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2024年11月22日
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【うっかりしてドブにはまったツンデレ】
2011年04月24日
最近雨が多くて鬱陶しいよね。鬱陶しいなんて漢字、百回書いても覚えられないよ。
「とー」
とか考えながら傘を差してゆっくり学校から帰ってると、何やら横合いからそんな気の抜けた声が。そして、それと同時に何やら衝撃が。バランスを崩し、その結果俺の足は側溝に突っ込んでいます。
「ああっ! 足が! 水に! ドブに! 冷たい!」
「これほど醜態が似合うのは世界広しと言えど、おにーさんくらいです」
「なんとなくそうではないかと思ったがやっぱりテメェか、ふみ! ……お?」
そこにいたのは知り合いであるところの中学生、ふみだった。ただ、普段と違うところが少々。
「……なんですか。私の外見について言及するのはマナー違反だと思います」
「いや、外見っつーかなんつーか」
ふみの足は俺と同様、水というかドブでずぶ濡れずぶ汚れ(ずぶ汚れ……?)だった。
「……よもや蓋が外れていようとは。そして、増水でそれに気づかなかったとは。天才である私の人生において、唯一と言っていい汚点です」
憎々しげに口を歪ませるふみ。うん、それはいい。それはいいです。
「で、なんで俺までドブにはまらせた」
「私だけビショビショなんて不愉快です」
「なんて勝手な娘だ。脳改造してやる」
「むしろおにーさんが脳改造されるべきです。おにーさんの性的被害に常に遭っている私は疲労困憊です」
「人聞きが悪すぎる! 何もしてません!」
「おにーさんに遭遇すると、高確率でなでなでとか抱っことかされます」
「え、それも性的被害の範疇入るの?」
「当然です」
「じゃあもう何も言えません。自首するから一緒に警察来てくれない?」
「嫌です。おにーさんはそこのドブで無様に水死するのがお似合いです」
「え、死ぬほどの罪を犯してたの?」
「とはいえ、知り合いがぶくぶく膨れた水死体になるのを見るのも御免です。そんなのを見せられてPTSDになったらどうするつもりですか。慰謝料ください。一億円」
人を殺そうとするばかりか金まで請求しだした守銭奴のほっぺをぐにーっと引っ張る。
「めそめそ」
「ちっとも効いてねぇ! なぜなら真顔でめそめそ言ってるから!」
「抵抗しない中学生をニヤニヤしながら虐待するおにーさん、素敵です」
「ええい!」
諦めて手を離す。ふみは片手でほっぺをすりすりしていた。
「顔に出にくいだけで、痛いは痛いんですよ?」
「知らん!」
とは言いつつも、一応ほっぺをすりすりしてやる。
「どんな時でも女性の肌に触れようとするおにーさんの欲望には正直脱帽です」
「ちげー! 痛いの痛いの飛んでけー的な! そういうの!」
「呪いですね?」
「……いや、まあそうなんだけど、漢字はちょっと。まじない、な。のろい、じゃなくて」
空中に呪いという文字を書かれたので、一応訂正しておく。
「おにーさんが私を呪います」
「この故意犯め」
「これ以上大きくなるな、俺のロリ魂が萌えるこの丁度いい大きさのまま成長止まれ、というおにーさんの呪いが私を蝕みます」
「そろそろ黙らないと周囲が引くくらい恥も外聞もなく泣く、という俺の必殺技を見せつけるぞ」
「おにーさんに恥や外聞という概念があったとは驚きです。……はくちゅっ」
「くしゃみ?」
「くしゃみません。……くちゅっ」
「くしゃみだな。まあこんだけ濡れてたらな。……こっからだと俺の家の方が近いか。よし、俺の家来い。たぶん風呂沸いてるから」
「あまりに大胆な誘いに、さしもの私もドキドキです」
「ドキドキ土器王紀」
「……その返しは想定外です。おにーさんは小癪にも私の想像の外を行くから嫌いです」
「嫌いでもなんでもいいから行くぞ」
「むぅ」
頬を膨らませるちっこいのの手を引いて、家に帰りつく。幸いにも風呂は沸いていたので、ふみを脱衣場に追いやる。
