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2024年11月24日
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【一度も勝ったことのないツンデレ】
2010年02月20日
「勝負よ、タカシ!」
昼下がりの教室。机に頭を乗せ、ぼんにゃりひなたぼっこしてたら、かなみが仁王立ちして俺に指を突きつけた。
「嫌です」
「嫌でも勝負するの! そっちが来ないなら、勝手にするわよ!」
「困ります」
「うっさい! いくわよ!」
頭上に飛来する肘の気配を察し、華麗にかわすと同時に体を翻し廊下に脱兎。
「あっ、こら逃げるな!」
俺の机に大きな穴を開けたかなみが、慌てて追いかけてきた。来なくていいのに。
「あー、いかん。眠い。……ふああああ」
「あくびしながら逃げるな! こら、勝負しろ!」
「嫌だ」
窓のさんに乗り、そこから外の木に飛び移る。
「この、猿みたいに……ちょ、ちょっと待ってなさいよ! すぐそこまで行くからね!」
流石にスカートで飛ぶのは抵抗があるのか、かなみは窓からそう吐き捨てると校舎の中に消えていった。この隙に木から降り、こそこそっと体育倉庫に隠れる。
「ふひゅー。やれやれ、まいたか」
なんだか知らないが、かなみは俺と勝負し、勝ちたいらしい。学校で名のある奴は全部倒し、残りは俺だけとか。しかし、殴られるのは嫌いなのでこうして逃げているのだけど……全く、迷惑な話だ。
「タカシッ! ここかっ!」
がらりとドアが開き、怖い女の子が入ってきた。慌てて息を潜め、気配を消す。
「……いないの?」
いません。だから出ていって。お願い。
「あー、走って汗かいちゃった。誰か拭いてくれないかなー、あたしの体」
「こんな展開を待っていた! 今こそ俺のフキフキぱぅわーを魅せる時!」
あまりの提案に、思わず立ち上がって叫んでしまった。いや、うん。罠って気づいていたんだけど、しょうがないじゃないか!(泣)
「……自分でやっておいてなんだけど、なんでこんなのに引っかかるかね」
「うう、うるさい! 引っかかってやったんだからフキフキさせろ! 股間とか!」
「させるわけないでしょ、この変態! とにかく、勝負よ!」
かなみは一足飛びで俺の懐まで飛び込み、肘打ちを仕掛けてきた。当たると痛い(予想)ので、いなして地面に敷いてあるマットに倒す。
「んきゃっ! ……うう、まだよ!」
かなみは尻餅を着いたまま、鋭い蹴りを連続で仕掛けた。これまた当たると痛い(予想)ので、しっかり見切って足首を掴む。
「きゃっ! は、離しなさいよ!」
「離すと蹴るだろ」
「当たり前じゃない! 早く離しなさいよ、ばかっ!」
「あーうん、ちょっと待って」(じーっ)
「ちょっと、人の話を聞いて……こっ、こらっ、どこ見てんのよ!」
「ぱんつ」
「言うなっ、ばかっ!」
どこを見てるのか聞かれたから言ったのに怒られた。しかも空いてる足で蹴られたので、手を離してしまった。
「うー……」
さらに追撃が来るかと思って身構えていたのだけど、かなみは恥ずかしそうにスカートを押さえているだけだった。
「や、よいパンツでしたよ? ただ、惜しむらくは暗がりなのでよく見えませんでした」
「感想を言うなッ! もー、なんでアンタみたいな変態に勝てないのよッ! 空手部もボクシング部も不良グループも制圧したのに、なんでアンタにだけ勝てないのよッ!」
「いやあ、はっはっは」
ナントカ流の師範代だという近所の爺さんの、稽古という名の虐待を受け続けたガキの頃を思い出し、軽く身震い。あまり思い出したくない記憶だ。
「笑うなッ! あーっ、もーっ! こんな奴に負けた自分が腹立つ!」
「まあそんな日もあるよね」
「うるさい笑うなヘラヘラすんなっ! こーなったら、あたしが勝てるまで勝負しなさい、勝負!」
「嫌。困る。すごい迷惑」
「いいからしなさいよっ!」
「うーん、勝負しても俺にメリットがないしなぁ……あ、そうだ!」
とてもナイスな案が浮かんだ。
「……ほ、ホントにこうしたら勝負してくれるのね?」
「そのたうり。むふー」
ナイスな案、それは勝負する毎に俺とイチャイチャすることだ! そんなわけで、かなみを膝に乗せ、後ろから抱っこしてます。
「うー……」
「ほら、むくれてないで台詞台詞」
「わ、分かってるわよ。……えっと、『ねぇ、タカシ。あたしのこと好き? あたしは、タカシのこと大好きだお♪』」
「うお……うおお、俺も好きだぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「きゃっ、この……変なとこ触るな! ばかあっ!」
感極まってぎゅーっと抱きしめたら怒られた。
「や、失敬失敬。ちょっと感情が溢れまして」
「この、ド変態が……いい、言っとくケドね、アンタのことなんて好きでもなんでもないんだからね! 勝負してもらうために好きって言ってるだけなんだからねっ!」
「はいはい、よーく分かってますよ。んじゃ、また甘い台詞お願い」
「ま、またぁ? い、いいじゃない、もう言ったんだから」
「ダメ。勝負しねーぞ」
「わ、分かったわよ。……た、タカシ、ずっとあたしの側にいてよね」
「もちろんだッ! 一生守ってやるぞ、俺の嫁ッ! 大好きだぞッ!」
