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2024年11月22日
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【甘いものが好きなツンデレ】
2010年06月03日
授業も終わり帰る準備をしてると、かなみに呼び止められた。
「あんた今日暇? 暇よね? どうせ暇なんだし私につき合わせてあげる」
「いや、今日は古本屋で一日潰そうかと……」
「いいから来なさい!」
ぐい、と首を掴まれる。
「ぐげっ」
万力のような指が喉に食い込む。そのままの状態で引っ張られ、たどり着いた場所は喫茶店。
「ここ……あんた、なに土気色してんの?」
超根性で現世に復帰した俺に対しあんまりな言葉。ここは一つビシッと言ってやらねば!
「かなみ!」
「何よッ!」
「ごめんなさいなんでもないです」
物凄く怖かったので、思わず条件反射で土下座してしまう。
「な、なに土下座してんのよ。ほら、みんな見てるじゃない、いいから中に入る!」
無理矢理立たせられ、店内へ。店員さんに案内され、席に着く。そしてそのまま注文すべくメニューを開く。
「なに頼む?」
「そうだな……それじゃ」
「たまには甘いの食べたら? これとか」
かなみが指したのは、優に5人分はあるであろう、パーティー用のパフェだった。
「いや、俺甘いの苦手だし、仮に食うとしてもこんなのは……」
「いいわね? コイツはこのミラクルデラックスパフェ、私はコーヒー」
かしこまりました、という言葉を残して店員さんは去ってしまった。
「……あれ?」
「なに馬鹿みたいな顔してんのよ。馬鹿なのは生まれつきだろうけど」
「あ、いや……あれ?」
小首を傾げていると、店員さんがやってきた。手に、なんか凄いのを持ってる。
「お待たせしました、こちらミラクルデラックスパフェになります」
そう言って、凄いのをドスンと俺の前に置いた。かなみにコーヒーを渡し、店員さんは戻って行った。
「……なんだ、これ」
ちょっと一人で食うには多すぎる量のパフェを前に、途方に暮れる。
「ばっかねぇ、そんなの一人で食べれるわけないじゃないの」
これを頼んだのは、目の前で馬鹿にしてる娘さんだったような気がするのは俺の勘違いだろうか。
「しょうがないわね、手伝ってあげる」
俺の手からスプーンをひったくると、かなみは凄い勢いでパフェを口に放り込んだ。
「んん~~~~!!」
至福の表情で次々とパフェの山を崩していくかなみ。手持ち無沙汰になった俺は、彼女の注文したコーヒーに口をつけた。
「まったく、タカシってば自分で食べれないものを注文するなんて、ほんっと馬鹿ねぇ」
俺に悪態を吐きながらもパフェを食べる手は止まらない。
「……なによ、変な顔して」
口にスプーンを入れたまま、かなみが変なこと言い出した。
「失礼な、変なのは生まれつきだ」
「じゃなくて、……なんか、笑ってる」
「ん? ……あ」
口の中に入れるたび嬉しそうに顔を綻ばせるかなみを見て、我知らず微笑んでいたようだ。
「いや、悪ぃ悪ぃ。かなみがあんまり嬉しそうに食ってるから、つい」
「ば、馬鹿にしてんの!? 馬鹿にしてんのね!」
「いや、そんなことは一言も」
「い、いいじゃない私がパフェ食べても! 女の子らしくないって自分でも思ってるけど、別にいいじゃない!」
「俺はかなみのこと、すげー女の子らしいって思ってるけどな」
「な……!」
まるで鳩が豆鉄砲を食らったかのように、かなみは目を見開いて言葉を失った。
「ほらほら、ぼーっとしてないで残り食っちまえ」
再びコーヒーを飲んでいると、ぼそっとかなみが言った。