「着てた服は洗濯機に突っ込んでくれていいから。入ってる間に着替え用意しとくよ」
「裸ワイのチャンスですよ、おにーさん」
5、6発チョップしてふみの目をぐるぐるにさせてから、脱衣場のドアを閉める。さて、着替え着替え。
「あがりましたよ、おにーさん」
「ん、そか。じゃ俺も……どういうことだ!!!?」
風呂からあがったふみは、裸ワイシャツ姿でした。
「萌え萌え?」
とりあえず頭をはたく。
「むぅ」
「むぅじゃねえ。ていうかどういうことだ。俺は普通のスウェットを置いといたんだけど」
「こんなこともあろうかと、以前おにーさんの家に来た時に仕込んでおきました」
「なんて無意味な用意周到さだ」
とはいえ驚いたので、賞賛を称えるべくふみの頭をなでる。
「…………」(少し嬉しそう)
「じゃあ、驚いたので普段着に着替えなさい」
「洗濯機に入れちゃいました」
「いや、意味が分からない」
「もうゴーゴー言いながら回ってます。取り出し不可です」
「……ええと。わざと?」
「意味が分かりません」
「……はぁ。まあいいや、とりあえず俺も風呂入ってくるから、部屋で待っててくれ」
「裸ワイシャツの女性を部屋に待たせるだなんて、おにーさんの妄想が現実に侵食してきてますね」
「ははははは。ふみは愉快だなあ」
ふみの鼻をぐにぐにーっとして溜飲を下げてから、風呂に入る。暖まった後、部屋に戻る。
「遅いです。あんまりにも遅いんで身体が冷えちゃいました」
ふみはベッドの上にぺたりと座りこみ、頬を膨らませていた。どうやらご機嫌ななめの様子。いや、コイツは基本ずっとご機嫌ななめなんだけど。
「10分も経ってないと思うんだが」
「おにーさんの10分が私の10分と同価値と思っていただなんて驚きです。私の1分は、おにーさんの時間に換算すると80年くらいの価値があります」
「お前の一分と俺の一生は同価値なのか」
「驚きの事実ですね、おにーさん」
とても悔しいので、ふみのほっぺを引っ張る。
「……って、お前本当に身体冷えてるじゃねえか!」
俺が風呂上りというのを差し引いても、ふみのほっぺは冷たかった。慌てて布団を広げ、ふみにかぶせる。
「むぅ。大げさです、おにーさん」
「うるせえ。ったく、お前は頭はいいけど、身体はそんな強い方じゃないんだからちっとは自衛しろ、馬鹿」
「むっ。馬鹿とはなんですか。さっき頭はいいと言ったのに馬鹿とは矛盾してるじゃないですか。おにーさんのばか」
「馬鹿のいうことにイチイチ腹を立てるな、馬鹿」
「むぅ! 私に馬鹿なんて言うの、おにーさんくらいです! おにーさんのばか!」
手が出た。すかさずふみの頭に手を置き、攻撃を防ぐ。
「むー! 射程範囲外に追いやるとは卑怯です! むー!」
「悔しければ腕の関節を外し、ズームパンチを俺の顎にブチ込むことだな。はっはっは」
「めめたぁ! めめたぁ!」
残念ながら擬音だけしかブチ込めなかったようで、ふみの手はついぞ俺に触れることはなかった。
「はぁはぁ……うう、おにーさんは今日も卑怯者です」
「リーチの差を活かした技です」
「むー。……はぷしゅ」
「お前のくしゃみはバリエーションに富んでるな」
「くしゃみじゃないです。くしゃみません」
「まあ、この調子で暖まってりゃ風邪ひかないだろ」
「風邪なんて引いたことないです。……ちゃぷちぇ」
「いや、流石にそのくしゃみは嘘だろ!」
「たまには焼肉食べたいです」
「知らん! いや、まあ俺も食べたいけど。食べたの何ヶ月前かなあ」
「ちゃぷちぇが飛び出すほどの寒さです。このままでは死にます」
「待って。まず前提条件であるところのちゃぷちぇが飛び出す寒さってのが理解できない」
「と、いうわけで。緊急避難行動です」
布団に包まった存在がもそもそ寄ってきたかと思ったら、同化された。
「……ええと」
流石に正面から抱きつかれると、恥ずかしい。
「……め、めめたぁ」
こつん、と顎に何か当たった。見ると、ふみの拳が俺の顎に触れていた。
「ず、ずーむぱんちです。波紋が流れたので、おにーさんは血ヘド吐いて死にます」
