[PR]
2024年11月21日
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
【顔文字 湖畔 メタセコイア】
2011年04月18日
休みの日は大体家にいるのだけど、たまにはどっか行きたいなあ。海とか山とか。
「むにゃー」
などと思いながら、人の上でぬべーっとしてる恋人を眺める。油断しきってやがる。このざまでは暗殺者に狙われでもたらひとたまりもないだろう。
「んー……ごろごろごろ」
人の上を転がりながら、近くにある雑誌を手に取る恋人の人。
「む、人がかぶった」
「ん? 何の話?」
俺の独り言に反応し、恋人であるところの凛が顔をこちらに向けた。
「俺の脳内の話」
話しながら凛の頭をなでる。サラサラして気持ちいい。
「今日も彰人はよく分かんない」
言葉とは裏腹に、凛は気持ちよさそうに目を細めている。どうにも猫っぽい。
「そんな奴を恋人にした苦悩は計り知れないな」
「彰人がどーしても凛と一緒にいたいよーって懇願するから一緒にいてあげてるだけだもーん」
「逆じゃなかったっけ?」
「ち、違うもん。彰人が言ったんだもん」
「そうだったか? 俺の記憶では、なんかステージの上で凛が」
「わ、わーっ! それ言うのナシ! 反則!」
凛は人の顔を遠慮なくびしばし叩くと、ごろごろ転がって、俺の腕に収まった。
「まったくもー。……ふぅ。やっぱここが一番落ち着くね」
「超顔が痛え」
「それくらい我慢するの!」
「口封じに叩きまくるってどうかと思うぞ」
「うるさいの! それより凛のために腕枕しなさい!」
「へーへー。腕枕はいいんだけど、俺の腕がしびれるのが難点ですよね」
「凛のためだから我慢できるよね?」
「勝手な話だ」
「えへへー♪」
腕枕をした状態で、一緒に雑誌を眺める。
「……あ、ねーねー彰人、ここ行きたい!」
凛が指し示したのは、雑誌の中に載ってるちょっとした記事だった。
「えーと……へえ、湖か。綺麗だな」
記事には湖畔の周りに立ち並ぶメタセコイアとかいう木々の特集が組んであった。生ける化石植物として有名、らしい。そういったものには疎いので初めて見るが。
「こゆとこをさ、一緒に歩いたりしたらさ、なんかさ、なんかさ、恋人っぽくない?」
しかし、凛の興味を引いたのは化石植物ではなく、湖畔の方のようだ。
「メタセコイアはいいのか」
「何それ? 知らないし、興味ないもん」
「花や木に詳しい女性って女らしくて素敵だよね」
「そんなの思ってもないくせに」
「まぁね。しかし、湖畔か……そだな、いいかもな。こういうとこなら人も少ないだろうから、お前のファンに囲まれる心配もないだろうし」
こいつは前まで歌って踊ってランラランな仕事をしており、辞めた今でも結構な数のファンがいる、らしい。未だに事務所にファンレターが届くとか。
「ファンで思い出したけどさ、事務所に届くファンレターの中身、半分以上は彰人への呪いらしいよ?」
「\(^o^)/」
「はぁ? 何してんのよ」
「や、動揺を隠し切れないだけだ」
ひょっとして、俺は今超やばい状態にあるのではないだろうか。こいつと一緒にいたら遠からず死ぬやも。
「…………」
俺の思考が顔に出たのか、凛は不安げに俺の腕を掴んだ。
「……あ、いや、うん。大丈夫。ずっと一緒だ、一緒」
まあ、そういうの全部ひっくるめて一緒にいることを誓ったんだ。大丈夫さ。
そんなことを思いながら、凛の頭を優しくなでる。
「と、当然よ。ずーっと一緒だもん。……も、もちろん凛はどーでもいいけど! 彰人がどーしてもって言うから一緒にいたげてるだけ!」
「へーへー」
「なんか感動が薄いー! ……あ、そだ。あのさ、もっかいさ、改めてどーしても一緒にいたいよーって言って?」
「もーしても一緒にいたいもー」
「なんか牛が混じってる!」
「実は牛人間なんだ」
「もー、超適当! もー! もー!」