「わ、私のこと女の子らしいって、言ったわよね」
「ん? ああ、言ったぞ」
「な、なら……」
ずい、と俺の前にアイスの乗ったスプーンを突き出すかなみ。
「私がこう、あ、あーんってやっても、食べれる?」
俺は躊躇なくそのスプーンを口に含んだ。う、甘い。
「当たり前だろ。ほれ、次くれ次」
なんだかぽーっとしてるかなみに催促する。こんなことで機嫌を直してくれるなら、苦手なパフェだろうといくらでも食べれるってもんだ。
「……(ハッ!)だっ、誰がアンタなんかにそんなことするもんですか! ばか、ばーか!」
「んむ、それでこそかなみだ」
俺はにっこり笑ってコーヒーを一口飲んだ。
かなみはばつが悪そうにむぐむぐと口の中で何か呟いていたけど、諦めてパフェを食べていた。
「……食ったな」
「な、なによ、悪い?」
かなみの腹を見る。この小さな体のどこにあの大量のパフェが入ったというのだろうか。
「美味かったか?」
「うん……あ、いや! アンタが食べれないって言うから代わりに食べてあげただけで、別に美味しいとかそういうのは」
「そか。んじゃ、また食べたくなったら付き合ってくれるか?」
「う……」
真っ赤になったかなみは、それでも小さくコクンとうなずいた。
「よし、んじゃまた今度デートしような」
「で、で、で、デート!?」
「あれ、違ったか? 俺は今日のはデートだと思ってたけど」
「ち、違、いやでも、あうあう……」
目をぐるぐる回しながら、かなみは混乱した面持ちであうあうと繰り返していた。
「でも、毎日こんなの食ってたら太りそうだな」
「……え?」
「今日のパフェ、カロリーどんだけあるんだ? もう太りだしたんじゃないか?」
ぷにぷに、とかなみの腹を指でつっつく。柔らかくて気持ちいい。
「…………」
ぷにぷに。ぷにぷにぷに。……いかん、癖になりそうだ。
「この……デリカシーゼロ人間がッ!」
皆様が思っている以上に全身あますところなく殴られ、その痛みに耐え切れず本能が気絶を選択したようです。
「あんた今日暇? 暇よね? どうせ暇なんだし私につき合わせてあげる」
「いや、今日は古本屋で一日潰そうかと……」
「いいから来なさい!」
ぐい、と首を掴まれる。
「ぐげっ」
万力のような指が喉に食い込む。そのままの状態で引っ張られ、たどり着いた場所は喫茶店。
「ここ……あんた、なに土気色してんの?」
超根性で現世に復帰した俺に対しあんまりな言葉。ここは一つビシッと言ってやらねば!
「かなみ!」
「何よッ!」
「ごめんなさいなんでもないです」
物凄く怖かったので、思わず条件反射で土下座してしまう。
「な、なに土下座してんのよ。ほら、みんな見てるじゃない、いいから中に入る!」
無理矢理立たせられ、店内へ。店員さんに案内され、席に着く。そしてそのまま注文すべくメニューを開く。
「なに頼む?」
「そうだな……それじゃ」
「たまには甘いの食べたら? これとか」
かなみが指したのは、優に5人分はあるであろう、パーティー用のパフェだった。
「いや、俺甘いの苦手だし、仮に食うとしてもこんなのは……」
「いいわね? コイツはこのミラクルデラックスパフェ、私はコーヒー」
かしこまりました、という言葉を残して店員さんは去ってしまった。
「……あれ?」
「なに馬鹿みたいな顔してんのよ。馬鹿なのは生まれつきだろうけど」
「あ、いや……あれ?」
小首を傾げていると、店員さんがやってきた。手に、なんか凄いのを持ってる。
「お待たせしました、こちらミラクルデラックスパフェになります」
そう言って、凄いのをドスンと俺の前に置いた。かなみにコーヒーを渡し、店員さんは戻って行った。
「……なんだ、これ」
ちょっと一人で食うには多すぎる量のパフェを前に、途方に暮れる。
