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2024年11月24日
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【ツンデレに惚れ薬を飲ましたのに効果がないようです】
2010年03月08日
迷子の爺さんの道案内をしたら、礼に奇妙なカプセルをもらった。
「この薬を飲ませると、どんな娘っ子でもたちまちアンタにほの字じゃて。ひっひっひ」
「ボケ老人の戯言につきあうのも前途ある若者の務めなので、にっこり笑いつつも聞き流そうと思った」
「本当じゃっ! まったく、近頃の若者ときたら……」
なんかにゃむにゃむ言われたが、それでも一応薬を貰った。研究所に勤めている叔父さんに薬の成分を調べてもらった結果、本当の本当に惚れ薬らしい。
さて、問題は誰に使うか、だけど……どーすっかな。
学校への道すがら、そんなことを考えながらカプセルをお手玉してたら、手が滑って前方に大きく弧を描いて飛んでいった。
「ヤクイ! いわゆるヤバイという意味合い! だがしかし“素晴らしい”“おいしい”という意味ではないので要注意!」
慌てて手を伸ばすが、指に当たって弾かれ、さらにまずいことに曲がり角から人影が!
「うん? タカシじゃない。何やって……んぐっ!?」
角から現れた人影──かなみは、飛んできたカプセルを飲み込んでしまった。
「あ、あーあー、あー」
「……ぷはぁっ。ちょ、ちょっと、なに、なんなの!? なに飲ませたのよ!」
「精液」
「んなわけあるかぁっ!」
思わず飲ませたいものを言ったら怒られた。
「いや、実はほ……」
いや待て。惚れ薬を飲ませた、なんて言ったら……
ほわん、ほわん、ほわわわ~ん(想像中であることを示す効果音)
「実は、誤って惚れ薬を飲ませちゃったんだ。えへ、ごめりんこ」
「絶対死なすっ!」
その日の新聞には、俺が惨殺死体で見つかったという記事が載っていたという……。
ほわん、ほわん、ほわわわ~ん(想像を終えた事を示す効果音)
いけない、大変いけない! ルナ先生と同じくらいいけない! 真実を教えたら、きっと死ぬ。
「ほ? なによ」
「ほっけが食べたくなる薬」
「んな薬ないっ!」
「いや、液体状のほっけを飲みたくなる薬だから」
想像したようで、かなみは口元を押さえた。
「……アンタ、悪食はほどほどにした方がいいわよ」
別に俺が食べたいわけではない。まぁ、無難に風邪薬だということにしておく。
「ふぅん。アンタみたいなのでも、風邪ひくのね」
「俺のような健康優良児でも、ということにしておこう。他の風邪ひかない種類、いわゆる○○とハサミは使いようの○○と同意のモノについては考えない方向で」
「……そこまで言ったら、もう言ってるも同然じゃない」
そう言ってかなみは苦笑した。
……んー、しかし、惚れ薬らしいのに、普段と別段変わりないなあ。てっきり、
『タカシきゅん、ちゅきちゅきー♪ ちゅっちゅしてー♪』
とかなると思ったのに。いや、別にそうなってほしい訳ではないけど。つーか、想像したら悪寒が。
「ところでさー、今日の授業……あれ、アンタなんか震えてない?」
「気のせいだぞ、かなみたん」
しまった、想像の余波が俺の言語中枢に。
「かなみたんー? なに、急にあたしのことラブラブな感じで呼びたくなったの?」
かなみはいやらしい笑みを浮かべ、俺の腕を自分の肘でツンツンつついた。
「うん」
もちろんそんな訳はないのだけど、仮に惚れ薬の効果が出ているのであれば、きゃっきゃうふふな感じで受け答えするだろう。どうだ?
