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2024年11月22日
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【ツンデレと年越し】

2010年12月31日
 家でコタツ入ってテレビ見てたのに、かなみに呼び出された。超めんどくさいので嫌だと言ったが、来たらおっぱい見せてやると言うのでワープ9の速度でかなみ宅へ。
「はぁはぁ……きっ、来たぞ! おっぱいを!」
「嘘に決まってるじゃない、ばーか」
 玄関先ということも忘れ、膝から全力で崩れ落ちる。
「ちょ、そこまで落ち込まなくても……」
「なんて酷い奴だ! こんな手で何回も俺を騙しやがって! もう二度とひっかからねえからな!」
「このやりとり、今年だけで100回越すんだけど」
「先ほどの台詞により、俺には学習能力がないことが判明しました」
「そんなの最初っから知ってるわよ、ばーか」
「馬鹿馬鹿言うない。ていうかだな、用事ないなら呼ぶな。テレビ見てたんだよ」
「あるわよ。あるから呼んだに決まってるじゃない。ほら、行くわよ」
 かなみに引っ張られ、かなみの部屋に通される。
「ほら、入って」
「あい」
「はい、コタツ」
「もい」
 指し示されたコタツにもそもそ入る。
「うぉぉ、超寒ぃ! 畜生、罠だったか! 俺もここまでか!」
「スイッチ入ってないだけよ! イチイチ叫ぶな、ばか!」
 俺の頭をはたいてから、かなみはコタツのスイッチを入れ、自身もコタツに入った。しばらくすると、徐々に暖かくなってきた。
「ふぃぃ……死ぬかと思った」
「そのまま死んじゃえば良かったのに」
「なんて言い草だ。んで、用事ってのは?」
「あ、そだ。ミカン食べる?」
「食べる」
「んと……はい」
 手渡されたミカンの皮を剥き、実を食う。
「ん、甘い」
「でしょ」
 かなみと一緒に、点いてるテレビをぼんやり見る。
「……いやいやいや! 思わずまったりしてしまったが、用事はどうした?」
「うるさいなあ。今いいとこなんだからちょっと黙っててよ」
「あ、はい」
 しょうがないので、そのままかなみと一緒にぼーっとテレビ見てたら、なにやら足元がもぞもぞと。
「ちょっと。足触んないでよ、ヘンタイ」
「いやいや、お前が触ってきてるんだろ。もしくは、コタツに潜んでる空き巣がお前の足に偶然触れたんだろ」
「変な怖い嘘つくなっ! まったく……」
 と言いながらも、依然俺の足のもぞもぞ感は取れていない。
「あのさ、やっぱお前が触ってねえか?」
「してないわよ。ていっ、必殺の足四の字固め」
「全然なってねえ。ていうか語るに落ちてないか?」
「気のせいよ」
 何やらニヤニヤしながら、かなみは器用に足の指で俺の足をつねった。
「痛い痛い。何だその技」
「へへー。すごい? 将来はもっと改良してアンタの皮膚を引き千切れるようになるまで頑張るからね」
「将来の職業は拷問官がぴったりですね」
「最初の罪人はアンタに決定ね」
「たぶん冤罪で入れられるんだろうなあ」
「アンタのことだから下着ドロとか覗きとかで捕まるに決まってるじゃない。ばーかばーか」
「人の将来を勝手に決めおって……」
「私を拷問官なんかにして、人のこと言えないじゃない。……そ、それにしても寒いわね」
「コタツの温度上げたらどうだ?」
「もう最高まで上げてるわよ。……さ、寒いし、しょがないわよね」
「はい?」
 突然かなみがコタツの中にもぐった。これは大変かなみはヤドカリの亜種だったのかと思っていなかったら、俺のすぐ隣からかなみが顔を出した。
「あー暖かかった。う、うわ、アンタの横だったの。戻る場所間違えた」
「なんスか、その超棒読みは」
「で、でも、戻るのも面倒だし、ここからテレビ見よ」
「いや、意味が分からん。そして依然続くその棒読みは何なのだ」
「もうっ、うるさいっ! 集中できないでしょ!」
「なんで俺が怒られてるの?」
 そんなわけで、かなみと肩を寄せ合いながらテレビを見る。
「ちょっと、何触ってんのよ。いやらしいわね」
「狭いから肩があたるんだよ。冤罪だ。……はっ、いかん!」
「ふっふー。拷問官の出番かしらね?」
「やめて皮膚を取らないで!」
「えい、えい♪」
 かなみは楽しげに笑いながら俺の頬をふにふにと引っ張った。しかし、それは決して痛くはなく、優しいタッチでむしろ心地よいものだった。
「あははっ。あー楽し……くないっ!」
 さっきまで超笑ってたのに、突然かなみは怒った表情を見せた。
「なんだいきなり」
「う、うるさいっ! 調子乗るな、ばかっ!」
「繰り返すが、意味が分からん。いつ調子に乗った」
「その顔がなんか超調子乗ってる!」
「言いにくい。チョウチョウシ、チョウチョウシ。……いかん、俺の毛嫌いする日本語ラップが俺の口から! ええい、年末にかなみと過ごせる俺をやっかむ奴からの呪いかっ!?」
「知らんっ! ……て、ていうか、ボケの中に変なの入れるな、ばか」
「どれですか」
「うー……わ、分かってるくせに分からないフリとかするし」
「さてはて」