「ばっかねぇ、そんなの一人で食べれるわけないじゃないの」
これを頼んだのは、目の前で馬鹿にしてる娘さんだったような気がするのは俺の勘違いだろうか。
「しょうがないわね、手伝ってあげる」
俺の手からスプーンをひったくると、かなみは凄い勢いでパフェを口に放り込んだ。
「んん~~~~!!」
至福の表情で次々とパフェの山を崩していくかなみ。手持ち無沙汰になった俺は、彼女の注文したコーヒーに口をつけた。
「まったく、タカシってば自分で食べれないものを注文するなんて、ほんっと馬鹿ねぇ」
俺に悪態を吐きながらもパフェを食べる手は止まらない。
「……なによ、変な顔して」
口にスプーンを入れたまま、かなみが変なこと言い出した。
「失礼な、変なのは生まれつきだ」
「じゃなくて、……なんか、笑ってる」
「ん? ……あ」
口の中に入れるたび嬉しそうに顔を綻ばせるかなみを見て、我知らず微笑んでいたようだ。
「いや、悪ぃ悪ぃ。かなみがあんまり嬉しそうに食ってるから、つい」
「ば、馬鹿にしてんの!? 馬鹿にしてんのね!」
「いや、そんなことは一言も」
「い、いいじゃない私がパフェ食べても! 女の子らしくないって自分でも思ってるけど、別にいいじゃない!」
「俺はかなみのこと、すげー女の子らしいって思ってるけどな」
「な……!」
まるで鳩が豆鉄砲を食らったかのように、かなみは目を見開いて言葉を失った。
「ほらほら、ぼーっとしてないで残り食っちまえ」
再びコーヒーを飲んでいると、ぼそっとかなみが言った。
「わ、私のこと女の子らしいって、言ったわよね」
「ん? ああ、言ったぞ」
「な、なら……」
ずい、と俺の前にアイスの乗ったスプーンを突き出すかなみ。
「私がこう、あ、あーんってやっても、食べれる?」
俺は躊躇なくそのスプーンを口に含んだ。う、甘い。
「当たり前だろ。ほれ、次くれ次」
なんだかぽーっとしてるかなみに催促する。こんなことで機嫌を直してくれるなら、苦手なパフェだろうといくらでも食べれるってもんだ。
「……(ハッ!)だっ、誰がアンタなんかにそんなことするもんですか! ばか、ばーか!」
「んむ、それでこそかなみだ」
俺はにっこり笑ってコーヒーを一口飲んだ。
かなみはばつが悪そうにむぐむぐと口の中で何か呟いていたけど、諦めてパフェを食べていた。
「……食ったな」
「な、なによ、悪い?」
かなみの腹を見る。この小さな体のどこにあの大量のパフェが入ったというのだろうか。
「美味かったか?」
「うん……あ、いや! アンタが食べれないって言うから代わりに食べてあげただけで、別に美味しいとかそういうのは」
「そか。んじゃ、また食べたくなったら付き合ってくれるか?」
「う……」
真っ赤になったかなみは、それでも小さくコクンとうなずいた。
「よし、んじゃまた今度デートしような」
「で、で、で、デート!?」
「あれ、違ったか? 俺は今日のはデートだと思ってたけど」
「ち、違、いやでも、あうあう……」
目をぐるぐる回しながら、かなみは混乱した面持ちであうあうと繰り返していた。
「でも、毎日こんなの食ってたら太りそうだな」
「……え?」
「今日のパフェ、カロリーどんだけあるんだ? もう太りだしたんじゃないか?」
ぷにぷに、とかなみの腹を指でつっつく。柔らかくて気持ちいい。
「…………」
ぷにぷに。ぷにぷにぷに。……いかん、癖になりそうだ。
「この……デリカシーゼロ人間がッ!」
皆様が思っている以上に全身あますところなく殴られ、その痛みに耐え切れず本能が気絶を選択したようです。
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