うう、なんて言ったらいいんだろ。とにかく、タカシは自慢できる彼氏。……それは、胸張って言える」
「んじゃ、かなみに言ってもよかったんでは?」
「……うう、そうなんだけど、……うう」
ま、いいか。嫌われてないなら、それでいい。
「んじゃ、ぼちぼち飯食いに行くか」
「あ……うん。……ごめんね」
「何を謝ってのやら。いいから飯食いに行くぞ」
「……ん、分かった。……優しいね、タカシ」
小さく笑って、ちなみはポケットの中で俺の手をぎゅっと握った。
「何の話だか」
うそぶきながら、俺もポケットの中でちなみの手を握り返した。
断る理由はないので行こうとするのだが、休日前になるとちなみが泊まりに来て、翌日もイチャイチャするというループを繰り返し、とうとう映画最終日になってしまった。
「今日こそ映画に行くぞ!」
「……むー、眠い。……そんなことより、イチャイチャしよ?」
「む、ぐ……の、NO! 今日こそ映画!」
最大限の理性を駆使し、甘い誘惑を振り切る。
「……うう、イチャイチャしたいのに」
「我慢! 映画今日までなんだから、今日逃すともう見れないぞ?」
「……ビデオになるの待つ、とか」
「記念に観に行きたい、って言ったろーが! はいはい、準備準備!」
「……うー」
不満げにうなりながらも、ちなみはもたもたとパジャマを脱ぎ始めた。
「男の前で着替えないッ!」
「……タカシの前だし、別にいい」
下着姿のまま、こともなげにちなみは言った。
「よくないの! 恥じらいは忘れずに!」
「……ちゅーする仲だと言うのに、タカシはまだまだ照れ屋さんだ」
「廊下で待ってるから、着替え終わったら言うように!」
「……顔、真っ赤」
聞こえないフリして、廊下に飛び出す。全く、なんというか、その……困る。
「……着替え、終わった」
程なく、ちなみがドアを半分だけ開けて顔を見せた。
「よし、じゃ行くか」
「……タカシ、パジャマだけど、いいの?」
「……少しだけ待っててください」
急いで着替え、ドアの前で待ってるちなみに声をかける。
「じゃ、行くか」
「……ご飯は?」
「まだ映画始まるまで時間あるし、どっかで食っていこう」
ちなみと一緒に家を出る。寒いものの、雲一つない気持ちのいい天気だった。
「いい天気だ。ちっと寒いけど」
「……うう、ちっとじゃない。……すごい寒い」
ちなみはぶるりと震え、俺の上着ポケットに手を入れた。
「……ほら、タカシもポケットに手入れる」
言われた通り手を入れると、ポケットの中でちなみが手を握ってきた。
「……ん、これで心も体もポカポカ」
ちなみはとても嬉しそうに顔を綻ばせた。思わずこっちまでにやけてしまう。
「……変な顔」
「失礼な、稀代の美男子を捕まえて」
「……おかしい、タカシの家に鏡あったと思うんだけど」
さりげなく傷つきながら歩いてると、偶然かなみに会った。気づいた瞬間、ちなみは素早くポケットから手を抜いてしまった。
「ありゃ、タカシにちなみじゃない。こんな朝っぱらから、何やってんの?」
「ああ、ちょっとちなみと映がぁッ!」
突然、ちなみが俺の尻を捻りあげた。
「ど、どしたの? いきなり叫んだりして」
「い、いや、ちょっと……」
「……タカシがいきなり叫んだりするのは、いつものこと。……いつも通り、変」
ちなみは冷淡に俺を見た。学校で俺を見る時の、いつもの目だ。
「へ、変じゃない! そうだよな、かなみ?」
「はいはい。で、ちなみ。二人でどこ行くの?」
「……そこで偶然会っただけ。……タカシと一緒なんて、考えられない」
「ええっ!?」
聞き返さずにはいられないような台詞がちなみの口から飛び出した。
「なんでアンタが驚いてんのよ……。ま、学校でタカシの相手するだけでも疲れるのに、休日まで相手するわけないか」
「……その通り。……たぶん、タカシはこの後、一人でえっちな本を買いに行くと見た」
「行かない! 俺は映ぐぁッ!」
また尻をつねられた。
「……何か?」
「な、なんでもないです」
ちなみの冷たい視線に貫かれ、何も言えない。うぅ……怖い。
「……あのさ、気のせいかもしれないんだけど、なんか二人して隠してない?」
「……気のせい。だいたい、タカシと私の間に秘密なんてあるはずもない」
「それもそっか。ごめんね、ちなみ」
「……気にしてない」
色々言いたいけど、また尻の痛みを味わうのは嫌なので我慢。
「んじゃね、二人とも。あたし、コンビニ行く途中だから」
「……ん。……ばいばい、また明日」
かなみは手を振って俺たちと別れた。姿が見えなくなった瞬間、ちなみの手が俺のポケットの中に入ってきた。
「……ちょっと、びっくりした。……まさか、かなみちんと会うなんて」
「近所に住んでるみたいだからな。けど、俺はちなみの豹変ぶりの方が驚いた。……ひょっとして、本当は俺のこと嫌いか?」
「そ、そんなわけない! そ、その、一緒に映画行くとか言ったら、付き合ってるかなって思われるかもしれないし……」
「別にいいじゃん、事実なんだし」
「……そうだけど、なんか、恥ずかしい」
「んー……まぁ、確かに俺は自慢できるような彼氏じゃないからな」
「ち、違う! そうじゃなくて、その、ええとええと……うう、なんて言ったらいいんだろ。とにかく、タカシは自慢できる彼氏。……それは、胸張って言える」
「んじゃ、かなみに言ってもよかったんでは?」
「……うう、そうなんだけど、……うう」
ま、いいか。嫌われてないなら、それでいい。
「んじゃ、ぼちぼち飯食いに行くか」
「あ……うん。……ごめんね」
「何を謝ってのやら。いいから飯食いに行くぞ」
「……ん、分かった。……優しいね、タカシ」
小さく笑って、ちなみはポケットの中で俺の手をぎゅっと握った。
「何の話だか」
うそぶきながら、俺もポケットの中でちなみの手を握り返した。
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