「はー……最近暑いしねぇ」
ちっともきゃっきゃうふふじゃない。熱中症患者扱いだ。やっぱ惚れ薬じゃなかったのかなあ。おじさん、使えねー。
学校の帰り、叔父さんが勤める研究所に寄る。
「おじさん、惚れ薬の効き目ゼロだったぞ。このヤブ医者め!」
「いや、おじさんは医者じゃなくて研究者なんだけど……でも、あの薬は本当に惚れ薬だったんだけどなあ」
叔父さんはしきりに首を傾げていた。
「うーん……まぁ、薬を飲んだ子が既にタカシ君のことが好きだったら、効果がなくても仕方ないんだけどね」
「それはない」
即答する俺に、叔父さんは苦笑を浮かべた。
「それくらいしか、効かない理由が浮かばないんだけどね……」
「それは、おじさんがヤブ医者だからだぞ?」
「いや、だからおじさんは医者じゃなくて研究者で……」
なんかうにゃうにゃ言ってる叔父さんを放って、研究所を出る。
「かなみが俺を、なぁ……いや、ないないない」
「何の話?」
「うあっ!?」
独り言に答えるように、角からかなみが顔を出したので、びっくりした。
「……なーに驚いてんだか」
「いや、誰だって角から急に頭の両端から昆布垂らした奴が現れたら驚くだろ?」
「昆布違うっ! 髪! ツインテール!」
「そう怒るなよ、はるぴー」
「かなみよっ!」
すごく怒られた。
「……ったく。ところでさ、風邪、治ったの?」
「?」
「なに不思議そうな顔してんのよ……ま、その顔見たら治ったみたいね」
風邪……? ……あ、そういや今朝、そんな話したような。
「なんだ、心配してくれたのか?」
「べっ、別にアンタなんかを心配なんて……」
「勘違いしないでよねっ! 心配なんてしてないんだからねっ!」
「どやかましいっ!」
超怒られた。
「はぁ……で、帰らないの?」
「最近俺んちの近所に頭の両端から昆布垂らしてる変な妖怪が住み着いたようで、帰るの怖いんだ」
「それあたし! 最近じゃなくて昔っから住んでる! 昆布じゃなくて髪! つか変な妖怪言うなっ!」
いっぱいつっこまれた。
「んじゃ帰るか、かなみ」
「うう……髪型変えよっかな」
「いやいやいや、それダメ! 禁止! 貧乳+ツインテールの黄金コンボを崩すと、かなみの価値なんてあとは八重歯くらいしか残ってないぞ!?」
無言でさっくり目を突かれたので、きっと気に障ったのだろう。
「うおお……なんか出そう。ビームとか」
「出るかっ! もー怒った、絶対髪型変える!」
「待て待てWait! ダメですダメなのです! そんな可愛いのにもったいないと思う人がちらほら!」
「……例えば、誰?」
「う」
どこか期待を込めた視線を俺に向けるかなみ。
「う、じゃなくて。誰よ、可愛いって思ってる人」
「や、その、……ほら、分かるだろ? 得意の第六感を駆使してなんとなく、ほら、空気読むとか、な?」
「分かんないわねー。だれ、だれ? ほれ、言ってみ?」
かなみはにやにやしながら俺の腰を肘でつついた。絶対分かって言ってやがる。
「言わないと、髪形変えちゃうかもねー」
「俺! 俺様! オレサマ オマエ マルカジリ!」
「うっきゃあああああ!?」
かなみの頭をかじったら悲鳴を上げられた。
「食べるなっ!」
「いや、昆布が……」
「もうそのネタはいいっ! うう……帰ったら頭洗わないと」
「し、失礼な! 俺の口内が汚れていると!? 怒り心頭、オレサマ オマエ マルカジリ!」
「うっきゃああああ!」
かなみの頭をかじったらまた悲鳴を上げられた。
「だから、食うなっ!」
「これを専門用語で天丼と言います」
「どやかましいっ!」
怒られたが、かなみの頭をかじることによってうやむやにすることに成功。ふふ、我ながら冴え渡る頭脳に恐怖すら覚えかねない。
「……しっかし、アンタがそんなにツインテール好きとは知らなかったわ。うりうり」
うやむや失敗。かなみはニヤニヤ笑いながら自分の髪を持ち、髪の先で俺の頬をこしょこしょした。
「うぐぐ、毒がまわる」
「毒なんてないっ! ……あ、そか、照れ隠しね。なに、コレ好きなの?」
「や、そ、そんな好きでは? ない? 感じ?」
「こしょこしょこしょこしょ」
「あ、ああ、あああ……」(恍惚)
「うわ、面白……もっとやろ」
新しい性癖を目覚めさせられた。
「この薬を飲ませると、どんな娘っ子でもたちまちアンタにほの字じゃて。ひっひっひ」
「ボケ老人の戯言につきあうのも前途ある若者の務めなので、にっこり笑いつつも聞き流そうと思った」
「本当じゃっ! まったく、近頃の若者ときたら……」
なんかにゃむにゃむ言われたが、それでも一応薬を貰った。研究所に勤めている叔父さんに薬の成分を調べてもらった結果、本当の本当に惚れ薬らしい。
さて、問題は誰に使うか、だけど……どーすっかな。
学校への道すがら、そんなことを考えながらカプセルをお手玉してたら、手が滑って前方に大きく弧を描いて飛んでいった。
「ヤクイ! いわゆるヤバイという意味合い! だがしかし“素晴らしい”“おいしい”という意味ではないので要注意!」
慌てて手を伸ばすが、指に当たって弾かれ、さらにまずいことに曲がり角から人影が!