「お前はすぐに俺を殺そうとするのな」
「憎い相手を殺そうとするのは当然というものです」
「超怖いですね」
わっしわっしとふみの頭をなでる。
「……私の頭をなでる時、おにーさんはいっつも優しい顔してます」
「菩薩如来の再来か、と言われるほどの俺だからな。優しいのも当然さ」
「……いつだって嘘くさいです」
「ルパン三世の再来か、と言われるほどの俺だからな。嘘くさいのも当然さ」
「びっくりするくらい適当です。おにーさんのばか」
「いやはや。で、寒いのはマシになりましたかな、お嬢さん?」
「……春の雨は身体の奥底まで冷やしてしまうので、ちょっとやそっとじゃダメです」
「じゃあしょうがないな」
「しょがないのです」
ということらしいので、もうしばらく抱っこ続行。
「あ。そういえば折角の裸ワイシャツなのに、専用イベントが起きてません。起こしますか?」
「前々から思ってたが、お前の台詞はイチイチおかしい」
「おにーさんに侵食されたんですね。それで、どうしますか?」
「……まあ、一応、起こしておこうか」
「流石はおにーさん、どんな些細なイベントも消化するその貪欲な性欲には脱帽です」
「やっぱ起こさない!!!」
「もう遅いです。……えい」
「ん?」
「えい、えい」
「えーと。何をしているのでしょうか」
ふみは肩を寄せたり広げたりしている。何の運動だろうか。
「……失敗です。谷間を作っておにーさんを誘惑大作戦が、一切谷間が出来ません」
「あー……」
まあ、そりゃ、ねえ。一般的な中学生と比較しても、明らかに小さいし。……せせせ背の話ですよ!?
「……何かとても失礼なことを想像されてる気がします」
「お前、エスパーか」
「エスパーふみ。趣味はテレポーテーションです」
こいつは暇さえあれば俺の部屋に入り浸っているため、俺の蔵書に影響されやすい模様。
「将来の夢は、おにーさんをテレポートしてかべのなかにいさせることです」
「勝手に人をロストさせるな」
「まろーる、まろーる」
呪文を唱えながら人の顔を遠慮なくぺしぺし叩くふみだった。
「とー」
とか考えながら傘を差してゆっくり学校から帰ってると、何やら横合いからそんな気の抜けた声が。そして、それと同時に何やら衝撃が。バランスを崩し、その結果俺の足は側溝に突っ込んでいます。
「ああっ! 足が! 水に! ドブに! 冷たい!」
「これほど醜態が似合うのは世界広しと言えど、おにーさんくらいです」
「なんとなくそうではないかと思ったがやっぱりテメェか、ふみ! ……お?」
そこにいたのは知り合いであるところの中学生、ふみだった。ただ、普段と違うところが少々。
「……なんですか。私の外見について言及するのはマナー違反だと思います」
「いや、外見っつーかなんつーか」
ふみの足は俺と同様、水というかドブでずぶ濡れずぶ汚れ(ずぶ汚れ……?)だった。
「……よもや蓋が外れていようとは。そして、増水でそれに気づかなかったとは。天才である私の人生において、唯一と言っていい汚点です」
憎々しげに口を歪ませるふみ。うん、それはいい。それはいいです。
「で、なんで俺までドブにはまらせた」
「私だけビショビショなんて不愉快です」
「なんて勝手な娘だ。脳改造してやる」
「むしろおにーさんが脳改造されるべきです。おにーさんの性的被害に常に遭っている私は疲労困憊です」
「人聞きが悪すぎる! 何もしてません!」
「おにーさんに遭遇すると、高確率でなでなでとか抱っことかされます」
「え、それも性的被害の範疇入るの?」
「当然です」
「じゃあもう何も言えません。自首するから一緒に警察来てくれない?」
「嫌です。おにーさんはそこのドブで無様に水死するのがお似合いです」
「え、死ぬほどの罪を犯してたの?」
「とはいえ、知り合いがぶくぶく膨れた水死体になるのを見るのも御免です。そんなのを見せられてPTSDになったらどうするつもりですか。慰謝料ください。一億円」
人を殺そうとするばかりか金まで請求しだした守銭奴のほっぺをぐにーっと引っ張る。
「めそめそ」