そしてどういうわけだか凛が牛になった。不思議なので頭をなでてみた。
「もにゃー!」
牛と猫が混じった新生物がここに爆誕した。
「むにゃー」
などと思いながら、人の上でぬべーっとしてる恋人を眺める。油断しきってやがる。このざまでは暗殺者に狙われでもたらひとたまりもないだろう。
「んー……ごろごろごろ」
人の上を転がりながら、近くにある雑誌を手に取る恋人の人。
「む、人がかぶった」
「ん? 何の話?」
俺の独り言に反応し、恋人であるところの凛が顔をこちらに向けた。
「俺の脳内の話」
話しながら凛の頭をなでる。サラサラして気持ちいい。
「今日も彰人はよく分かんない」
言葉とは裏腹に、凛は気持ちよさそうに目を細めている。どうにも猫っぽい。
「そんな奴を恋人にした苦悩は計り知れないな」
「彰人がどーしても凛と一緒にいたいよーって懇願するから一緒にいてあげてるだけだもーん」
「逆じゃなかったっけ?」
「ち、違うもん。彰人が言ったんだもん」
「そうだったか? 俺の記憶では、なんかステージの上で凛が」
「わ、わーっ! それ言うのナシ! 反則!」
凛は人の顔を遠慮なくびしばし叩くと、ごろごろ転がって、俺の腕に収まった。
「まったくもー。……ふぅ。やっぱここが一番落ち着くね」
「超顔が痛え」
「それくらい我慢するの!」
「口封じに叩きまくるってどうかと思うぞ」
「うるさいの! それより凛のために腕枕しなさい!」
「へーへー。腕枕はいいんだけど、俺の腕がしびれるのが難点ですよね」
「凛のためだから我慢できるよね?」
「勝手な話だ」
「えへへー♪」
腕枕をした状態で、一緒に雑誌を眺める。
「……あ、ねーねー彰人、ここ行きたい!」
凛が指し示したのは、雑誌の中に載ってるちょっとした記事だった。
「えーと……へえ、湖か。綺麗だな」
記事には湖畔の周りに立ち並ぶメタセコイアとかいう木々の特集が組んであった。生ける化石植物として有名、らしい。そういったものには疎いので初めて見るが。
「こゆとこをさ、一緒に歩いたりしたらさ、なんかさ、なんかさ、恋人っぽくない?」
しかし、凛の興味を引いたのは化石植物ではなく、湖畔の方のようだ。
「メタセコイアはいいのか」
「何それ? 知らないし、興味ないもん」
「花や木に詳しい女性って女らしくて素敵だよね」
「そんなの思ってもないくせに」
「まぁね。しかし、湖畔か……そだな、いいかもな。こういうとこなら人も少ないだろうから、お前のファンに囲まれる心配もないだろうし」
こいつは前まで歌って踊ってランラランな仕事をしており、辞めた今でも結構な数のファンがいる、らしい。未だに事務所にファンレターが届くとか。
「ファンで思い出したけどさ、事務所に届くファンレターの中身、半分以上は彰人への呪いらしいよ?」
「\(^o^)/」
「はぁ? 何してんのよ」
「や、動揺を隠し切れないだけだ」
ひょっとして、俺は今超やばい状態にあるのではないだろうか。こいつと一緒にいたら遠からず死ぬやも。
「…………」
俺の思考が顔に出たのか、凛は不安げに俺の腕を掴んだ。
「……あ、いや、うん。大丈夫。ずっと一緒だ、一緒」
まあ、そういうの全部ひっくるめて一緒にいることを誓ったんだ。大丈夫さ。
そんなことを思いながら、凛の頭を優しくなでる。
「と、当然よ。ずーっと一緒だもん。……も、もちろん凛はどーでもいいけど! 彰人がどーしてもって言うから一緒にいたげてるだけ!」
「へーへー」
「なんか感動が薄いー! ……あ、そだ。あのさ、もっかいさ、改めてどーしても一緒にいたいよーって言って?」
「もーしても一緒にいたいもー」
「なんか牛が混じってる!」
「実は牛人間なんだ」
「もー、超適当! もー! もー!」
そしてどういうわけだか凛が牛になった。不思議なので頭をなでてみた。
「もにゃー!」
牛と猫が混じった新生物がここに爆誕した。
PR
また時間を見つけて、遊びに来させて頂きますね!