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2024年11月22日
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【ツンデレと一緒に登校したら】

2012年12月04日
 最近寒いので登校がかったるい。
「うーむ。どうにかなりませンかねェ?」
「知らないわよ馬鹿。イチイチそんなことあたしに言うな馬鹿。寄るな馬鹿」
 などと、朝っぱら酷い罵声を浴びせてくるかなみさん。
「俺の名は馬鹿ではないです」
「うっさい。アンタなんて馬鹿で充分よ、馬鹿」
「酷い話だ。うー……にしても、ホント寒いな」
 ポケットに手をつっこんでいるものの、防寒具としての効果はほぼないと言っていいだろう。明日から手袋でも持ってくるか、と思ってると、不意にかなみがこちらをじぃーっと見ていることに気づいた。
「どしました?」
「べっつにぃー。ポケットに手つっこんで背中まるめて、カッコ悪いなーって思っただけー」
「つまり平時はかっこいんですねウヘヘヘヘ」
「そうなの?」
「……そう言い切れるほどの自信はないです。チクショウ」
「あははっ。弱いわねー」
 かなみは楽しそうにケラケラ笑いながら俺の頭をぽむぽむ叩いた。チクショウ。
「ほら、いーから背中伸ばしなさい。それくらいしかアンタの取り柄なんてないんだから」
「姿勢がいい、ってだけじゃ流石に履歴書の特技欄を埋めるのは難しそうだな」
「後は……そうね、大言壮語しがち?」
「意味は分からんが、嫌な予感はする」
「できそうにもないことや威勢のいいことを言うこと、おおぼらふきって意味よ」
「なるほどコンチクショウ」
「あははっ。ぶすーってして馬鹿みたい。ばーかばーか」
 またしても楽しげに人の頭をぽむぽむしやがる。失礼な奴め。
「あー朝から面白。アンタ将来道化師にでもなんなさいよ」
「せめてお笑い芸人とかって言ってくれません?」
「あー、それは無理ね。頭の回転が早くないと無理だもん。それに、アンタには道化の方がお似合いよ」
「チクショウ、こうなったら外国のピエロの専門学校に行ってビッグになってやる……!」
「えっ、ちょ、ちょっと。冗談よね?」
 突然かなみが焦ったように俺の腕をくいくい引っ張りながらそう言った。いきなりどうしたんだろうか。
「え、そりゃ、まあ」
「そ、そうよね。分かってたけどね。焦ってなんてないけどね」
「…………」
「……な、何よ。別にアンタがどこに行こうが知ったことじゃないわよ!」
「何も言ってません」
「うるさいうるさいうるさいっ!」
「あ、うるちゃいの方がロリっぽくて好みです!」
「ドやかましいッ!」
 超怒られた。
「いやはや。まー日本語しか使えないので外国に行く予定は今のところないです。なので安心しろ、ってのも変な話だがな。はっはっは」
「……べ、別に心配とかしてないし。むしろアンタがいない方がせーせーするし」
「ふむン。悲しいですね」
「……うー」
 なにやら唸られながら睨まれた。
「なんでせうか」
「……別に」
「むぅ。あまりそんな感じはしないのだけど。アレですか、見当違いなことを言って不快にさせましたか。だとしたらごめんね」
「……ふん。今日も馬鹿」ギュッ
「えっ」
 かなみは俺のポケットに手を突っ込むと、既に中にあった俺の手をギュッと握った。
「あの、これは」
「さ、寒いから。寒いから近くのポケットに手入れたの。女子の制服にはポケットないから」
 こっちを一切見ずに、かなみは一気にまくしたてた。
「ものすごい説明力ですね。あと俺の手ぎああああ」
 何やら俺のポケット内で異変があった模様。突如かなみの手が万力に変化し、俺の手をギリギリとしめつけている。
「何か、言った?」
 ギロリ、と殺し屋と見まごうばかりの目で俺をにらみつけるかなみ。超怖え。だが、言うべきことだけは言っておかねば。
「かなみと手をつなげて嬉しいなあ、と言った」
「~~~~~!///」ペシペシ
「痛い痛い」
 俺をぺしぺし叩きつつも、決して手を離そうとしないかなみと一緒に登校しました。

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Comment
無題
かなみ、可愛い♪かなみ嫁4は、来年には来ますか?
無題
かなみ可愛い♪ところでかなみは俺の嫁4はまだですか~?
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