「ちっとも効いてねぇ! なぜなら真顔でめそめそ言ってるから!」
「抵抗しない中学生をニヤニヤしながら虐待するおにーさん、素敵です」
「ええい!」
諦めて手を離す。ふみは片手でほっぺをすりすりしていた。
「顔に出にくいだけで、痛いは痛いんですよ?」
「知らん!」
とは言いつつも、一応ほっぺをすりすりしてやる。
「どんな時でも女性の肌に触れようとするおにーさんの欲望には正直脱帽です」
「ちげー! 痛いの痛いの飛んでけー的な! そういうの!」
「呪いですね?」
「……いや、まあそうなんだけど、漢字はちょっと。まじない、な。のろい、じゃなくて」
空中に呪いという文字を書かれたので、一応訂正しておく。
「おにーさんが私を呪います」
「この故意犯め」
「これ以上大きくなるな、俺のロリ魂が萌えるこの丁度いい大きさのまま成長止まれ、というおにーさんの呪いが私を蝕みます」
「そろそろ黙らないと周囲が引くくらい恥も外聞もなく泣く、という俺の必殺技を見せつけるぞ」
「おにーさんに恥や外聞という概念があったとは驚きです。……はくちゅっ」
「くしゃみ?」
「くしゃみません。……くちゅっ」
「くしゃみだな。まあこんだけ濡れてたらな。……こっからだと俺の家の方が近いか。よし、俺の家来い。たぶん風呂沸いてるから」
「あまりに大胆な誘いに、さしもの私もドキドキです」
「ドキドキ土器王紀」
「……その返しは想定外です。おにーさんは小癪にも私の想像の外を行くから嫌いです」
「嫌いでもなんでもいいから行くぞ」
「むぅ」
頬を膨らませるちっこいのの手を引いて、家に帰りつく。幸いにも風呂は沸いていたので、ふみを脱衣場に追いやる。
「着てた服は洗濯機に突っ込んでくれていいから。入ってる間に着替え用意しとくよ」
「裸ワイのチャンスですよ、おにーさん」
5、6発チョップしてふみの目をぐるぐるにさせてから、脱衣場のドアを閉める。さて、着替え着替え。
「あがりましたよ、おにーさん」
「ん、そか。じゃ俺も……どういうことだ!!!?」
風呂からあがったふみは、裸ワイシャツ姿でした。
「萌え萌え?」
とりあえず頭をはたく。
「むぅ」
「むぅじゃねえ。ていうかどういうことだ。俺は普通のスウェットを置いといたんだけど」
「こんなこともあろうかと、以前おにーさんの家に来た時に仕込んでおきました」
「なんて無意味な用意周到さだ」
とはいえ驚いたので、賞賛を称えるべくふみの頭をなでる。
「…………」(少し嬉しそう)
「じゃあ、驚いたので普段着に着替えなさい」
「洗濯機に入れちゃいました」
「いや、意味が分からない」
「もうゴーゴー言いながら回ってます。取り出し不可です」
「……ええと。わざと?」
「意味が分かりません」
「……はぁ。まあいいや、とりあえず俺も風呂入ってくるから、部屋で待っててくれ」
「裸ワイシャツの女性を部屋に待たせるだなんて、おにーさんの妄想が現実に侵食してきてますね」
「ははははは。ふみは愉快だなあ」
ふみの鼻をぐにぐにーっとして溜飲を下げてから、風呂に入る。暖まった後、部屋に戻る。
「遅いです。あんまりにも遅いんで身体が冷えちゃいました」
ふみはベッドの上にぺたりと座りこみ、頬を膨らませていた。どうやらご機嫌ななめの様子。いや、コイツは基本ずっとご機嫌ななめなんだけど。
「10分も経ってないと思うんだが」
「おにーさんの10分が私の10分と同価値と思っていただなんて驚きです。私の1分は、おにーさんの時間に換算すると80年くらいの価値があります」
「お前の一分と俺の一生は同価値なのか」
「驚きの事実ですね、おにーさん」
とても悔しいので、ふみのほっぺを引っ張る。
「……って、お前本当に身体冷えてるじゃねえか!」
俺が風呂上りというのを差し引いても、ふみのほっぺは冷たかった。慌てて布団を広げ、ふみにかぶせる。
「むぅ。大げさです、おにーさん」
「うるせえ。ったく、お前は頭はいいけど、身体はそんな強い方じゃないんだからちっとは自衛しろ、馬鹿」
「むっ。馬鹿とはなんですか。さっき頭はいいと言ったのに馬鹿とは矛盾してるじゃないですか。おにーさんのばか」