「うん? タカシじゃない。何やって……んぐっ!?」
角から現れた人影──かなみは、飛んできたカプセルを飲み込んでしまった。
「あ、あーあー、あー」
「……ぷはぁっ。ちょ、ちょっと、なに、なんなの!? なに飲ませたのよ!」
「精液」
「んなわけあるかぁっ!」
思わず飲ませたいものを言ったら怒られた。
「いや、実はほ……」
いや待て。惚れ薬を飲ませた、なんて言ったら……
ほわん、ほわん、ほわわわ~ん(想像中であることを示す効果音)
「実は、誤って惚れ薬を飲ませちゃったんだ。えへ、ごめりんこ」
「絶対死なすっ!」
その日の新聞には、俺が惨殺死体で見つかったという記事が載っていたという……。
ほわん、ほわん、ほわわわ~ん(想像を終えた事を示す効果音)
いけない、大変いけない! ルナ先生と同じくらいいけない! 真実を教えたら、きっと死ぬ。
「ほ? なによ」
「ほっけが食べたくなる薬」
「んな薬ないっ!」
「いや、液体状のほっけを飲みたくなる薬だから」
想像したようで、かなみは口元を押さえた。
「……アンタ、悪食はほどほどにした方がいいわよ」
別に俺が食べたいわけではない。まぁ、無難に風邪薬だということにしておく。
「ふぅん。アンタみたいなのでも、風邪ひくのね」
「俺のような健康優良児でも、ということにしておこう。他の風邪ひかない種類、いわゆる○○とハサミは使いようの○○と同意のモノについては考えない方向で」
「……そこまで言ったら、もう言ってるも同然じゃない」
そう言ってかなみは苦笑した。
……んー、しかし、惚れ薬らしいのに、普段と別段変わりないなあ。てっきり、
『タカシきゅん、ちゅきちゅきー♪ ちゅっちゅしてー♪』
とかなると思ったのに。いや、別にそうなってほしい訳ではないけど。つーか、想像したら悪寒が。
「ところでさー、今日の授業……あれ、アンタなんか震えてない?」
「気のせいだぞ、かなみたん」
しまった、想像の余波が俺の言語中枢に。
「かなみたんー? なに、急にあたしのことラブラブな感じで呼びたくなったの?」
かなみはいやらしい笑みを浮かべ、俺の腕を自分の肘でツンツンつついた。
「うん」
もちろんそんな訳はないのだけど、仮に惚れ薬の効果が出ているのであれば、きゃっきゃうふふな感じで受け答えするだろう。どうだ?
