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2024年11月23日
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【ねずみちなみん】
2010年05月18日
腹が減ったのでおにぎりを作った。しかし、作るそばからおにぎりが消えていくのはどういうイリュージョンなのだろう。
知らぬ間に手品師になったんだなと納得しておにぎりを作り、皿に置く。その皿に、机の下から手が伸びてきた。その手はおにぎりを掴むと、机の下に消えた。
「…………」
嫌な予感を感じながら机の下を見る。……えてして嫌な予感は当たるものだ。
「……むぐむぐ、ねずみです。ちゅーちゅー」
口の端にご飯粒をつけたねずみがいた。
「他人のものを取るのはいけないことだと、親に教わらなかったのか?」
「……ねずみはおにぎりを食べるものですから。おむすびころりん、です」
うん、それなら仕方ない。おにぎり転んでないけどね。
「……むぐむぐ、おいしいです。タカシはおにぎりだけは上手です」
「便所行った後に手を洗わないのが秘訣だ」
「……冗談、ですよね?」
「たぶん。それより、机の下から出ろ。椅子に座れ」
「……不安です」
言葉どおり不安げな面持ちで、それでもちなみは手に持ったおにぎりをぱくりと食べた。
「むぐむぐ……おいしいです。もっと食べたいです」
椅子に座って破願するちなみに、俺はため息をついた。
「もう飯ねぇよ」
ちなみの顔についた飯粒を取り、食べる。
「……わ、食べた」
「誰かに飯取られたから腹減ってんだよ。捨てるのも勿体ないしな」
「……間接ちゅーです。……タカシはえっちです」
ほほを赤らめるな。期待した目で見るな。腹減ってんだよ。……ああ、なんか腹立ってきた。
「その口の中の飯をよこせ! 俺が食う!」
「きゃー(棒読み)」
「あら、タカシいたの。ご飯買ってきたけど……」
うん。嫌な予感は最初からしてたんです。今となっては罠だったんだなって思うんです。だからもう勘弁してください、母さん。結婚とか言わないで。
知らぬ間に手品師になったんだなと納得しておにぎりを作り、皿に置く。その皿に、机の下から手が伸びてきた。その手はおにぎりを掴むと、机の下に消えた。
「…………」
嫌な予感を感じながら机の下を見る。……えてして嫌な予感は当たるものだ。
「……むぐむぐ、ねずみです。ちゅーちゅー」
口の端にご飯粒をつけたねずみがいた。
「他人のものを取るのはいけないことだと、親に教わらなかったのか?」
「……ねずみはおにぎりを食べるものですから。おむすびころりん、です」
うん、それなら仕方ない。おにぎり転んでないけどね。
「……むぐむぐ、おいしいです。タカシはおにぎりだけは上手です」
「便所行った後に手を洗わないのが秘訣だ」
「……冗談、ですよね?」
「たぶん。それより、机の下から出ろ。椅子に座れ」
「……不安です」
言葉どおり不安げな面持ちで、それでもちなみは手に持ったおにぎりをぱくりと食べた。
「むぐむぐ……おいしいです。もっと食べたいです」
椅子に座って破願するちなみに、俺はため息をついた。
「もう飯ねぇよ」
ちなみの顔についた飯粒を取り、食べる。
「……わ、食べた」
「誰かに飯取られたから腹減ってんだよ。捨てるのも勿体ないしな」
「……間接ちゅーです。……タカシはえっちです」
ほほを赤らめるな。期待した目で見るな。腹減ってんだよ。……ああ、なんか腹立ってきた。
「その口の中の飯をよこせ! 俺が食う!」
「きゃー(棒読み)」
「あら、タカシいたの。ご飯買ってきたけど……」
うん。嫌な予感は最初からしてたんです。今となっては罠だったんだなって思うんです。だからもう勘弁してください、母さん。結婚とか言わないで。
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