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2024年11月21日
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【シロ 最初】
2013年12月23日
先日、うちで飼ってる猫がめでたく化けた。
「にゃあ……にゃうう……くひゅうぅ……」スピャー
学校から帰ると、俺のベッドで寝息を立てる少女。件の猫、シロだ。
「人が学校行ってる間、ずっと寝てたのか……なんて羨ましい。俺も猫になりてえ」ナデナデ
「んっ……んーっ。……くああああ。……んー。……ん? あっ! にいちゃ! おかえり!」
シロの目が覚めてしまったようだ。ベッドの上で丸まって寝ていた姿勢から一気にこちらに飛びついてくる。
「うおっ! ……っと。いきなり飛びついたりしたら危ないじゃないか」ナデナデ
「んぅ? 前からしてるが?」ゴロゴロ
「や、今は猫の形をしてないだろ。人の形をしてるなら、それ相応の対応をだな」
「なでなでが止まってるが!」プンスカ
「人の話を聞いてください」ナデナデ
「ぜんしょはするが、やくそくはできない」フンス
「この猫変な言葉使うな」ナデナデ
「んー。んぅー。……ん。ちょと満足。ただあとでまたなでてもらうがな!」ズビシ
何やらキメ顔で俺に指さした後、シロは床に降りると部屋の中をうろつき出した。
「どした? おしっこなら便所でな」
「ちがう!」
「大きいほうか。そっちも便所でお願いします」
「もっとちがう! なわばりをたんけんちゅう! これだいじ。とてもだいじ」ウンウン
「それはいいが、あまり狭いところへ行くない。詰まるぞ」
「せまい!」フカーッ
「ほら早速挟まった」
シロはベッドと壁の隙間で一人で動けなくなって勝手に怒っていた。
「ちょっと、にいちゃ! うごけないんだけど!」
「そのようですね」
「うぐぐぐぐ。……そだ」ポヒュ
「お」
「ニャー」
小さな煙をあげ、シロは元のにゃんこに戻った。かわいい。
「フニャッ」
小さくなったのでスペースが空き、シロは隙間から簡単に抜け出せた。ベッドの上に軽く跳び乗り、ペロペロと自分の足を舐めて毛づくろいしている。
「かわいい」ナデナデ
「ニャー!」
可愛かったのでなでたら怒られた。毛づくろい中に触られるのは嫌なようだ。
「すいません」
「ニャムッ。ニャムニ! ンニャー」
何やらぶつぶつ文句を言ってから、シロは再び毛づくろいを始めた。
「さっきショムニって言った?」
「カーッ!」
「すいません」
またニャムニャム文句を言ってペロペロ毛を舐めている。
「シロも相手してくれないし、ゲームでもするかな」
パソコンの電源を入れて椅子に座り、ぼんやり起動を待ってると毛づくろいを終えたシロがトテトテやってきた。
「どしました」
「ンニャッ」ピョイン
「うおっ」
シロは軽いジャンプで俺の膝に飛び乗り、足をふみふみして丸まった。
「成る程」
「ンゥー。……ンニャッ」ポムッ
「おっ。……おおおおおっ!?」
「うるさい、にいちゃ」(迷惑げ)
「服は!?」
猫から人になったシロは、普通に裸だった。
「むこうに落ちてるが?」
そういえばベッドの隙間で猫になったのだから、当然そこに落ちている。
「着てください!」
「いやだ」
「全部見えてますよ!?」
「にいちゃがシロによくじょうしている……!」
「はい」
「はいときた」
「だってシロってつるぺたじゃないですか。そりゃ興奮しますよ」
「にいちゃがじゅうかんをすいしょうするー……」プルプル
「こいつの言語感覚変だな。何で学んだ」
「まあいいや。ふくを着ろというなら着る。ぺっとのしゅくめい。かなしい」
シロは俺から離れると、ベッドの上に四つん這いになって服を取ろうとした。
「後ろから見たら何もかも丸見えですが!!!」
「とてもうるさい! あまりのうるささにシロはねむくなってきた!」フカーッ
「いや、それはおかしい」
「いわれてみるとそのとおり。だまされた!」フカーッ
「いいから早く服を拾って着てください」
「シロのすじはもう見なくてもヘーキか、にいちゃ?」
「コイツわざとか」
「のうさつ!」ウッフーン
シロがハニワのポーズを取った。
「いいから服を着ろ」
「しっぱい……」ションボリ
「いいから」
「いま着てるとこ!」
シロは服に手をかけ、頭からかぶった。
「今日もふくのやろうシロにはむかう!」フカーッ
そして今日も頭の出口を見失っていた。
「ほら、落ち着け」
仕方ないのでシロの頭を服の穴に誘導してやる。
「……んっ! まったく、ふくのやろーは……あっ、にいちゃ! あははー、にいちゃ!」ペチペチ
「人の顔を叩かないでください」
「むちゃをいうものではない!」ペチペチ
「無茶なのか」
「んー。ちゅーしていい?」
「ダメです」ナデナデ
「しかたない。しょくごにしよう」
「そういうことじゃない」
「……ねるとき?」
「違います」
「まえはしてくれたのに! まいにち!」ドタバタ
「はいはい」ナデナデ
「うぐぐぐ。あまりなでるものではない。ふまんがきえる」
「そりゃ初耳だ」ナデナデ
「あああ。あああああ」ゴロゴロ
何やら恍惚とした表情をしている猫娘をしばらくなでてました。
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動物の変身ものは大好物です