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2024年12月04日
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【沙夜 節分】
2010年02月02日
幼馴染の沙夜が豆まきをしたいという目で俺を見る。
「いや、どんな目だ」
「…………?」
「や、なんでもない。ええと、間違ってたら謝るが、ひょっとして豆まきがしたいのか?」
沙夜はコクコクうなずいた。
「……すげぇな、幼馴染の以心伝心ぱぅわー」
「…………?」
「なんでもない。しかし、なんでまたこんな微妙な時期に? やるなら節分の時にすればいいものを」
沙夜の目が『するの忘れてた』と訴えてきた。
「にゃるほど。ドジ」
沙夜のほっぺがぷくーっと膨れる。
「怒るねい。しかし、豆ねぇ……あったかなあ」
冷蔵庫の中身を思い出していると、沙夜はポケットをごそごそと探り、何かを取り出した。
「用意周到ですね」
コクコクうなずきながら、沙夜は取り出した袋から豆を何粒か取り出した。そして、大きく振りかぶった。
すわ豆惨殺事件発生か、と思ったが、沙夜は振りかぶった手の動きを緩め、ゆっくり俺の口の前まで持ってきた。
「え、まかないのか? 食うの?」
沙夜はコクコクうなずくと、俺に向け口を大きく開けた。
「……えと、ひょっとして、あーんしろって?」
大きく口を開けると、正解だったのか、沙夜はにっこり笑って俺の口の中に豆を一粒入れた。
「もむもむ。ふむ、おいしい」
豆を味わっていると、沙夜は俺に豆を一粒渡し、あーんと口を開いた。
「交代ですか」
嬉しそうにコクコクうなずくと、沙夜はおあーんと口を開けた。
「ふむ。沙夜、おあずけ、おあずけだ」
沙夜はおあえーんと口を開けたまま、じっと待った。
「いやはや、犬っぽくて可愛いなあ!」
何かが気に障ったのだろう、沙夜がじとーっとした目つきで俺を見る。
「冗談だよ。ほれ、あーん」
沙夜の口の中に豆を一粒入れ、さて戻ろうかと思った瞬間に指ごと捕食された。
「沙夜さん、食うのは豆であり、俺の指は食べ物ではないので出しなさい」
淡々と説明したのに、沙夜ときたら俺の話なんてちっとも聞かずに人の指をぺろぺろするばかり。
「出せ」
ぷるぷるぷる。沙夜の首が横に振られる。
「いや、ぷるぷるじゃなくて」
引き抜こうとしたら、沙夜は両手で俺の手を持ち、そのまま固定しやがった。
「百歩譲って豆まきが豆を食べさせあうのはいい。だが、これは確実に豆まきではないと思うが」
沙夜は分からないフリをして、俺の指に舌をからませた。いや、気持ちいいけど。
「楽しそうですね」
「♪」
「はぁ……まあいいや」
空いてる手で豆を拾い、ぽりぽり食う。煎ってあっておいしい。
「…………」
ふと、沙夜の舌が止まっていることに気づいた。ようやっと飽きてくれたか。
「ん? どした」
沙夜は俺の指から口を離すと、あーんと口を開けた。
「あー、俺が豆食ってるの見て自分も欲しくなった、と」
沙夜はコクコクうなずいた。
「しょーがねーなぁ……ほれ、あーん」
おあーんと開いてる口に、豆を入れる。そして、猿も驚くほどの素早さをもって指を引き抜く。失敗。
「♪」
両手でがっしり固定し、沙夜は俺の指をぺろぺろ舐めた。
「いや、あのさ。豆食えよ、豆」
沙夜は一旦俺の指を口から離すと、口の中に入れておいた豆をぼりぼり食べた。そして、すぐに俺の指を口に含んだ。
「……いや、食べたら指舐めてもいいという話ではない」
「…………」(うるうる)
「だけど俺は度量が宇宙一広いので舐めてもいいから泣かないでくださいお願いします!」
沙夜は簡単に泣き止むと、俺の指をちゅーちゅー吸い始めた。