「うぅ……うぅーっ!」
「人の鼻をつまむな」
「さ……寒いっ!」
「は?」
「寒いからひっつくの! 他意はないのっ!」
 とかなんとか言いながら、かなみが俺にむぎゅーっと引っ付いてきた。
「いや、あの。先手を打たれたので何も言えない俺はどうすればいいのでしょうか」
「なるほど寒いからしょうがないねとか思ってもないこと思ってればいいじゃない、ばかっ!」
「無茶苦茶言ってることに気づいてますか?」
「ついでに私の頭とかなでたらいいじゃないのっ!」
「やっぱり意味が分からないのですが」
「私はそんなのされたらすっごく嫌だけど、どーせアンタは変態だから嫌がる私を見て喜ぶんでしょ!」
「変態ですが、紳士たれと思っている俺なので、嫌がる女性を見るのは趣味じゃないです」
「いーからなでろッ!」
「はい、すいません」
 おしっこちびるくらい怖かったので、すぐにかなみの頭をなでる。
「ううううぅ……」
「すいませんもうしないので殺さないでください」
「怒ってないッ! 恥ずかしーのっ!」
「なんだ。真っ赤な顔ですげぇ形相でこっち睨んでるんで、俺は今日死ぬんだと覚悟を決めるところだったぞ」
「馬鹿ばっか言って。ばか、ばーか!」
「はい、すいません」
「謝ってないで、そっちからもちゃんと抱っこしろ!」
「はい」
 もふっとかなみを抱っこしてから気づく。なんで俺かなみを抱っこしてるの?
「……い、言っとくけどね。アンタなんか嫌いなんだからねっ! ホントなんだから!」
「いや、聞いてないから」
「寒いからくっついてるの! ホントに! それ以外の理由皆無っ!」
「繰り返すが、聞いてないから。……あ、そだ」
「な、なに? 抱っこ嫌になった?」
「いや、それは全然」
「そ、そなんだ……。よかった──ってないッ! よくないの! あーホント抱っこされて嫌よねっ!」
「厄介な性質ですね」
「う、うるさい。ばか」
 ちょっと思うところがあったのか、かなみはほんのり頬を染めながら呟いた。
「そ、それで、何?」
「ああ、そうそう。何か用事があったんだろ? そのためにわざわざ俺を呼び出したみたいだし」
「そっ! ……そ、その、えっと。……アンタが一人で寂しいだろうから、わざわざ私が呼んであげたの! 感謝しなさいよねっ!」
「なるほど、かなみが寂しくなっちゃったのか。じゃあ仕方ないな」
「アンタ! アンタが寂しくなったの! 私はちっとも寂しくないの!」
「大丈夫、寂しくない。用事が済んだようなので俺はこれで」
「そうでもないッ!」
 コタツから出るフリをしたら、全体重をかけてかなみが阻止にかかった。
「かなみ、重い」
「うるさいっ! テレビ見終わって、一緒に年越しそば食べて、一緒に初詣行って、一緒に帰ったら解放してやるから、それまで我慢しなさいっ!」
「かなみと一緒にいるのに、我慢とか意味が分からないのですが」
「ず……頭突きっ!」
「痛いっ!?」
 宣言どおりの技をされて超痛え。
「いたた……あのな、かなみ。痛いから。痛すぎるから」
「あ、アンタが恥ずかしいこと言うからっ! ……恥ずかしくて死にそうじゃない、ばか」
「おおぅ。それは大変申し訳ありませんでした」
 全力で顔を赤くするかなみに、深々と礼をする。
「うぅー……ばか。ばかばか。死んじゃえ、ばか」
「さっきかなみが言ったことを全部やるので、許してはもらえませんでしょうか」
「……本年は色々お世話になりました。来年もよろしくお願いします」
「はいこちらこそお願いします。いやそうじゃなくて。え、なんでこのタイミングで挨拶?」
「今逃したら言えそうな気がしなかったの! あと抱っこが緩んでる!」
「あ、はい」
 かなみを抱っこしなおす。そのついでだかなんだか知らないが、かなみが小さい声でふにゅふにゅ言いながら俺にすりすりしてきたので頭がやヴぁくなってきた。
「う……に、ニヤニヤするな、ばかっ! アンタがすりすりしてきた時に苦しくてちょっと声が漏れちゃっただけよっ! 私からしたんじゃないんだからっ!」
「ああもう、いい匂いがするし柔らかいし素敵すぎるぞこの娘!」
「やっぱ変態! 年末年始ずーっと変態!」
 ぎゃうぎゃう言いながらも、結局かなみは俺にむぎゅーっと抱きついたままでした。
「勃たないようにするの超大変でした」
「本領発揮して下ネタ言うなっ、このド変態のサイテー男っ!」
 ぺちぺち叩かれながらも、かなみと一緒に初詣に向かう俺なのだった。

拍手[42回]

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Comment
無題

最後にこんな作品
作っちゃってさ////

頬が緩んだまま
年越しなんて事になったら
許さないんだから////

罰として来年も元気に
過ごしなさいよっ////

無題
かなみかわいいよかなみ

それはそうとあけおめ!
無題
は・な・じ!!は・な・じ!!
No title
かなみ本当に可愛い♪♪かなみシリーズもっとお願いします
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