「はー……最近暑いしねぇ」
ちっともきゃっきゃうふふじゃない。熱中症患者扱いだ。やっぱ惚れ薬じゃなかったのかなあ。おじさん、使えねー。
学校の帰り、叔父さんが勤める研究所に寄る。
「おじさん、惚れ薬の効き目ゼロだったぞ。このヤブ医者め!」
「いや、おじさんは医者じゃなくて研究者なんだけど……でも、あの薬は本当に惚れ薬だったんだけどなあ」
叔父さんはしきりに首を傾げていた。
「うーん……まぁ、薬を飲んだ子が既にタカシ君のことが好きだったら、効果がなくても仕方ないんだけどね」
「それはない」
即答する俺に、叔父さんは苦笑を浮かべた。
「それくらいしか、効かない理由が浮かばないんだけどね……」
「それは、おじさんがヤブ医者だからだぞ?」
「いや、だからおじさんは医者じゃなくて研究者で……」
なんかうにゃうにゃ言ってる叔父さんを放って、研究所を出る。
「かなみが俺を、なぁ……いや、ないないない」
「何の話?」
「うあっ!?」
独り言に答えるように、角からかなみが顔を出したので、びっくりした。
「……なーに驚いてんだか」
「いや、誰だって角から急に頭の両端から昆布垂らした奴が現れたら驚くだろ?」
「昆布違うっ! 髪! ツインテール!」
「そう怒るなよ、はるぴー」
「かなみよっ!」
すごく怒られた。
「……ったく。ところでさ、風邪、治ったの?」
「?」
「なに不思議そうな顔してんのよ……ま、その顔見たら治ったみたいね」
風邪……? ……あ、そういや今朝、そんな話したような。
「なんだ、心配してくれたのか?」
「べっ、別にアンタなんかを心配なんて……」
「勘違いしないでよねっ! 心配なんてしてないんだからねっ!」
「どやかましいっ!」
超怒られた。
「はぁ……で、帰らないの?」
「最近俺んちの近所に頭の両端から昆布垂らしてる変な妖怪が住み着いたようで、帰るの怖いんだ」
「それあたし! 最近じゃなくて昔っから住んでる! 昆布じゃなくて髪! つか変な妖怪言うなっ!」
いっぱいつっこまれた。
「んじゃ帰るか、かなみ」
「うう……髪型変えよっかな」
「いやいやいや、それダメ! 禁止! 貧乳+ツインテールの黄金コンボを崩すと、かなみの価値なんてあとは八重歯くらいしか残ってないぞ!?」
無言でさっくり目を突かれたので、きっと気に障ったのだろう。
「うおお……なんか出そう。ビームとか」
「出るかっ! もー怒った、絶対髪型変える!」
「待て待てWait! ダメですダメなのです! そんな可愛いのにもったいないと思う人がちらほら!」
「……例えば、誰?」
「う」
どこか期待を込めた視線を俺に向けるかなみ。
「う、じゃなくて。誰よ、可愛いって思ってる人」
「や、その、……ほら、分かるだろ? 得意の第六感を駆使してなんとなく、ほら、空気読むとか、な?」
「分かんないわねー。だれ、だれ? ほれ、言ってみ?」
かなみはにやにやしながら俺の腰を肘でつついた。絶対分かって言ってやがる。
「言わないと、髪形変えちゃうかもねー」
「俺! 俺様! オレサマ オマエ マルカジリ!」
「うっきゃあああああ!?」
かなみの頭をかじったら悲鳴を上げられた。
「食べるなっ!」
「いや、昆布が……」
「もうそのネタはいいっ! うう……帰ったら頭洗わないと」
「し、失礼な! 俺の口内が汚れていると!? 怒り心頭、オレサマ オマエ マルカジリ!」
「うっきゃああああ!」
かなみの頭をかじったらまた悲鳴を上げられた。
「だから、食うなっ!」
「これを専門用語で天丼と言います」
「どやかましいっ!」
怒られたが、かなみの頭をかじることによってうやむやにすることに成功。ふふ、我ながら冴え渡る頭脳に恐怖すら覚えかねない。
「……しっかし、アンタがそんなにツインテール好きとは知らなかったわ。うりうり」
うやむや失敗。かなみはニヤニヤ笑いながら自分の髪を持ち、髪の先で俺の頬をこしょこしょした。
「うぐぐ、毒がまわる」
「毒なんてないっ! ……あ、そか、照れ隠しね。なに、コレ好きなの?」
「や、そ、そんな好きでは? ない? 感じ?」
「こしょこしょこしょこしょ」
「あ、ああ、あああ……」(恍惚)
「うわ、面白……もっとやろ」
新しい性癖を目覚めさせられた。
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