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2024年12月04日
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【狐ねえ】
2010年02月27日
子供の頃に行方不明になったお姉ちゃんが帰ってきた。
弟「お帰りなさい、お姉ちゃん」
姉「お姉ちゃんは、もう弟の知っているお姉ちゃんじゃありません。……ほーら」
弟「あっ、お姉ちゃんの頭から耳が! ネコミミっぽい耳が!」
姉「それに、ほーら」
弟「あっ、しっぽ! お尻からふさふさのしっぽが!」
姉「ということで、お姉ちゃんは狐になって帰ってきました。狐なので、人間と馴れ合うつもりはありません」
弟「えっ……そうなの?」
姉「そうです。人間なんて下等な生き物、お姉ちゃんは嫌いです」
弟「その下等な生き物には、俺も含まれているけど」
姉「……じゃあ、弟も嫌いです」
弟「そんな!」
姉「嫌われたくなければ、油揚げを用意しなさい」
弟「なんで?」
姉「油揚げをお姉ちゃんに食べさせれば、少しは弟を好きになるかもしれません」
弟「つまり、お腹が空いてるんだね?」
姉「空いてません」(お腹をぐぅと鳴らしながら)
弟「お腹が鳴ったよ」
姉「気のせいです」(再びぐぅ)
弟「…………」
姉「……狐は誇り高い生き物なので、自分から頼んだりはしないのです」
弟「面倒な姉だなあ」
姉「山からここまで歩いてくるのは大変でした。お腹もぺこぺこです」
弟「分かったよ、買ってくるからちょっと待ってて」
姉「みっつ買ってきてください、みっつ。おいなりさんもあったら食べます」
弟「(ものすげー頼んでるじゃないか、誇り高い生き物さん)」
姉「何か言いましたか?」
弟「言ってません」
姉「あと、お菓子も食べたいです。山にはお菓子がありませんでした」
弟「んー、じゃあ適当に色々買ってくるよ」
姉「よい心がけです。お姉ちゃんが弟に心を開く日も、そう遠くないでしょう」
弟「人間と馴れ合うつもりはないって、さっき言ってなかった?」
姉「はっ。……えっと、お姉ちゃんはまだまだ心を開きません。油揚げぐらいじゃ懐柔されませんよ」
弟「じゃあ買ってこないよ?」
姉「ぬぬぬぬぬ。あんなに可愛かった弟は、小癪な輩に成長しています。返せ、可愛かった弟をかえせー」
弟「絶対に買ってこない。それどころか、狐の肉を買ってきてやる」
姉「成長した弟はいじわるだ! ふわーん!」
弟「ああお姉ちゃんが泣いてしまった。ごめんよ、お姉ちゃん」
姉「ぐしゅぐしゅ……」
弟「ところで、狐の肉って美味しいのかな?」
姉「ふわーん!」
弟「ああお姉ちゃんがまた泣いてしまった」
姉「……もぐもぐ」
弟「おいしい? お姉ちゃん」
姉「……まあまあです。でも、こんなので許しません。お姉ちゃんを騙すなんて、許せないことです」
弟「ははは。しかし、油揚げ好きだね、お姉ちゃん」
姉「狐ですから」
弟「狐でもなんでも、また会えて嬉しいよ」
姉「……お姉ちゃんはちょっと微妙です。弟がこんないじわるに成長してるとは思いもしませんでした」
弟「意地悪だなんて人聞きの悪い。あ、お姉ちゃん、いなりずしも食べなよ」
姉「分かりました。ぱくぱく。まあまあです」
弟「狐の肉入り」
姉「ふわーん!」
弟「嘘だよ」
姉「ぐぐぐ……また騙されました。お姉ちゃんをすぐ騙す、いけない弟です。大嫌いです」
弟「それは非常に残念だね」
姉「思ってないところも嫌いです」
弟「お帰りなさい、お姉ちゃん」
姉「お姉ちゃんは、もう弟の知っているお姉ちゃんじゃありません。……ほーら」
弟「あっ、お姉ちゃんの頭から耳が! ネコミミっぽい耳が!」
姉「それに、ほーら」
弟「あっ、しっぽ! お尻からふさふさのしっぽが!」
姉「ということで、お姉ちゃんは狐になって帰ってきました。狐なので、人間と馴れ合うつもりはありません」
弟「えっ……そうなの?」
姉「そうです。人間なんて下等な生き物、お姉ちゃんは嫌いです」
弟「その下等な生き物には、俺も含まれているけど」
姉「……じゃあ、弟も嫌いです」
弟「そんな!」
姉「嫌われたくなければ、油揚げを用意しなさい」
弟「なんで?」
姉「油揚げをお姉ちゃんに食べさせれば、少しは弟を好きになるかもしれません」
弟「つまり、お腹が空いてるんだね?」
姉「空いてません」(お腹をぐぅと鳴らしながら)
弟「お腹が鳴ったよ」
姉「気のせいです」(再びぐぅ)
弟「…………」
姉「……狐は誇り高い生き物なので、自分から頼んだりはしないのです」
弟「面倒な姉だなあ」
姉「山からここまで歩いてくるのは大変でした。お腹もぺこぺこです」
弟「分かったよ、買ってくるからちょっと待ってて」
姉「みっつ買ってきてください、みっつ。おいなりさんもあったら食べます」
弟「(ものすげー頼んでるじゃないか、誇り高い生き物さん)」
姉「何か言いましたか?」
弟「言ってません」
姉「あと、お菓子も食べたいです。山にはお菓子がありませんでした」
弟「んー、じゃあ適当に色々買ってくるよ」
姉「よい心がけです。お姉ちゃんが弟に心を開く日も、そう遠くないでしょう」
弟「人間と馴れ合うつもりはないって、さっき言ってなかった?」
姉「はっ。……えっと、お姉ちゃんはまだまだ心を開きません。油揚げぐらいじゃ懐柔されませんよ」
弟「じゃあ買ってこないよ?」
姉「ぬぬぬぬぬ。あんなに可愛かった弟は、小癪な輩に成長しています。返せ、可愛かった弟をかえせー」
弟「絶対に買ってこない。それどころか、狐の肉を買ってきてやる」
姉「成長した弟はいじわるだ! ふわーん!」
弟「ああお姉ちゃんが泣いてしまった。ごめんよ、お姉ちゃん」
姉「ぐしゅぐしゅ……」
弟「ところで、狐の肉って美味しいのかな?」
姉「ふわーん!」
弟「ああお姉ちゃんがまた泣いてしまった」
姉「……もぐもぐ」
弟「おいしい? お姉ちゃん」
姉「……まあまあです。でも、こんなので許しません。お姉ちゃんを騙すなんて、許せないことです」
弟「ははは。しかし、油揚げ好きだね、お姉ちゃん」
姉「狐ですから」
弟「狐でもなんでも、また会えて嬉しいよ」
姉「……お姉ちゃんはちょっと微妙です。弟がこんないじわるに成長してるとは思いもしませんでした」
弟「意地悪だなんて人聞きの悪い。あ、お姉ちゃん、いなりずしも食べなよ」
姉「分かりました。ぱくぱく。まあまあです」
弟「狐の肉入り」
姉「ふわーん!」
弟「嘘だよ」
姉「ぐぐぐ……また騙されました。お姉ちゃんをすぐ騙す、いけない弟です。大嫌いです」
弟「それは非常に残念だね」
姉「思ってないところも嫌いです」
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