「嫁じゃないッ! 好きとか言うなイチイチ抱きつくなほっぺにちゅーするな、ばかっ!」
こんな楽しいご褒美があるのなら、毎日勝負したいです。
昼下がりの教室。机に頭を乗せ、ぼんにゃりひなたぼっこしてたら、かなみが仁王立ちして俺に指を突きつけた。
「嫌です」
「嫌でも勝負するの! そっちが来ないなら、勝手にするわよ!」
「困ります」
「うっさい! いくわよ!」
頭上に飛来する肘の気配を察し、華麗にかわすと同時に体を翻し廊下に脱兎。
「あっ、こら逃げるな!」
俺の机に大きな穴を開けたかなみが、慌てて追いかけてきた。来なくていいのに。
「あー、いかん。眠い。……ふああああ」
「あくびしながら逃げるな! こら、勝負しろ!」
「嫌だ」
窓のさんに乗り、そこから外の木に飛び移る。
「この、猿みたいに……ちょ、ちょっと待ってなさいよ! すぐそこまで行くからね!」
流石にスカートで飛ぶのは抵抗があるのか、かなみは窓からそう吐き捨てると校舎の中に消えていった。この隙に木から降り、こそこそっと体育倉庫に隠れる。
「ふひゅー。やれやれ、まいたか」
なんだか知らないが、かなみは俺と勝負し、勝ちたいらしい。学校で名のある奴は全部倒し、残りは俺だけとか。しかし、殴られるのは嫌いなのでこうして逃げているのだけど……全く、迷惑な話だ。
「タカシッ! ここかっ!」
がらりとドアが開き、怖い女の子が入ってきた。慌てて息を潜め、気配を消す。
「……いないの?」
いません。だから出ていって。お願い。
「あー、走って汗かいちゃった。誰か拭いてくれないかなー、あたしの体」
「こんな展開を待っていた! 今こそ俺のフキフキぱぅわーを魅せる時!」
あまりの提案に、思わず立ち上がって叫んでしまった。いや、うん。罠って気づいていたんだけど、しょうがないじゃないか!(泣)
「……自分でやっておいてなんだけど、なんでこんなのに引っかかるかね」
「うう、うるさい! 引っかかってやったんだからフキフキさせろ! 股間とか!」
「させるわけないでしょ、この変態! とにかく、勝負よ!」
かなみは一足飛びで俺の懐まで飛び込み、肘打ちを仕掛けてきた。当たると痛い(予想)ので、いなして地面に敷いてあるマットに倒す。
「んきゃっ! ……うう、まだよ!」
かなみは尻餅を着いたまま、鋭い蹴りを連続で仕掛けた。これまた当たると痛い(予想)ので、しっかり見切って足首を掴む。
「きゃっ! は、離しなさいよ!」
「離すと蹴るだろ」
「当たり前じゃない! 早く離しなさいよ、ばかっ!」
「あーうん、ちょっと待って」(じーっ)
「ちょっと、人の話を聞いて……こっ、こらっ、どこ見てんのよ!」
「ぱんつ」
「言うなっ、ばかっ!」
どこを見てるのか聞かれたから言ったのに怒られた。しかも空いてる足で蹴られたので、手を離してしまった。
「うー……」
さらに追撃が来るかと思って身構えていたのだけど、かなみは恥ずかしそうにスカートを押さえているだけだった。
「や、よいパンツでしたよ? ただ、惜しむらくは暗がりなのでよく見えませんでした」
「感想を言うなッ! もー、なんでアンタみたいな変態に勝てないのよッ! 空手部もボクシング部も不良グループも制圧したのに、なんでアンタにだけ勝てないのよッ!」
「いやあ、はっはっは」
ナントカ流の師範代だという近所の爺さんの、稽古という名の虐待を受け続けたガキの頃を思い出し、軽く身震い。あまり思い出したくない記憶だ。
「笑うなッ! あーっ、もーっ! こんな奴に負けた自分が腹立つ!」
「まあそんな日もあるよね」
「うるさい笑うなヘラヘラすんなっ! こーなったら、あたしが勝てるまで勝負しなさい、勝負!」
「嫌。困る。すごい迷惑」
「いいからしなさいよっ!」
「うーん、勝負しても俺にメリットがないしなぁ……あ、そうだ!」
とてもナイスな案が浮かんだ。
「……ほ、ホントにこうしたら勝負してくれるのね?」
「そのたうり。むふー」
ナイスな案、それは勝負する毎に俺とイチャイチャすることだ! そんなわけで、かなみを膝に乗せ、後ろから抱っこしてます。
「うー……」
「ほら、むくれてないで台詞台詞」
「わ、分かってるわよ。……えっと、『ねぇ、タカシ。あたしのこと好き? あたしは、タカシのこと大好きだお♪』」
「うお……うおお、俺も好きだぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「きゃっ、この……変なとこ触るな! ばかあっ!」
感極まってぎゅーっと抱きしめたら怒られた。
「や、失敬失敬。ちょっと感情が溢れまして」
「この、ド変態が……いい、言っとくケドね、アンタのことなんて好きでもなんでもないんだからね! 勝負してもらうために好きって言ってるだけなんだからねっ!」
「はいはい、よーく分かってますよ。んじゃ、また甘い台詞お願い」
「ま、またぁ? い、いいじゃない、もう言ったんだから」
「ダメ。勝負しねーぞ」
「わ、分かったわよ。……た、タカシ、ずっとあたしの側にいてよね」
「もちろんだッ! 一生守ってやるぞ、俺の嫁ッ! 大好きだぞッ!」
「嫁じゃないッ! 好きとか言うなイチイチ抱きつくなほっぺにちゅーするな、ばかっ!」
こんな楽しいご褒美があるのなら、毎日勝負したいです。
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