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2024年12月04日
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【沙夜 エイプリルフール】
2010年01月29日
今日はエイプリルフールだ。4月1日ったらそうなんだ。
そんなわけで、何か嘘をつきたいらしく、さっきから幼馴染の沙夜が俺の部屋で腕を組んで考えている。
「あのさ、沙夜。別にいいんだが、なんで俺の部屋で考えてるんだ? 自分の部屋の方が落ち着くだろ」
そう言いながら近寄ると、沙夜は怒ったように手を振り回した。邪魔してほしくないらしい。
「分かった、分かったよ。邪魔しねーから存分に考えてくれ」
困ったなぁ、と思いながら漫画でも読んで時間を潰す。
「……ん?」
数冊読み終え、次の漫画を取ろうと腕を伸ばしてたら、沙夜がゆっくりとこちらに近づいてきた。
「思いついたか。さあ、この嘘王のお眼鏡に適う嘘はつけるかな?」
沙夜は鼻息をばふーと吐くと、意を決したように両手で握りこぶしを作った。やる気充分だな。
しかし、こいつは基本的に喋るのが好きじゃない。いったいどうやって嘘をつくのかと思っていたら、沙夜は顔をぷいっとそむけた。
「……えーと?」
どういう意図なのか分からず困っていると、沙夜も同じように困っていた。そして、もう一度顔をぷいっとそむけた。
「うーん……はっ! まさか、俺に愛想をつかしたってサインか!?」
沙夜は嬉しそうにコクコク頷いた。いや、嬉しそうにするな。一応愛想つかしてるんだろ。
さて、どうしよう。これに乗って俺からも離れるフリをするってのも手だが、頑なに嫌がるのも面白そうだ。
「嫌だ! 俺は沙夜と離れたくない!」
俺内部での協議の結果、後者を採ることに決定。沙夜のちっこい体をぎゅっと抱きしめ、すりすりしてみる。
「っ!? …………」
沙夜は困惑した様子で小さく腕を動かしたが、それ以上強い反抗はしてこなかった。
「……♪」
それどころか、俺の背中に腕を回し、嬉しそうに抱きついてくる始末。
「いや、沙夜さん。なんで普通に抱っこしかえしてんだ」
「?」
「お前は俺に愛想をつかしてるんだろ? じゃあ、嫌がらないと」
沙夜は悲しそうな顔をした。
「そんな顔してもダメだ。お前は俺のことが嫌い、でも俺は沙夜のことが好き、って設定で」
沙夜はほんのり頬を染めた。
「赤くなるな。設定だ、設定。じゃ、開始ー」
沙夜から離れ、ぱんと手を叩く。沙夜はわたわたした後、居住まいを正した。そして、三度顔をぷいっとそらした。
「おまいはそればっかか」
沙夜の眉毛が情けない八の字を描く。
「まあいいや。……こほん。例え愛想をつかされているとしても、俺はお前と一緒にいたいよ」
沙夜は阿呆みたいに口をほけーっと開けたまま俺を見た。ちょっと心が折れそうだけど、頑張る。
「な、沙夜。俺のダメなところ、教えてくれないか? 頑張って直すから、これからも一緒にいさせてくれないか?」
沙夜の手を握り、真摯に訴えかけてみる。冷静になると死にそうなので、全力で自分を騙す。
「……! ……!」
沙夜はあわあわしながら俺の手と顔を交互に見た。
「沙夜……」
なんかもう茹でタコみたいに赤くなってる沙夜に、優しく囁きかける。
「…………」(むちゅー)
「なんでやねん」
そっと目をつむり、唇を突き出す沙夜のでこにチョップ。
「……! ……!」
沙夜はおでこを押さえ、半泣きで怒った。
「怒るな。おまいは俺を嫌ってるって設定だろうが。なんでキス待ち状態になってんだよ」
「…………」
不満げな様子で、沙夜は俺を見た。
「じゃ、も一回な。次はちゃんとしろよ?」
コクコクうなずくのを確認してから、数度咳払い。
「ん、んん……沙夜。どうか俺とずっと一緒にいてくれないか?」
沙夜はニコニコ笑いながら俺に抱きついてきた。ほっぺすりすりのサービスも追加ときたもんだ。
