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2025年01月28日
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【沙夜 鼻息】
2014年07月18日
毎日暑くて大変ね。俺は特に大変ね。
「…………」スヤァ
何故なら、幼馴染の沙夜が人の家に入り浸っては俺に抱きついて寝るから。
「はぁ……なんだってこいつはこんなクソ暑いのにヘーキな顔して寝れるかなあ……」
こっちは暑いやら沙夜の足が俺の足に絡みついてるやら柔らかいやらいい匂いやらで寝れやしねえってのに……ムカつくからほっぺ引っ張ってやれ。そーれ、びよーん。
「……? ……??」
沙夜が寝たまま困ったような顔をした。眉がハの字になってかわいい。
「……?」
やがて、薄っすら目が開いた。しまった、やりすぎた。
「あー、悪い沙夜。起こしたか」
「…………」ムニュムニュ
眠たげな目をこすり、沙夜は口の中で何か呟いた。猫みてえ。
「……~~~!」
そして大きく口を開けて大あくび。完全に猫だ。つか、幼馴染とはいえ、異性の前でこうまでさらけ出されると、なんというか……いやまあ抱き合って寝てる時点で充分アレなんだが、それはそれとして一応ね。
「沙夜。ちったあ恥じらいを持て」
「……?」
眠たげに目をしぱしぱさせてる沙夜に、一応言っておく。
「いやほら、いちおー俺も異性なんだし、あくびする時は口を手で覆うなりなんなりした方が色々といいのではなくって? と知らずマリーアントワネット風になりながら提案してみる」
「…………」
「え、俺は家族みたいなものだから気にしない? ……あー、まあ昔っからの付き合いだからなあ」
「…………」
「そして数年後には本物の家族になる? お前は何を言ってんだ」
是非は……その、まあアレだ。とりあえずデコピンしておく。
「っ! ~!」プンスカ
沙夜が怒った。プンスカしながら俺の肩を甘咬みしてくる。
「うーん。ちっとも痛くねえ。噛むならもっと肩甲骨を噛み砕くくらいの強い意志で!」
「…………」
「え、可哀想? おまいは怒ってたんじゃなかったのか」
「…………」
「……それはそれ、スか」
怒らせた俺が言うのもなんだが、どうにもこいつは優しすぎる。困ったものだ。
「…………」ペロペロ
「……なんで舐めてるんだ」
気がつけば甘咬みはぺろぺろへ移行していた。
「…………」
「しょっぱい? そりゃ暑いわ沙夜とくっついてるわで汗かいてるからな。つーか、味なんか聞いてねえ」
「…………」ペロペロ
「人の話を聞け」
「…………」ムーッ
「しょっぱい? 知らん。怒るな」
「…………」ペロペロ
「ヤだ、この娘ちょっとバカかも」キュン
「……! ……!」
「はいはい、怒るな」ナデナデ
「…………」ムフー
「むふーじゃねえ」ナデナデ
「…………」ムヒュー
鼻息の音を変えるなんて器用だなあ、と思いながら沙夜の頭をなでつつ半ばまどろんでる俺だった。
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この子はボソボソ喋ってるのか
それともタカシ(彰人?)が考えを読み取ってるのか
男が『え、』と前置きしてる場合は、大体沙夜が超小声で喋ってる。
という設定。