「嘘泣きとか、ずるいと思うます」
沙夜はなんのことか分からないフリをして、楽しそうに俺の指を舐めるのだった。
「いや、どんな目だ」
「…………?」
「や、なんでもない。ええと、間違ってたら謝るが、ひょっとして豆まきがしたいのか?」
沙夜はコクコクうなずいた。
「……すげぇな、幼馴染の以心伝心ぱぅわー」
「…………?」
「なんでもない。しかし、なんでまたこんな微妙な時期に? やるなら節分の時にすればいいものを」
沙夜の目が『するの忘れてた』と訴えてきた。
「にゃるほど。ドジ」
沙夜のほっぺがぷくーっと膨れる。
「怒るねい。しかし、豆ねぇ……あったかなあ」
冷蔵庫の中身を思い出していると、沙夜はポケットをごそごそと探り、何かを取り出した。
「用意周到ですね」
コクコクうなずきながら、沙夜は取り出した袋から豆を何粒か取り出した。そして、大きく振りかぶった。
すわ豆惨殺事件発生か、と思ったが、沙夜は振りかぶった手の動きを緩め、ゆっくり俺の口の前まで持ってきた。
「え、まかないのか? 食うの?」
沙夜はコクコクうなずくと、俺に向け口を大きく開けた。
「……えと、ひょっとして、あーんしろって?」
大きく口を開けると、正解だったのか、沙夜はにっこり笑って俺の口の中に豆を一粒入れた。
「もむもむ。ふむ、おいしい」
豆を味わっていると、沙夜は俺に豆を一粒渡し、あーんと口を開いた。
「交代ですか」
嬉しそうにコクコクうなずくと、沙夜はおあーんと口を開けた。
「ふむ。沙夜、おあずけ、おあずけだ」
沙夜はおあえーんと口を開けたまま、じっと待った。
「いやはや、犬っぽくて可愛いなあ!」
何かが気に障ったのだろう、沙夜がじとーっとした目つきで俺を見る。
「冗談だよ。ほれ、あーん」
沙夜の口の中に豆を一粒入れ、さて戻ろうかと思った瞬間に指ごと捕食された。
「沙夜さん、食うのは豆であり、俺の指は食べ物ではないので出しなさい」
淡々と説明したのに、沙夜ときたら俺の話なんてちっとも聞かずに人の指をぺろぺろするばかり。
「出せ」
ぷるぷるぷる。沙夜の首が横に振られる。
「いや、ぷるぷるじゃなくて」
引き抜こうとしたら、沙夜は両手で俺の手を持ち、そのまま固定しやがった。
「百歩譲って豆まきが豆を食べさせあうのはいい。だが、これは確実に豆まきではないと思うが」
沙夜は分からないフリをして、俺の指に舌をからませた。いや、気持ちいいけど。
「楽しそうですね」
「♪」
「はぁ……まあいいや」
空いてる手で豆を拾い、ぽりぽり食う。煎ってあっておいしい。
「…………」
ふと、沙夜の舌が止まっていることに気づいた。ようやっと飽きてくれたか。
「ん? どした」
沙夜は俺の指から口を離すと、あーんと口を開けた。
「あー、俺が豆食ってるの見て自分も欲しくなった、と」
沙夜はコクコクうなずいた。
「しょーがねーなぁ……ほれ、あーん」
おあーんと開いてる口に、豆を入れる。そして、猿も驚くほどの素早さをもって指を引き抜く。失敗。
「♪」
両手でがっしり固定し、沙夜は俺の指をぺろぺろ舐めた。
「いや、あのさ。豆食えよ、豆」
沙夜は一旦俺の指を口から離すと、口の中に入れておいた豆をぼりぼり食べた。そして、すぐに俺の指を口に含んだ。
「……いや、食べたら指舐めてもいいという話ではない」
「…………」(うるうる)
「だけど俺は度量が宇宙一広いので舐めてもいいから泣かないでくださいお願いします!」
沙夜は簡単に泣き止むと、俺の指をちゅーちゅー吸い始めた。
「嘘泣きとか、ずるいと思うます」
沙夜はなんのことか分からないフリをして、楽しそうに俺の指を舐めるのだった。
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