「テメェ、実はもうやる気ねーだろ!」
「♪♪♪」
ひたすら嬉しそうな沙夜だった。
そんなわけで、何か嘘をつきたいらしく、さっきから幼馴染の沙夜が俺の部屋で腕を組んで考えている。
「あのさ、沙夜。別にいいんだが、なんで俺の部屋で考えてるんだ? 自分の部屋の方が落ち着くだろ」
そう言いながら近寄ると、沙夜は怒ったように手を振り回した。邪魔してほしくないらしい。
「分かった、分かったよ。邪魔しねーから存分に考えてくれ」
困ったなぁ、と思いながら漫画でも読んで時間を潰す。
「……ん?」
数冊読み終え、次の漫画を取ろうと腕を伸ばしてたら、沙夜がゆっくりとこちらに近づいてきた。
「思いついたか。さあ、この嘘王のお眼鏡に適う嘘はつけるかな?」
沙夜は鼻息をばふーと吐くと、意を決したように両手で握りこぶしを作った。やる気充分だな。
しかし、こいつは基本的に喋るのが好きじゃない。いったいどうやって嘘をつくのかと思っていたら、沙夜は顔をぷいっとそむけた。
「……えーと?」
どういう意図なのか分からず困っていると、沙夜も同じように困っていた。そして、もう一度顔をぷいっとそむけた。
「うーん……はっ! まさか、俺に愛想をつかしたってサインか!?」
沙夜は嬉しそうにコクコク頷いた。いや、嬉しそうにするな。一応愛想つかしてるんだろ。
さて、どうしよう。これに乗って俺からも離れるフリをするってのも手だが、頑なに嫌がるのも面白そうだ。
「嫌だ! 俺は沙夜と離れたくない!」
俺内部での協議の結果、後者を採ることに決定。沙夜のちっこい体をぎゅっと抱きしめ、すりすりしてみる。
「っ!? …………」
沙夜は困惑した様子で小さく腕を動かしたが、それ以上強い反抗はしてこなかった。
「……♪」
それどころか、俺の背中に腕を回し、嬉しそうに抱きついてくる始末。
「いや、沙夜さん。なんで普通に抱っこしかえしてんだ」
「?」
「お前は俺に愛想をつかしてるんだろ? じゃあ、嫌がらないと」
沙夜は悲しそうな顔をした。
「そんな顔してもダメだ。お前は俺のことが嫌い、でも俺は沙夜のことが好き、って設定で」
沙夜はほんのり頬を染めた。
「赤くなるな。設定だ、設定。じゃ、開始ー」
沙夜から離れ、ぱんと手を叩く。沙夜はわたわたした後、居住まいを正した。そして、三度顔をぷいっとそらした。
「おまいはそればっかか」
沙夜の眉毛が情けない八の字を描く。
「まあいいや。……こほん。例え愛想をつかされているとしても、俺はお前と一緒にいたいよ」
沙夜は阿呆みたいに口をほけーっと開けたまま俺を見た。ちょっと心が折れそうだけど、頑張る。
「な、沙夜。俺のダメなところ、教えてくれないか? 頑張って直すから、これからも一緒にいさせてくれないか?」
沙夜の手を握り、真摯に訴えかけてみる。冷静になると死にそうなので、全力で自分を騙す。
「……! ……!」
沙夜はあわあわしながら俺の手と顔を交互に見た。
「沙夜……」
なんかもう茹でタコみたいに赤くなってる沙夜に、優しく囁きかける。
「…………」(むちゅー)
「なんでやねん」
そっと目をつむり、唇を突き出す沙夜のでこにチョップ。
「……! ……!」
沙夜はおでこを押さえ、半泣きで怒った。
「怒るな。おまいは俺を嫌ってるって設定だろうが。なんでキス待ち状態になってんだよ」
「…………」
不満げな様子で、沙夜は俺を見た。
「じゃ、も一回な。次はちゃんとしろよ?」
コクコクうなずくのを確認してから、数度咳払い。
「ん、んん……沙夜。どうか俺とずっと一緒にいてくれないか?」
沙夜はニコニコ笑いながら俺に抱きついてきた。ほっぺすりすりのサービスも追加ときたもんだ。
「テメェ、実はもうやる気ねーだろ!」
「♪♪♪」
ひたすら嬉しそうな沙夜だった。
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無題
無口っ娘はかわいい!!