「馬鹿のいうことにイチイチ腹を立てるな、馬鹿」
「むぅ! 私に馬鹿なんて言うの、おにーさんくらいです! おにーさんのばか!」
手が出た。すかさずふみの頭に手を置き、攻撃を防ぐ。
「むー! 射程範囲外に追いやるとは卑怯です! むー!」
「悔しければ腕の関節を外し、ズームパンチを俺の顎にブチ込むことだな。はっはっは」
「めめたぁ! めめたぁ!」
残念ながら擬音だけしかブチ込めなかったようで、ふみの手はついぞ俺に触れることはなかった。
「はぁはぁ……うう、おにーさんは今日も卑怯者です」
「リーチの差を活かした技です」
「むー。……はぷしゅ」
「お前のくしゃみはバリエーションに富んでるな」
「くしゃみじゃないです。くしゃみません」
「まあ、この調子で暖まってりゃ風邪ひかないだろ」
「風邪なんて引いたことないです。……ちゃぷちぇ」
「いや、流石にそのくしゃみは嘘だろ!」
「たまには焼肉食べたいです」
「知らん! いや、まあ俺も食べたいけど。食べたの何ヶ月前かなあ」
「ちゃぷちぇが飛び出すほどの寒さです。このままでは死にます」
「待って。まず前提条件であるところのちゃぷちぇが飛び出す寒さってのが理解できない」
「と、いうわけで。緊急避難行動です」
布団に包まった存在がもそもそ寄ってきたかと思ったら、同化された。
「……ええと」
流石に正面から抱きつかれると、恥ずかしい。
「……め、めめたぁ」
こつん、と顎に何か当たった。見ると、ふみの拳が俺の顎に触れていた。
「ず、ずーむぱんちです。波紋が流れたので、おにーさんは血ヘド吐いて死にます」
「お前はすぐに俺を殺そうとするのな」
「憎い相手を殺そうとするのは当然というものです」
「超怖いですね」
わっしわっしとふみの頭をなでる。
「……私の頭をなでる時、おにーさんはいっつも優しい顔してます」
「菩薩如来の再来か、と言われるほどの俺だからな。優しいのも当然さ」
「……いつだって嘘くさいです」
「ルパン三世の再来か、と言われるほどの俺だからな。嘘くさいのも当然さ」
「びっくりするくらい適当です。おにーさんのばか」
「いやはや。で、寒いのはマシになりましたかな、お嬢さん?」
「……春の雨は身体の奥底まで冷やしてしまうので、ちょっとやそっとじゃダメです」
「じゃあしょうがないな」
「しょがないのです」
ということらしいので、もうしばらく抱っこ続行。
「あ。そういえば折角の裸ワイシャツなのに、専用イベントが起きてません。起こしますか?」
「前々から思ってたが、お前の台詞はイチイチおかしい」
「おにーさんに侵食されたんですね。それで、どうしますか?」
「……まあ、一応、起こしておこうか」
「流石はおにーさん、どんな些細なイベントも消化するその貪欲な性欲には脱帽です」
「やっぱ起こさない!!!」
「もう遅いです。……えい」
「ん?」
「えい、えい」
「えーと。何をしているのでしょうか」
ふみは肩を寄せたり広げたりしている。何の運動だろうか。
「……失敗です。谷間を作っておにーさんを誘惑大作戦が、一切谷間が出来ません」
「あー……」
まあ、そりゃ、ねえ。一般的な中学生と比較しても、明らかに小さいし。……せせせ背の話ですよ!?
「……何かとても失礼なことを想像されてる気がします」
「お前、エスパーか」
「エスパーふみ。趣味はテレポーテーションです」
こいつは暇さえあれば俺の部屋に入り浸っているため、俺の蔵書に影響されやすい模様。
「将来の夢は、おにーさんをテレポートしてかべのなかにいさせることです」
「勝手に人をロストさせるな」
「まろーる、まろーる」
呪文を唱えながら人の顔を遠慮なくぺしぺし叩くふみだった。
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ブログ拝見しました。
独自の世界が広がっていて、ひきつけられました。面白いですね。
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